「danger」と「dangerous」の違いとは?危険を示す英単語を解説

「danger」と「dangerous」、どちらも「危険」に関連する英単語ですが、使い分けに迷うことはありませんか?

見た目も似ているこの二つの単語、実は明確な違いがあります。

ポイントは品詞の違い。「danger」は名詞、「dangerous」は形容詞です。この違いさえ理解すれば、使い分けは難しくありません。

この記事を読めば、「danger」と「dangerous」の意味の違いから、品詞としての役割、具体的な使い方、そしてよくある間違いまでスッキリ理解できます。もう英語で「危険」を表現する際に迷うことはありません。

それでは、まず最も重要な違いから見ていきましょう。

結論:一覧表でわかる「danger」と「dangerous」の最も重要な違い

【要点】

「danger」は「危険」そのものや「危険な状態・場所・物」を指す名詞です。一方、「dangerous」は「危険な」「危ない」という意味で、物事の性質や状態を表す形容詞です。何を修飾するか、文の中でどのような役割を果たすかで使い分けます。

まず、結論からお伝えしますね。

「danger」と「dangerous」の最も重要な違いを、以下の表にまとめました。これさえ押さえれば、基本的な使い分けはバッチリです。

項目 danger dangerous
品詞 名詞 形容詞
主な意味 危険、危機、脅威
(危険な状態、場所、物)
危険な、危ない、物騒な
役割 文の主語、目的語、補語になる。
(例:Danger lurks. 危険が潜む)
名詞を修飾したり、文の補語になったりする。
(例:a dangerous place 危険な場所)
使い方 危険という概念や存在そのものを指す。 何かが危険であるという性質や状態を説明する。
in danger (危険な状態で)
out of danger (危険を脱して)
dangerous animal (危険な動物)
It’s dangerous to swim here. (ここで泳ぐのは危険だ)

一番大切なポイントは、「danger」が名詞、「dangerous」が形容詞であるということです。

日本語ではどちらも「危険」と訳せることが多いですが、英語では文法的な役割が全く異なります。名詞は物の名前、形容詞は物の様子を表す、という基本を思い出せば、使い分けが見えてきますね。

なぜ違う?言葉の成り立ちと品詞の違いからイメージを掴む

【要点】

「danger」はラテン語の「支配されること」が語源で、「危険」という概念・実体を表す名詞です。「dangerous」は「danger」に形容詞を作る接尾辞「-ous」が付いた形で、「危険な性質を持つ」という状態や性質を表します。

なぜこの二つの言葉が異なる品詞になったのか、成り立ちを探ってみましょう。

「danger」の成り立ち:危険そのものを指す「名詞」

「danger」の語源は、古フランス語の “dangier” に遡ります。これはさらに俗ラテン語の “*domniarium*”(支配、権力)に由来し、「支配されること」「意のままにされること」といった意味合いを持っていました。そこから「危害を加えられる可能性」「危険な状態」という意味へと変化し、英語に取り入れられました。

つまり、「danger」は、危害や損失を引き起こす可能性のある、具体的な「何か」や抽象的な「状態」そのものを指す言葉として定着したんですね。だからこそ、文の中で主語や目的語になれる「名詞」なのです。

「dangerous」の成り立ち:危険な状態を表す「形容詞」

一方、「dangerous」は、名詞である「danger」に、「~に満ちた」「~の性質を持つ」といった意味の形容詞を作る接尾辞 “-ous” が付いてできた言葉です。

他にも “-ous” が付く形容詞には、”famous” (fame + ous)、”poisonous” (poison + ous)、”mysterious” (mystery + ous) などがありますね。

この成り立ちから、「dangerous」は、「danger(危険)に満ちた」「danger(危険)の性質を持つ」という意味を表します。

つまり、「dangerous」は、人や物、状況などが「危険である」という性質や状態を説明するための「形容詞」として機能するわけです。

具体的な例文で使い方をマスターする

【要点】

「Danger! Keep out.(危険!立ち入り禁止)」のように警告として使うのは名詞の「danger」。「That dog looks dangerous.(あの犬は危なそうだ)」のように性質を表すのは形容詞の「dangerous」です。文中でどのような働きをしているかに注目しましょう。

言葉の違いは、具体的な例文で確認するのが一番ですよね。

それぞれの品詞がどのように使われるか、見ていきましょう。

「danger」を使う場面(名詞)

名詞「danger」は、文の主語、目的語、補語になったり、前置詞の後ろに来たりします。

  • The soldiers faced constant danger. (兵士たちは絶え間ない危険に直面した。) – face の目的語
  • Smoking is a danger to your health. (喫煙は健康にとって危険です。) – be動詞の補語
  • He is now out of danger. (彼は今や危険を脱した。) – 前置詞 of の目的語
  • There was an element of danger in the plan. (その計画には危険な要素があった。) – 前置詞 of の目的語
  • Danger! High voltage. (危険!高電圧。) – 警告の標識など(単独で名詞として使用)

「in danger of ~」(~の危険があって)、「the danger is that ~」(危険なのは~ということだ)といった定型表現もよく使われますね。

「dangerous」を使う場面(形容詞)

形容詞「dangerous」は、名詞を修飾したり、be動詞などの後ろに来て補語になったりします。

  • Be careful, this is a dangerous road. (気をつけて、これは危険な道です。) – road を修飾
  • It is dangerous to play with fire. (火遊びは危険です。) – It is ~ to … の構文で補語に
  • The situation became increasingly dangerous. (状況はますます危険になった。) – become の補語
  • He is known as a dangerous criminal. (彼は危険な犯罪者として知られている。) – criminal を修飾
  • Why did you do such a dangerous thing? (なぜそんな危険なことをしたのですか?) – thing を修飾

「dangerous」は物事の性質を表すので、「a dangerous person」(危険人物)、「dangerous driving」(危険運転)のように名詞の前に置かれることが多いですね。

これはNG!間違えやすい使い方

品詞を混同すると、文法的におかしな文になってしまいます。

  • 【NG】 This area is danger.
  • 【OK】 This area is dangerous. (この地域は危険です。)
  • 【OK】 There is danger in this area. (この地域には危険があります。)

be動詞の後ろには、補語として名詞か形容詞が来ますが、「この地域=危険そのもの」ではないため、名詞の danger は不自然です。「この地域は危険な(状態である)」という意味なので、形容詞の dangerous を使うのが正しいです。もしくは、「危険が存在する」という意味で There is danger … とします。

  • 【NG】 He drives in a danger way.
  • 【OK】 He drives in a dangerous way. (彼は危険な運転をする。)

「way」(方法、やり方)という名詞を修飾するには、形容詞の dangerous が必要です。名詞の danger は名詞を修飾できません。

  • 【NG】 Be careful of the dangerous.
  • 【OK】 Be careful of the danger. (危険に気をつけて。)

前置詞 of の後ろには名詞(または動名詞)が来るため、danger を使います。形容詞 dangerous をそのまま置くことはできません。(ただし、”the dangerous” が文脈上「危険な人々」「危険なもの」を意味する限定的な用法はありえますが、一般的ではありません。)

「danger」と「dangerous」の違いを英語の専門家が解説

【要点】

英語の専門家から見ると、「danger」と「dangerous」の使い分けは、英語の基本的な文法ルール(品詞の役割)に関わる問題です。「danger」は「何が」危険なのか(危険の実体)を、「dangerous」は「どのような」危険なのか(危険の性質)を示すと考えます。文の中で主語や目的語が必要な場所には「danger」、名詞を説明したり状態を表したりする場所には「dangerous」を使う、という原則を徹底することが重要です。

英語教育や翻訳に携わる専門家の視点から、「danger」と「dangerous」の違いを見てみましょう。

この二つの単語の使い分けは、英語学習の初期段階でつまずきやすいポイントの一つですが、根本にあるのは品詞(名詞と形容詞)の役割の違いという、非常に基本的な文法ルールです。

専門家が強調するのは、まず文の構造を正しく理解することです。

例えば、「何が」危険なのか、その「危険」という実体・概念そのものについて述べたい場合、それは文の主語や目的語になるため、名詞の「danger」を使います。

  • 例:Danger was everywhere. (危険は至る所にあった。) – 主語
  • 例:We must avoid the danger. (我々はその危険を避けなければならない。) – 目的語

一方で、ある人や物、場所、状況などが「どのような」性質を持っているのか、つまり「危険な」状態であることを説明したい場合は、名詞を修飾したり、文の補語になったりする形容詞の「dangerous」を使います。

  • 例:That is a dangerous mission. (それは危険な任務だ。) – 名詞 mission を修飾
  • 例:Swimming alone can be dangerous. (一人で泳ぐのは危険な場合がある。) – be動詞の補語

専門家は、単語の意味だけでなく、文の中での働き(=品詞)を意識することが、正しい英語を使うための鍵であると指摘します。「danger」と「dangerous」は、その典型的な例と言えるでしょう。

また、微妙なニュアンスの違いとして、「danger」は客観的な危険の存在を示すことが多いのに対し、「dangerous」は主観的な判断(「危ない」と感じる)を含む場合もある、と付け加える専門家もいます。しかし、基本はあくまで品詞の違いと捉えるのが、学習者にとっては最も分かりやすいアプローチです。

僕が「danger」と「dangerous」を混同していた頃の話

僕が英語を学び始めたばかりの中学生の頃、「danger」と「dangerous」の違いがよく分からず、テストで痛い目にあった記憶があります。

確か、「その川で泳ぐのは危険です」という日本語を英訳する問題だったと思います。当時の僕は、単語の意味だけを丸暗記していて、品詞なんてほとんど意識していませんでした。「危険=danger」と単純に覚えていたんですね。

だから自信満々に “It’s danger to swim in the river.” と書いて、バツをもらいました。

解答は “It’s dangerous to swim in the river.” でした。

なぜ間違いなのか、最初は全く理解できませんでした。「だって danger は危険って意味じゃないか!」と。先生に質問に行って、初めて「danger は名詞、dangerous は形容詞だから、It’s の後には形容詞が来るんだよ」と教わりました。

頭では理解できても、感覚的にピンときませんでした。日本語だと「危険」という一言で名詞的にも形容詞的にも使える場面があるように感じていたからです(「危険だ」「危険な場所」「危険が伴う」など)。

その後も、英作文や会話で “This place is danger.” と言ってしまったり、”dangerous” を使うべきところで “danger” を使ってしまったり、なかなか癖が抜けませんでした。

転機になったのは、ある洋画のワンシーンでした。主人公が危機的な状況で “We are in danger!” と叫び、別のシーンでは悪役を指して “He is a dangerous man.” と言っていたのです。

その二つのセリフを聞いたとき、「in danger(危険な状態の中にいる)」という塊と、「dangerous man(危険な性質を持つ男)」という修飾関係が、映像と共にスッと頭に入ってきました。

ああ、名詞は「状態」や「存在」そのものを、形容詞は「性質」を表すんだな、と。教科書の説明よりも、実際の使われ方に触れたことで、ようやく腹落ちした瞬間でした。

それ以来、「danger」は「危険というモノやコト」、「dangerous」は「危険な~」という性質、とイメージすることで、混同することはなくなりました。

たかが品詞の違いですが、言葉の働きを理解することが、外国語を学ぶ上でいかに重要かを教えてくれた、忘れられない経験です。

「danger」と「dangerous」に関するよくある質問

「危険な場所」は英語でどう言いますか?

“a dangerous place” と表現します。「place」(場所)という名詞を、「dangerous」(危険な)という形容詞が修飾する形です。”a danger place” とは言いません。

「危険にさらされている」はどちらを使いますか?

「be in danger」という形で、名詞の「danger」を使います。直訳すると「危険の中にいる」となり、「危険な状態にある」「危険にさらされている」という意味を表します。例えば、「The species is in danger of extinction.」(その種は絶滅の危機に瀕している)のように使います。

結局、どう使い分ければいいですか?

文の中で「危険」が主語や目的語など「モノ・コト」として使われているなら名詞の「danger」、名詞を修飾したり「~は危険だ」と状態を説明したりしているなら形容詞の「dangerous」を使います。品詞の役割を意識することが最も重要です。

「danger」と「dangerous」の違いのまとめ

「danger」と「dangerous」の違い、スッキリご理解いただけたでしょうか。

最後に、この記事のポイントをまとめておきますね。

  1. 品詞が違う「danger」は名詞(危険、危機)、「dangerous」は形容詞(危険な、危ない)。
  2. 役割が違う:「danger」は文の主語や目的語になる、「dangerous」は名詞を修飾したり補語になる。
  3. 意味合いが違う:「danger」は危険という概念や存在そのもの、「dangerous」は危険な性質や状態を表す。
  4. 成り立ち:「dangerous」は「danger」に形容詞化の接尾辞「-ous」が付いた形。

この二つの単語の使い分けは、英語の基本的な文法ルールに基づいています。それぞれの品詞が文の中でどのような役割を果たすかを理解すれば、間違うことは少なくなるはずです。

これから自信を持って、「danger」と「dangerous」を使い分けていきましょう。言葉の使い分けについてさらに知りたい方は、カタカナ語・外来語の違いをまとめたページもぜひご覧ください。