「この会議は隔週開催です」「毎週月曜日にレポートを提出してください」…。
スケジュールや頻度を表す際によく使われる「隔週(かくしゅう)」と「毎週(まいしゅう)」。どちらも「週」単位の繰り返しを示しますが、その頻度には大きな違いがあります。あなたは正しく理解して使い分けていますか?
「隔週って、結局どっちの週だっけ?」と、うっかり勘違いして予定を間違えてしまった…なんて経験がある方もいるかもしれませんね。実はこの二つの言葉、1週おきなのか、欠かさず全ての週なのかで明確に区別される、シンプルな違いがあるんです。この記事を読めば、「隔週」と「毎週」それぞれの正確な意味、具体的な使い分け、さらには「毎月」との違いまでスッキリ理解できます。もう迷うことはありません。
それでは、まず最も重要な違いから見ていきましょう。
結論:一覧表でわかる「隔週」と「毎週」の最も重要な違い
基本的には、「隔週」は1週間おき、つまり2週間に1回の頻度を示します。一方、「毎週」はどの週も欠かさず、つまり1週間に1回の頻度を示します。「隔」は隔たり、「毎」はごとごと、と覚えるのが簡単です。
まず、結論からお伝えしますね。
「隔週」と「毎週」の最も重要な違いを、以下の表にまとめました。これさえ押さえれば、基本的な使い分けはバッチリです。
項目 | 隔週(かくしゅう) | 毎週(まいしゅう) |
---|---|---|
中心的な意味 | 1週おき。1週間ごと。 | どの週も。週ごと。 |
頻度 | 2週間に1回 | 1週間に1回 |
漢字の意味 | 「隔」=へだてる、間をおく | 「毎」=ごとごと、そのたび |
例(月曜日) | 今週の月曜、再来週の月曜… | 今週の月曜、来週の月曜、再来週の月曜… |
言い換え | 1週おき、2週間ごと | 週ごと、各週 |
英語 | Every other week, Biweekly (ambiguous) | Every week, Weekly |
一番大切なポイントは、「隔週」は間に1週間挟む(スキップする週がある)のに対し、「毎週」はスキップせず、全ての週で繰り返されるという点ですね。
「隔週月曜日」なら、ある月曜日に行われたら、次の月曜日はお休みで、その次の月曜日に行われる、というリズムです。
なぜ違う?言葉の意味と漢字の成り立ちからイメージを掴む
「隔週」の「隔」は「へだたり」「間をおく」という意味で、週と週の間に間隔(1週間)があることを示します。「毎週」の「毎」は「ごとごと」「そのたびごと」という意味で、全ての週にもれなく当てはまることを示します。
なぜこの二つの言葉が異なる頻度を表すのか、それぞれの漢字が持つ意味や言葉の成り立ちを見ていくと、その違いがより明確になりますよ。
「隔週」の意味:1週おき、1週間ごと
「隔週」の「隔」という漢字は、「へだてる」「間をおく」「交互にする」といった意味を持っています。「間隔(かんかく)」や「隔絶(かくぜつ)」、「隔世(かくせい)の感」といった言葉に使われますね。時間や空間の間に距離や区切りがある様子を表す漢字です。
「週」はご存知の通り、日曜日から土曜日(または月曜日から日曜日)までの7日間をひと区切りとする単位です。
この二つが組み合わさることで、「隔週」とは、週と週の間に隔たり(=1週間)をおいて、次の週に行われること、つまり「1週おき」「2週間に1回」という意味になるのです。
「毎週」の意味:週ごと、どの週も
一方、「毎週」の「毎」という漢字は、「ごとごと」「そのたびごと」「つねに」といった意味を持ちます。「毎日(まいにち)」や「毎月(まいつき/まいげつ)」、「毎年(まいとし/まいねん)」といった言葉でお馴染みですね。ある単位(日、月、年、そして週)が繰り返されるたびに、欠かさずそれが行われることを表します。
「週」と組み合わさることで、「毎週」とは、どの週にも、欠かさず行われること、つまり「週ごと」「1週間に1回」という意味になるわけです。
漢字の意味を考えれば、「隔週=間をあける」、「毎週=毎回」という違いが、すんなり理解できますね。
具体的な例文で使い方をマスターする
「会議は隔週火曜日に開催されます」(=2週間に1回)、「この雑誌は隔週発売です」(=2週間に1回)。「ゴミ出しは毎週水曜日です」(=週に1回)、「毎週金曜日に英会話レッスンがあります」(=週に1回)。
言葉の違いは、具体的な例文で確認するのが一番ですよね。
どのような場面で「隔週」と「毎週」が使われるのか、見ていきましょう。
「隔週」を使う場面
2週間に1回の頻度で行われる事柄を表すときに使います。
- 部長が出席する定例会議は、隔週月曜日の午前中に開かれます。
- 私が購読している漫画雑誌は隔週木曜日の発売です。
- ゴミの資源回収は、燃えるゴミとは違い隔週で行われる。
- 彼は隔週で実家に帰省しているそうだ。
- この習い事は月謝が高いので、隔週のコースを選んだ。
間に1週間のお休みが入る、というリズムがポイントです。
「毎週」を使う場面
週に1回の頻度で、欠かさず行われる事柄を表すときに使います。
- 燃えるゴミの収集日は毎週水曜日と土曜日です。
- 彼女は毎週日曜日に教会へ行く。
- 毎週金曜日の夜は、オンラインで英会話のレッスンを受けている。
- このテレビドラマは人気があり、毎週欠かさず見ている。
- 毎週提出しなければならない週報の作成に時間がかかる。
どの週にも必ず、というニュアンスですね。
これはNG!間違えやすい使い方
意味を取り違えると、予定を間違えるなど大きな問題につながりかねない例を見てみましょう。
- 【誤】来週の会議は隔週開催だから、次は休みだね。(→今週開催された場合、来週は休みだが、再来週は開催される)
- 【!】「隔週」の起点がいつなのか、共通認識がないと勘違いしやすい。「第1・第3火曜日」のように具体的に示す方が確実な場合も。
「隔週」は「2週間に1回」ですが、それが「どの週」なのかが曖昧な場合があります。奇数週なのか、偶数週なのか、あるいは特定の週を基準にしているのか、文脈で判断できない場合は確認が必要です。
- 【誤】月曜と木曜の毎週ゴミが出せる。(→月・木それぞれが週1回ずつ、合計週2回という意味)
- 【正】月曜日と木曜日の週2回ゴミが出せる。
- 【正】ゴミ出しは毎週月曜日と木曜日にある。
「毎週〇曜日」は、その曜日が週に1回あることを示します。週に複数回の予定をまとめて「毎週」と言うと、少し不自然に聞こえる場合があります。「週〇回」や「毎週〇曜日と△曜日」のように表現するのがより正確です。
【応用編】似ている言葉「毎月」との違いは?
「毎月(まいつき/まいげつ)」は、1か月に1回の頻度を示す言葉です。「毎週」(週1回)や「隔週」(2週間に1回)とは、繰り返しの期間(単位)が異なります。
繰り返しの頻度を表す言葉として、「毎週」と似た形を持つ「毎月(まいつき/まいげつ)」がありますね。この違いも確認しておきましょう。
「毎月」は、「毎」が「ごとごと」、「月」が暦の「つき」を意味することから、1か月に1回の頻度で行われることを示します。
- 家賃は毎月末に支払う。
- 毎月第一日曜日に、地域の清掃活動が行われる。
- この雑誌は毎月1日に発売される月刊誌だ。
「毎週」(週に1回)や「隔週」(2週間に1回)とは、繰り返しの時間的な単位(週か、月か)が異なります。
ちなみに、「隔月(かくげつ)」という言葉もあり、これは「1か月おき」、つまり「2か月に1回」の頻度を表します。
頻度を整理すると以下のようになります。
- 毎週:週1回
- 隔週:2週間に1回
- 毎月:月1回
- 隔月:2か月に1回
これらの言葉を正しく使い分けることで、スケジュールや約束事を正確に伝えることができますね。
「隔週」と「毎週」の違いをスケジュール管理の視点から解説
スケジュール管理において、「毎週」は単純で管理しやすいですが、「隔週」は起点を明確にしないと誤解が生じやすいです。「隔週火曜日」よりも「第1・第3火曜日」や具体的な日付で指定する方が、認識のずれを防ぎ、確実なスケジュール管理に繋がります。
ビジネスやプライベートでのスケジュール管理において、「隔週」と「毎週」の使い分けは、時に注意が必要です。
「毎週」は非常にシンプルです。「毎週月曜日の朝9時に定例会議」と決めれば、どの週も同じ時間に会議が行われるため、予定の把握や管理が容易です。カレンダーアプリなどで繰り返し設定をするのも簡単ですね。
一方、「隔週」は少し厄介な場合があります。「隔週火曜日に打ち合わせ」と決めたとしても、「どの火曜日から数えて1週おきなのか?」という起点が曖昧だと、参加者間で認識のずれが生じる可能性があるからです。
例えば、今週(第1週)の火曜日に打ち合わせを行ったとして、「隔週」の約束だと、次は第3週の火曜日になります。しかし、人によっては「偶数週の火曜日」と勘違いして第2週に来てしまったり、あるいは「月の中で第2、第4火曜日」と誤解してしまったりするかもしれません。
このような誤解を防ぐためには、「隔週〇曜日」という表現だけでなく、
- 「第1・第3火曜日に開催」
- 「〇月〇日(火)から隔週で開催」
- 「次回は〇月〇日(火)、その次は〇月△日(火)です」
のように、より具体的に曜日や日付を指定する方が、スケジュール管理上は安全で確実です。特に、複数人が関わる予定や、重要な会議などでは、曖昧さを排除する工夫が求められますね。
「隔週」という言葉を使う際は、その起点がどこなのか、関係者間で明確な共通認識を持っておくことが、スムーズなスケジュール管理の鍵となります。
僕が当番を勘違い!「隔週」と「毎週」の体験談
僕が学生時代、サークルの備品管理当番で「隔週」と「毎週」を勘違いし、大失敗をやらかしたことがあります。
僕たちのサークルでは、部室の鍵開けや簡単な清掃、備品のチェックなどを行う当番を、数人のメンバーで回していました。新学期になり、新しい当番表が配られたのですが、僕の担当曜日の欄には「隔週水曜日」と書かれていました。
僕はそれを見て、「なんだ、隔週か。じゃあ、月2回くらい、気が向いた水曜日に行けばいいのかな?」と、かなり安易に考えてしまったのです。「毎週」ではないから楽だな、くらいにしか思っていませんでした。
そして、最初の当番の日(おそらく第1水曜日だったのでしょう)はちゃんと行ったのですが、次の水曜日(第2水曜日)は「隔週だから休みだ」と思い込み、部室には行きませんでした。
ところが、その日の夕方、サークルの先輩から電話がかかってきました。「おい、今日お前、当番だろ? 部室の鍵が開いてなくて、後輩たちが外でずっと待ってるぞ!」
僕は頭が真っ白になりました。「えっ!? 今日は休みのはずじゃ…隔週って書いてありましたよね?」
電話口の先輩は呆れた声で言いました。「馬鹿野郎! 隔週ってのは『1週おき』って意味だ! 先週お前がやったんだから、今週は休みで、来週がまたお前の番だろ! 今日は〇〇(別の人)の毎週の当番の日だ!」
完全に勘違いしていました。僕は「隔週」を「月2回くらい適当に」という意味だと誤解し、さらに他の人の当番日程も全く把握していなかったのです。先輩に平謝りし、慌てて部室に向かいましたが、寒い中待たせてしまった後輩たちにも本当に申し訳ないことをしました。
この失敗を通じて、「隔週」という言葉の正確な意味(1週おき)を理解することの重要性、そしてスケジュールに関わる言葉は、曖昧な解釈をせず、必ず起点や具体的なルールを確認しなければならないことを痛感しました。
たった一言の勘違いが、周りの人に大きな迷惑をかけてしまう。あの時の冷や汗と罪悪感は、今でも忘れられません。それ以来、「隔週」「毎週」といった頻度を表す言葉には、人一倍敏感になった気がします。
「隔週」と「毎週」に関するよくある質問
「隔週」は月2回と同じ意味ですか?
必ずしも同じではありません。「隔週」は2週間に1回の頻度なので、1か月(約4週間)の中では基本的に2回になります。しかし、月の始まりの曜日によっては、月に3回該当する場合(例:第1、第3、第5月曜日が隔週の当番など)もありえます。また、「月2回」という場合、第1・第2月曜日のように連続した週を指定することも可能です。「隔週」はあくまで「1週おき」という意味です。
「第1・第3月曜日」は隔週ですか?
はい、「隔週」の具体的な指定方法の一つと言えます。「第1月曜日の次は第2月曜日を飛ばして第3月曜日」となるため、「1週おき」のルールに合致します。同様に「第2・第4月曜日」も隔週の指定方法です。
英語で「隔週」「毎週」はどう表現しますか?
「毎週」は “every week” または “weekly” と表現するのが一般的です。「隔週」は “every other week” と表現するのが最も誤解が少ないでしょう。“biweekly” という単語もありますが、これは「2週間に1回」と「週2回」の両方の意味で使われることがあり、紛らわしいので避けた方が無難です。
「隔週」と「毎週」の違いのまとめ
「隔週」と「毎週」の違い、スッキリご理解いただけたでしょうか。
最後に、この記事のポイントをまとめておきますね。
- 核心的な違い:「隔週」は1週おき(2週間に1回)、「毎週」はどの週も(週に1回)。
- 漢字の意味:「隔」は間をあける、「毎」はごとごと。
- 注意点:「隔週」は起点が曖昧だと誤解を生む可能性があるので、「第〇・第〇曜日」のように具体的に示す方が確実な場合がある。
- 月2回との違い:「隔週」は基本的に月2回だが、月3回になる場合もある。「月2回」が必ずしも隔週とは限らない。
- 関連語:「毎月」は月1回、「隔月」は2か月に1回。
頻度を表す言葉は、日常生活やビジネスのスケジュールにおいて非常に重要です。特に「隔週」を使う際には、相手との認識にずれがないかを確認する習慣をつけると、不要なトラブルを避けられますね。
これからは自信を持って、的確な言葉を選んでいきましょう。言葉の使い分けについてさらに知りたい方は、生活・行動の言葉の違いをまとめたページもぜひご覧ください。