「some」と「any」、どちらも英語学習の初期に習う基本的な単語ですよね。
でも、「あれ、どっちを使うんだっけ?」と会話やライティングで手が止まってしまうことはありませんか?実はこの二つ、基本的に肯定文か、疑問文・否定文かで使い分けるシンプルなルールがあるんです。ただ、いくつか例外もあるので、そこが混乱しやすいポイントかもしれません。
この記事を読めば、「some」と「any」の核心的なイメージから、文の種類に応じた使い分け、さらには例外的な用法までスッキリ理解でき、もう迷うことはありません。自信を持って使いこなせるようになりますよ。それでは、まず最も重要な違いから見ていきましょう。
結論:一覧表でわかる「some」と「any」の最も重要な違い
基本ルールは、肯定文では「some」、疑問文・否定文では「any」を使うことです。どちらも数えられる名詞(複数形)と数えられない名詞の両方に使えます。「some」は「いくつか、いくらか」、「any」は疑問文で「いくつか、いくらか」、否定文で「少しも~ない」という意味になります。ただし、勧誘や依頼の疑問文では「some」、肯定文で「どんな~でも」という意味の場合は「any」を使う例外があります。
まず、結論からお伝えしますね。
「some」と「any」の最も重要な違いを、以下の表にまとめました。これさえ押さえれば、基本的な使い分けはバッチリです。
| 項目 | some | any | 
|---|---|---|
| 基本的な文の種類 | 肯定文 | 疑問文、否定文 | 
| 中心的な意味 | いくつか、いくらか(漠然とした量・数) | (疑問文)いくつか、いくらか (否定文)少しも~ない (肯定文の例外)どんな~でも | 
| 使える名詞 | 数えられる名詞(複数形)、数えられない名詞 | 数えられる名詞(複数形)、数えられない名詞 | 
| 疑問文での例外 | 勧誘・依頼の時や、答えがYesと期待する時 | (基本的な使い方) | 
| 肯定文での例外 | (基本的な使い方) | 「どんな~でも」「どれでも」の意味の時 | 
| 迷ったとき | 肯定的な内容を伝えたい場合 | 疑問や否定、あるいは「どれでも構わない」という場合 | 
一番大切なポイントは、文が肯定文なのか、それとも疑問文・否定文なのかで判断するという基本ルールですね。
ほとんどの場合は、このルールで正しく使い分けることができますよ。
なぜ違う?核心的な意味とイメージ(肯定 vs 不特定)を掴む
「some」は「漠然とではあるが存在する」という肯定的なイメージを持っています。そのため肯定文で使われます。一方、「any」は「存在するかわからない(疑問)」「存在しない(否定)」「どれを選んでも構わない(肯定の例外)」という不確実さや無制限さのイメージを持つため、疑問文・否定文や特定の肯定文で使われます。
なぜ文の種類によって使い分けるのか、それぞれの単語が持つ核心的なイメージを探ってみましょう。
「some」:漠然と存在する肯定的なイメージ
「some」の基本的なイメージは、「数ははっきりしないけれど、いくらか存在する」という肯定的な感覚です。
具体的な量や数を特定せず、「まあ、ある程度の量・数はあるよね」というニュアンスですね。
- I have some apples. (リンゴがいくつかあります。) → 具体的な数は不明だが、存在は確か。
- I need some water. (水がいくらか必要です。) → 具体的な量は不明だが、必要性は確か。
この「存在を肯定する」イメージがあるため、「some」は基本的に肯定文で使われるわけです。
「any」:存在が不確か、あるいは全肯定のイメージ
一方、「any」のイメージはもう少し複雑です。文脈によってニュアンスが変わります。
- 疑問文での「any」: 「そもそも存在するの?しないの?」という存在の不確かさを問うイメージ。「(もしあれば)いくらか~ありますか?」
- 否定文での「any」: 「全く存在しない」という完全な否定のイメージ。「少しも~ない」「何も~ない」
- 肯定文での「any」(例外): 「どれを選んでも構わない」「どんなものでも当てはまる」という制限のない全肯定のイメージ。「どんな~でも」「どれでも」
このように、「any」は存在がはっきりしない状態(疑問)、存在しない状態(否定)、あるいは制限なくどれでも良い状態(肯定の例外)を表すため、使われる文の種類が限定されるんですね。
文の種類による使い分けが基本
これらのイメージから、「some」は存在を前提とする肯定文で、「any」は存在を問う疑問文や存在を否定する否定文で使われる、というのが基本的なルールになるわけです。
この基本をしっかり押さえておけば、ほとんどの場面で迷うことはなくなりますよ。
具体的な例文で使い方をマスターする
肯定文:「I bought some books.」「I need some advice.」 疑問文:「Do you have any questions?」「Is there any milk left?」 否定文:「I don’t have any money.」「There aren’t any chairs.」 例外(疑問文):「Would you like some tea?」(勧誘) 例外(肯定文):「Any student can answer this question.」(どんな生徒でも)
言葉の違いは、具体的な例文で確認するのが一番ですよね。
肯定文、疑問文、否定文での基本的な使い方と、例外的な使い方を見ていきましょう。
肯定文での「some」の使い方
「いくつか」「いくらか」のように、漠然とした量や数を表します。数えられる名詞(複数形)にも、数えられない名詞にも使えます。
【OK例文:some(肯定文)】
- I need to buy some new shoes. (新しい靴をいくつか買う必要がある。)
- There are some people waiting outside. (外で何人かの人が待っています。)
- Could you give me some information about the event? (そのイベントに関する情報をいくつかいただけますか?)
- He made some coffee for us. (彼は私たちのためにコーヒーをいくらか淹れてくれた。)
疑問文での「any」の使い方
「(もしあれば)いくつか」「(もしあれば)いくらか」のように、存在するかどうかを尋ねるニュアンスです。数えられる名詞(複数形)にも、数えられない名詞にも使えます。
【OK例文:any(疑問文)】
- Do you have any brothers or sisters? (兄弟か姉妹はいますか?)
- Are there any good restaurants near here? (この近くに良いレストランはありますか?)
- Is there any sugar left? (砂糖は残っていますか?)
- Did you find any mistakes in the report? (レポートに何か間違いはありましたか?)
否定文での「any」の使い方
「少しも~ない」「何も~ない」「誰も~ない」のように、完全な否定を表します。数えられる名詞(複数形)にも、数えられない名詞にも使えます。
【OK例文:any(否定文)】
- I don’t have any plans for the weekend. (週末は何も予定がない。)
- There aren’t any cookies left in the jar. (瓶にはクッキーが一つも残っていない。)
- She didn’t give me any help. (彼女は私に何の助けもくれなかった。)
- We couldn’t see any stars because of the clouds. (雲のせいで星が一つも見えなかった。)
【例外①】肯定的な意味合いの疑問文での「some」の使い方(勧誘・依頼)
疑問文でも、「some」を使う場合があります。これは、相手に何かを勧めたり、依頼したりするときで、答えとして「Yes」を期待しているニュアンスが含まれます。
【OK例文:some(勧誘・依頼の疑問文)】
- Would you like some more cake? (もう少しケーキはいかがですか?) ← Yesと答えてほしい
- Can I have some water, please? (お水をいただけますか?) ← もらえることを期待している
- Could you lend me some money? (お金をいくらか貸していただけませんか?) ← 貸してくれることを期待している
これらの疑問文で「any」を使うと、「(もしあれば)ケーキはいかが?」「(もしあれば)お水をもらえますか?」のように、存在自体を問うような、少し不自然または失礼な響きになることがあります。
【例外②】肯定文での「any」の使い方(どれでも、どんな~でも)
肯定文でも、「any」を使う場合があります。これは、「どんな~でも」「どれでも」のように、選択肢に制限がないことを表します。
【OK例文:any(肯定文での例外)】
- You can ask me any question. (どんな質問でも私に聞いてください。)
- Take any seat you like. (どの席でもお好きな席にお座りください。)
- Any child can understand this rule. (どんな子供でもこのルールを理解できる。)
- Come visit me any time. (いつでも私を訪ねてきてください。)
この用法の「any」は、通常、単数形の名詞(any question, any seat, any child)と共に使われることが多いですが、複数形(any questions など)も可能です。
これはNG!間違えやすい使い方
基本的なルールや例外を混同すると、不自然な英語になります。
- 【NG】 I don’t have some money.
- 【OK】 I don’t have any money. (お金が全くない。)
- 【OK】 I have some money. (お金がいくらかある。)
否定文では基本的に「any」を使います。
- 【NG】 Do you have some problems? (何か問題でもあるの?と純粋に聞きたい場合)
- 【OK】 Do you have any problems? (何か問題はありますか?)
相手が問題を抱えていることを期待しているわけではないので、疑問文の基本ルール通り「any」を使います。「some」を使うと、「何か問題があるんでしょう?」と決めつけているような響きになる可能性があります。
- 【NG】 Some person can do it. (「誰でもできる」と言いたい場合)
- 【OK】 Any person can do it. (どんな人でもそれをできる。)
- 【OK】 Some person might be able to do it. (誰か(特定できないが)できる人がいるかもしれない。)
「どんな~でも」の意味で肯定文で使うのは「any」です。「some person」だと「ある人」「誰かさん」のような意味になります。
僕がレストランで恥をかいた「some」と「any」の混同体験談
基本的な単語だけに、間違えると結構恥ずかしいのが「some」と「any」ですよね。僕も学生時代、留学先のレストランでやらかした経験があります。
友人と食事に行ったときのこと。メニューを見て、おすすめ料理についてウェイターさんに尋ねたかったんです。そこで僕は自信満々にこう聞きました。
“Do you have some recommendations?”
頭の中では「何かおすすめはありますか?」と丁寧に聞いているつもりでした。でも、ウェイターさんは一瞬「?」という顔をして、少し笑いながら “We have many recommendations! Which type of food are you interested in?” (おすすめはたくさんありますよ!どんな種類のお料理に興味がありますか?)と返してきました。
その時、ハッとしました。僕は勧誘や依頼でもない純粋な質問で「some」を使ってしまったのです。ウェイターさんには「おすすめ料理があるのは当然でしょう?(Yesと期待してるんでしょ?)」みたいに聞こえたのかもしれません。あるいは、単に英語に不慣れな学生の言い間違いとして、優しく訂正してくれたのかもしれませんが…。
純粋に「何かありますか?」と存在を問う疑問文では「any」を使うべきでした。”Do you have any recommendations?” が正解だったのです。
たった一語の違いですが、相手に与える印象や、会話のスムーズさが変わってきますよね。基本的な単語ほど、そのニュアンスや使い分けのルールを正確に理解しておくことが大切だと、身をもって学んだ出来事でした。
それ以来、疑問文で「some」を使うのは、相手に「Yes」と言ってほしい時(Would you like some…? など)に限るように気をつけています。
「some」と「any」に関するよくある質問
結局、どう使い分けるのが一番簡単ですか?
文の種類で判断するのが一番簡単です。肯定文なら「some」、疑問文や否定文なら「any」を使うのが基本ルールです。これだけでほとんどの場面に対応できます。
肯定文で「any」を使うのはどんな時ですか?
「どんな~でも」「どれでも」のように、選択肢の中から特定の一つを選ばず、どれも当てはまる、あるいはどれを選んでも構わない、というニュアンスを表すときに使います。例:「You can choose any color you like.」(どの色でも好きな色を選んでいいですよ。)
疑問文で「some」を使うのはどんな時ですか?
相手に何かを勧めたり(Would you like some coffee?)、何かを依頼したり(Can I have some paper?)するとき、あるいは答えが「Yes」だと期待しているときに使います。「(当然あると思っているけど)~をくれませんか?」のようなニュアンスです。
「some」と「any」の違いのまとめ
「some」と「any」の違い、スッキリご理解いただけたでしょうか。
最後に、この記事のポイントをまとめておきますね。
- 基本ルール:肯定文では「some」、疑問文・否定文では「any」を使う。
- 使える名詞:どちらも数えられる名詞(複数形)と数えられない名詞に使える。
- 「some」のイメージ:「いくつか、いくらか」存在する(肯定的な感覚)。
- 「any」のイメージ:存在が不確か(疑問)、存在しない(否定)、制限がない(肯定文の例外)。
- 例外①(疑問文のsome):勧誘、依頼、Yesを期待する質問で使う。
- 例外②(肯定文のany):「どんな~でも」「どれでも」の意味で使う。
この基本ルールと例外を覚えておけば、もう「some」と「any」の使い分けで迷うことは少なくなるはずです。
最初は意識しないと難しいかもしれませんが、たくさんの例文に触れたり、実際に使ってみたりする中で、自然と感覚が身についていきますよ。言葉の使い分けについてさらに知りたい方は、カタカナ語・外来語の違いをまとめたページもぜひご覧ください。