「can」と「could」の違いは?可能性・丁寧さ・時制で使い分け

英語の助動詞「can」と「could」、どちらも「できる」という意味合いで使われますが、その使い分けに迷うことはありませんか?

特に丁寧にお願いしたい時や、過去の話をする時、「あれ、どっちを使うんだっけ?」と混乱しやすいですよね。

実はこの二つの単語、単なる時制(現在 vs 過去)だけでなく、可能性の度合い、丁寧さ、仮定の話かどうかといった点で使い分けられる、奥の深い言葉なんです。この記事を読めば、「can」と「could」の基本的な違いから、それぞれの持つニュアンス、具体的な使い方、似た表現との違いまでスッキリ理解でき、あなたの英語表現がより豊かになります。それでは、まず最も重要な違いから見ていきましょう。

結論:一覧表でわかる「can」と「could」の最も重要な違い

【要点】

基本的には、「can」は現在の能力・可能性・許可・直接的な依頼を示し、「could」は過去の能力、現在の可能性(canより低い)、丁寧な依頼、仮定の話を示します。「could」は「can」の過去形ですが、それ以外にも丁寧さや仮定を表す重要な役割を持っています。

まず、結論からお伝えしますね。

「can」と「could」の最も重要な違いを、以下の表にまとめました。これさえ押さえれば、基本的な使い分けはほぼ大丈夫です。

項目 can /kæn/, /kən/ could /kʊd/, /kəd/
基本的な時制 現在形 過去形
主な用法 現在の能力・可能性
許可
依頼(親しい相手、直接的)
④ 強い疑い・否定的な可能性(can’t)
過去の能力・可能性
丁寧な依頼・許可
現在の可能性・推量(canより低い)
仮定法(現在の事実に反する仮定など)
⑤ 過去における未来(時制の一致)
ニュアンス 直接的、現実的、確実性が高い 間接的、丁寧、控えめ、確実性が低い(仮定、推量)
例文(能力) I can swim. (私は泳げる。) I could swim well when I was young. (若い頃は上手に泳げた。)
例文(可能性) It can be cold here. (ここは寒くなることがある。) It could rain tomorrow. (明日は雨が降るかもしれない。)
例文(依頼) Can you help me? (手伝ってくれる?) Could you help me? (手伝っていただけますか?)
例文(仮定法) If I had time, I could go. (もし時間があれば行けるのに。)

一番大切なポイントは、「could」が単なる過去形ではなく、現在の文脈でも「丁寧さ」「可能性の低さ」「仮定」を示すために広く使われるという点ですね。これが使い分けを少し複雑にしていますが、理解すれば表現の幅がぐっと広がります。

なぜ違う?言葉の核心イメージと「距離感」

【要点】

「can」は「今、ここ」での能力や可能性、許可といった直接的で現実的なイメージを持ちます。一方、「could」は過去という「時間的な距離」、丁寧さという「心理的な距離」、仮定という「現実からの距離」といった、直接性から一歩引いた「距離感」を表現するイメージが核心にあります。

「can」と「could」の使い分けが多岐にわたる背景には、それぞれの単語が持つ根本的なイメージと、「距離感」という概念が関わっています。

「can」のイメージ:現在の能力・可能性・許可(直接的)

「can」の核心にあるのは、「今、ここ」における能力、可能性、許可といった、直接的で現実的な感覚です。

  • 能力:「I can speak English.(私は英語が話せる)」のように、現在持っているスキルや能力をストレートに表現します。
  • 可能性:「Accidents can happen.(事故は起こりうる)」のように、現実的に起こりうる一般的な可能性を示します。
  • 許可・依頼:「Can I use this?(これ使ってもいい?)」「Can you pass the salt?(塩取ってくれる?)」のように、相手に対して直接的に許可を求めたり、依頼したりします。

全体的に、現実世界に根ざした、ストレートで確実性の高いニュアンスを持つのが「can」のイメージです。

「could」のイメージ:過去・仮定・丁寧さ(距離感)

「could」は、「can」の過去形としての役割を持ちますが、それ以上に重要なのが、「現在・現実・直接性」から一歩引いた「距離感」を示すイメージです。

  • 過去(時間的な距離):「I could run faster then.(その頃はもっと速く走れた)」のように、現在の時点から離れた過去の能力や出来事を表します。
  • 仮定(現実からの距離):「If I had money, I could buy it.(もしお金があればそれを買えるのに)」のように、現実とは異なる「もしも」の世界での可能性を示します。現実ではないからこその距離感です。
  • 丁寧さ(心理的な距離):「Could you open the window?(窓を開けていただけますか?)」のように、「Can you…?」よりも相手との間に丁寧な距離を置き、控えめに依頼するニュアンスを表します。断られても大丈夫、という含みを持たせることで、相手への配慮を示します。
  • 可能性の低さ(確実性からの距離):「It could be true.(それは本当かもしれない)」のように、「It can be true.(本当でありうる)」よりも確実性が低い、控えめな推量を表します。

このように、「could」は時間的、現実的、心理的な「距離」を表現するための多機能な助動詞なのです。この「距離感」という核心イメージを掴むと、「could」の様々な用法(過去、仮定、丁寧な依頼、低い可能性)が、実は根底で繋がっていることが理解しやすくなりますね。

具体的な例文で使い方をマスターする

【要点】

現在の能力「I can swim.」、可能性「It can happen.」、許可「Can I…?」、親しい人への依頼「Can you…?」は「can」。過去の能力「I could swim when I was 5.」、丁寧な依頼「Could you…?」、低い可能性「He could be late.」、仮定「If I were…, I could…」は「could」を使います。

言葉の使い分けは、実際の文脈で確認するのが一番効果的です。「can」と「could」がそれぞれのニュアンスでどのように使われるか、具体的な例文で見ていきましょう。

「can」を使う場合(現在の能力・可能性・許可・依頼)

現在の能力や一般的な可能性、許可、親しい間柄での依頼などに使われます。

  • 現在の能力
    • She can play the guitar very well. (彼女はとても上手にギターを弾ける。)
    • Babies cannot (can’t) walk. (赤ちゃんは歩けない。)
  • 一般的な可能性
    • Driving in fog can be dangerous. (霧の中での運転は危険なことがある。)
    • Anyone can make mistakes. (誰でも間違いを犯すことはある。)
  • 許可
    • You can borrow my pen. (私のペンを使ってもいいですよ。)
    • Can I sit here? (ここに座ってもいいですか?)
  • 依頼(親しい相手、カジュアル)
    • Can you turn down the music? (音楽の音量を下げてくれる?)
  • 強い疑い・否定的な可能性(cannot / can’t)
    • That story can’t be true! (その話が本当のはずがない!)

「could」を使う場合(過去の能力・丁寧な依頼・推量・仮定)

過去の能力、丁寧な依頼や許可求め、確信度の低い推量、仮定の話などに使われます。

  • 過去の能力(一般的)
    • When he was young, he could work for 15 hours a day. (若い頃、彼は1日15時間働けたものだ。)
    • I searched everywhere, but I couldn’t find my keys. (あらゆる場所を探したが、鍵は見つけられなかった。)
  • 丁寧な依頼・許可
    • Could you possibly lend me some money? (いくらかお金を貸していただけないでしょうか?)
    • Could I use your phone for a moment? (少しの間、お電話をお借りしてもよろしいですか?)
  • 現在の可能性・推量(canより低い確信度)
    • She could be at home now, but I’m not sure. (彼女は今、家にいるかもしれないけど、確かではない。)
    • This could be the start of a new problem. (これは新たな問題の始まりかもしれない。)
  • 仮定法
    • If I knew her number, I could call her. (もし彼女の番号を知っていれば、電話できるのに。)
    • I wish I could fly like a bird. (鳥のように飛べたらなあ。)

「could」が現在や未来の文脈で使われる場合、「過去」の意味ではなく、「丁寧さ」「可能性の低さ」「仮定」のニュアンスが加わることをしっかり意識しましょう。

これはNG!間違えやすい使い方

時制やニュアンスを混同すると、意図しない伝わり方をしてしまいます。

  • 【NG】 I can play the piano when I was a child. (子供の頃、ピアノを弾くことができる。) ※時制の不一致
  • 【OK】 I could play the piano when I was a child. (子供の頃、ピアノが弾けた。)

過去の能力なので「could」を使います。

  • 【△】 To your boss: Can you check this report? (上司に:このレポート、チェックしてくれる?) ※丁寧さに欠ける
  • 【OK】 To your boss: Could you check this report? (上司に:このレポートをご確認いただけますか?)

目上の人への依頼には、より丁寧な「Could you…?」が適切です。

  • 【NG】 If I have more money now, I can buy that car. (もし今もっとお金を持っていれば、あの車を買うことができる。) ※仮定法の形が違う
  • 【OK】 If I had more money now, I could buy that car. (もし今もっとお金を持っていれば、あの車を買えるのに。)

現在の事実に反する仮定なので、仮定法過去(If + 過去形, could + 原形)を使います。

  • 【NG】 Maybe she can come to the party, but she is very busy. (彼女はパーティーに来ることができるかもしれないが、とても忙しい。) ※確信度が低い場合
  • 【OK】 Maybe she could come to the party, but she is very busy. (彼女はパーティーに来れるかもしれないが、とても忙しい。)

確信度が低い可能性を示す場合は、「could」の方がより自然です。「can」を使うと、「来る能力はある(けど来ないかも)」のような少し不自然な響きになることがあります。

【応用編】似ている言葉「be able to」との違いは?

【要点】

「be able to」は「can/could」とほぼ同じ「〜できる」を表しますが、助動詞ではないため、未来形(will be able to)、完了形(have been able to)、不定詞(to be able to)など、「can/could」が使えない文法的な場面で使われます。また、過去の特定の状況で「なんとか〜できた」という達成を表す場合は「was/were able to」が「could」よりも好まれます。

「〜できる」を表すもう一つの重要な表現が「be able to + 動詞の原形」ですね。これも「can」や「could」と似ていますが、明確な使い分けがあります。

「be able to」の特徴:

  • 「can/could」とほぼ同じ「能力」や「可能性」を表す。
  • 助動詞ではない(be動詞 + 形容詞 + to不定詞)ため、文法的な制約がない
    • 未来形(will be able to)
    • 完了形(have/has/had been able to)
    • 不定詞(to be able to)
    • 動名詞(being able to)
    • 他の助動詞の後(must be able to, may be able to など)
  • 過去の特定の状況で「実際に〜することができた」「なんとか達成できた」というニュアンスを明確に表す場合、「could」よりも「was/were able to」が好まれる。

「can/could」との使い分け:

  1. 文法的に「can/could」が使えない場面では「be able to」を使う。
    • I hope I will be able to see you soon. (近いうちに会えるといいな。) ※未来形:× will can
    • She hasn’t been able to sleep well recently. (彼女は最近よく眠れていない。) ※現在完了形:× has can
    • I want to be able to communicate better. (もっと上手にコミュニケーションできるようになりたい。) ※不定詞:× to can
    • You must be able to speak English for this job. (この仕事には英語が話せなければならない。) ※他の助動詞の後:× must can
  2. 過去の特定の達成・成功体験には「was/were able to」が好まれる。
    • Despite the storm, we were able to arrive safely. (嵐にも関わらず、私たちは無事に到着できた。) ※couldも可能だが、was/were able toの方が達成感が強い。
    • He searched for his key and was able to find it. (彼は鍵を探し、見つけることができた。)
  3. 上記以外(現在の一般的な能力など)では、「can」の方が一般的で自然。
    • I can play tennis. (テニスができる。) ← 自然
    • I am able to play tennis. (テニスをすることができる能力がある。) ← やや硬い、客観的

つまり、「be able to」は「can/could」の代わりというよりは、「can/could」がカバーできない部分を補う表現、あるいは特定の達成を強調する表現として捉えると分かりやすいでしょう。日常会話の基本的な「できる」は、まず「can」を使うのが最も自然です。

「can」と「could」の違いを言語学的に解説

【要点】

言語学的に、「can」と「could」は法助動詞(modal verbs)であり、話者の態度や判断(モダリティ)を表します。「can」は主に現在の能力(ability)、可能性(possibility)、許可(permission)といった【現実的・直接的】なモダリティを示します。「could」は「can」の過去形(preterite)ですが、現代英語では過去時制だけでなく、仮定法(subjunctive mood)の標識として非現実性(irrealis)を示したり、丁寧さ(politeness)を表すために現実からの距離を取る機能(hedging)を持ったりします。つまり、「could」は【過去】だけでなく【非現実・間接性】も示す多機能なモダリティ・マーカーです。

「can」と「could」の使い分けに見られる多様性は、言語学における法助動詞(Modal Verbs)、時制(Tense)、法(Mood)、モダリティ(Modality)といった概念を通じて深く理解することができます。

「can」と「could」は共に法助動詞であり、文の主要動詞に話者の主観的な態度や判断(可能、許可、推量、意志など)を付け加える役割を持っています。

「can」は、主に直説法(Indicative Mood)の現在時制において、以下のモダリティを表します。

  • 動的能力(Dynamic Ability): She can lift 100kg. (身体的能力)
  • 認識能力(Epistemic Possibility): It can be dangerous. (〜でありうる、という可能性)
  • 義務・許可(Deontic Permission): You can go now. (〜してもよい)

これらは基本的に、現実世界における現在の能力、可能性、許可を直接的に示すものです。

「could」は、形態的には「can」の過去形(preterite)です。そのため、過去の能力や可能性を表すのに使われます(例: I could swim then.)。

しかし、「could」の重要な機能は、単なる過去時制標識にとどまりません。現代英語では、むしろ仮定法(Subjunctive Mood)的な用法や、丁寧さ(Politeness)を示すためのモダリティ・マーカーとしての役割が顕著です。

  • 仮定法(非現実性 Irrealis): 過去形が持つ「現実からの距離」という概念的なメタファーを利用し、「could」は現在の事実に反する仮定(counterfactual)や未来の可能性が低い仮定における能力・可能性を示します(例: If I had money, I could buy it.)。これは、現実世界(realis)ではなく、仮想世界(irrealis)での出来事であることを示唆します。
  • 丁寧さ(Hedging): 依頼文(Could you…?)や推量文(It could rain.)で「could」が使われるのは、直接的な「can」よりも発話内容と現実との間に距離を置く(hedging)ことで、断定を避け、要求を和らげ、相手への配慮を示すためです。これは語用論(pragmatics)におけるポライトネス戦略の一環です。推量の場合は、「can」よりも低い確信度を示すことになります。

つまり、「could」は【過去】を示すだけでなく、【非現実性】や【間接性・丁寧さ】といった、現実や直接性からの「距離感」を示す多機能なモダリティ・マーカーとして機能しているのです。これは、多くの法助動詞が歴史的に意味を拡張させ、複雑なモダリティ体系を発達させてきた英語の特徴的な側面を示しています。

僕が丁寧なつもりの「Can you…?」で気まずくなった経験

「can」と「could」の丁寧さの違いについては、僕にも忘れられない失敗談があります。あれは社会人1年目、初めての海外出張で現地のレストランに入った時のことでした。

メニューを広げたものの、知らない料理ばかり。近くを通りかかったウェイターさんを呼び止め、おすすめを尋ねようとしました。学生時代に習った依頼表現を思い出し、できるだけ丁寧に…という気持ちで、僕は笑顔でこう言いました。

「Excuse me, can you recommend something?」 (すみません、何かおすすめしてくれますか?)

自分の中では「Can you…?」は「〜してくれますか?」という依頼の基本的な形だと覚えていたので、これで十分丁寧だと思っていたんです。

ところが、そのウェイターさんは一瞬、動きを止めて、少し怪訝そうな表情(に見えました)で僕を見ました。そして、ややぶっきらぼうに「…What kind of food do you like?(…どんな食べ物が好きなんですか?)」とだけ返してきたのです。

その反応に、僕は「あれ?何か失礼なこと言ったかな?」と戸惑いました。おすすめを教えてくれたものの、どこか事務的で、歓迎されていないような空気を感じてしまったのです。

後で、海外経験豊富な先輩にその話をしたら、笑いながら教えてくれました。「Kenjiくん、レストランのウェイターさん、特に初対面の人に頼み事をする時は、『Can you…?』だとちょっと直接的すぎる、というか、友達に頼むような響きに聞こえることがあるんだよ。こういう時は『Could you recommend something?』って言った方がずっと丁寧で、相手も気持ちよく応じてくれる可能性が高いよ。」

それを聞いて、僕はハッとしました。丁寧にお願いしたつもりが、相手には馴れ馴れしく、あるいは少し命令口調に聞こえてしまったのかもしれない、と。「can」と「could」の間には、単語一つ分の違いしかないけれど、相手に与える印象には大きな差があることを痛感しました。

特にサービスを受ける場面や、初対面の人、目上の人に対して何かをお願いするときは、「could」が持つ「一歩引いた控えめさ、相手への配慮」がいかに大切か。あの時のウェイターさんの少し冷たい(と感じた)反応は、僕にとって貴重な学びとなりました。

それ以来、誰かに何かをお願いする際には、相手との関係性や状況を考えて、「Can you…?」と「Could you…?」を意識的に使い分けるようにしています。皆さんも、場面に応じた丁寧さレベルを意識してみてくださいね。

「can」と「could」に関するよくある質問

Q1: 「can」と「could」の否定形、「can’t」と「couldn’t」の使い分けも同じルールですか?

A1: 基本的には同じルールが適用されますが、少し注意点があります。

  • 能力の否定:現在の能力がない場合は「can’t」、過去の能力がなかった場合は「couldn’t」です(例: I can’t swim. / I couldn’t swim then.)。
  • 可能性の否定:「〜のはずがない」という強い否定的な推量は「can’t」を使います(例: It can’t be true.)。「couldn’t」は通常この意味では使いません。過去の出来事に対して「〜のはずがなかった」と言う場合は「couldn’t have + 過去分詞」などを使います。
  • 許可の否定:「〜してはいけない」は「can’t」を使います(例: You can’t park here.)。「couldn’t」は過去の許可がなかったことを示す場合に使います。
  • 過去の特定の状況での失敗:過去に「〜できなかった」という特定の出来事については、「couldn’t」も「wasn’t/weren’t able to」も使えます(例: I couldn’t open the door. / I wasn’t able to open the door.)。

Q2: 「できるかもしれない」という可能性を表すとき、「can」「could」「may」「might」はどう違いますか?

A2: 可能性の度合い(確信度)とニュアンスが異なります。

  • can: 一般的に「〜は起こりうる」という理論的な可能性や、状況的に可能なこと(例: You can see the ocean from here.)。
  • could: 「can」よりも確信度が低い可能性、あるいは仮定の話の中での可能性(例: It could rain. / If you tried, you could do it.)。
  • may: 「can」と同程度か、やや低い客観的な可能性(五分五分に近い)。許可の意味も持つ(例: It may rain. / May I help you?)。
  • might: 「may」よりもさらに確信度が低い可能性。仮定法で使われることも多い(例: He might come, but I doubt it. / If you asked, he might help.)。

大まかには、確信度は can/may > could > might の順に低くなるイメージですが、文脈によって重なる部分もあります。

Q3: 提案や申し出で「I can help you.」と「I could help you.」はどう違いますか?

A3: どちらも「お手伝いできますよ」という意味ですが、丁寧さや積極性が異なります。「I can help you.」は、直接的で積極的な申し出です。「手伝う能力も意思もありますよ」というニュアンスです。一方、「I could help you.」は、より控えめで丁寧な申し出です。「もしよろしければ、お手伝いすることもできますが…」といったニュアンスで、相手に選択の余地を与える響きがあります。状況や相手との関係性によって使い分けると良いでしょう。

「can」と「could」の違いのまとめ

「can」と「could」、これで使い分けのポイントが腹落ちしましたね!

最後に、この記事で解説した重要な点をまとめて、完璧に理解しましょう。

  1. 基本は現在 vs 過去+α:「can」は【現在】の能力・可能性・許可。「could」は【過去】の能力に加え、【現在の低い可能性】【丁寧な依頼】【仮定】も表す。
  2. 丁寧さの度合い:依頼や許可を求める際、「Could you…?」「Could I…?」は「Can you…?」「Can I…?」よりも【丁寧】。
  3. 可能性の度合い:現在の推量として「could」を使うと、「can」よりも【確信度が低い】ニュアンスになる。
  4. 仮定法:現在の事実に反する仮定など、非現実的な話では「could」を使う(If …, I could …)。
  5. 過去の特定の達成:過去に「なんとか〜できた」場合は、「could」よりも「was/were able to」が好まれることが多い。
  6. 核心イメージ:「can」は直接的・現実的。「could」は時間的・心理的・現実からの【距離感】を表す。

「could」が持つ「距離感」というイメージを掴むことが、多様な用法を理解する鍵となります。単なる過去形としてだけでなく、丁寧さや仮定を表す便利なツールとして使いこなせるようになると、英語の表現力が格段に向上しますよ。

助動詞の使い分けは英語学習の面白いポイントの一つです。他の助動詞や似た表現との違いに興味を持たれた方は、ぜひカタカナ語・外来語の違いをまとめたページも参考にしてみてください。