「class」と「classes」、英語の授業などでよく目にする単語ですよね。
単数形か複数形かの違いだろう、となんとなく理解していても、いざ使うとなると「あれ、ここはどっちを使うべき…?」と迷ってしまうことはありませんか?
実はこの二つの言葉、単なる単数・複数の違いだけでなく、文脈によって指す意味合いが微妙に異なったり、注意すべき文法ルールがあったりするんです。
この記事を読めば、「class」と「classes」の基本的な意味の違いから、具体的な使い分け、さらには英語学習者が間違いやすいポイントまでスッキリ理解できます。もうこれらの単語の使い方で迷うことはありません。それでは、まず最も重要な違いから見ていきましょう。
結論:一覧表でわかる「classes」と「class」の最も重要な違い
基本的には、「class」が単数形、「classes」が複数形です。「class」は「授業」「階級」「等級」「種類」など幅広い意味を持ちますが、具体的に一つを指すか、複数(2つ以上)を指すかで使い分けます。文法的には可算名詞(数えられる名詞)として扱われる点に注意が必要です。
まず、結論からお伝えしますね。
「class」と「classes」の最も重要な違いを、以下の表にまとめました。これさえ押さえれば、基本的な使い分けはバッチリです。
| 項目 | class | classes |
|---|---|---|
| 形 | 単数形 | 複数形 |
| 主な意味 | ・(学校などの)授業、クラス ・階級、層 ・等級、ランク ・種類、分類 |
・複数の授業、クラス ・複数の階級、層 ・複数の等級、ランク ・複数の種類、分類 |
| 文法上の注意点 | 可算名詞(数えられる名詞)なので、通常 a/an/the などの冠詞や所有格が必要(例:a class, the class, my class) | 複数形なので、冠詞 a/an は付かない(例:classes, the classes, my classes) |
| ニュアンス | 一つのまとまりやカテゴリー | 二つ以上のまとまりやカテゴリー |
一番大切なポイントは、「class」が数えられる名詞(可算名詞)であるということです。
日本語の感覚だと「クラス」という言葉に冠詞をつける意識は薄いかもしれませんが、英語で単数形の「class」を使うときは、基本的に「a class」や「the class」、「my class」のように、前に何かつける必要があるんですね。これを忘れると、文法的に不自然になってしまうことが多いんです。
なぜ違う?言葉のニュアンスと使い方からイメージを掴む
「class」は元々ラテン語で「区分された集団」を意味し、それが転じて「授業(生徒の集団)」「階級(社会的な集団)」「等級(品質の集団)」など多様な意味を持つようになりました。「classes」はその複数形として、これらの集団が複数ある状況を示します。
単数形と複数形という基本的な違いに加え、それぞれの言葉が持つニュアンスを理解するために、少し語源にも触れてみましょう。
「class」のニュアンス:「ひとつの集まり・種類・等級」
「class」の語源は、ラテン語の「classis(クラッシス)」に遡ります。これは元々、古代ローマにおける市民の区分、特に徴兵や課税のために分けられた集団を指す言葉でした。また、「艦隊」という意味もあったようです。
この「何らかの基準で分けられた、ひとつの集まりや区分」という基本的なイメージが、「class」という単語の様々な意味の根底にあります。
- 授業、クラス:同じ時間に同じ内容を学ぶ「生徒の集まり」
- 階級、層:社会的な地位や経済力などで区分された「人々の集まり」
- 等級、ランク:品質や性能などで分けられた「ものの集まり(の段階)」
- 種類、分類:共通の特性を持つ「ものの集まり」
このように、「class」は文脈によって様々な「ひとつの集まり」や「区分」を指す言葉として使われます。
「classes」のニュアンス:「複数の集まり・種類・等級」
「classes」は、単純に「class」の複数形です。したがって、「class」が指す様々な「集まり」や「区分」が二つ以上存在する場合に使われます。
- 複数の授業(例:math classes, English classes)
- 複数の階級(例:social classes)
- 複数の等級(例:different classes of tickets)
- 複数の種類(例:various classes of vehicles)
基本的な意味合いは単数形の「class」と同じですが、それが複数ある状況を示している、と理解すればOKです。
具体的な例文で使い方をマスターする
「I have a math class today.」(今日数学の授業が1つある)、「I have three classes today.」(今日授業が3つある)。ホテルの等級なら「This hotel is first-class.」(このホテルは最高級だ)、「There are several classes of rooms.」(部屋にはいくつか等級がある)のように使い分けます。
言葉の違いは、具体的な例文で確認するのが一番ですよね。ビジネスシーンや日常会話・学校など、様々な場面での使い方を見ていきましょう。
ビジネスシーンでの使い分け
会議、研修、商品の等級、顧客層など、ビジネスでも「class」「classes」はよく使われます。
【OK例文:class】
- We need to attend a training class next week. (来週、研修クラス(1つ)に参加する必要がある。)
- This product belongs to a different class of quality. (この製品は異なる品質等級に属する。)
- Our target customer class is mainly young professionals. (我々のターゲット顧客層は主に若手の専門職だ。)
- Please book an economy class ticket. (エコノミークラスのチケットを予約してください。)
「a training class」(一つの研修)、「a different class」(一つの異なる等級)、「customer class」(一つの顧客層)、「economy class」(エコノミーという一つの等級)のように、単数を意識した使い方ですね。
【OK例文:classes】
- Several training classes are available online. (いくつかの研修クラスがオンラインで受講可能だ。)
- We categorize our products into three quality classes. (我々は製品を3つの品質等級に分類している。)
- Marketing strategies differ among various customer classes. (マーケティング戦略は様々な顧客層によって異なる。)
- The airline offers several classes of service, including business and first class. (その航空会社はビジネスやファーストクラスを含む、いくつかのサービス等級を提供している。)
「Several training classes」(複数の研修)、「three quality classes」(3つの等級)、「various customer classes」(様々な層)、「several classes」(いくつかの等級)のように、複数を指していることが分かります。
日常会話・学校での使い分け
学校の授業や社会的な階層など、日常的な場面でも使われます。
【OK例文:class】
- What time is your next class? (次の授業は何時?)
- She is in my English class. (彼女は私の英語のクラスにいる。)
- He comes from a middle-class family. (彼は中流階級の家庭の出身だ。)
- This is a first-class restaurant. (ここは一流の(等級の)レストランだ。)
「next class」(一つの授業)、「my English class」(一つのクラス)、「middle-class」(一つの階級)、「first-class」(一つの等級)ですね。
【OK例文:classes】
- I have too many classes on Monday. (月曜日は授業が多すぎる。)
- The school offers various language classes. (その学校は様々な語学クラスを提供している。)
- There are distinct social classes in this country. (この国には明確な社会階級が存在する。)
- Different classes of animals have different characteristics. (異なる種類の動物は異なる特徴を持つ。)
「many classes」(多くの授業)、「various language classes」(様々なクラス)、「social classes」(複数の階級)、「Different classes」(異なる種類)と、複数を表しています。
これはNG!間違えやすい使い方
特に冠詞(a/an/the)や複数形の `s` の付け忘れ・付けすぎに注意しましょう。
- 【NG】 I attended training class yesterday.
- 【OK】 I attended a training class yesterday. (昨日、研修クラス(1つ)に参加した。)
- 【OK】 I attended training classes yesterday. (昨日、研修クラス(複数)に参加した。)
「class」は可算名詞なので、単数で使う場合は通常「a」などの冠詞が必要です。もし複数の研修に参加したなら「classes」を使います。
- 【NG】 There are many class of books in the library.
- 【OK】 There are many classes of books in the library. (図書館にはたくさんの種類の本がある。)
「many」の後には複数形が来るので、「classes」とするのが正しいですね。
- 【NG】 He teaches a math classes.
- 【OK】 He teaches a math class. (彼は数学の授業(1つ)を教えている。)
- 【OK】 He teaches math classes. (彼は数学の授業(複数)を教えている。)
「a」は単数形にしか付かないので、「a math classes」は間違いです。特定のクラスを指すなら「a math class」、複数のクラスを担当しているなら冠詞なしで「math classes」とします。
「classes」と「class」の違いを英語教育の専門家視点で解説
英語教育の観点からは、「class」が可算名詞であることを徹底することが重要です。単数形では冠詞(a/an/the)や指示代名詞(this/that)などが原則必要であり、複数形「classes」との使い分けを意識させる必要があります。また、「the working class」のような集合名詞的用法や、「first-class」のような形容詞的用法も存在するため、文脈に応じた意味と用法を理解することが肝要です。
英語教育の専門家、例えば英語教師や教材開発者の視点から見ると、「class」と「classes」の違いを教える際には、単なる単数・複数の区別以上に、いくつかの重要なポイントがあります。
まず最も強調すべきは、「class」が基本的に可算名詞(Countable Noun)であるという点です。これは、非ネイティブ学習者、特に冠詞の概念が母語にない日本語話者にとっては、間違いやすいポイントです。単数形の「class」を用いる際には、「a class」「the class」「this class」「my class」のように、限定詞(冠詞、指示代名詞、所有格など)が前に付くのが原則であることを繰り返し指導する必要があります。これが欠けると、”I go to class.” のように特定の文脈(授業を受けに行く、という一般的な行為)を除き、不自然な英語になりがちです。
次に、複数形「classes」との明確な対比を通じて、数が1つなのか、2つ以上なのかを意識させることが重要です。「I have two classes today.」のように具体的な数を示す場合や、「I like taking language classes.」のように一般的な種類を複数形で示す場合など、複数形が適切になる状況を例文とともに提示します。
さらに、「class」が持つ意味の多様性にも触れる必要があります。「授業」だけでなく、「階級」「等級」「種類」といった意味があることを示し、文脈によってどの意味で使われているかを判断する読解力も養う必要があります。特に、”the working class”(労働者階級)や “the ruling class”(支配階級)のように、集合名詞的に使われ、単数形でも集団全体を指す用法があることや、”first-class” “business-class” のように形容詞的に(または複合語の一部として)使われる用法も補足的に教えることで、より深い理解を促すことができます。
教育現場では、単語の意味だけでなく、その文法的な性質(可算・不可算、単数・複数)と、文中での具体的な使い方(冠詞の有無、形容詞的用法など)をセットで教えることが、正確な英語運用能力の育成につながると考えられています。
僕が「class」と「classes」を混同して恥をかいた体験談
僕も学生時代、英語のプレゼンテーションで「class」と「classes」の使い分けを間違えて、赤面した経験があります。
大学の授業で、留学経験について発表する機会がありました。留学先で取っていた授業について話すくだりで、僕はこんな風に言ってしまったんです。
“I took many interesting class there. For example, American history class and literature class…”
自分としては「たくさんの面白い授業(クラス)を取った。例えば、アメリカ史の授業や文学の授業…」と伝えたつもりでした。しかし、話し終わった後、ネイティブの先生から優しく、しかし的確な指摘を受けました。
「発表ありがとう。内容はとても興味深かったよ。ただ一点だけ、文法的なことだけど、’many’ の後は複数形を使うから ‘many interesting classes‘ が正しいね。それと、例に挙げた授業も、一般的な種類として話すなら ‘American history classes and literature classes‘、あるいはもし特定の授業(例えば、スミス先生のアメリカ史のクラス、のように)を指しているなら ‘an American history class and a literature class‘ のように冠詞が必要だよ」
もう、本当に基本的なミスで…。頭では分かっていたはずなのに、話すことに集中するあまり、複数形の `s` や単数形の冠詞 `a` が完全に抜け落ちてしまっていたんです。
特に「class」のように、日本語でも「クラス」として定着している単語だと、つい英語の文法ルールを忘れがちになるんですよね。可算名詞であること、単数なら冠詞が必要なこと、複数を表すなら `s` をつけること。この基本を疎かにしていた自分を猛省しました。
単語の意味を知っているだけでは不十分で、その単語が文の中でどう機能するのか(品詞、可算・不可算、単複など)を正確に理解して使うことが、自然な英語への近道だと痛感した出来事です。それ以来、名詞を使うときは、単数か複数か、冠詞は必要かを常に意識するようになりました。
「classes」と「class」に関するよくある質問
Q. 学校の時間割について話すときは、どちらを使いますか?
A. 具体的に「次の授業」や「今日の最初の授業」など一つの授業を指すなら「class」(例: “My next class starts at 10.”)、科目全体や複数の授業について話すなら「classes」(例: “I have three classes this afternoon.” や “Math classes are difficult.”)を使います。
Q. 「class of ’25」のような表現は何を意味しますか?
A. これは「2025年卒業クラス(学年)」という意味で、特定の年に卒業する(または卒業した)生徒たちの集団を指します。この場合の「class」は、集合名詞として使われており、単数形ですが「同学年の生徒たち全体」を表します。
Q. 「a kind of class」と「kinds of classes」はどう違いますか?
A. 「a kind of class」は「ある一種のクラス(授業、階級など)」を意味し、特定の種類の一つを指します。一方、「kinds of classes」は「様々な種類のクラス(授業、階級など)」を意味し、複数の異なるカテゴリーが存在することを示します。例えば、「This is a kind of advanced class.」(これは上級クラスの一種です)、「We offer many kinds of classes.」(私たちは多くの種類のクラスを提供しています)のように使います。
「classes」と「class」の違いのまとめ
「classes」と「class」の違い、スッキリご理解いただけたでしょうか。
最後に、この記事のポイントをまとめておきますね。
- 基本は単数・複数:「class」が単数形、「classes」が複数形。
- 可算名詞であること:「class」は数えられる名詞なので、単数で使うときは通常、冠詞(a/an/the)などが必要。
- 意味の多様性:「授業」「階級」「等級」「種類」など、文脈によって意味が変わる。
- 集合名詞的用法:「the working class」や「class of ’25」のように、単数形で集団全体を指すこともある。
- 形容詞的用法:「first-class」のように、他の語と組み合わさって形容詞的に使われることもある。
これらのポイントを押さえれば、もう「class」と「classes」の使い分けで迷うことは少なくなるはずです。
特に、可算名詞としてのルール(冠詞や複数形)を意識するだけで、あなたの英語はより自然で正確になりますよ。自信を持って使い分けていきましょう。カタカナ語・外来語の使い分けについてさらに知りたい方は、カタカナ語・外来語の違いをまとめたページもぜひご覧ください。