「do」と「does」の違いは主語!現在形の疑問文・否定文をマスター

英語の勉強を始めたばかりの頃、「do」と「does」の使い分けで混乱した経験はありませんか?

現在形の疑問文や否定文を作るときに必ず登場するこの二つの単語。

見た目は似ていますが、どの主語と一緒に使うかという点で明確なルールがあります。実はこれ、英語の基本的なルール「三人称単数現在形」と深く関わっているんです。

この記事を読めば、「do」と「does」の根本的な違いから、具体的な使い方、さらにはよくある間違いまでスッキリ理解でき、自信を持って英文を作れるようになりますよ。それでは、まず最も重要な違いから見ていきましょう。

結論:一覧表でわかる「do」と「does」の最も重要な違い

【要点】

基本的には、主語が「三人称単数(he, she, it など)」で「現在形」のときだけ「does」を使い、それ以外の主語(I, you, we, they, 複数形)や過去形の場合は「do」(または過去形の did)を使うと覚えるのが簡単です。一般動詞の疑問文・否定文で使われます。

まず、結論からお伝えしますね。

「do」と「does」の最も重要な違いを、以下の表にまとめました。これさえ押さえれば、基本的な使い分けはバッチリです。

項目 do does
使う主語 三人称単数以外
(I, you, we, they, 複数の名詞)
三人称単数
(he, she, it, 単数の名詞)
時制 現在形(または原形) 現在形
主に使われる文 一般動詞の疑問文・否定文 一般動詞の疑問文・否定文
動詞の形 do / don’t + 動詞の原形 does / doesn’t + 動詞の原形
文法的な説明 助動詞(原形) 助動詞 do の三人称単数現在形

簡単に言うと、話している相手や自分自身(I, you)、私たち(we)、彼ら(they)、または複数の物事について話すときは「do」を使います。一方で、話題になっている第三者(彼 he, 彼女 she, それ it)や一つの物事について話すときは「does」を使う、というイメージですね。

例えば、「あなたは英語を話しますか?」と聞くときは “Do you speak English?” ですが、「彼は英語を話しますか?」と聞くときは “Does he speak English?” となります。

この違い、英語の基本的なルールなのでしっかり押さえておきたいですよね。

なぜ違う?文法的な違い(活用の基本)からイメージを掴む

【要点】

「does」は助動詞「do」が、主語が三人称単数(he, she, it など)で時制が現在形のときに特別に変化した形です。一般動詞の現在形に「s」が付くルールと同じ理由で変化します。

なぜ「do」と「does」を使い分ける必要があるのでしょうか?それは英語の「主語と動詞の一致」という基本的な文法ルールに基づいています。

特に重要なのが「三人称単数現在形」、通称「三単現のs」と呼ばれるルールです。

「do」を使う主語

「do」は、基本的に以下のような主語と一緒に使われます。

  • 一人称単数: I (私)
  • 二人称単数: you (あなた)
  • 一人称複数: we (私たち)
  • 二人称複数: you (あなたたち)
  • 三人称複数: they (彼ら、彼女ら、それら)、複数の名詞(例: Ken and Mari, my dogs)

これらの主語の場合、現在形の一般動詞は原形のまま使いますよね。例えば “I play tennis.” や “They like sushi.” のように。

疑問文や否定文で助動詞「do」を使うときも、この形「do」のままです。

  • Do you play tennis?
  • We don’t like natto.

「does」を使う主語(三人称単数現在形)

一方、「does」を使うのは、主語が「三人称単数」で、文の時制が「現在形」の場合に限られます。

三人称単数とは、話し手(I, we)と聞き手(you)以外の、一人または一つのものを指します。

  • 三人称単数: he (彼), she (彼女), it (それ)、単数の名詞(例: Ken, my dog, the company)

この三人称単数の主語で現在形の文を作るとき、一般動詞には原則として「s」や「es」がつきますよね。これが「三単現のs」です。

  • He plays tennis.
  • She likes sushi.
  • It rains often here.
  • Ken studies English hard.

助動詞「do」も、このルールに従って形を変えます。「do」に「es」がついて「does」になる、というわけです。

そして、疑問文や否定文で「does」を使った後は、続く一般動詞は原形に戻るのがポイントです。助動詞「does」がすでに「三単現」の印(しるし)を担っているからですね。

  • Does he play tennis? (plays ではなく play)
  • She doesn’t like sushi. (likes ではなく like)

この「主語が三人称単数・現在形なら does を使い、動詞は原形に」というルールをしっかり掴むことが、使い分けの鍵になります。

具体的な例文で使い方をマスターする

【要点】

「do」「does」は主に一般動詞の疑問文と否定文で使われます。疑問文では文頭に、否定文では don’t/doesn’t の形で動詞の原形の前に置かれます。肯定文で使う場合は、動詞の意味を強調する役割になります。

ルールがわかったところで、具体的な例文を見て使い方に慣れていきましょう。

肯定文、否定文、疑問文のそれぞれで「do」と「does」がどのように使われるか確認します。

肯定文での使い方(強調)

基本的に、現在形の肯定文では「do」や「does」は使いません。ただし、例外的に動詞の意味を強調したい場合に使われることがあります。

【例文:do】

  • I may not look like it, but I do exercise every day. (そうは見えないかもしれないけど、本当に毎日運動してるんだ。)
  • You said you wouldn’t come, but you do seem interested. (来ないって言ってたけど、本当は興味あるみたいだね。)
  • We do want to help you succeed. (私たちは、あなたが成功するのを本当に助けたいのです。)

【例文:does】

  • He rarely speaks, but he does understand English. (彼はめったに話さないけど、本当に英語は理解しているんだ。)
  • She said she wasn’t hungry, but she does look like she wants that cake. (彼女はお腹空いてないって言ったけど、本当にあのケーキ欲しそうに見えるよ。)
  • It looks simple, but this machine does require careful handling. (これは単純に見えるけど、本当に慎重な扱いが必要なんだ。)

このように肯定文で使う場合、「本当に〜する」「実際に〜する」というニュアンスが加わります。

否定文での使い方

一般動詞の現在形の否定文を作るには、「do not (don’t)」または「does not (doesn’t)」を動詞の原形の前に置きます。

【例文:do not / don’t】

  • I do not know the answer. / I don’t know the answer. (私はその答えを知りません。)
  • You do not need to hurry. / You don’t need to hurry. (あなたは急ぐ必要はありません。)
  • We do not work on Sundays. / We don’t work on Sundays. (私たちは日曜日は働きません。)
  • They do not live here anymore. / They don’t live here anymore. (彼らはもうここには住んでいません。)

【例文:does not / doesn’t】

  • He does not play the guitar. / He doesn’t play the guitar. (彼はギターを弾きません。)
  • She does not speak French. / She doesn’t speak French. (彼女はフランス語を話しません。)
  • It does not work properly. / It doesn’t work properly. (それはちゃんと動きません。)
  • My cat does not like fish. / My cat doesn’t like fish. (私の猫は魚が好きではありません。)

主語に合わせて don’t か doesn’t を選び、動詞は必ず原形になることを忘れないようにしましょう。

疑問文での使い方

一般動詞の現在形の疑問文(Yes/Noで答えられる質問)を作るには、「Do」または「Does」を文の最初に置きます。

【例文:Do】

  • Do I need a ticket? (私はチケットが必要ですか?)
  • Do you like Japanese food? (あなたは日本食が好きですか?)
  • Do we have enough time? (私たちには十分な時間がありますか?)
  • Do they understand the situation? (彼らは状況を理解していますか?)

【例文:Does】

  • Does he work here? (彼はここで働いていますか?)
  • Does she know him? (彼女は彼を知っていますか?)
  • Does it often snow in your city? (あなたの街ではよく雪が降りますか?)
  • Does this bus go to the station? (このバスは駅に行きますか?)

否定文と同じく、主語に合わせて Do か Does を選び、動詞は必ず原形にします。

What, Where, When, Why, Who, How などの疑問詞を使う場合は、「疑問詞 + do/does + 主語 + 動詞の原形?」の語順になります。

  • What do you want to eat? (あなたは何が食べたいですか?)
  • Where does she live? (彼女はどこに住んでいますか?)

これはNG!間違えやすい使い方

意味は通じるかもしれませんが、文法的に間違っている使い方や、不自然に聞こえる例を見てみましょう。特に三単現の「s」の扱いは要注意ですね。

  • 【NG】 He don’t like vegetables. (主語が三人称単数なので don’t は間違い)
  • 【OK】 He doesn’t like vegetables.
  • 【NG】 Does she plays tennis? (Does を使っているので動詞は原形に)
  • 【OK】 Does she play tennis?
  • 【NG】 They doesn’t understand. (主語が三人称複数なので doesn’t は間違い)
  • 【OK】 They don’t understand.
  • 【NG】 What do your brother do? (主語 “your brother” は三人称単数なので最初の do は間違い)
  • 【OK】 What does your brother do? (あなたの兄(弟)は何をしていますか?)

最後の例は少しややこしいですよね。最初の “does” は疑問文を作るための助動詞、最後の “do” は「(仕事などを)する」という意味の一般動詞です。主語が “your brother”(三人称単数)なので、助動詞は “does” を使うのが正解です。

【応用編】似ている助動詞「be動詞」との違いは?

【要点】

「do/does」は一般動詞(動作や状態を表す動詞)の疑問文・否定文で使う助動詞です。一方、「be動詞(is, am, are など)」は主語の状態や存在を表し、疑問文・否定文は be動詞自体を変化させて作ります。「do/does」と「be動詞」を一緒に使うことは基本的にありません。

英語の助動詞で「do/does」と混同しやすいのが「be動詞」(is, am, are など)ですよね。

これらは全く役割が異なるので、違いをしっかり理解しておくことが大切です。

「do/does」は、一般動詞(例:play, eat, study, like)の疑問文や否定文を作るのを「助ける」動詞です。

一方、「be動詞」は、それ自体が「〜です」「〜いる」「〜ある」といった主語の状態や存在を表す動詞です。

決定的な違いは、疑問文と否定文の作り方です。

【do/does を使う一般動詞の場合】

  • You like music.
  • 否定文: You don’t like music. (don’t を加える)
  • 疑問文: Do you like music? (Do を文頭に置く)
  • She plays the piano.
  • 否定文: She doesn’t play the piano. (doesn’t を加え、動詞は原形に)
  • 疑問文: Does she play the piano? (Does を文頭に置き、動詞は原形に)

【be動詞の場合】

  • You are busy.
  • 否定文: You are not busy. (be動詞の後に not を置く)
  • 疑問文: Are you busy? (be動詞を文頭に置く)
  • He is a doctor.
  • 否定文: He is not a doctor. (be動詞の後に not を置く)
  • 疑問文: Is he a doctor? (be動詞を文頭に置く)

このように、be動詞は「do」や「does」の助けを借りずに、自分自身の形を変えたり位置を変えたりして疑問文・否定文を作ります。

「Are you like music?」や「Is he play the piano?」のように、be動詞と一般動詞を一緒の文で使うのは基本的な間違いなので注意しましょう。(進行形や受動態など特別な形を除く)

「この動詞は一般動詞かな?be動詞かな?」と迷ったら、その動詞だけで疑問文・否定文が作れるか考えてみると良いかもしれませんね。

「do」と「does」の違いを英語教育の視点から解説

【要点】

「do/does」の使い分けは、英語の基礎である「主語と動詞の一致(三人称単数現在形)」を理解しているかを示す重要な指標です。英語学習の初期段階でつまずきやすいポイントですが、これをマスターすることが、より複雑な英文を正確に構築するための土台となります。

英語を教えている立場から見ると、「do」と「does」の使い分けは、学習者が英語の基本的な文法ルール、特に「主語と動詞の一致(Subject-Verb Agreement)」を理解しているかどうかを示す、非常に重要なポイントになります。

なぜ「he」や「she」のときだけ動詞の形が変わるのか? これは英語史を遡ると色々な変遷があるのですが、現代英語では「三人称単数・現在形」の場合に動詞に-(e)sをつける、というルールとして定着しています。助動詞「do」が「does」に変化するのも、この大原則に則っているわけです。

学習者にとっては、特に日本語にはない概念なので、最初は戸惑うことが多いんですよね。「なんで主語によって形が変わるの?」と。

しかし、このルールは英語の根幹をなすものの一つです。これを乗り越えなければ、現在形を使った基本的なコミュニケーションでさえ、不自然な英語になってしまいます。

例えば、 “He like apples.” や “She don’t understand.” と言ってしまうと、ネイティブスピーカーは意味を推測してくれるかもしれませんが、文法的な誤りとして明確に認識されます。これは 마치 日本語で「私 は りんご を 好きです」を「私 が りんご を 好きです」と言ってしまうような、基本的な助詞の間違いに近い違和感を与える可能性があります。

英語教育においては、この「do」と「does」の使い分けを、単なる暗記ではなく、「主語が誰(何)で、いくつ(単数か複数か)で、いつの話(現在か過去か)か」を常に意識する訓練として位置づけています。多くの練習問題で繰り返し確認するのは、この意識を自動化するためなんですね。

この基礎がしっかり身につけば、現在完了形(have/has)、過去形(did)、未来形(will do)など、他の時制や助動詞との組み合わせにもスムーズに対応できるようになります。まさに、英語の文構造を理解するための土台作りと言えるでしょう。

僕が「do」と「does」を混同して恥をかいた学生時代の体験談

今でこそ英語の文法について話していますが、僕も学生時代は「do」と「does」で散々苦労しました。

特に忘れられないのが、中学2年生の英語の授業での出来事です。

当時、ALT(外国語指導助手)の先生との英会話の時間が週に一度ありました。その日のテーマは「家族の紹介」。先生が生徒一人ひとりに家族について質問していく形式でした。

僕の番が来て、先生が笑顔で尋ねました。”Does your father like cooking?” (お父さんは料理が好きですか?)

僕は頭の中で「僕の父(三人称単数)は料理をしない(現在形)」と考え、「いいえ、しません」と答えたかった。そこで自信満々に答えたのが…

“No, he don’t.”

その瞬間、先生の笑顔が少し曇り、「Oh, you mean, ‘No, he doesn’t.’?」と優しく訂正してくれました。クラスメイト数人がクスクス笑っているのが聞こえて、顔から火が出るほど恥ずかしかったのを覚えています。

頭では「三人称単数現在は does」と分かっていたつもりなのに、いざ話すとなると、つい慣れている「don’t」が出てしまったんですね。練習不足と、ルールが体に染みついていなかった証拠です。

この恥ずかしい経験のおかげで、「主語が he/she/it のときは does/doesn’t!」というルールが、嫌でも頭に刻み込まれました。間違えることは、決して悪いことではなく、むしろ記憶に定着させる絶好のチャンスなのだと、今では思います。

もしあなたが今、「do」と「does」で迷っているとしても、心配はいりません。何度も間違えながら、少しずつ体に馴染ませていけば、必ず自然に使い分けられるようになりますよ。

「do」と「does」に関するよくある質問

Q1: 主語が複数形の名詞のときは “do” と “does” のどちらを使いますか?

A1: 主語が複数形の名詞(例: my parents, the students, cats)の場合は、三人称単数ではないので“do”を使います。例えば、「あなたの両親は旅行が好きですか?」は “Do your parents like traveling?” となります。

Q2: 会社名(例: Google)が主語のときは “do” ですか? “does” ですか?

A2: 会社名や組織名は、通常、一つのまとまり(単数)として扱われるため、“does”を使います。例えば、「その会社は良いサービスを提供していますか?」は “Does the company provide good service?” となります。

Q3: 過去形の疑問文や否定文を作るときはどうなりますか?

A3: 過去形の疑問文や否定文を作るときは、主語が何であっても助動詞“did”を使います。”do” や “does” は使いません。そして、続く動詞は原形になります。例えば、「彼は昨日テニスをしましたか?」は “Did he play tennis yesterday?”、「私はその映画を見ませんでした」は “I didn’t watch the movie.” となります。

「do」と「does」の違いのまとめ

「do」と「does」の違い、スッキリ整理できたでしょうか?

最後に、この記事のポイントをまとめておきますね。

  1. 基本は主語で使い分け:主語が「三人称単数(he, she, it など)」で「現在形」のときだけ「does」、それ以外は「do」を使う。
  2. 疑問文・否定文の助っ人:「do」「does」は一般動詞の現在形の疑問文・否定文を作る助動詞。
  3. 動詞は原形に:「does」や「doesn’t」を使った後は、一般動詞は必ず原形に戻す。
  4. be動詞とは混ぜない:be動詞の文では「do」「does」は使わない。

この使い分けは、英語の基礎中の基礎ですが、それだけに非常に重要です。最初は意識しないと間違えやすいですが、たくさんの英文に触れたり、自分で文を作ったりする練習を繰り返すうちに、自然と身についていきます。

今回の内容をしっかりマスターして、自信を持って英語を使えるようになってくださいね。言葉の使い分けについてさらに知りたい方は、カタカナ語・外来語の違いをまとめたページもぜひご覧ください。