「feature」と「characteristic」、どちらも「特徴」や「特性」と訳されることが多い英単語ですよね。
でも、いざ英語で説明したり、カタカナ語として使ったりする場面で、「あれ、どっちを使うのが適切なんだっけ?」と迷ってしまうことはありませんか?実はこの二つ、際立った機能や要素を指すのか、それとも本質的な性質を指すのかで使い分けるのが基本なんです。
この記事を読めば、「feature」と「characteristic」の核心的な意味の違いから、語源、具体的な使い分け、さらには似た言葉との違いまでスッキリ理解でき、もう迷うことはありません。
それでは、まず最も重要な違いから見ていきましょう。
結論:一覧表でわかる「feature」と「characteristic」の最も重要な違い
基本的には製品などの目立つ機能や特別な要素なら「feature」、人や物の本質的・内在的な性質なら「characteristic」と覚えるのが簡単です。「feature」は後から追加・変更可能な側面、「characteristic」はその存在に固有の性質、というイメージですね。
まず、結論として「feature」と「characteristic」の最も重要な違いを一覧表にまとめました。
これさえ押さえれば、基本的な使い分けは大丈夫でしょう。
| 項目 | feature | characteristic |
|---|---|---|
| 中心的な意味 | 目立つ部分、主要な点、機能、特別な要素 | その人や物に特有の性質、本質的な特徴、属性 |
| 焦点 | 際立った点、追加されたもの、意図的に設計された側面 | 内在的、本質的、その存在を定義づける性質 |
| 変更可能性 | 変更・追加・削除が可能(例:ソフトウェアの機能追加) | 通常、変更が困難または不可能(例:人の性格、物質の融点) |
| 対象例 | 製品の機能、映画の出演者、地形、記事 | 人の性格、動物の習性、物質の特性、文化の特徴 |
| ニュアンス | 売り、目玉、機能、側面 | 性質、特性、属性、らしさ |
ポイントは、「feature」は製品やサービスなどが持つ特定の機能や際立った点を指すのに対し、「characteristic」はその人や物が本来持っている、より本質的な性質や属性を指すという点です。
スマートフォンの「カメラ機能」は feature ですが、そのスマートフォンに使われている素材の「軽さ」は material characteristic(素材特性)と言えますね。
なぜ違う?言葉の由来(語源)からイメージを掴む
「feature」は「作られたもの」「形作られたもの」という語源を持ち、意図的に加えられた機能や目立つ部分を連想させます。一方、「characteristic」は固有の「印」や「しるし」が語源であり、そのものに本来備わっている本質的な性質をイメージさせます。
なぜこの二つの言葉が異なるニュアンスを持つのか、それぞれの語源を探ると、そのイメージがより鮮明になりますよ。
「feature」の由来:「作り」や「形」を表す言葉
「feature」の語源は、ラテン語の “factura”(作ること、形成)に遡ります。
これが古フランス語の “faiture”(作り、形)を経て、英語に取り入れられました。
元々は「作られたもの」や「形作られたもの」といった意味合いが強く、そこから顔の「作り」(目鼻立ち)や、物事の「目立つ部分」、さらには製品などに意図的に「作り込まれた機能」といった意味へと発展していきました。
人工的に付け加えられたり、特に目立つように設計された側面、そんなイメージを持つと理解しやすいでしょう。
「characteristic」の由来:「印」や「しるし」を表す言葉
一方、「characteristic」の語源は、ギリシャ語の “kharaktēr”(刻印、印)です。
これは、人や物を他と区別するための「印」や「しるし」を意味し、ラテン語の “character”(性格、特徴)を経て英語の “characteristic” へと繋がりました。
つまり、元々はその存在に固有の、本質的な性質や属性を示す言葉だったわけですね。
人の性格や、物質が本来持つ物理的な特性など、変えることが難しい、そのもの「らしさ」を表すイメージです。
具体的な例文で使い方をマスターする
ソフトウェアの新機能は「feature」、リーダーに求められる資質は「characteristic」です。製品の「売り」となる部分はfeature、人や物の変わらない「性質」はcharacteristicと使い分けましょう。
言葉の違いは、具体的な例文で確認するのが一番ですよね。
ビジネスシーンと日常会話、そして間違いやすいNG例を見ていきましょう。
ビジネスシーンでの使い分け
製品説明や人物評価などでよく使われます。機能か本質か、意識して使い分けましょう。
【OK例文:feature】
- This new software has several useful features. (この新しいソフトウェアには、いくつかの便利な機能があります。)
- The key feature of this model is its long battery life. (このモデルの主な特徴(セールスポイント)は、バッテリー寿命の長さです。)
- We plan to add more security features in the next update. (次のアップデートで、さらに多くのセキュリティ機能を追加する予定です。)
- The article features an interview with the CEO. (その記事はCEOへのインタビューを特集しています。) (動詞としての用法)
【OK例文:characteristic】
- Adaptability is a key characteristic required for this role. (この役職には、適応性が重要な特性として求められます。)
- One characteristic of this material is its high durability. (この素材の特性の一つは、高い耐久性です。)
- His leadership style has several distinct characteristics. (彼のリーダーシップスタイルには、いくつかの際立った特徴があります。)
- A common characteristic of successful startups is innovation. (成功するスタートアップに共通する特徴は、革新性です。)
製品の機能や「売り」には feature、人や物の性質、資質には characteristic が使われているのが分かりますね。
日常会話での使い分け
日常会話でも、考え方は同じです。
【OK例文:feature】
- What are the special features of this smartphone? (このスマートフォンの特別な機能は何ですか?)
- The town’s main feature is its beautiful coastline. (その町の主な特徴(名所)は、美しい海岸線です。)
- Her eyes are her best feature. (彼女の目は、彼女の最も魅力的な部分です。) (容姿について)
【OK例文:characteristic】
- Patience is a valuable characteristic. (忍耐強さは価値のある特性です。)
- A defining characteristic of mammals is that they feed milk to their young. (哺乳類を定義づける特徴は、子どもに乳を与えることです。)
- It’s characteristic of him to be late. (彼が遅刻するのは、彼らしい特徴だ。) (形容詞としての用法)
これはNG!間違えやすい使い方
どちらを使っても意味が通じなくはないけれど、不自然に聞こえたり、意図が正確に伝わらなかったりする例です。
- 【NG】 A key characteristic of this car is the sunroof. (車のサンルーフは後付け可能な「機能」「装備」なので feature が自然)
- 【OK】 A key feature of this car is the sunroof.
- 【NG】 The most important feature of a diamond is its hardness. (硬度はダイヤモンドの本質的な「性質」なので characteristic が適切)
- 【OK】 The most important characteristic of a diamond is its hardness.
- 【NG】 Being bilingual is one of her main characteristics. (言語能力は後天的に習得されるスキルであり、「際立った点」なので feature の方が一般的。ただし、非常に幼い頃から自然に習得した場合は characteristic とも言える場合も)
- 【OK】 Being bilingual is one of her main features (or attributes/skills).
このように、後付けできるものか、本質的なものか、という視点で考えると、より自然な使い分けができますね。
【応用編】似ている言葉「trait」「property」との違いは?
「trait」は主に人の性格特性、「property」は物質の物理的・化学的特性を指す場合に用いられます。「feature」や「characteristic」よりも使われる範囲が限定的です。
「特徴」や「特性」を表す言葉は他にもあります。代表的なものとして「trait」と「property」との違いも簡単に見ておきましょう。
- trait: 主に人の性格や性質における特徴を指します。「characteristic」と非常に近いですが、特に遺伝的・生来的なニュアンスを含むことがあります。(例:a personality trait / 性格特性)
- property: 主に物質が持つ物理的・化学的な特性や性質を指します。科学的な文脈でよく使われます。(例:the chemical properties of water / 水の化学的特性)
大まかには、「feature」が最も広く使われ、「characteristic」は人や物の本質的な性質、「trait」は人の性格、「property」は物質の特性、というように使い分けると良いでしょう。
「feature」と「characteristic」の違いを改めて整理
「feature」は製品の機能やデザインなど、目に見えやすく、追加・変更可能な「際立った点」です。「characteristic」は人柄や物質の性質など、その存在に固有で、本質的な「変わらない性質」を指します。
ここまで見てきたように、「feature」と「characteristic」は、どちらも「特徴」と訳せますが、ニュアンスが異なります。
「feature」は、どちらかというと外から見て分かりやすい、際立った点や機能、セールスポイントを指します。ソフトウェアの新しい機能、建物のデザイン上の特徴、顔のパーツ(目鼻立ち)などがこれにあたりますね。後から付け加えたり、変更したりすることが可能なものが多いです。
一方、「characteristic」は、その人や物が本来持っている、より本質的で内在的な性質や属性を指します。人の性格(例:正直さ、忍耐強さ)、物質の物理的特性(例:水の沸点、金属の硬度)、生物の種としての特徴などがこれにあたります。これらは通常、簡単には変えられない、その存在を特徴づける要素です。
製品の魅力を語るときは、具体的な「機能」として「feature」を使い、その製品が持つ素材本来の「良さ」や、ターゲット顧客層の「性質」については「characteristic」を使う、といった使い分けができそうですね。
僕が製品紹介で「feature」と「characteristic」を混同した失敗談
僕も駆け出しのマーケターだった頃、この二つの言葉の使い分けで冷や汗をかいた経験があります。
当時、新開発された高機能素材を使ったアウトドアジャケットの紹介文を書いていました。その素材は、驚くほど軽量でありながら、非常に高い防水性と透湿性を備えているのが売りでした。
僕は、その「軽さ」「防水性」「透湿性」をアピールしようとして、「This jacket has three main characteristics: lightweight, waterproof, and breathable.」と書いてしまったのです。素材が持つ「性質」だから characteristic だろう、と安易に考えてしまったんですね。
しかし、ネイティブの上司にレビューしてもらったところ、「うーん、言いたいことは分かるけど、この文脈だとちょっと不自然かな」と指摘されました。「素材自体の性質は characteristic だけど、それが製品の『売り』や『際立った点』になっている場合は、feature を使う方が一般的だよ。特に顧客に向けた説明ではね」と。
そして、「例えば、’Key features of this jacket include its lightweight design, waterproof fabric, and high breathability.’ の方が、製品の魅力を伝える上では自然に聞こえるよ」と教えてくれました。
言葉の厳密な定義だけでなく、それが顧客にどう伝わるか、どういう文脈で使うのが最も効果的かを考える重要性を痛感した出来事でした。
辞書的な意味だけで判断せず、実際の使われ方やニュアンスを意識するきっかけになりましたね。
「feature」と「characteristic」に関するよくある質問
ここでは、「feature」と「characteristic」に関してよくある質問にQ&A形式でお答えします。
Q1: カタカナで「フィーチャー」「キャラクタリスティック」と使う場合も、同じ使い分けですか?
A1: はい、基本的には同じ考え方で使い分けます。「新製品のフィーチャー(機能、目玉)を紹介します」「彼のキャラクタリスティック(性格的特徴、個性)は~」のように使うのが自然ですね。ただし、日本語の文脈では「特徴」という言葉で両方をカバーできる場合も多いので、無理にカタカナ語を使わず「特徴」と言い換えるのも良いでしょう。
Q2: 人の容姿について話すときはどちらを使いますか?
A2: どちらも使えますが、ニュアンスが少し異なります。「Her eyes are her best feature.(彼女の目は彼女の一番の魅力だ)」のように、目鼻立ちなど個々の際立った部分を指す場合は「feature」がよく使われます。「A common characteristic of this ethnic group is dark hair.(この民族グループに共通する特徴は黒髪です)」のように、集団としての身体的な性質を述べる場合は「characteristic」が使われることがあります。
Q3: どうしても使い分けに迷ったときはどうすれば良いですか?
A3: 文脈によりますが、製品やサービスの「機能」や「目玉」を指す場合は「feature」を使うのが無難なことが多いでしょう。人や物の「性質」について述べたい場合は、「characteristic」が基本ですが、より一般的な「quality」や「attribute」などの言葉で言い換えることも可能です。迷ったら、より広く使われている言葉を選ぶか、具体的な日本語で説明することを検討してみてください。
「feature」と「characteristic」の違いのまとめ
「feature」と「characteristic」の違い、スッキリ整理できたでしょうか。
最後に、この記事のポイントをまとめておきますね。
- 焦点が違う:「feature」は際立った機能や要素、「characteristic」は本質的な性質や属性。
- 変更可能性が違う:「feature」は変更可能な場合が多いが、「characteristic」は通常変えられない。
- 由来が違う:「feature」は「作られたもの」、「characteristic」は「固有の印」が語源。
- 文脈で判断:製品の「売り」なら feature、人や物の「性質」なら characteristic が基本。迷ったら言い換えも検討。
言葉の背景にあるイメージを掴むと、機械的な暗記ではなく、感覚的に使い分けられるようになりますね。
英語でのコミュニケーションはもちろん、日本語でカタカナ語として使う際にも、この違いを意識することで、より正確で意図の伝わる表現ができるようになるはずです。
これから自信を持って、的確な言葉を選んでいきましょう。言葉の使い分けについてさらに知りたい方は、カタカナ語・外来語の違いをまとめたページもぜひご覧ください。