英語の資料作成やメールで、「including」と「included」、どちらを使うべきか迷った経験はありませんか?
見た目は似ていますが、文法的な役割とニュアンスが全く異なるため、使い方を間違えると意図が正しく伝わらない可能性がありますよね。
実はこの二つの単語は、文の中で「何かが何かを含んでいる」のか、「何かが何かに含まれている」のかという関係性で使い分けるのが基本です。
この記事を読めば、「including」と「included」の文法的な違いから具体的な使い方、よくある間違いまでスッキリ理解でき、英文作成で自信を持って使い分けられるようになります。もう迷うことはありません。
それでは、まず最も重要な違いから見ていきましょう。
結論:一覧表でわかる「including」と「included」の最も重要な違い
基本的には、「~を含めて」と例を挙げるときは「including」、「~が含まれている」と説明するときは「included」と覚えるのが簡単です。「including」は能動的に何かを含んでいる状況、「included」は受動的に何かに含まれている状況を示します。
まず、結論からお伝えしますね。
「including」と「included」の最も重要な違いを、以下の表にまとめました。これさえ押さえれば、基本的な使い分けはバッチリです。
| 項目 | including | included |
|---|---|---|
| 品詞 | 現在分詞、前置詞 | 過去分詞、形容詞 |
| 中心的な意味 | ~を含んでいる、~を含めて | 含まれている、同梱されている |
| 文法的な役割 | 前の名詞を修飾したり、文全体を補足したりする。(能動) | 名詞を修飾したり、be動詞と共に受動態を作ったりする。(受動) |
| ニュアンス | 全体の中から一部の例を挙げる。付け加える。 | ある集合体の一部であることを示す。既に中に入っている。 |
| よく使われる形 | …, including A, B, and C. 名詞 + including … |
… is/are included in … the included … |
簡単に言うと、「including」は「~を含めてね」と後から情報を付け加える感じで、「included」は「~が入ってるよ」と、すでに入っている状態を示すイメージですね。
例えば、「多くの参加者がいました、山田さんを含めて(including Mr. Yamada)」のように使います。一方で、「昼食代はツアー料金に含まれています(Lunch is included in the tour price)」のように使います。
なぜ違う?「including」と「included」の文法的な役割
「including」は動詞「include」の現在分詞形で、「~を含んでいる」という能動的な意味合いを持ちます。主に前置詞のように使われ、例を列挙する際に便利です。一方、「included」は過去分詞形で、「~に含まれる」という受動的な意味合いを持ち、形容詞として名詞を修飾したり、受動態の文で使われます。
なぜこの二つの言葉を使い分ける必要があるのか、それぞれの文法的な成り立ちを見ていくと、その理由がはっきりと理解できますよ。
どちらも「含む」という意味の動詞 “include” から派生した形ですが、役割が異なります。
「including」は「含んでいる」現在分詞・前置詞
「including」は、動詞 “include” の現在分詞形(-ing形)です。
現在分詞は、「~している」という進行中の動作や能動的な意味合いを持ちます。「including」の場合、「何かを含んでいる」というニュアンスになります。
文法的には、前の名詞を修飾する形容詞的な役割を果たすこともありますが、多くの場合、前置詞のように使われ、「~を含めて」「~など」という意味で、具体的な例を列挙する際に用いられます。
イメージとしては、ある集まりがあって、その中身の一部を「これとか、これとかを含めてね」と指し示す感じです。
例えば、「We have many participants, including students and teachers.」(学生や先生を含めて、たくさんの参加者がいます)のように使います。
「included」は「含まれる」過去分詞・形容詞
一方、「included」は、動詞 “include” の過去分詞形(-ed形)です。
過去分詞は、「~される」「~された」という受動的な意味合いや完了した状態を表します。「included」の場合、「含まれている」というニュアンスになります。
文法的には、名詞を修飾する形容詞として使われたり(例: the included documents – 含まれている書類)、be動詞と共に使われて受動態の文を作ったりします(例: Tax is included – 税金が含まれている)。
イメージとしては、ある箱があって、その中に「これが入っているよ」と中身の状態を説明する感じです。
例えば、「The price included tax.」(その価格には税金が含まれていた)や「Breakfast is included.」(朝食が含まれています)のように使われます。
具体的な例文で使い方をマスターする
ビジネスメールで添付ファイルに言及する際は「the included file」(含まれるファイル)や「The price includes tax.」のように使います。一方、参加者リストの例を挙げるなら「participants including…」となります。日常会話でセット内容を説明するなら「Batteries are included.」のように、例を挙げるなら「I like fruits, including apples and oranges.」のように使い分けます。
言葉の違いは、具体的な例文で確認するのが一番ですよね。
ビジネスと日常、そして間違いやすいNG例を見ていきましょう。
ビジネスシーンでの使い分け
レポートやメールでの使い方を意識してみましょう。
【OK例文:including】
- Several departments will join the project, including Marketing and Sales. (マーケティング部や営業部を含め、いくつかの部署がプロジェクトに参加します。)
- The report covers various topics, including market trends and competitor analysis. (そのレポートは、市場動向や競合分析など、様々なトピックを扱っています。)
- We offer many benefits to our employees, including health insurance and paid leave. (私たちは従業員に、健康保険や有給休暇を含め、多くの福利厚生を提供しています。)
【OK例文:included】
- Please find the requested information in the included document. (ご要望の情報は、添付(含まれている)書類でご確認ください。)
- Shipping costs are not included in the price. (配送料は価格に含まれていません。)
- All necessary parts are included in the kit. (必要な部品はすべてキットに含まれています。)
- 消費税込みの価格です。 (The price includes tax. / Tax is included in the price.)
特に、「消費税込み」のように、何かが既に含まれている状態を説明するときは “included” や動詞の “includes” が自然ですね。「including tax」と言うと、「税金を含めてね」と後から付け加えるような不自然な響きになることがあります。
日常会話での使い分け
日常会話でも、考え方は同じです。
【OK例文:including】
- I like many kinds of animals, including dogs and cats. (私は犬や猫を含め、たくさんの種類の動物が好きです。)
- Everyone is coming to the party, including my cousin from Osaka. (大阪から来るいとこも含めて、みんなパーティーに来ますよ。)
- This shop sells various stationeries, including pens, notebooks, and erasers. (この店はペン、ノート、消しゴムなど、様々な文房具を売っています。)
【OK例文:included】
- Are batteries included with this toy? (このおもちゃには電池が含まれていますか?)
- Service charge is already included in the bill. (サービス料はすでに請求書に含まれています。)
- The instruction manual is included in the box. (取扱説明書は箱に含まれています。)
これはNG!間違えやすい使い方
意味は通じるかもしれませんが、文法的に不自然になる使い方を見てみましょう。
- 【NG】 The price is including tax.
- 【OK】 The price includes tax. / Tax is included in the price.
価格に税金が「含まれている」状態なので、受動的な意味合いの “included” か、動詞 “includes” を使うのが自然です。”is including” は文法的に間違いではありませんが、「今まさに含みつつある」という進行形のニュアンスになり、通常は使いません。(これは日本人が特に間違いやすいポイントです!)
- 【NG】 Please check the including files.
- 【OK】 Please check the included files. / Please check the files included.
ファイルは「含まれている」側なので、過去分詞 “included” を形容詞として使います。「including files」だと「ファイルを含んでいる何か」という意味になってしまいます。
僕がプレゼン資料で赤面した「including」と「included」の混同体験談
僕も英語を学び始めたばかりの頃、この「including」と「included」で恥ずかしい失敗をしたことがあるんです。
大学の英語プレゼンテーションの授業でのこと。ある製品の機能を紹介するスライドで、付属品リストを説明する場面がありました。「この製品には、ケーブル、アダプター、そして説明書が含まれています」と言いたかったんです。
自信満々にスライドに “Accessories including Cable, Adapter, and Manual.” と書き、そのまま発表してしまいました。「~を含めて」だから “including” だろう、と単純に考えてしまったんですね。
発表後、ネイティブの先生からフィードバックをもらう時間があり、先生は優しくもはっきりと指摘しました。
「Keita, ここの表現だけど、付属品が『含まれている』ことを示したいなら、”Accessories included:” か、”The accessories include a cable, an adapter, and a manual.” の方が自然だよ。”including” を使うなら、例えば “We offer various accessories, including…” のように、何か大きなカテゴリーがあってその例を挙げる時に使うことが多いんだ。」
その瞬間、顔がカッと熱くなりました。付属品リストは、製品パッケージに「含まれている」もの。受動的な意味合いの “included” が適切だったのに、能動的な “including” を使ってしまった…。文法的な役割の違いを全く理解していなかった自分に気づき、本当に恥ずかしかったです。
この経験から、単語の意味だけでなく、文法的な役割(現在分詞なのか過去分詞なのか、能動なのか受動なのか)を意識することが、正確な英語表現には不可欠だと痛感しました。それ以来、-ing形と-ed形の違いには特に気をつけるようになりましたね。
「including」と「included」に関するよくある質問
Q. カンマの有無で意味は変わりますか?
A. 「including」を使う際、文末に例を追加する場合はカンマを打つのが一般的です(例: I like sports, including tennis.)。名詞の直後に置いて修飾する場合はカンマは不要です(例: The price including tax is…)。一方、「included」が形容詞として名詞の前に来る場合はカンマは不要です(例: the included parts)。
Q. 「include」という動詞の形との違いは?
A. 「include」は「~を含む」という動詞の原形・現在形です。主語が何かを能動的に含んでいることを示します(例: The team includes five members.)。「including」は現在分詞・前置詞、「included」は過去分詞・形容詞として使われる点が異なります。
Q. 日本語で「~込み」と言いたいときはどちらを使えばいいですか?
A. 「税込み」「送料込み」のように、何かが既に含まれている状態を示す場合は、「Tax included」「Shipping included」のように「included」を使うか、「The price includes tax」のように動詞「include」を使うのが一般的です。「including」を使うと不自然になることが多いです。
「including」と「included」の違いのまとめ
「including」と「included」の違い、スッキリご理解いただけたでしょうか。
最後に、この記事のポイントをまとめておきますね。
- 文法的な役割で使い分け:「including」は能動的な意味合い(~を含んでいる)で前置詞的に使われることが多い。「included」は受動的な意味合い(~に含まれる)で形容詞や受動態で使われる。
- 意味合いで判断:「~を含めて」と例を挙げるときは「including」、「~が含まれている」状態を示すときは「included」。
- よくある間違いに注意:「価格に~が含まれる」は “is included” や “includes” を使う。”is including” は通常使わない。「添付ファイル」は “included file(s)”。
文法的な役割(現在分詞か過去分詞か)と、能動・受動の意味合いを意識すれば、迷わず使い分けられるようになりますね。
これらの違いを理解して、ぜひ正確で自然な英語表現を目指してください。言葉の使い分けについてさらに知りたい方は、カタカナ語・外来語の違いをまとめたページもぜひご覧ください。