英語で「確認する」と言いたいとき、”verify” と “confirm” のどちらを使うか迷ったことはありませんか?
どちらも何かを確かめる際に使う言葉ですが、実はその目的やニュアンスにはっきりとした違いがあります。
「予約を確認する」のはどっち?「事実を確認する」のは? 日常会話からビジネスシーンまで、これらの単語は頻繁に登場しますよね。実は、それが「本当かどうか」「正しいかどうか」を証拠などで確かめるのか、それとも「間違いがないか」「確定させるか」を念押しで確かめるのか、という点で使い分けるのがポイントなんです。
この記事を読めば、「verify」と「confirm」の核心的な意味の違いから、具体的な使い分け、似ている単語「check」との比較までスッキリ理解でき、自信を持って適切な単語を選べるようになります。それでは、まず最も重要な違いから見ていきましょう。
結論:一覧表でわかる「verify」と「confirm」の最も重要な違い
基本的には、「verify」は情報や事実が「真実か、正確か」を証拠などで「検証・証明する」ことを指し、「confirm」は予定や理解などが「確かか、確定しているか」を念のため「再確認・確定する」ことを指すと覚えるのが簡単です。
まず、結論からお伝えしますね。
「verify」と「confirm」の最も重要な違いを、以下の表にまとめました。これさえ押さえれば、基本的な使い分けは大丈夫でしょう。
| 項目 | verify | confirm |
|---|---|---|
| 核心イメージ | 真実・正確性を証明する | 確固たるものにする、確定させる |
| 主な目的 | 真偽、正確さ、正当性を検証・証明する | 確かさ、合意、予定などを確認・確定する |
| 確認の方法 | 証拠、データ、事実との照合 | 再度のチェック、相手への問いかけ、承認 |
| 主な対象 | 情報、データ、身元、仮説、品質など | 予約、予定、注文、理解、情報、決定など |
| ニュアンス | 客観的な証拠に基づく検証 | 念のための再確認、最終的な確定 |
| 名詞形 | verification (検証、証明) | confirmation (確認、承認) |
一番のポイントは、“verify” は客観的な証拠に基づいて「本当かな?」を確かめるイメージ、“confirm” はすでに把握している(と思っている)ことに対して「これで間違いないよね?」と念を押したり、最終決定したりするイメージ、という点ですね。
例えば、レポートに書かれたデータの「正確性」を確かめるのは “verify the data” ですが、会議の「日時」を念のためもう一度確かめるのは “confirm the meeting time” となります。
なぜ違う?言葉の成り立ち(語源)から核心イメージを掴む
「verify」はラテン語の「真実(verus)」+「作る(facere)」に由来し、「真実であることを示す」という検証・証明のイメージです。「confirm」はラテン語の「共に(con-)」+「固める(firmare)」に由来し、「(疑念などをなくして)しっかりと固める」という確認・確定のイメージです。
この二つの言葉のニュアンスの違いは、それぞれの語源を探ると非常によく理解できます。
「verify」の語源イメージ:真実(verus)であることを示す
“verify” の語源は、ラテン語の “verus”(真実の、本当の)と “facere”(作る、なす)が組み合わさった “verificare” にあります。文字通り「真実にする」「真実であることを示す」という意味合いが元になっています。
このことから、「verify」には、提示された情報や主張、仮説などが、客観的な事実や証拠に照らして本当に正しいのかどうかを「検証」し、「証明」するという核心的なイメージが生まれます。
身元を確認する (verify identity)、データが正確か検証する (verify data)、アリバイを証明する (verify an alibi) といった使い方は、まさにこの語源イメージに合致しますね。
「confirm」の語源イメージ:確固たるもの(firmus)にする
“confirm” の語源は、ラテン語の “con-“(共に、完全に)と “firmare”(固める、強くする、確立する、”firmus” = 固い、強い)が組み合わさった “confirmare” にあります。これは「(共に)しっかりと固める」「確実なものにする」という意味合いです。
この語源から、「confirm」には、すでに存在している情報、予定、理解、疑念などに対して、それが確かであるか念を押して再確認したり、承認したりすることで、より「確固たる」「確定的な」ものにするという核心的なイメージが生まれます。
予約を確認する (confirm a reservation)、計画を確定する (confirm a plan)、噂が本当か確かめる (confirm a rumor)、理解を確認する (confirm understanding) といった使い方は、この「固める」イメージに繋がりますね。
語源を比べると、「verify = 真実性の検証」「confirm = 確実性の担保」という違いが、よりはっきりとイメージできるのではないでしょうか。
具体的な例文で使い方をマスターする
事実・データ・身元・アリバイなどの真偽や正確性を「検証・証明する」場合は「verify」を使います。予約・予定・注文・理解・情報などを念のため「再確認する」または最終的に「確定・承認する」場合は「confirm」を使います。
核心イメージが掴めたところで、具体的な例文を通して、それぞれの単語がどのような場面で使われるかを見ていきましょう。
「verify」が適切な場面(真偽・正確性の検証)
客観的な証拠や基準に基づいて、真実かどうか、正しいかどうかを確かめる状況で使われます。
- Please verify your email address by clicking the link. (リンクをクリックしてメールアドレスを認証してください。)→ 本人確認
- We need to verify the accuracy of this data before publishing. (公開前にこのデータの正確性を検証する必要があります。)→ 正確性の検証
- Can you verify his alibi for that night? (その夜の彼のアリバイを証明できますか?)→ 真偽の証明
- The lab tests will verify the substance. (研究所のテストがその物質を特定するだろう。)→ 正当性の検証
- You must verify your identity to access the system. (システムにアクセスするには身元を証明する必要があります。)→ 正当性の証明
これらの場合、単に「確かめる」だけでなく、「本当にそうである」ことを客観的に示すニュアンスが含まれます。
「confirm」が適切な場面(確定・再確認・承認)
すでに知っている情報や予定などを、念のため確かめたり、最終的に確定させたりする状況で使われます。
- I’d like to confirm my flight reservation. (飛行機の予約を確認したいのですが。)→ 再確認
- Please confirm your attendance by Friday. (金曜日までに出欠をお知らせ[確定させて]ください。)→ 確定
- Can you confirm that you received my email? (私のメールを受け取ったことを確認していただけますか?)→ 再確認
- The results confirm our initial hypothesis. (その結果は私たちの当初の仮説を裏付けるものだ。)→ 確証
- He nodded to confirm his agreement. (彼は同意を示すために頷いた。)→ 承認・確定
- Could you confirm the spelling of your name? (お名前のスペルを確認させていただけますか?)→ 再確認
これらの場合、「検証」や「証明」というよりは、「念を押す」「確定させる」「裏付ける」といったニュアンスが強いですね。
これはNG!間違えやすい使い方
核心イメージを取り違えると、不自然な英語になります。
- 【NG】 Please verify your hotel booking. (予約は通常「再確認・確定」するもの)
- 【OK】 Please confirm your hotel booking.
- 【NG】 I called the restaurant to verify our reservation time. (予約時間は念のため「再確認」する)
- 【OK】 I called the restaurant to confirm our reservation time.
- 【NG】 We need evidence to confirm his identity. (身元は証拠で「証明・検証」するもの)
- 【OK】 We need evidence to verify his identity.
- 【NG】 Can you confirm if this calculation is correct? (計算の正しさは証拠(再計算)で「検証」する)
- 【OK】 Can you verify if this calculation is correct?
- 【補足】 Can you confirm that this calculation is correct? なら「(あなたが正しいと思っている)この計算が正しいことを確認してください」となり、文法的には可能だが、verify の方がより正確性を問うニュアンス。
予約や予定の確認に “verify” を使ったり、事実や正確性の検証に “confirm” を使ったりするのが、よくある間違いのパターンですね。
【応用編】似ている言葉「check」との違いは?
「check」は「調べる」「点検する」「確かめる」という意味で、”verify” や “confirm” よりも意味が広く、より口語的・日常的に使われます。簡単な確認から、安全性や状態の点検まで幅広く使え、”verify” や “confirm” の代わりになることも多いですが、フォーマルさやニュアンスの明確さでは劣ります。
“verify” や “confirm” と同じく「確認する」「確かめる」という意味で非常によく使われるのが “check” です。この違いも見ておきましょう。
“check” は、これら3つの中で最も意味が広く、かつ最も口語的・日常的な単語です。「調べる」「点検する」「照合する」「確かめる」など、文脈によって様々なニュアンスで使われます。
- Please check your email. (メールを確認してください。)
- Let me check the schedule. (スケジュールを確認させてください。)→ confirm に近い
- You should check the tires before driving. (運転前にタイヤを点検するべきです。)
- Can you check if the door is locked? (ドアに鍵がかかっているか確かめてくれますか?)→ verify/confirm 両方のニュアンスを含む
- I need to check these figures again. (これらの数字をもう一度照合する必要がある。)→ verify に近い
このように、”check” は “verify” が持つ「真偽・正確性の検証」のニュアンスや、”confirm” が持つ「再確認・確定」のニュアンスを含むこともできます。
では、”verify” や “confirm” の代わりに常に “check” を使っても良いのでしょうか?
日常会話では、多くの場合 “check” で十分意味が通じます。しかし、以下のような違いがあります。
- フォーマルさ: “check” は最もインフォーマルです。ビジネス文書や公式な場面では “verify” や “confirm” の方が適切な場合が多いです。
- ニュアンスの明確さ: “check” は意味が広いため、「具体的に何を確認するのか」が曖昧になることがあります。”verify” は「正確性の検証」、”confirm” は「確定」というニュアンスを明確に伝えたい場合には、それぞれを使い分ける方が効果的です。
- 「証明」のニュアンス: “verify” が持つ「証明する」という意味合いは “check” にはあまりありません。
大まかな使い分けとしては、
- 日常的な簡単な確認 → check
- 念のための再確認、確定 → confirm (check も可)
- 真偽・正確性の客観的な検証・証明 → verify (check も可だが、意味合いは弱まる)
と考えると良いでしょう。
「verify」と「confirm」の違いを英語学習の視点から解説
英語学習者は、”verify” と “confirm” を単に「確認する」と一括りにせず、それぞれの核心イメージ(verify=真偽の検証、confirm=確実性の担保)と使われる文脈(対象、フォーマル度)をセットで理解することが重要です。特にビジネスやアカデミックな場面での適切な使い分けは、より高度な英語運用能力を示す上で欠かせません。
英語学習において、”verify” と “confirm” のような類義語の使い分けをマスターすることは、語彙力を深め、表現の正確性を高める上で非常に重要です。
多くの初級・中級学習者は、まず意味の広い “check” や、あるいは “confirm” を「確認する」の代表的な単語として覚え、多用する傾向があります。しかし、より高度なレベルを目指すには、文脈に応じて “verify” を適切に選択できるようになる必要があります。
英語教育の観点からは、これらの単語を教える際に以下の点が強調されます。
- 日本語訳に頼らない: 「確認する」という日本語訳にとらわれず、それぞれの単語が持つ核心的なニュアンス(verify=真実・正確性の証明、confirm=確かさ・確定)を英語の定義や例文を通して理解させることが重要です。
- 語源の活用: “verus” (真実) や “firmus” (固い) といった語源に触れることで、単語の核心イメージを記憶に定着させやすくします。
- 典型的なコロケーション(共起表現)の提示: どのような名詞と一緒に使われやすいか (verify accuracy/identity, confirm reservation/plan) をセットで提示することで、具体的な使用場面をイメージさせます。
- フォーマル度の意識: “verify” や “confirm” が “check” よりもフォーマルな場面で使われることを意識させ、特にビジネス文書やアカデミックライティングでの適切な語彙選択の重要性を教えます。
- 文脈による判断訓練: 様々な文脈(例:実験データの検証、会議日程の確認、身元証明、予約の念押しなど)を提示し、それぞれの状況で最も適切な動詞は何かを考えさせる練習を行います。
単語を個別に覚えるだけでなく、どのような「対象」を、どのような「目的」で確認するのか、そしてどのような「場面」で使われるのかをセットで理解することが、これらの類義語を効果的に使い分けるための鍵となります。
特に、客観的な証拠に基づいて真偽を問う “verify” と、念を押して確かめる “confirm” の違いは、論理的な思考やビジネスコミュニケーションにおいて重要な区別となるため、中級以上の学習者には必須の知識と言えるでしょう。
僕が予約確認メールで「verify」を使ってしまった体験談
僕も昔、英語を使い始めたばかりの頃に、この “verify” と “confirm” を混同して、ちょっと恥ずかしいメールを送ってしまったことがあります。
海外のホテルをオンラインで予約した後、念のために予約がちゃんと取れているか確認のメールを送ることにしました。その時、辞書で「確認する」を引いて、なんだか「verify」の方がしっかり確認してくれそうな、かっちりした印象を受けたんです。
そこで、ホテルの予約係宛に、確かこんなメールを送ってしまいました。
“Dear Sir/Madam, I made a reservation online (Booking ID: 12345). Could you please verify my booking details?”
(拝啓、オンラインで予約しました(予約ID: 12345)。予約内容を検証していただけますでしょうか?)
自分としては、「予約が正しいか確かめてください」と丁寧に頼んだつもりでした。しかし、ホテルからの返信を見て、自分の間違いに気づきました。
“Dear Guest, Thank you for your email. We are pleased to confirm your reservation (Booking ID: 12345) as follows: …”
(お客様、メールありがとうございます。お客様のご予約(予約ID: 12345)を以下の通り確認いたしました…)
返信は丁寧でしたが、相手が “confirm” を使っているのを見て、「あ、verify じゃなかったんだ…」と悟りました。”verify” だと、まるで「私の予約が本物かどうか、証拠を見せて証明してください」と疑ってかかっているような、あるいはホテルの予約システム自体の正確性を検証してほしい、と要求しているような、ちょっと大げさで失礼なニュアンスに聞こえたかもしれないな、と後から反省しました。
ホテルの予約のような、すでに存在する(はずの)情報を念のため確かめる場合は、「(内容を固めるために)確認する」という意味の “confirm” が圧倒的に自然だったのです。
言葉のフォーマルさや「しっかり感」だけで選んでしまうと、かえって不自然になったり、意図しない伝わり方をしたりすることがあるのだと学びました。それ以来、特にメールなど書き言葉では、「この場面では verify と confirm、どっちのニュアンスが適切かな?」と、語源のイメージに立ち返って考えるようにしています。
「verify」と「confirm」に関するよくある質問
Q1: パスワードを再入力して「確認する」のは “verify”? “confirm”?
A1: この場合は“confirm” が一般的です。”Confirm your password” のように使われ、「(先ほど入力したものと)同じであることを確かめる」という再確認・確定のニュアンスです。一方で、アカウント作成時にメールアドレスが本人のものか「認証する」のは “verify your email address” となり、こちらは真偽・正当性の検証なので “verify” が使われます。
Q2: 上司に計画を「承認してもらう」のは “verify”? “confirm”?
A2: 計画の内容を最終的に「確定・承認する」という意味合いなので、“confirm” が適切です。”I need my boss to confirm the plan.” のように使います。”verify” は計画の正当性や実現可能性を客観的に「検証する」場合には使えますが、「承認」のニュアンスは弱いです。
Q3: “verify” と “confirm” を同じ文で使うことはありますか?
A3: はい、あり得ます。例えば、「Please verify the data first, and then confirm the final report with the client.」(まずデータの正確性を検証し、その後、最終報告書についてクライアントと確認(確定)してください)のように、異なる目的の「確認」が連続する場合には使われます。
「verify」と「confirm」の違いのまとめ
「verify」と「confirm」、これらの「確認する」を表す動詞の違い、もう迷いませんね!
最後に、この記事のポイントをまとめておきましょう。
- 核心イメージ:「verify」は真実・正確性を「検証・証明する」。「confirm」は確かさ・予定などを「再確認・確定する」。
- 確認の目的:「verify」は真偽や正しさを客観的に確かめる。「confirm」は間違いがないか念を押したり、最終決定したりする。
- 対象の傾向:「verify」は情報・データ・身元など。「confirm」は予約・予定・理解など。
- 似ている語:「check」はより口語的で広範囲な確認。「settle」は紛争などの「決着」のニュアンスで “resolve” に近い。
何かを確かめたいとき、それが「本当かどうか(証拠は?)」を問うているなら “verify”、「これで合ってるよね?(念のため)」を問うているなら “confirm” と考えてみてください。
このニュアンスの違いを理解し、文脈に合わせて使い分けることで、あなたの英語はより正確で、プロフェッショナルな響きを持つようになるはずです。ぜひ、自信を持って使い分けていきましょう。言葉の使い分けについてさらに知りたい方は、カタカナ語・外来語の違いをまとめたページもぜひご覧ください。