英語で未来のことを話すとき、「will」と「be going to」、どちらを使えばいいか迷う瞬間って、結構ありますよね。
中学校で習ったはずなのに、いざ使おうとすると「あれ、どっちだっけ?」となってしまう…。僕も昔はよく混乱していました。実はこの二つ、未来に対する「確からしさ」や「いつ決めたか」で使い分けるのが基本なんです。
この記事を読めば、「will」と「be going to」の核心的なイメージの違いから、具体的な使い分け、さらには現在進行形など他の未来表現との違いまでスッキリ理解でき、英会話や英文作成で迷うことはもうありません。自信を持って未来を語れるようになりますよ。それでは、まず最も重要な違いから見ていきましょう。
結論:一覧表でわかる「will」と「be going to」の最も重要な違い
基本的には、「will」はその場で決めた意志や根拠のない未来予測、「be going to」は既に決まっている予定や根拠のある未来予測と覚えるのが簡単です。「will」は主観的・突発的、「be going to」は客観的・計画的な未来を表します。
まず、結論からお伝えしますね。
この二つの未来表現の最も重要な違いを、以下の表にまとめました。これさえ押さえれば、基本的な使い分けはバッチリです。
| 項目 | will | be going to |
|---|---|---|
| 中心的な意味 | ~するつもりだ、~だろう(その場の意志・未来予測) | ~する予定だ、~しそうだ(事前に決めた予定・根拠ある予測) |
| 意志決定のタイミング | 話しているその場で決めたこと | 話す前から決めていたこと |
| 未来予測の根拠 | 話者の主観的な推測、漠然とした予測(根拠は薄いか無い) | 客観的な根拠に基づく予測(兆候がある) |
| ニュアンス | 自発的、突発的、不確か | 計画的、確実性が高い |
| 形式 | 助動詞 + 動詞の原形 | be動詞 + going to + 動詞の原形 |
| 例文(意志) | “The phone is ringing.” “OK, I‘ll get it.” (電話が鳴ってるよ。わかった、僕が出るよ。) | I‘m going to visit my grandparents next weekend. (来週末、祖父母を訪ねる予定です。) |
| 例文(予測) | I think it will rain tomorrow. (明日は雨が降ると思う。) | Look at those dark clouds! It‘s going to rain. (あの黒い雲を見て!雨が降りそうだ。) |
一番大切なポイントは、その未来の行動や出来事が、話している時点で既に計画されていたことなのか、それとも今決めたことなのか、そして未来予測に明確な根拠があるかどうか、ということですね。
電話が鳴って「僕が出るよ!」はその場の判断なので “will”、来週末の予定は前から決めていたので “be going to”。天気予報のように漠然とした予測は “will”、目の前の黒い雲という根拠があれば “be going to”。この感覚を掴むのが重要です。
なぜ違う?「will」と「be going to」の根本的なイメージ
「will」は元々「意志」を表す言葉で、そこから未来への意向や推測へと意味が広がりました。一方、「be going to」は「~へ向かっている」という進行中の動作が文字通りの意味で、そこから「~する予定だ」「~しそうだ」という近い未来や予定を表すようになりました。
なぜこの二つの表現にニュアンスの違いが生まれるのか、それぞれの成り立ちを紐解くと、その理由がよくわかりますよ。
「will」のイメージ:「その場の意志」と「漠然とした未来予測」
「will」は、古英語の “willan”(欲する、意図する)という動詞に由来します。つまり、元々は「意志」や「願望」を表す言葉だったんですね。
現代英語でも “I will do my best.” (最善を尽くします)のように、強い意志を表す用法が残っています。そして、この「~するつもりだ」という意志が未来の行動を示唆することから、未来を表す助動詞としても使われるようになりました。
そのため、「will」が持つ未来のイメージは、話者のその時点での意向や、主観的な推測が色濃く反映されたものになります。「こうなるだろうな」という漠然とした予測や、「よし、こうしよう!」というその場の決意、そんなニュアンスが根底にあると考えると分かりやすいでしょう。
「be going to」のイメージ:「事前に決めた予定」と「根拠のある未来予測」
一方、「be going to」は、文字通り “go” (行く)の現在進行形 “be going” に “to不定詞” (~することへ)が付いた形です。
元々は「~(する場所)へ向かっている」という物理的な移動を表していました。例えば “He is going to the station.” (彼は駅へ向かっている)のように使われますよね。
そこから、「ある行動や出来事に向かっている途中である」というイメージが転じて、「既に決まっている未来の予定」や、「現在の状況から見て、そうなることがほぼ確実な未来」を表すようになりました。
「~する方向へ進んでいる」という進行中のニュアンスがあるため、既に計画・準備が進んでいる予定や、目の前に兆候が現れている出来事を表現するのに適しているわけですね。
この成り立ちの違いが、「will」の突発性・主観性と、「be going to」の計画性・客観性というイメージの違いに繋がっているんです。
具体的な例文で使い方をマスターする
ビジネスシーンでは、会議で即座に対応を約束するなら「will」、既に決まっている出張予定を話すなら「be going to」。日常会話では、友達に「今度電話するね!」なら「will」、来週のパーティーに行く予定なら「be going to」。その場で決めたか、前から決めていたかが鍵です。
言葉の違いは、具体的な例文で確認するのが一番ですよね。シチュエーションによってどちらが自然か、感覚を掴んでいきましょう。
ビジネスシーンでの使い分け
意志決定のタイミングや計画性を意識すると、使い分けは簡単ですよ。
【OK例文:will】(その場の意志・約束、単純未来)
- “We need someone to handle this urgent task.” “Don’t worry, I‘ll take care of it.” (「この緊急タスクを誰か担当する必要がある」「心配しないでください、私がやります」) – その場での引き受け
- I will send you the details by email later today. (詳細は本日中にメールでお送りします) – その場での約束
- This new software will probably improve our efficiency. (この新しいソフトウェアはおそらく我々の効率を改善するだろう) – 根拠の薄い予測
【OK例文:be going to】(既に決まっている予定・計画、根拠のある予測)
- I‘m going to give a presentation at the conference next month. (来月のカンファレンスでプレゼンテーションをする予定です) – 事前に決まった予定
- We are going to launch the new product in spring. (我々は春に新製品を発売する予定です) – 計画
- Look at the sales figures! We‘re going to exceed our target this quarter. (売上数字を見て!今四半期は目標を超えそうだ) – データに基づく予測
会議などで即座に「やります」と応じる場合は “will” が自然ですし、既にスケジュールが決まっていることを伝える場合は “be going to” が適切ですね。
日常会話での使い分け
日常会話でも、考え方は同じです。
【OK例文:will】(その場の申し出・決意、漠然とした予測)
- “I’m thirsty.” “I‘ll get you some water.” (「喉が渇いた」「お水を持ってきてあげるよ」) – その場の申し出
- OK, I‘ll call you tonight. (わかった、今夜電話するね) – その場での約束
- Maybe he will come to the party. (もしかしたら彼はパーティーに来るかもしれない) – 不確かな予測
【OK例文:be going to】(既に決まっている予定・意図、確実性の高い予測)
- We are going to have dinner at that new Italian restaurant tonight. (今夜、あの新しいイタリアンレストランで夕食をとる予定なんだ) – 事前に決めた予定
- She‘s going to study abroad next year. (彼女は来年留学する予定だ) – 前から決めている意図
- Be careful! That box is going to fall! (気をつけて!あの箱、落ちそうだよ!) – 目の前の状況からの確実な予測
友達との会話で「~するね!」とその場で決めたことは “will”、「~する予定なんだ」と前から考えていたことは “be going to” を使うのが基本ですね。
これはNG!間違えやすい使い方
特に、「既に決まっている予定」について “will” を使うと不自然に聞こえることがあります。
- 【不自然】 I will travel to Hawaii next month. I bought the tickets yesterday. (来月ハワイに旅行します。昨日チケットを買いました。)
- 【OK】 I‘m going to travel to Hawaii next month. I bought the tickets yesterday. (来月ハワイに旅行する予定です。昨日チケットを買いました。)
チケットを既に購入している=前から計画していたことなので、”be going to” を使うのが自然です。”will” を使うと、まるで今思いついたかのような響きになってしまいます。
逆に、「その場の意志」を “be going to” で言うのも不自然です。
- 【不自然】 “The doorbell is ringing.” “I‘m going to answer it.” (「ドアのベルが鳴ってるよ」「私が出る予定です」)
- 【OK】 “The doorbell is ringing.” “I‘ll answer it.” (「ドアのベルが鳴ってるよ」「私が出るよ」)
ベルが鳴ったのを聞いて「出る」と決めたのはその場なので、”will” が適切です。”be going to” だと、まるでベルが鳴る前から出る予定だったかのように聞こえてしまいますね。
この「いつ決めたか」という感覚が、使い分けの重要なポイントです。
【応用編】似ている未来表現との違いは?
未来を表す表現には他に「現在進行形 (be + -ing)」や「shall」があります。現在進行形は、既に手配済みの確定的な近い未来の予定(特に移動を伴うもの)に使われます。「shall」は、主に疑問文で提案や申し出を表したり、格式ばった文脈で未来を表したりするのに使われます。
「will」と「be going to」以外にも、未来を表す表現がありますね。代表的なものとして、現在進行形と「shall」との違いを見てみましょう。
現在進行形 (be + -ing) との違い:「確定的な近い未来の予定」
現在進行形(be + 動詞の-ing形)も、未来の予定を表すことがあります。特に、既に手配や準備が済んでいる、比較的近い未来の確定的な予定を表す場合によく使われます。
- I‘m meeting John for lunch tomorrow. (明日、ジョンと昼食をとります) – 既に約束済み
- We are flying to London next week. (来週、ロンドンへ飛行機で行きます) – 航空券など手配済み
“be going to” も事前に決めた予定を表しますが、現在進行形の方がより「個人的な予定」「既に手配済み」という確定的なニュアンスが強くなります。特に、go, come, meet, leave, arrive など移動や会合に関する動詞でよく使われますね。
確実性の度合いで言うと、現在進行形 ≧ be going to > will のようなイメージでしょうか。
「shall」との違い:「提案」や「格式ばった未来」
「shall」も未来を表す助動詞ですが、現代英語、特にアメリカ英語の日常会話ではあまり使われなくなっています。主に以下のような場合に限定的に使われます。
- 提案・申し出(疑問文): “Shall I…?” (私が~しましょうか?), “Shall we…?” (一緒に~しませんか?)例:Shall I open the window? (窓を開けましょうか?)
例:Shall we dance? (踊りませんか?)
- 格式ばった文脈での未来・義務: 法律文書や非常にフォーマルな宣言など。例:The applicant shall submit the documents by the deadline. (申請者は締め切りまでに書類を提出しなければならない)
日常会話で未来の意志や予測を表す際には、基本的に「will」や「be going to」を使うのが一般的です。「shall」は少し特別な使い方、と覚えておくと良いでしょう。
「will」と「be going to」の違いを英語学的に解説
文法的には、「will」は法助動詞 (modal auxiliary verb) であり、話者の意志・推量といった心的態度を表します。一方、「be going to」は準助動詞 (semi-modal) または助動詞的表現であり、より客観的な予定や未来への進行状況を示唆します。未来予測の場面では、「will」が根拠の薄い主観的判断を含むのに対し、「be going to」は現在の状況からの必然的な帰結を示す傾向があります。
「will」と「be going to」の違いを、もう少し言語学的な視点から見てみましょう。
助動詞と準助動詞句
まず、「will」は英語における主要な法助動詞 (modal auxiliary verb) の一つです。法助動詞は、動詞に意志、可能性、義務、推量といった話者の心的態度(モダリティ)を付加する役割を持ちます。”can”, “may”, “should”, “must” などが仲間ですね。法助動詞は、主語の人称や数によって形を変えず、常に動詞の原形を伴います。
一方、「be going to」は、厳密には一つの助動詞ではなく、be動詞 + “going to” + 動詞の原形 という構造を持つ準助動詞 (semi-modal) または助動詞的表現(periphrastic modal)と分類されます。”go” の進行形が核になっていることからもわかるように、元々は空間的な移動を含意していましたが、時間的な未来へと意味が拡張されました。be動詞を含むため、主語や時制に応じて形が変化します (am/is/are/was/were going to)。
この構造の違いから、「will」が話者のその時点での判断や意志を直接的に反映しやすいのに対し、「be going to」は「~に向かって進んでいる」という客観的な状況やプロセスを示唆しやすい、というニュアンスの違いが生まれると考えられます。
未来予測におけるニュアンスの違い
未来予測の用法において、「will」と「be going to」はしばしば交換可能に見えますが、微妙なニュアンスの違いがあります。
will は、話者の主観的な信念や意見に基づく予測、あるいは根拠が明示されない一般的な予測に使われることが多いです。”I think…”, “probably”, “maybe” など、不確かさを表す副詞と共に使われやすい傾向があります。
- The world economy will recover next year. (来年、世界経済は回復するだろう) – 話者の意見・予測
be going to は、現在の状況や兆候といった客観的な根拠に基づいて、ほぼ確実に起こると考えられる未来を予測する場合に使われます。目の前の状況からの必然的な帰結を示すニュアンスが強いです。
- He studied so hard. He‘s going to pass the exam. (彼はとても一生懸命勉強した。彼は試験に合格するだろう) – 努力という根拠からの予測
もちろん、文脈によってはどちらを使っても意味が通じる場合も多いですが、この「主観的予測 vs 客観的・根拠に基づく予測」という対比は、使い分けを理解する上で重要な視点と言えるでしょう。
僕が「will」と「be going to」で大失敗した留学初日
僕にとって「will」と「be going to」の違いを骨身にしみて理解するきっかけとなったのは、カナダへの語学留学初日の出来事でした。
到着したばかりで時差ボケもあり、少しぼーっとしていたのですが、ホストファミリーが「夕食の後、散歩に行かない?」と誘ってくれました。街の様子も知りたかったし、もちろん行くつもりでした。
そこで僕は元気にこう答えたんです。
“Yes, I will go!”
すると、ホストファーザーが少し笑いながら言いました。「Oh, you decided just now?(へぇ、今決めたの?)」
一瞬、何のことかわかりませんでした。誘われたから「行くよ!」と答えただけなのに…。後で学校の先生にその話をしたら、大笑いされました。「その状況なら “I’m going to go.” が自然だよ」と。
先生の説明によると、僕の “I will go!” は、誘われたその瞬間に「よし、行くぞ!」と意志決定したように聞こえた、ということでした。もちろん、誘われる前から散歩に行く予定だったわけではないですが、誘われた時点で特に断る理由もなく、行くのが自然な流れだった状況です。こういう場合、既に(暗黙的に)行く方向で気持ちが固まっていると見なされ、「行く予定だよ」というニュアンスの “I’m going to go.” の方がより自然に響くのだそうです。
逆に、もし僕が少し迷っていて、その場で「うーん…やっぱり行くよ!」と決めたなら “OK, I will go!” がぴったりだった、とも教えてくれました。
たった一言の違いですが、ネイティブスピーカーには「いつ決めたか」のニュアンスがしっかり伝わってしまうんですね。この一件以来、未来のことを話すときは、「これは今決めたことか?前から決めてたことか?」と一瞬考えるクセがつきました。教科書だけでは学べない、生きた英語の難しさと面白さを感じた出来事でしたね。
「will」と「be going to」に関するよくある質問
Q1: 天気予報では “will” が使われることが多い気がしますが、なぜですか?
A: 良い点に気づきましたね!天気予報は科学的なデータに基づいていますが、それでも未来のことなので100%確実ではありませんよね。そのため、予報や予測としての性質を反映して “will” が使われることが多いです。例えば “It will be sunny tomorrow.” (明日は晴れるでしょう)のように言います。ただし、目の前に雨雲があって「雨が降りそうだ」という場合は、明確な根拠があるので “It‘s going to rain.” となります。
Q2: どちらを使っても意味がほとんど変わらない場合はありますか?
A: はい、あります。特に、自分ではコントロールできない未来の出来事について話す場合や、意図や計画性があまり関係ない単純な未来を述べる場合などは、どちらを使っても大きな意味の違いがないことがあります。
例:The train will arrive soon. / The train is going to arrive soon. (電車はもうすぐ着くだろう/着く予定だ)
ただし、微妙なニュアンス(willなら単なる予測、be going toなら時刻表などの根拠)が含まれる可能性はあります。迷ったら、より一般的な “be going to” を使うか、文脈に合わせてより自然な方を選ぶと良いでしょう。
Q3: “I will be going to…” のような形は使えますか?
A: いいえ、“will be going to” という形は通常使いません。”will” も “be going to” も未来を表す表現なので、一緒に使うと冗長になってしまいます。未来の予定や意図を表したい場合は、”I will go…” または “I am going to go…” のどちらか適切な方を選んでくださいね。
「will」と「be going to」の違いのまとめ
「will」と「be going to」の違い、スッキリご理解いただけたでしょうか。
最後に、この記事のポイントをまとめておきますね。
- 使い分けの基本:「will」はその場の意志決定や根拠の薄い未来予測。「be going to」は事前に決めた予定や根拠のある未来予測。
- イメージの違い:「will」は主観的・突発的な未来。「be going to」は客観的・計画的な未来。
- 成り立ち:「will」は「意志」から未来へ。「be going to」は「~へ向かっている」から未来へ。
- 他の未来表現との比較:現在進行形は確定的な近い未来の予定。shallは主に提案や格式ばった文脈で使われる。
- 文法的な違い:「will」は助動詞。「be going to」は準助動詞句で、形が変化する。
言葉の成り立ちや根本的なイメージを理解すると、単なるルールの暗記ではなく、より深く、感覚的に使い分けられるようになりますね。「その場で決めたか?前から決めていたか?」「予測に根拠はあるか?」という点を意識することが鍵です。
これからは自信を持って「will」と「be going to」を使い分け、あなたの英語表現をさらに豊かにしていきましょう。言葉の使い分けについてさらに知りたい方は、カタカナ語・外来語の違いをまとめたページもぜひご覧ください。