鶏ハムとサラダチキンの違いとは?製法・味・栄養を徹底比較

鶏ハムとサラダチキン、どちらも鶏むね肉を使ったヘルシーな食材として定番ですよね。

でも、いざ選ぼうとすると「どう違うんだっけ?」と迷うことはありませんか?

最も大きな違いは、鶏ハムが「ハムに近いしっとりした食感」を持つのに対し、サラダチキンは「蒸し鶏に近いさっぱりした食感」である点です。

この記事を読めば、製法から栄養価、最適な使い分けまで、二つの違いが明確にわかります。

もう迷わず、自信を持って選べるようになりますよ。それでは、まずは結論の比較表から見ていきましょう。

結論|鶏ハムとサラダチキンの違いが一目でわかる比較表

【要点】

鶏ハムとサラダチキンの最も大きな違いは「調理法」と「食感」です。鶏ハムは低温でじっくり加熱しハムのようにしっとり仕上げるのに対し、サラダチキンは主に蒸気で加熱し、さっぱりとした蒸し鶏のように仕上げます。

鶏ハムとサラダチキンの主な違いを一覧表にまとめました。まずは全体像を掴んでくださいね。

項目鶏ハムサラダチキン
主な調理法塩漬け・砂糖漬けにし、巻いて成形後、低温で茹でる調味液に漬け込み、袋詰めし、蒸気(スチーム)で加熱
食感しっとり、もっちり(ハムに近い)さっぱり、ほろほろ(蒸し鶏に近い)
主な味付け塩、砂糖、ハーブ類が基本プレーン、ハーブ、カレー、スモークなど多様
発祥日本(家庭料理として普及)日本(コンビニエンスストアが発祥)
主な用途オードブル、サンドイッチ、おかずそのまま食べる、サラダのトッピング
健康面高タンパク、低脂質。製法上、塩分が高めになる傾向。高タンパク、低脂質。味付けにより糖質や塩分量が異なる。

鶏ハムとサラダチキンの定義と発祥の違い

【要点】

鶏ハムは、鶏むね肉を使ってハムのように仕上げた日本の家庭料理がルーツです。一方、サラダチキンは、コンビニエンスストアが健康志向の高まりを受け、サラダのトッピング用に開発した商品が発祥です。

鶏ハムとは?(定義と起源)

鶏ハムは、鶏むね肉を塩や砂糖、ハーブなどで漬け込み、成形して(多くの場合ラップやタコ糸で巻いて)低温でじっくり加熱調理したものです。

豚肉で作る本来の「ハム」とは製造方法が異なりますが、鶏肉を使いながらもしっとりとしたハムのような食感に仕上がることから「鶏ハム」と呼ばれるようになりました。

明確な発祥時期は定かではありませんが、2000年代初頭頃から節約・ヘルシー志向の家庭料理としてインターネットのレシピサイトなどで広まった、日本発祥の調理法と言われています。

サラダチキンとは?(定義と起源)

サラダチキンは、鶏むね肉を調味液に漬け込み、袋詰めにしてから蒸気(スチーム)加熱した加工食品です。

2013年頃に大手コンビニエンスストアが、サラダのトッピング用として販売を開始したのが始まりです。当初はプレーンやハーブ味が主流でしたが、健康志向や筋力トレーニングブームの高まりと共に人気が爆発。

現在では、カレー味、スモーク、レモン風味など多様なフレーバーが開発され、スーパーマーケットでも定番商品として広く流通しています。

【徹底比較】鶏ハムとサラダチキンの「材料」と「調理法」の違い

【要点】

両者とも主な材料は「鶏むね肉」で共通していますが、調理法が決定的に異なります。鶏ハムは「巻いて成形し、低温で茹でる」のが特徴です。対してサラダチキンは「袋詰めにして蒸気で蒸す」のが一般的です。

使用する主な材料

鶏ハムもサラダチキンも、主原料は「鶏むね肉」であることがほとんどです。

ヘルシーさを重視するため、脂質の多い皮は取り除かれている場合が多いですね。

違いが出るのは味付けの部分です。

鶏ハムは、家庭で作る場合、塩、砂糖、お好みのハーブ(ローズマリーや黒胡椒など)といったシンプルな材料で漬け込むことが多いです。

一方、市販のサラダチキンは、プレーンタイプでも食塩、砂糖のほか、チキンエキスや香辛料、pH調整剤、保存料などが含まれていることが一般的です。

決定的に違う「調理法」と「加熱温度」

両者の食感を分ける最大のポイントが、この調理工程の違いです。

鶏ハム(家庭での製法)
鶏ハムの伝統的な製法は、塩や砂糖をすり込んだむね肉を数日間寝かせ(塩漬け)、水分を抜きます。その後、ラップやタコ糸で円筒形にきつく巻き、沸騰しない程度のお湯(70〜80℃程度)に入れ、火を止めて余熱でじっくりと火を通します。低温で加熱することで、タンパク質の凝固がゆっくり進み、水分を保ったまましっとりと仕上がるのが特徴です。

サラダチキン(市販品の製法)
サラダチキンは、調味液に漬け込んだ(インジェクションという手法で調味液を注入することも)むね肉を、真空パックまたはそれに近い状態で袋詰めします。その後、高温の蒸気(スチーム)で一気に加熱殺菌します。高温で短時間で火を通すため、さっぱりとした蒸し鶏のような食感に仕上がります。

味・食感・見た目の違い

【要点】

鶏ハムは、低温調理によってハムのようにしっとり・もっちりした食感が楽しめます。サラダチキンは、蒸し上げることで繊維がほぐれやすく、さっぱりとした食感になります。

食感の違い(鶏ハムの「しっとり」感)

前述の調理法の違いが、そのまま食感の違いに直結しています。

鶏ハムは、低温の湯でゆっくりと加熱されるため、肉汁の流出が最小限に抑えられます。これにより、パサつきがちな鶏むね肉とは思えないほど、しっとり、もっちりとした弾力のある食感が生まれます。見た目も、断面がほんのりピンク色(もちろん中心まで火は通っています)で、ハムに近い仕上がりです。

サラダチキンは、高温のスチームで加熱されるため、鶏ハムほどのしっとり感はありません。その代わり、繊維がほろほろとほぐれやすく、さっぱりとした味わいが特徴です。コンビニなどで売られているサラダチキンを割いてみると、繊維に沿ってきれいに裂けるのがわかりますよね。あれが蒸気加熱の特徴です。

味付けの違い(サラダチキンの「多様性」)

鶏ハムは、塩と砂糖を基本としたシンプルな味付けが主流です。肉本来の旨味と、漬け込んだハーブの香りを楽しむ、比較的素朴な味わいと言えるでしょう。

一方、サラダチキンは商品としてのバリエーションが非常に豊富です。プレーンな塩味はもちろん、スモーク風味、ガーリック、カレー、レモンペッパー、タンドリーチキン風味など、多種多様な味付けが揃っており、飽きずに楽しめるのが大きな魅力です。

栄養価・カロリー・健康面での違い

【要点】

鶏ハムもサラダチキンも、高タンパク・低脂質な鶏むね肉が主原料のため、基本的な栄養価は似ています。ただし、鶏ハムは製法上、塩分が高くなる傾向があります。サラダチキンは、味付けによって糖質や塩分量が大きく異なるため、成分表示の確認が必要です。

どちらも鶏むね肉(皮なし)を使用しているため、高タンパク質・低脂質・低カロリーという点は共通しており、ダイエットや筋力トレーニング中の食事として非常に優秀な食材です。

文部科学省の「日本食品標準成分表(八訂)」によると、鶏むね肉(皮なし・生)100gあたりの栄養価は以下の通りです。

  • エネルギー:105 kcal
  • タンパク質:23.3 g
  • 脂質:1.9 g

ただし、味付けや製法によって最終的な栄養価には差が出ます。

鶏ハムは、塩漬けにする工程があるため、塩分(ナトリウム)の含有量が比較的高くなる傾向があります。高血圧などで塩分を気にしている方は、自家製の場合は塩の量を調整する、市販品の場合は栄養成分表示を確認すると良いでしょう。

サラダチキンは、プレーンタイプであれば塩分も控えめな商品が多いですが、味が濃いタイプ(例:タンドリーチキン風味、照り焼き風味など)は注意が必要です。調味液に糖質が多く含まれていたり、塩分が強かったりする場合があります。健康目的で選ぶ際は、できるだけシンプルな味付けのものを選ぶのが無難ですね。

用途・保存性・価格の違い

【要点】

鶏ハムはしっとり感を活かしてオードブルやサンドイッチに向いています。サラダチキンはそのまま食べるか、サラダのトッピングが主流です。保存性は市販のサラダチキンが最も優れています。

料理での使い分け

この二つは、似ているようで得意な料理が異なります。

鶏ハムのおすすめ用途
そのしっとりした食感と上品な塩味は、薄くスライスしてオードブルや前菜にするのに最適です。また、豚肉のハムの代わりとして、サンドイッチやベーグルサンドの具材にすると、パサつかずに美味しく仕上がります。もちろん、少し厚めに切ってそのままメインのおかずにもなりますよ。

サラダチキンのおすすめ用途
サラダチキンは、その名の通り「サラダ」との相性が抜群です。手で食べやすい大きさに割いて、野菜と和えるだけで立派な一品になります。また、味のバリエーションが豊富なため、「そのまま食べる」間食として利用する人が非常に多いのも特徴です。調理の手間をかけたくない時に最適ですね。

保存性と価格帯

保存性
保存性については、市販されているサラダチキンが圧勝です。真空(またはそれに近い状態)で加熱殺菌されているため、未開封であれば冷蔵で数週間から1ヶ月程度持つ商品がほとんどです。

一方、家庭で作る鶏ハムは、低温で加熱するため、市販のサラダチキンほどの殺菌効果はありません。冷蔵庫で保存し、2〜3日中には食べ切るのが安全です。

価格帯
価格は、どちらも鶏むね肉が原料なので、比較的安価です。

市販のサラダチキンは、1パック(約110g)で200円〜300円程度が相場です。

鶏ハムは、市販されているものは少ないですが、デパ地下や専門店ではサラダチキンより高価な傾向があります。もちろん、自分で作れば鶏むね肉の価格(100gあたり数十円〜)と調味料代だけで済むため、最も安価に作ることができます。

体験談|鶏ハムとサラダチキン、作って食べてみた感想

僕も健康を意識して、鶏ハムとサラダチキンの両方をよく食べますし、自分でも作ります。

正直なところ、手軽さで言えば、圧倒的に市販のサラダチキンですよね。疲れて帰ってきた日でも、袋を開けるだけですぐにタンパク質が補給できるのは、本当にありがたい存在です。ただ、どうしても味が単調になりがちで、長く続くと少し飽きてしまうこともありました。

一方、鶏ハムは初めて自分で作った時の感動が忘れられません。

塩と砂糖をすり込んで、ラップで巻いて、沸騰したお湯に入れて火を止め、あとは毛布で包んで放置するだけ。時間はかかりますが、調理の手間自体は驚くほど簡単です。

そして、おそるおそる切ってみた断面は、ほんのりピンク色で、まるで高級なハムのようでした。食べた時の「これが本当にあのパサパサのむね肉?」と驚くほどのしっとり感。これは市販のサラダチキンではなかなか味わえない食感でしたね。

それ以来、時間がある週末は鶏ハムを作り置きし、平日はサラダチキンを活用する、という使い分けをしています。どちらも、鶏むね肉のポテンシャルを引き出した素晴らしい料理だと思います。

鶏ハムとサラダチキンに関するよくある質問

鶏ハムとサラダチキン、結局どっちがヘルシーですか?

どちらも鶏むね肉が主原料なので、高タンパク・低脂質でヘルシーです。ただし、鶏ハムは製法上、塩分が高くなりがちです。サラダチキンも、味付け(タレや糖質)によってはカロリーや塩分が高くなるため、成分表示を確認するのが一番ですね。健康目的なら、シンプルなプレーン味のサラダチキンか、塩分控えめで自作した鶏ハムがおすすめです。

鶏ハムは「ハム」と名前がついていますが、豚肉のハムとは何が違いますか?

まったくの別物です。豚肉のハム(ロースハムなど)は、豚肉を塩漬け・熟成させ、燻製(スモーク)して作られる保存食です。一方、鶏ハムは、鶏肉をハム「風」の食感に仕上げた調理品で、燻製や長期熟成の工程はありません。あくまで食感が似ている、という点でのネーミングですね。

サラダチキンを自作するのは難しいですか?

簡単ですよ。市販品に近いものを作るなら、鶏むね肉を塩麹や好みの調味液(オリーブオイル、レモン汁、ハーブソルトなど)と一緒に耐熱性のポリ袋に入れ、空気を抜いて口を閉じます。それを沸騰したお湯に入れて火を止め、蓋をして冷めるまで放置すれば完成です。鶏ハムよりも漬け込み時間が短く、手軽に作れます。

まとめ|鶏ハムとサラダチキン、あなたに合うのはどっち?

鶏ハムとサラダチキンの違い、明確になりましたでしょうか。

どちらも鶏むね肉の魅力を活かした素晴らしい食品ですが、その日の目的や気分によって使い分けるのが賢い選択です。

しっとりとした食感で、少し手をかけた料理(オードブルやサンドイッチ)に使いたい時は「鶏ハム」。

とにかく手軽に、さっぱりとタンパク質を補給したい時(そのまま食べる、サラダに乗せる)は「サラダチキン」。

このように覚えておけば、もう迷うことはありませんね。

どちらも私たちの食生活を豊かにしてくれる「料理・メニュー」の一つです。ぜひ、それぞれの良さを楽しんでみてください。当サイトでは、他にも様々な料理・メニューの違いについて解説していますので、ぜひご覧ください。