キャンディとドロップの違いは?語源と「サクマ式」のイメージを解説

「キャンディ」と「ドロップ」、どちらも甘くて美味しい砂糖菓子ですよね。

この二つ、同じもののように使っていますが、厳密にはどんな違いがあるのでしょうか?

結論から言うと、「キャンディ」は砂糖菓子の総称(英語)、「ドロップ」は製法(オランダ語)に由来する言葉で、日本ではほぼ同じものとして使われています。

ただし、多くの日本人にとっては、「ドロップ」と聞くと「サクマ式ドロップス」のような缶入りのハードキャンディを思い浮かべる、というイメージの違いが強くあります。

この記事では、二つの言葉の語源や、日本でどのように使い分けられているのかを詳しく解説します。

結論|キャンディとドロップの違いを一言でまとめる

【要点】

「キャンディ(Candy)」は英語で「砂糖菓子」全般を指す広い言葉です。一方、「ドロップ(Drop)」はオランダ語の「滴(しずく)」が語源で、製法に由来します。日本では「ドロップ」はキャンディの一種(ハードキャンディ)であり、特に缶入りのものを指すイメージで使われます。

つまり、語源が異なるだけで、日本ではほぼ同義として扱われていますが、「ドロップ」は「キャンディ」という大きな枠の中の一種(特にハードキャンディ)、という関係性になります。

項目キャンディ (Candy)ドロップ (Drop)
語源英語(砂糖菓子)オランダ語(滴・しずく)
言葉の範囲砂糖菓子の「総称」キャンディの一種(製法由来)
主な種類ハード、ソフト、グミ、キャラメルなど主にハードキャンディ
日本でのイメージ飴全般缶入りのカラフルな飴

キャンディとドロップとは?言語と定義の違い

【要点】

「キャンディ」は英語で、砂糖を主原料とするお菓子の総称です。「ドロップ」はオランダ語で「滴(しずく)」を意味し、砂糖液を垂らして作る製法に由来します。

キャンディ (Candy) |砂糖菓子の「総称」(英語)

「キャンディ」は、英語の「Candy」に由来する言葉です。

これは非常に広い意味を持つ言葉で、砂糖を主原料とするお菓子の「総称」として使われます。

アメリカなどでは、私たちが「飴(あめ)」と呼ぶハードキャンディだけでなく、ソフトキャンディ、キャラメル、ヌガー、ゼリービーンズ、さらにはチョコレート菓子まで「キャンディ」に含むことがあります。

日本では、主にハードキャンディやソフトキャンディを指して「キャンディ」と呼ぶことが多いですね。

ドロップ (Drop) |「滴(しずく)」が語源(オランダ語)

「ドロップ」は、オランダ語の「Drop(ドロップ)」が語源です。

これは「滴(しずく)」や「滴り」を意味します。

なぜこの名前がついたかというと、その製造方法に由来しています。かつて、砂糖などを煮詰めた熱い生地を、冷却用の板の上に1滴ずつ垂らして(ドロップして)固めて作っていたことから、この名前が付きました。

つまり、「キャンディ」が砂糖菓子の総称であるのに対し、「ドロップ」は製法に由来するハードキャンディの一種を指す言葉だったわけです。

日本での使い分け|「ドロップ=缶入りの飴玉」のイメージ

【要点】

日本では「ドロップ」はハードキャンディの一種として認識されています。特に、「サクマ式ドロップス」の国民的なヒットにより、「ドロップ=缶入りのカラフルな丸い飴玉」という特有のイメージが強く定着しています。

製法:「垂らして作る」ハードキャンディ

前述の通り、ドロップは製法に由来する言葉です。

現代では必ずしも一滴ずつ垂らして作っているわけではありませんが、その語源から、日本では「ドロップス」または「ドロップ」というと、主に「ハードキャンディ」(硬い飴玉)のことを指します。

ソフトキャンディやキャラメルを「ドロップ」と呼ぶことは、まずありませんね。

「サクマ式ドロップス」によるイメージの定着

日本人にとって「ドロップ」という言葉のイメージを決定づけたのは、なんといっても「サクマ式ドロップス」の存在でしょう。

明治時代に発売されて以来、赤い缶のパッケージと、カラフルで様々な味の丸い飴玉は、国民的なお菓子となりました。

この商品のあまりの有名さから、日本では「ドロップ」と聞くと、「あの缶に入った、色とりどりの硬い飴玉」を瞬時に連想する人が非常に多いのです。

味・食感・種類の違い

【要点】

「キャンディ」は砂糖菓子の総称であるため、ハードタイプ、ソフトタイプ、グミ、キャラメルなど食感も種類も非常に多様です。一方、日本でいう「ドロップ」は、その中の「ハードキャンディ」に限定されることがほとんどです。

キャンディの多様な種類(ハード・ソフト・グミなど)

「キャンディ」は総称なので、その種類は非常に幅広いです。

  • ハードキャンディ:高温で煮詰めた砂糖を冷やし固めたもの。いわゆる「飴玉」。ドロップもこれに含まれます。
  • ソフトキャンディ:ハードキャンディよりも水分や脂肪分を多く含み、柔らかい食感のもの。(例:ハイチュウ、ミルキーなど)
  • グミ:ゼラチンなどで固めた、弾力のある食感のもの。
  • キャラメル:牛乳やバターなどの乳製品と砂糖を煮詰めたもの。
  • ヌガー:砂糖と水飴を煮詰め、ナッツやドライフルーツなどを加えたもの。

このように、食感も風味も多岐にわたります。

ドロップの食感(ハードキャンディ)

一方、日本で「ドロップ」と呼ばれるものは、ほぼ100%「ハードキャンディ」です。

特徴は、舐めて溶かすことを前提とした硬い食感です。「サクマ式ドロップス」のように、様々なフルーツの風味がつけられていることが多いですね。

文化的背景|本場オランダの「ドロップ」は全くの別物?

【要点】

日本では「ドロップ=甘い飴玉」ですが、語源であるオランダで「ドロップ(Drop)」と言うと、全く別のお菓子を指すので注意が必要です。オランダの「ドロップ」は、リコリス(甘草)を使った、黒くて塩辛い味のグミのようなお菓子を指します。

面白いことに、語源となったオランダで「ドロップ」と言うと、日本のイメージとは全く違うものを指します。

オランダの「ドロップ」は、リコリス(甘草)という植物のエキスを使った、黒くて、ゴムのような食感の、塩辛いお菓子(グミやソフトキャンディに近い)のことなんです。

もしオランダの方に「ドロップが好き」と言うと、あのカラフルな甘い飴玉ではなく、この黒くて塩辛いリコリス菓子を想像されるかもしれませんね。

体験談|「ドロップ」と聞いて思い浮かべる懐かしい缶

僕にとって、「ドロップ」という言葉は、間違いなく「サクマ式ドロップス」のあの赤い缶と直結しています。

子供の頃、風邪をひいて喉が痛い時や、長距離のドライブで退屈した時に、祖母がよくあの缶を取り出してくれました。

缶を振った時の「カラカラ」という音。なかなか出てこないハッカ味に苦戦したり、お目当てのイチゴ味が出てきて喜んだり…。最後の方になると、缶の底に残った粉(カケラ)を指ですくって舐めるのも楽しみの一つでした。

一方、「キャンディ」と聞くと、もっと幅広いイメージが浮かびます。棒付きのペロペロキャンディや、袋に個包装されたミルクキャンディ、カラフルなグミなど…。

僕の中では、「キャンディ」は現代的でバラエティ豊かなお菓子の総称、「ドロップ」はあの懐かしい缶入りの硬い飴玉、というノスタルジックな特定のイメージとして、はっきりと区別されていますね。

キャンディとドロップに関するFAQ(よくある質問)

結局、ドロップはキャンディの一種と考えて良いですか?

はい、その通りです。「キャンディ」が砂糖菓子の総称で、「ドロップ」はその中の一種(主にハードキャンディ)という理解で間違いありません。

「ドロップス」と「ドロップ」は違いますか?

語源は同じオランダ語の「Drop(ドロップ)」です。「ドロップス(Drops)」はその複数形ですね。日本ではどちらも「硬い飴玉」を指す言葉として、ほぼ同じ意味で使われています。

「飴(あめ)」と「キャンディ」の違いは何ですか?

「飴」は日本語(和語)、「キャンディ」は英語(外来語)という違いがあります。日本では、「飴」は主にハードキャンディを指すことが多いですが、「キャンディ」はソフトキャンディなども含む、より広い範囲のお菓子を指すニュアンスで使われることがあります。

まとめ|キャンディとドロップの違いを理解して使い分けよう

「キャンディ」と「ドロップ」の違い、スッキリしましたでしょうか?

もともとは語源が違うだけで、どちらも「飴玉」を指す言葉ですが、日本においては独特のニュアンスが加わっています。

  • キャンディ英語由来。砂糖菓子の総称。ハードもソフトも含む。
  • ドロップオランダ語由来。製法(垂らす)が語源。日本では特に「サクマ式ドロップス」のイメージが強く、缶入りのハードキャンディを指すことが多い。

基本的には同じものとして使っても問題ありませんが、この微妙なニュアンスの違いを知っておくと、お菓子選びが少し楽しくなるかもしれませんね。

ほかにも様々な「スイーツ・お菓子の違い」を紹介していますので、ぜひご覧ください。

お菓子の分類や表示についてもっと詳しく知りたい方は、消費者庁の食品表示に関するページなども参考になりますよ。