「マサラダ」と「マラサダ」、どちらも聞いたことがあるけれど、一体何が違うの?と思った経験はありませんか。
特にハワイのスイーツとして有名ですが、どちらが正しい呼び方なのか混乱してしまいますよね。
結論から言うと、「マラサダ(Malasada)」が本来の正しい名称であり、「マサラダ」は主に日本での誤記や発音の違いから生じた呼び方です。
どちらも、あの外はカリッと、中はフワフワ・もちもち食感が特徴の、砂糖をまぶした揚げ菓子を指しています。
この記事を読めば、なぜ2つの呼び方が存在するのか、その背景にある歴史や、ドーナツとの明確な違いまでスッキリと理解できますよ。
それでは、まず2つの言葉の違いから詳しく見ていきましょう。
マサラダとマラサダの違いとは?結論から解説
「マラサダ」がポルトガル語(Malassadas)を起源とするハワイの人気スイーツの正式な呼び名です。「マサラダ」は、その発音のしやすさなどから生じた日本国内での呼び方の一つ、あるいは誤記(タイプミス)である可能性が高く、指し示す食べ物自体は同じ「マラサダ」です。
「マサラダ」という名称は一般的ではなく、多くの専門店やメディアでは「マラサда」という表記が採用されています。
検索エンジンで「マサラダ」と検索しても、「マラサダ」の情報が表示されることがほとんどです。これは、2つの言葉が実質的に同じものを指していると広く認識されているためです。
「マサラダ」と「マラサダ」の違い 一覧比較表
| 項目 | マラサダ | マサラダ |
|---|---|---|
| 発音・表記 | ポルトガル語由来の正式名称 | 日本での呼び方の一つ、または誤記 |
| 指すもの | ポルトガル発祥、ハワイで人気の揚げ菓子 | 「マラサダ」と同じもの |
| 一般的か | 非常に一般的(専門店・メディアで使用) | あまり一般的ではない |
| 特徴 | 穴がなく、イースト菌で発酵 | (マラサダと同じ) |
マサラダとマラサダは同じもの?呼び方の違いを解説
「マラサダ」は、ポルトガル語で「不細工」「大雑把」を意味する「Malassadas(マラサーダシュ)」が語源です。これがハワイに伝わり「Malasada(マラサダ)」として定着しました。「マサラダ」は、この音が変化したか、書き間違えられたものと考えられます。
マラサダ(Malasada)とは?
マラサダは、イースト菌を使って生地を発酵させ、油で揚げたお菓子です。
ポルトガルのマデイラ諸島やアソーレス諸島で作られていた伝統的な揚げパン「マラサーダシュ(Malassadas)」がそのルーツです。
ポルトガル語で「mal assada(マル・アサーダ)」は「充分に火が通っていない」といった意味があり、中心部が白っぽく見える様子から名付けられたとされています。
このお菓子が19世紀後半、サトウキビプランテーションの労働力としてハワイに渡ったポルトガル移民によって持ち込まれ、ハワイの定番スイーツとして広まりました。
マサラダとは?
前述の通り、「マサラダ」は「マラサダ」の別の呼び方、あるいは誤記です。
日本語では「ラ」と「サ」の音が続くよりも、「マサラダ」の方が発音しやすいと感じる人がいるかもしれません。また、タイピングミスも考えられます。
例えば、スターバックスコーヒーが過去に「スイートポテト マラサダ」という商品を販売していましたが、一部のブログやSNSでは「マサラダ」と表記されてしまうケースもありました。
このように、公的な商品名は「マラサダ」でも、消費者の間で「マサラダ」と呼ばれることがあり、両者が混在する一因となっています。
マラサダとドーナツ・揚げパンの違い
マラサダはイースト菌で発酵させ、穴がなく丸い形が基本です。一方、一般的なドーナツはベーキングパウダーを使い、リング状のものが多いです。また、揚げパンは既に焼いたパンを揚げるのに対し、マラサダは発酵させた生地を直接揚げます。
見た目が似ているため、マラサダはよくドーナツや揚げパンと比較されますが、明確な違いがあります。
ドーナツとの違い
マラサダとドーナツの最も大きな違いは、生地の膨らませ方と形状です。
- マラサダ:イースト菌(パン酵母)で生地を発酵させて膨らませます。これにより、中はフワフワ、もちもちとした食感が生まれます。また、伝統的なマラサダには中央に穴がありません。
- ドーナツ:ベーキングパウダー(膨張剤)で生地を膨らませるタイプが多いです(イーストドーナツもありますが)。食感はマラサダに比べてサクサクしたものや、しっとりしたものなど様々です。リング状のものが一般的ですね。
揚げパンとの違い
日本の給食などでおなじみの「揚げパン」との違いは、揚げる前の状態です。
- マラサダ:発酵させた「生地」の状態から直接油で揚げます。
- 揚げパン:多くの場合、一度オーブンで焼いて作ったコッペパンなどを、さらに油で揚げて作られます。
マラサдаは生地から直接揚げるため、外側はカリッと香ばしく、内側は空気を含んで非常に軽い食感に仕上がるのが特徴です。
マラサダの特徴と文化的背景
マラサダはポルトガルの伝統菓子がハワイで独自の進化を遂げたスイーツです。カトリックの伝統行事に由来し、ハワイでは「マラサダの日」と呼ばれる日もあるほど、文化的に深く根付いています。
ポルトガル発祥、ハワイ経由で日本へ
マラサダは、ハワイで生まれたスイーツと誤解されがちですが、発祥はポルトガルです。
ポルトガルからの移民がハワイに持ち込んだ伝統菓子が、現地のベーカリー(特に有名な「レナーズ・ベーカリー」)によって広められ、ハワイのローカルフードとして定着しました。
日本では、2009年公開の映画『ホノカアボーイ』に登場したことで知名度が上がり、ハワイアンカフェや専門店が一気に増えました。
マラサダの日の文化
マラサダは、ポルトガルのカトリック教徒の伝統行事に深く関連しています。
イースター(復活祭)前の約40日間(受難節)は、肉や卵、乳製品などの摂取を控える習慣がありました。そのため、受難節に入る前日、「肥沃な火曜日」(Shrove Tuesday)に、家庭にあるラードや砂糖、卵などを使い切るためにマラサダを大量に作ったのが始まりとされています。
この伝統がハワイにも引き継がれ、ハワイではこの火曜日が「マラサダの日(Malasada Day)」としても知られるようになりました。
【体験談】揚げたてのマラサダを初めて食べた日
僕がマラサダ(当時はマサラダと呼んでいたかもしれません)を初めて意識して食べたのは、数年前に横浜で開催されたハワイアン・フェスティバルでした。
キッチンカーから漂う甘い油の香りに誘われて列に並び、一番シンプルなシュガータイプのものを注文しました。
渡されたのは、紙袋に入った熱々のマラサダ。持った瞬間に分かる、その軽さと柔らかさに驚きました。ドーナツのような重さや硬さが全くないのです。
一口食べると、外側の薄い皮が「サクッ」と音を立て、内側からは「フワッ」「モチッ」とした信じられない食感の生地が現れました。イースト発酵特有の軽い風味と、まぶされた砂糖のシンプルな甘さが口に広がります。
「これはドーナツじゃない。もっと軽くて、パンに近いけどパンでもない……これがマラサダか!」と、その新食感に感動したのを覚えています。
揚げたてが命、という言葉通り、冷める前に夢中で食べ終えてしまいました。あの体験以来、僕にとってマラサダは「揚げたての熱々を頬張るスイーツ」として特別な存在になっています。
マサラダとマラサダに関するよくある質問(FAQ)
結局、「マサラダ」と「マラサダ」、どちらの表記を使えばいいですか?
どちらでも意味は通じますが、より正確で一般的に認知されているのは「マラサダ」です。お店のメニューや公的な文書では「マラサダ」が使われることがほとんどですので、こちらを使うことをおすすめします。
マラサダはどこで買えますか?
ハワイアンカフェやパン屋、マラサダ専門店などで購入できます。最近では移動販売のキッチンカーや、一部のコンビニ、スターバックスなどで期間限定商品として登場することもあります。
マラサダの味にはどんな種類がありますか?
一番伝統的なのは、揚げたてにグラニュー糖をまぶしただけのシンプルなものです。他にもシナモンシュガーをまぶしたものや、中にカスタード、チョコレート、ココナッツ(ハウピア)、グァバなどのクリームを詰めたバリエーションも非常に人気があります。
まとめ:マサラダとマラサダは同じもの。本場の味を楽しもう
「マサラダ」と「マラサダ」の違い、これでスッキリしましたね。
- マラサダ:ポルトガル発祥、ハワイ育ちの揚げ菓子の正しい名称。
- マサラダ:マラサダの別の呼び方、または誤記。
- 違い:呼び方が違うだけで、指し示す食べ物は同じ。
イースト菌で発酵させた生地を揚げ、砂糖をまぶした、穴のないフワフワ・もちもちの食感が特徴です。
呼び方の違いに迷う必要はありません。見かけたらぜひ、その揚げたての美味しさを味わってみてください。他のスイーツ・お菓子の違いを知ることも、あなたのスイーツライフをより豊かにしてくれるはずです。