「shortly」と「soon」の違いとは?「まもなく」の英語を使い分け

「まもなく」「すぐに」と英語で言いたいとき、「shortly」と「soon」、どちらを使えばいいか迷うことはありませんか?

どちらも「近い未来」を表す副詞ですが、実はニュアンスやフォーマルさに違いがあるんです。

一般的には「soon」の方が幅広く使え、「shortly」はよりフォーマルで「短い時間の後に」というニュアンスが強いです。この記事を読めば、「shortly」と「soon」の微妙な違いから具体的な使い分け、類似表現との比較までスッキリ理解でき、英語での時間表現に自信が持てるようになります。それでは、まず最も重要な違いから見ていきましょう。

結論:一覧表でわかる「shortly」と「soon」の最も重要な違い

【要点】

「soon」は「まもなく、すぐに」を意味する最も一般的な言葉で、幅広い状況で使えます。「shortly」は「まもなく、ややあって」を意味し、「soon」よりもフォーマルで、特定の時点から「短い時間の経過後」というニュアンスが強いです。迷ったら「soon」を使うのが無難です。

まず、結論からお伝えしますね。

「shortly」と「soon」の最も重要な違いを、以下の表にまとめました。基本的には「soon」の方が汎用性が高いと覚えておきましょう。

項目 shortly soon
中心的な意味 まもなく、ややあって、手短に まもなく、すぐに、早く
ニュアンス 特定の時点から短い時間の経過後
「after a short time」に近い
現在から遠くない未来
「in the near future」「quickly」に近い
フォーマル度 やや高い(ビジネス、アナウンスなど) 一般的(日常会話からビジネスまで)
時間的な具体性 比較的短い時間(数分~数時間程度)を指すことが多い 幅広い時間(数分~数日、数週間も可)を指す
主な使い方 ・shortly after/before ~ (~のすぐ後/前)
・未来の出来事 (will arrive shortly)
・未来の出来事 (will arrive soon)
・as soon as possible (できるだけ早く)
・sooner or later (遅かれ早かれ)
代替可能性 多くの場合「soon」で代替可能 「shortly」では代替できない場合がある

一番大切なポイントは、「soon」は非常に幅広く使えるのに対し、「shortly」はややフォーマルで、「(今から)少ししたら」というニュアンスが強いということです。

アナウンスなどで「The train will arrive shortly.(電車はまもなく到着します)」と聞くことがありますが、これはまさにフォーマルな場面で「短い時間の後に」到着するという意味合いですね。日常会話なら「The train will arrive soon.」の方が一般的でしょう。

なぜ違う?言葉の核心的な意味からイメージを掴む

【要点】

「soon」は古英語で「すぐに、直ちに」を意味し、時間的な近さや速さをシンプルに表します。「shortly」は「short(短い)」+「-ly(副詞化)」であり、「短い時間で、手短に」から「短い時間の後に」という意味合いが生まれました。

なぜこの二つの言葉にニュアンスの違いがあるのでしょうか。それぞれの成り立ちを見てみると、その核心的なイメージが見えてきます。

「soon」の核心:遠くない未来・比較的早い時期

「soon」は古英語の「sōna」に由来し、元々「直ちに、すぐに」という意味を持っていました。

現代英語でもその核心的なイメージは引き継がれており、現在を基点として、時間的にそれほど遠くない未来を指す、最も基本的で一般的な言葉です。

特定の時点からの経過時間というよりは、「今から見て、近い将来に」という漠然とした、しかし比較的早いタイミングを示すニュアンスがあります。「See you soon!(また近いうちにね!)」のように、具体的な時間を定めずに使うことも多いですね。

「shortly」の核心:短い時間「の後」

一方、「shortly」は、「short(短い)」という形容詞に副詞を作る接尾辞「-ly」が付いた形です。

元々は「短く、手短に、簡潔に」といった意味合いが主でしたが(例: To put it shortly… 手短に言えば…)、そこから派生して「短い時間のうちに」「短い時間の経過後に」という意味で使われるようになりました。

「soon」が漠然とした近未来を指すのに対し、「shortly」は「after a short period of time(短い期間の後で)」というニュアンスが強く、特定の出来事や時点(現在を含む)を基準にして、そこから間もなく起こることを示す際に好んで使われます。

この「短い時間の経過」という感覚から、比較的フォーマルなアナウンスやビジネス文書で、「間もなく(ややあって)」という意味で使われることが多いのですね。

具体的な例文で使い方をマスターする

【要点】

フライトのアナウンスなら「We will be landing shortly.」。友人との約束なら「I’ll be there soon.」が自然です。フォーマルさと「少し後」感を意識しましょう。

言葉の違いは、具体的な例文で確認するのが一番ですよね。

ビジネスと日常、そして間違いやすいNG例を見ていきましょう。

ビジネスシーンでの使い分け

フォーマルさが求められる場面では「shortly」、一般的なやり取りでは「soon」が使われる傾向があります。

【OK例文:shortly】 (ややフォーマル、「短い時間の後に」)

  • The meeting will begin shortly. (会議はまもなく始まります。) ※アナウンス的
  • We will contact you again shortly with an update. (最新情報について、追ってまもなくご連絡いたします。)
  • He arrived shortly after 10 a.m. (彼は午前10時のすぐ後に到着した。) ※shortly after
  • Please wait, the CEO will join us shortly. (CEOはまもなくいらっしゃいますので、お待ちください。)

【OK例文:soon】 (一般的、「遠くない未来に」)

  • I will send you the report as soon as possible. (できるだけ早く報告書をお送りします。) ※as soon as possible
  • We hope to launch the new product soon. (新製品を近いうちに発売したいと考えています。)
  • How soon can you finish the task? (どのくらい早くそのタスクを終えられますか?)
  • Let’s have lunch together soon. (近いうちに一緒にランチしましょう。)

「shortly」は開始や到着のアナウンスなど、改まった場面で「間もなく」と伝える際に適していますね。「soon」は「できるだけ早く」や「近いうちに」といった、より幅広い時間感覚で使えます。

日常会話での使い分け

日常会話では「soon」が圧倒的に多く使われます。「shortly」を使うと少し硬い印象を与えることがあります。

【OK例文:shortly】 (少し硬い、またはアナウンス風)

  • Dinner will be ready shortly. (夕食はまもなくできますよ。) ※家族へのアナウンスならOK
  • The bus should arrive shortly. (バスはまもなく到着するはずだ。) ※公共交通機関のアナウンスで聞く表現

【OK例文:soon】 (自然)

  • I’ll call you back soon. (すぐに折り返し電話するね。)
  • Get well soon! (早く良くなってね!)
  • Summer vacation is coming soon. (もうすぐ夏休みだ。)
  • See you soon! (また近いうちにね!)

友人同士の会話など、インフォーマルな場面では「soon」を使うのが自然ですね。「shortly」は少し距離感のある表現に聞こえる可能性があります。

これはNG!間違えやすい使い方

「shortly」が持つ「短い時間の経過後」というニュアンスを無視すると、不自然になることがあります。

  • 【△】 I hope you can visit Japan shortly. (やや不自然)
  • 【OK】 I hope you can visit Japan soon. (近いうちに日本を訪れられるといいですね。)

「近いうちに」という漠然とした未来の希望を表す場合、「soon」の方が自然です。「shortly」だと、「(今から)ちょっとしたら日本に来てね」という、少し奇妙な響きになる可能性があります。

  • 【NG】 How shortly can you come?
  • 【OK】 How soon can you come? (どのくらい早く来られますか?)

「どのくらい早く」と速さを尋ねる場合は「How soon…?」を使います。「How shortly…?」という言い方はしません。

  • 【NG】 Please reply as shortly as possible.
  • 【OK】 Please reply as soon as possible. (できるだけ早く返信してください。)

「できるだけ早く」は慣用句として「as soon as possible (ASAP)」が定着しています。「as shortly as possible」とは言いません。(※「as shortly as possible」は「できるだけ手短に」という意味なら使えますが、文脈が異なります。)

【応用編】似ている言葉「presently」「momentarily」「anon」との違いは?

【要点】

「presently」は「まもなく」(主に英)または「現在は」(主に米)。「momentarily」は「まもなく、一時的に」。「anon」は古風な「まもなく」。それぞれ「soon」や「shortly」とはニュアンスや使われる地域・場面が異なります。

「まもなく」を表す言葉は他にもあります。微妙な違いを押さえておきましょう。

  • presently:
    1. まもなく、やがて (soon)。主にイギリス英語で使われ、「shortly」と似たフォーマルな響きを持ちます。
    2. 現在は、目下 (currently, now)。主にアメリカ英語で使われます。

    (例1 BrE: The doctor will see you presently. 医師はまもなく診察します。)

    (例2 AmE: He is presently working on a new project. 彼は現在、新しいプロジェクトに取り組んでいます。)

    ※意味が地域によって異なるため、注意が必要です。

  • momentarily:
    1. まもなく、すぐに (very soon, shortly)。特にアメリカ英語アナウンスなどで「shortly」の代わりに使われることがあります。
    2. 一時的に、つかの間 (for a moment)。これが元々の主な意味です。

    (例1 AmE Announcement: We will be landing momentarily. まもなく着陸いたします。)

    (例2: He hesitated momentarily before answering. 彼は答える前に一瞬ためらった。)

    ※「まもなく」の意味での使用は、特にイギリス英語話者からは不自然に聞こえることがあります。

  • anon: まもなく、すぐに (soon)古風な言葉、または文学的な表現。現代の日常会話ではほとんど使われません。(例: I will be with you anon. すぐに参ります。)

「presently」と「momentarily」は地域差や意味の多義性に注意が必要ですね。「anon」は、時代劇や古い文学などで見かけるかもしれません。

「shortly」と「soon」の違いを言語学的に解説

【要点】

時間的近接性を示す副詞として、「soon」は現在を基点とする非限定的な近未来を広くカバーします。「shortly」は特定の参照点(現在または文脈上の特定の時点)からの短い時間的隔たり (“after a short time”) を示唆する傾向があり、より限定的です。文体的には「shortly」がフォーマルなレジスターに属します。

言語学的に見ると、「shortly」と「soon」はどちらも時間的近接性(temporal proximity)を示す副詞ですが、その参照点(reference point)と時間的範囲(temporal scope)、そして語用論的な含意(pragmatic implication)において違いが見られます。

soon」は、最も中立的で広範な時間的近接マーカーです。通常、発話時(time of utterance)を暗黙の参照点とし、そこから遠くない未来(near future)の出来事を指します。その時間的範囲は文脈依存性が高く、数分後(”I’ll be back soon.”)から数週間、数ヶ月後(”The project will start soon.”)まで様々です。特定の時間的長さを規定せず、「比較的早い時期に」という主観的な近さを表すのが特徴です。

一方、「shortly」は、語源(short + ly)からも示唆されるように、「短い時間(a short time)」という要素が顕著です。参照点からの時間的隔たり(temporal distance)が客観的に短いことを含意する傾向があります。参照点は発話時であることもありますが、「shortly after the meeting」や「shortly before departure」のように、文脈上の特定の時点や出来事であることが多いです。この「特定の時点からの短い経過」という性質から、「soon」よりも時間的な具体性が高く感じられることがあります。また、文体論(stylistics)的には、「soon」よりもフォーマルなレジスターに属し、公的なアナウンスやビジネス文書などで好んで用いられます。

意味論的には、「shortly」は「soon」の一種と見なすこともできますが、「after a short time」という付加的な意味要素を持つため、完全に同義ではありません。「soon」がカバーする広い時間的範囲の一部、特に「ごく近い未来」や「直後・直前」に「shortly」が対応すると考えられます。しかし、「近いうちに(漠然と)」という意味合いでは「shortly」は使いにくい、という非対称性が存在します。

参考文献としては、時間表現に関する意味論・語用論の研究(例: Comrie “Tense”, Hornstein “As Time Goes By”)や、コーパスに基づく副詞の用法分析などが挙げられます。これらの研究は、言葉の意味が文脈や話し手の意図によってどのように解釈されるかを明らかにしていますね。

待ち合わせで大誤解!「shortly」と「soon」を間違えた体験談

僕も若い頃、ロンドンに短期留学していた際に、「shortly」と「soon」のニュアンスの違いを理解していなくて、友人を怒らせてしまった(?)ことがあります。

ある日、イギリス人の友人とパブで待ち合わせをしていました。約束の時間に少し遅れそうだったので、「Sorry, running a bit late. Will arrive shortly!」というテキストメッセージを送ったんです。

僕としては、「shortly = soon」くらいの感覚で、「すぐ着くよ!」と伝えたつもりでした。当時の僕の感覚では、「shortly」の方がなんとなく丁寧かな、くらいの認識だったんですね。

ところが、僕がパブに着いたのは、そのメッセージを送ってから15分ほど経った後でした。友人は少し不機嫌そうな顔でビールを飲んでいました。

「Hey, you said ‘shortly’! I thought you were just around the corner.(おい、『shortly』って言ったじゃないか!てっきりすぐそこの角を曲がったところにいるのかと思ったよ)」

僕は慌てて謝りました。「ごめんごめん!すぐ着くって意味で送ったんだけど…」

友人はため息をつきながら、「まあいいけどさ…’shortly’ って言うと、本当に『すぐそこ』、数分以内って感じがするんだよな。こういう時は ‘soon’ の方が、まあ『近いうちに着く』って感じで、もう少し時間に幅がある感じがするかな」と教えてくれました。

なるほど!と思いました。僕の感覚では「shortly」も「soon」も大差ない「まもなく」でしたが、彼にとっては「shortly」の方がより切迫した「本当に短い時間の後に」という意味合いで聞こえたんですね。特にテキストメッセージという簡潔なコミュニケーションの中では、そのニュアンスが強調されたのかもしれません。

もちろん、これは個人の感覚の差もあるでしょうし、彼が少し短気だっただけかもしれませんが(笑)、それでも、フォーマルな響きを持つ「shortly」が、かえって「すぐに到着するのが当然」という期待感を相手に抱かせてしまった可能性がある、と反省しました。

それ以来、特に遅刻の連絡など、相手を待たせる可能性がある場面では、誤解を避けるために、より一般的で時間的な幅も許容されやすい「soon」を使うように心がけています。あるいは、「I’ll be there in about 15 minutes.(15分くらいで着くよ)」のように、具体的な時間を伝えるのが一番確実ですね。

「shortly」と「soon」に関するよくある質問

Q1:結局、「まもなく」と言いたいときはどちらを使うのが安全ですか?

「soon」を使うのが最も安全で一般的です。「soon」は日常会話からビジネスまで幅広く使え、時間的な意味合いも広いため、誤解されるリスクが少ないです。「shortly」はフォーマルな場面や、本当に短い時間の後であることを示したい場合に限定して使うのが良いでしょう。

Q2:「shortly after」や「shortly before」という表現はよく見ますが、これはどういう意味ですか?

これは「~の直後」「~の直前」という意味です。「shortly」が持つ「短い時間の後に/前に」というニュアンスが活かされた表現ですね。(例:He retired shortly after the project was completed. 彼はプロジェクト完了の直後に退職した。)

Q3:「shortly」に「手短に、簡潔に」という意味はありますか?

はい、あります。これが元々の意味の一つです。(例:To explain it shortly, we need more budget. 手短に説明すると、もっと予算が必要です。)ただし、「まもなく」という意味で使われることの方が現代では多いかもしれません。文脈で判断する必要がありますね。

「shortly」と「soon」の違いのまとめ

「shortly」と「soon」の違い、スッキリご理解いただけたでしょうか。

最後に、この記事のポイントをまとめておきますね。

  1. soon「まもなく、すぐに」。現在から遠くない未来を指す一般的な言葉。時間的範囲は広い。
  2. shortly「まもなく、ややあって」。特定の時点から短い時間の経過後を指す。フォーマルな響き。
  3. 使い分け:迷ったら「soon」が無難。アナウンスや改まった場面では「shortly」も使われる。
  4. 時間感覚:「shortly」の方が「soon」よりも短い時間(直後・直前)を示唆することが多い。
  5. 注意点:「How soon…?」「as soon as possible」では「soon」を使う。「shortly」は主に未来の出来事に使う。

言葉の成り立ち(soon = すぐに、shortly = 短い時間の後に)をイメージすると、使い分けの感覚が掴みやすくなりますね。「shortly」は少し改まった「間もなく」、「soon」はもっと気軽に使える「もうすぐ」くらいの感覚で捉えても良いかもしれません。

これからは自信を持って、文脈に合った的確な言葉を選んでいきましょう。言葉の使い分けについてさらに知りたい方は、カタカナ語・外来語の違いをまとめたページもぜひご覧ください。