「event」と「events」、英語で「出来事」や「行事」について話すとき、どちらを使えばいいか迷うことはありませんか?
単数形か複数形かの違い、というのは分かっていても、いざ文中で使うとなると、「この場合はどっちだっけ?」と手が止まってしまう方もいるかもしれませんね。
実はこの二つの使い分け、英語の基本的な名詞の単数・複数のルールそのものなんです。つまり、「event」が数えられる名詞(可算名詞)である、という点を理解すれば全く難しくありません。
この記事を読めば、「event」と「events」の明確な違いと、それぞれの正しい使い方、文法的な注意点までスッキリ理解できます。もう英語で出来事について話すときに迷うことはありません。それでは、まず最も重要な違いから見ていきましょう。
結論:一覧表でわかる「event」と「events」の最も重要な違い
基本的には、「event」が単数形(一つの出来事)、「events」が複数形(二つ以上の出来事)です。「event」は数えられる名詞(可算名詞)なので、単数で使う場合は通常冠詞(a/an/the)などが必要になる点に注意しましょう。
まず、結論からお伝えしますね。
「event」と「events」の最も重要な違いは、単数形か複数形か、という点です。以下の表にまとめました。
| 項目 | event | events |
|---|---|---|
| 形 | 単数形 | 複数形 |
| 意味 | 一つの出来事、事件、行事、イベント、種目 | 二つ以上の出来事、事件、行事、イベント、種目 |
| 文法上の注意点 | 可算名詞(数えられる名詞)。単数で使う場合、通常 a/an/the などの冠詞や所有格(my/yourなど)が必要(例:an event, the event, my event) | 複数形なので、冠詞 a/an は付かない(例:events, the events, my events) |
| 焦点 | 単一の特定の出来事 | 複数の出来事、一連の出来事 |
一番大切なポイントは、「event」が数えられる名詞であるため、単数で使う場合には基本的に冠詞などが前に付くということです。
日本語では「イベント」と言うときに単数か複数かをあまり意識しませんが、英語では「an event」(ある一つのイベント)なのか、「the event」(その特定のイベント)なのか、「events」(複数のイベント)なのかを区別する必要があるんですね。
なぜ違う?単数形と複数形の基本的なルール
「event」はラテン語の「eventus」(結果、出来事)が語源で、英語では数えられる名詞として扱われます。そのため、英語の文法ルールに従い、一つなら「event」(通常は冠詞付き)、二つ以上なら複数形の「events」となります。
なぜ「event」と「events」を使い分ける必要があるのか、それは英語の基本的な文法ルールに基づいています。
「event」のニュアンス:「ひとつの出来事・行事」
「event」の語源は、ラテン語の動詞「evenire(起こる、生じる)」の名詞形「eventus(エウェントゥス)」で、「結果」「出来事」「成り行き」といった意味を持っていました。英語の「outcome(結果)」に近いニュアンスですね。
英語において「event」は、「起こったこと」「催し物」といった、一つひとつ区別して数えることができるもの、つまり可算名詞(Countable Noun)として扱われます。
そのため、英語の文法ルールに従って、単数(一つ)の event を指す場合は、原則として前に a/an, the, this, my などの限定詞が必要になります。
- an event: (不特定の)ある一つの出来事・行事
- the event: (特定の)その出来事・行事
- this event: この出来事・行事
- my event: 私の(主催する/参加する)行事
「events」のニュアンス:「複数の出来事・行事」
「events」は、単純に可算名詞「event」の複数形です。
したがって、出来事や行事が二つ以上ある場合に使われます。
- two events: 二つの出来事・行事
- many events: たくさんの出来事・行事
- recent events: 最近の出来事(複数)
- upcoming events: 今後の行事(複数)
複数形なので、当然ながら前に不定冠詞「a/an」が付くことはありません(「the events」のように定冠詞「the」が付くことはあります)。
具体的な例文で使い方をマスターする
「We are planning an upcoming event.」(一つの今後の行事を計画中)、「There are several events scheduled for this month.」(今月は複数の行事が予定されている)。「What was the most memorable event?」(最も記憶に残る出来事(一つ)は?)、「Let’s review the sequence of events.」(一連の出来事を再確認しよう)。
言葉の違いは、具体的な例文で確認するのが一番ですよね。ビジネスや公的な場面、日常会話での使い方、そして間違いやすいNG例を見ていきましょう。
ビジネス・公的な場面での使い分け
会議、セミナー、発表会、事故など、様々な「event(s)」があります。
【OK例文:event】(一つの出来事・行事)
- The company held a special event to celebrate its 50th anniversary. (その会社は創立50周年を祝う特別なイベント(一つ)を開催した。)
- Please register for the event online. (そのイベントにはオンラインで登録してください。)
- This product launch is a major event for us. (この製品発売は、我々にとって一大イベントだ。)
- Investigators are looking into the cause of the event (e.g., an accident). (調査官はその出来事(例:事故)の原因を調べている。)
「a special event」「the event」「a major event」「the event」のように、単数として扱われていますね。
【OK例文:events】(複数の出来事・行事)
- We are organizing several fundraising events this year. (私たちは今年、いくつかの資金集めのイベントを企画している。)
- The conference features a series of interesting events. (その会議は一連の興味深い催し物を特徴としている。)
- Please check the schedule for upcoming events. (今後のイベントのスケジュールを確認してください。)
- Current world events are impacting the global economy. (現在の世界の出来事が世界経済に影響を与えている。)
「several fundraising events」「a series of interesting events」「upcoming events」「world events」のように、複数を指しています。
日常会話での使い分け
パーティー、スポーツの試合、個人的な出来事などにも使います。
【OK例文:event】(一つの出来事・行事)
- Are you going to Sarah’s birthday event (party)? (サラの誕生イベント(パーティー)に行く?)
- Winning the lottery was an unexpected event in his life. (宝くじに当たることは、彼の人生における予期せぬ出来事だった。)
- The main event starts at 8 PM. (メインイベント(主要な催し)は午後8時に始まる。)
- What is your favorite sporting event? (あなたの一番好きなスポーツ種目は何ですか?)(陸上競技などの種目を指す場合)
「birthday event」「an unexpected event」「The main event」「sporting event」と単数で使われています。
【OK例文:events】(複数の出来事・行事)
- There are many fun events happening in town this weekend. (今週末、街ではたくさんの楽しいイベントが開催されるよ。)
- She told me about the strange events that occurred last night. (彼女は昨夜起こった奇妙な出来事について私に話した。)
- The Olympic Games consist of various sporting events. (オリンピックは様々なスポーツ種目で構成されている。)
「many fun events」「strange events」「sporting events」と複数ですね。
これはNG!間違えやすい使い方
特に冠詞の付け忘れや、単複の混同に注意しましょう。
- 【NG】 We will hold event next month.
- 【OK】 We will hold an event next month. (来月、(一つの)イベントを開催します。)
- 【OK】 We will hold events next month. (来月、(複数の)イベントを開催します。)
解説:「event」は可算名詞なので、単数で使う場合は通常「a」や「the」などの冠詞が必要です。もし開催するのが1つなら「an event」、複数なら「events」とします。
- 【NG】 There are many event this summer.
- 【OK】 There are many events this summer. (今年の夏はたくさんのイベントがある。)
解説:「many」の後には複数形の名詞が来るので、「events」とするのが正しいですね。
- 【NG】 What kind of events was it?
- 【OK】 What kind of event was it? (それはどんな種類のイベントでしたか?)
解説:「it」で受けていることから、一つの特定のイベントについて尋ねていると考えられるため、単数形の「event」が適切です。「What kind of events…?」と複数形にする場合は、「それらはどんな種類のイベントでしたか?」(What kind of events were they?) のように、受ける代名詞や動詞も複数形に合わせる必要があります。
「event」と「events」の違いを英語の専門家視点で解説
英語学的には、「event」は典型的な可算名詞(Countable Noun)であり、数の概念(単数性・複数性)を文法的に明示する必要があります。単数形では限定詞(a, the, thisなど)を伴うのが原則であり、複数形では語尾に-sを付けます。この基本的な「数」に関する文法規則を適用することが、「event」と「events」の使い分けの核心です。例外的な用法(例:集合名詞的な扱い)はほとんどありません。
英語の専門家、例えば英文法の研究者や英語教師の視点から見ると、「event」と「events」の違いは、英語における名詞の「数」(Number)という基本的な文法カテゴリーの問題として捉えられます。
「event」は、英語の名詞の中でも、境界が明確で個々に数えることができる「可算名詞(Countable Noun)」に分類されます。これは、「出来事」「行事」「事件」といったものが、一つ、二つ、三つ…と数えられる概念である、という英語話者の認識に基づいています。
英語の文法規則では、可算名詞を単数形で使用する場合、原則として何らかの限定詞(Determiner)が必要です。最も一般的なのは冠詞の「a/an」(不特定の一つ)や「the」(特定の一つ)ですが、他にも指示詞(this, that)、所有格(my, your)、数量詞(one, each, every)などが名詞の前に置かれます。したがって、「event」を単独で使う(例: “*I went to event.”)のは、特定の慣用句などを除き、通常は文法的に誤りとなります。
一方、「events」は、可算名詞「event」の規則的な複数形であり、二つ以上の出来事や行事を指します。複数形の名詞の前には不定冠詞「a/an」は付きませんが、定冠詞「the」や指示詞(these, those)、数量詞(two, many, several)、所有格などは付くことがあります。
つまり、「event」と「events」の使い分けは、英語を学ぶ上で最も基本的な文法事項の一つである「名詞の単数形と複数形」および「冠詞・限定詞の使用ルール」を正しく適用する、ということに尽きます。この区別をしっかり身につけることが、正確な英語表現の基礎となります。
僕が「events」と言うべき場面で「event」を使ってしまった体験談
これは僕が海外のカンファレンスに初めて参加した時の、ちょっとした勘違いの話です。
そのカンファレンスは3日間にわたる大きなもので、基調講演、分科会、ワークショップ、懇親会など、様々なプログラムが組まれていました。受付でプログラムの冊子をもらい、その内容の豊富さに興奮していました。
休憩時間に、隣に座っていた外国の方に話しかけ、カンファレンスの感想を言い合っていました。僕は、プログラム全体の多様性や面白さを伝えたかったので、こう言ったんです。
“This is a really great event! So many interesting sessions.” (これは本当に素晴らしいイベントですね!とてもたくさんの興味深いセッションがあります。)
すると、相手の方はにこやかに頷きながらも、少し補足するように言いました。
“Yes, it is! There are so many different events happening over the three days.” (ええ、そうですね!3日間を通して、たくさんの異なる催し物(イベント)が行われていますよね。)
その時、僕はハッとしました。僕が「a great event」と言ったのは、カンファレンス全体を「一つの大きなイベント」として捉えての発言でした。それは間違いではないのですが、相手の方は、その大きな枠組みの中で行われている個々の講演やワークショップ、つまり「複数の催し物」に焦点を当てて「so many different events」と複数形で表現したのです。
僕の表現が間違いだったわけではありません。しかし、カンファレンスが含む「複数のプログラム」について具体的に言及するなら、「events」を使う方がより自然だったかもしれません。あるいは、「This conference is a really great event, and it includes many interesting smaller events (or sessions).」のように、大きな枠組み(単数)と中の要素(複数)を区別して表現することもできたでしょう。
この経験から、単に単数か複数かだけでなく、どのレベル(全体か、個々の要素か)に焦点を当てて話しているかによっても、単数形と複数形の使い分けのニュアンスが変わってくるのだと学びました。特に、複数の要素から構成される大きな出来事について話すときは、少し注意が必要ですね。
「event」と「events」に関するよくある質問
Q. 「sporting event」と「sporting events」はどう違いますか?
A. 「sporting event」は一つのスポーツの試合や大会、あるいはスポーツの種目を指します。(例:「The marathon is my favorite sporting event.」マラソンは私のお気に入りのスポーツ種目です)。「sporting events」は複数のスポーツの試合や大会、あるいは複数の種目を指します。(例:「The Olympics include various sporting events.」オリンピックには様々なスポーツ種目が含まれます)。
Q. 「current events」はなぜ複数形なのですか?
A. 「current events」は「時事問題」や「最近の出来事」という意味で使われますが、これは通常、世の中で起こっている様々な(複数の)出来事を指すため、複数形の「events」が使われます。「現在の出来事」と直訳しても意味は通じますね。単数形の「current event」と言うと、特定の「今起こっている一つの出来事」を指すことになります。
Q. 「event」は不可算名詞(数えられない名詞)として使うことはありますか?
A. 基本的にはありません。「event」は典型的な可算名詞です。ただし、非常に稀な、あるいは特定の専門分野での用法として存在する可能性はゼロではありませんが、一般的な英語学習においては「event は数えられる名詞」と覚えておけば問題ありません。
「event」と「events」の違いのまとめ
「event」と「events」の違い、スッキリご理解いただけたでしょうか。
最後に、この記事のポイントをまとめておきますね。
- 核心的な違いは「数」:「event」は単数形(一つ)、「events」は複数形(二つ以上)。
- 文法ルール:「event」は可算名詞なので、単数で使う場合は通常、冠詞(a/an/the)などが必要。複数形「events」には a/an は付かない。
- 意味:どちらも「出来事、事件、行事、イベント、種目」などを指すが、その数が一つか複数かが異なる。
- 使い分け:話している対象が一つなのか、複数なのかを明確に意識して使い分ける。
- 注意点:冠詞の付け忘れや、単複の混同に気をつける。
この「event」と「events」の使い分けは、英語の最も基本的な文法ルールの一つに基づいています。
可算名詞の単数形と複数形の区別、そして冠詞の使い方。これらをしっかりマスターすることが、正確で自然な英語への第一歩ですね。自信を持って使い分けていきましょう。カタカナ語・外来語の使い分けについてさらに知りたい方は、カタカナ語・外来語の違いをまとめたページもぜひご覧ください。