ロイヤルカナンとユーカヌバの違い!愛犬・愛猫に合うのはどっち?

プレミアムペットフードの代表格、「ロイヤルカナン」と「ユーカヌバ」。

動物病院やペットショップで並んでいることも多く、どちらも品質に信頼がおけそうだけど、一体何が違うの?と迷ってしまいますよね。

結論から言うと、「ロイヤルカナン」は犬種・猫種・年齢・特定の健康ニーズ(悩み)ごと極めて細かく最適化された「超・個別ケア」フードです。一方、「ユーカヌバ」は特に犬の「活動レベル(アクティブさ)」や「犬種(特に中〜大型犬)」に強みを持つ、パフォーマンス重視のフードです。

どちらも同じ「マース(Mars, Incorporated)」グループ傘下の科学的知見に基づいたプレミアムフードですが、得意分野が異なります。この記事では、この2大ブランドの根本的な違いから、愛犬・愛猫に合わせた選び方まで、詳しく解説します!

【3秒で押さえる要点】

  • ロイヤルカナン:フランス発。犬種・猫種・年齢・サイズ・健康課題(皮膚、消化器など)ごとに、非常にきめ細かくラインナップが分かれているのが最大の特徴。
  • ユーカヌバ:アメリカ発。犬の活動レベル(アクティブ、体重管理など)や、特定の犬種(ラブラドール、シェパードなど)の特性に合わせたフードに強み。
  • 選び方:特定の犬種や健康上の悩みにピンポイントで合わせたいなら「ロイヤルカナン」。運動量が多い犬や、パフォーマンスを維持したい犬には「ユーカヌバ」がおすすめです。
「ロイヤルカナン」と「ユーカヌバ」の主な違い
項目 ロイヤルカナン(ROYAL CANIN) ユーカヌバ(Eukanuba)
コンセプト ヘルス ニュートリション(犬と猫の栄養要求に合わせた超・個別ケア) プレミアム パフォーマンス(犬の活動レベルや犬種特性に応じた栄養)
主な特徴 犬種・猫種、年齢、サイズ、健康課題(皮膚、消化器、満腹感など)別に非常に細分化されている。 犬の活動レベル(アクティブ、シニア等)や犬種別(中〜大型犬中心)ラインナップに強み。
ラインナップ(犬) 極めて豊富。犬種別(プードル、柴犬など多数)、サイズ別、年齢別、悩み別(室内犬、皮膚、消化器、減量など)。 豊富。犬種別(ラブラドール、シェパード、ダックスなど)、サイズ別、年齢別、活動レベル別(アクティブ、体重管理など)。
ラインナップ(猫) 極めて豊富。猫種別(ペルシャ、ラグドールなど)、年齢別、悩み別(室内猫、毛玉ケア、消化器、減量など)。 犬用がメイン(猫用ラインナップは限定的または国による)。
原産国・ルーツ フランス(獣医師により設立) アメリカ
こんな子・飼い主さんにおすすめ 特定の犬種・猫種の特性に合わせたい。特定の健康課題(皮膚、お腹など)に配慮したい。 運動量が多い犬、活発な犬。ドッグスポーツや仕事をする犬。特定の犬種(中〜大型犬)。

コンセプトと主な特徴の違い(ロイヤルカナン=超個別ケア / ユーカヌバ=活動レベル重視)

【要点】

「ロイヤルカナン」の哲学は「ヘルス ニュートリション(栄養を通じた健康維持)」。犬種・猫種・年齢・悩み毎に最適な栄養バランスを追求し、ラインナップが非常に細分化されています。一方「ユーカヌバ」は「最高の犬(Eukanuba)」を目指すパフォーマンス重視型で、特に犬の活動量や特定の犬種(中〜大型犬)の骨格・関節維持に強みを持ちます。

この2つのブランドの最も大きな違いは、フード開発の「着眼点」です。

「ロイヤルカナン」のキーワードは「ヘルス ニュートリション(Health Nutrition)」です。日本語に訳すなら「栄養を通じた健康維持」といった意味合いで、その哲学は「すべては犬と猫のために」という言葉に集約されています。
最大の特徴は、その圧倒的なラインナップの細分化です。「トイ・プードル用」「柴犬用」「ペルシャ・チンチラ・ヒマラヤン用」といった犬種・猫種別はもちろん、「室内で生活する小型犬の成犬用(インドア アダルト)」、「皮膚がデリケートな犬用」、「満腹感をサポートしたい猫用」など、考えうる限りのあらゆる「個体差」や「悩み」に対応しようとしています。粒の形(キブル)まで犬種・猫種ごとに変えるこだわりようです。

「ユーカヌバ」のキーワードは「プレミアム パフォーマンス」です。ブランド名は「最高」や「一番」を意味するジャズのスラングに由来しており、犬の能力を最大限に引き出すための高品質な栄養を提供することに重点を置いています。
特に犬の「活動レベル(アクティビティ)」に着目しており、「アクティブ(高活動犬用)」「ウェイトコントロール(体重管理用)」などのラインナップが充実しています。また、犬種別ラインナップも、ラブラドール・レトリバー、ジャーマン・シェパード、ダックスフンドなど、特定の骨格や運動特性を持つ犬種(特に中型〜大型犬)の健康維持をサポートする製品に強みを持っています。

原材料と成分の違い(何を重視しているか)

【要点】

どちらも科学的根拠に基づき、高品質な肉類(チキン、ラムなど)や穀物(米、トウモロコシなど)をバランス良く使用しています。ロイヤルカナンは悩み解決(例:食物繊維のブレンド)のため、ユーカヌバは活動維持(例:高タンパク・高脂質)のため、それぞれの目的に応じて成分バランス(タンパク質、脂質、各種栄養素)が精密に調整されています。

どちらのブランドも、科学的な知見に基づき、高品質な原材料(チキン、ラムなどの肉類、米、トウモロコシなどの穀類、ビートパルプなどの食物繊維、各種ビタミン・ミネラル)を使用しています。

原材料の「優劣」というよりは、「目的の違い」によって配合バランスが異なります。

「ロイヤルカナン」は、「超・個別ケア」を実現するために、原材料の組み合わせが非常に緻密です。
例えば、「消化器サポート」のフードであれば、消化性の高いタンパク質や米を使用しつつ、サイリウムやフラクトオリゴ糖など、腸内環境をサポートする複数の食物繊維やプレバイオティクスを絶妙なバランスで配合しています。

「ユーカヌバ」は、「パフォーマンス維持」のために、活動レベルに応じたエネルギー設計が特徴です。
例えば「プレミアムパフォーマンス(アクティブタイプ)」の製品では、持続的なエネルギー供給のために、タンパク質と脂質が一般的なフードよりも高めに設定されています。また、関節の健康維持をサポートするためにグルコサミンやコンドロイチン硫酸を配合するなど、活動的な犬の体を支える成分が重視されています。

ラインナップ(犬種・年齢・悩み別)の違い

【要点】

「ロイヤルカナン」は犬・猫ともに、犬種・猫種別、サイズ別、年齢別、健康課題別に、業界でも類を見ないほど細かくラインナップが分かれています。「ユーカヌバ」は犬用がメインであり、猫用ラインナップは現在ほとんど流通していません。犬用は活動レベル別や特定犬種(中〜大型犬)に強みがあります。

両者の違いが最も明確に表れるのが、製品ラインナップの豊富さ、特に「猫用フード」の有無です。

「ロイヤルカナン」は、犬用だけでなく猫用フードも「超・個別ケア」の哲学を徹底しています。
犬用は「柴犬用」「プードル用」「ダックスフンド用」など数十種類、猫用も「ペルシャ・チンチラ・ヒマラヤン用」「ラグドール用」「メインクーン用」など、その犬種・猫種が持つ特有の悩み(例:毛玉ケア、皮膚の健康、食べやすい粒の形)に合わせて開発されています。
もちろん、犬種・猫種別以外にも、サイズ別(小型犬、中型犬、大型犬)、年齢別(子犬・子猫、成犬・成猫、中高齢、高齢)、悩み別(室内犬/猫、減量、皮膚、消化器など)と、非常に細かく分かれています。

「ユーカヌバ」は、犬用フードがメインブランドです。猫用フードも過去には販売されていましたが、現在(2025年時点)、日本の一般市場ではほとんど流通しておらず、選択肢はほぼ犬用に限られます。
その犬用ラインナップも、ロイヤルカナンほど犬種別が細かいわけではありませんが、「スモール(小型犬)」「ミディアム(中型犬)」「ラージ(大型犬)」のサイズ・年齢別を基本に、「アクティブ(高活動犬)」「ウェイトコントロール(体重管理)」といった活動レベル別のラインナップが強みです。

「ロイヤルカナン」と「ユーカヌバ」の共通点(マース社の科学的知見)

【要点】

どちらも世界的なペットケアカンパニー「マース(Mars, Incorporated)」傘下のブランドであり、ウォルサム研究所(Waltham Petcare Science Institute)などの科学的知見に基づき開発されています。獣医師やブリーダーからも高い信頼を得ているプレミアムペットフードです。

コンセプトや得意分野は異なりますが、この2つのブランドには非常に大きな共通点があります。

  1. マース(Mars, Incorporated)グループ:どちらも、M&M’S®やスニッカーズ®などの菓子類だけでなく、ペディグリー®やシーザー®なども手掛ける世界的な巨大企業「マース」のペットケア部門に属するブランドです。
  2. 科学的根拠(エビデンス):マースが誇るペットケアの研究所(ウォルサム研究所など)の科学的知見に基づき、ペットの真のニーズに応えるよう開発された「プレミアムペットフード」です。
  3. 高い信頼性:世界中の獣医師やブリーダー、専門家から長年にわたり高い評価と信頼を得ています。動物病院で療法食として推奨されることも多いです。
  4. 総合栄養食:どちらもAAFCO(米国飼料検査官協会)などの厳しい栄養基準を満たした「総合栄養食」であり、そのフードと水だけで必要な栄養が摂取できます。(※療法食を除く)

(※ユーカヌバは国や地域によりマース以外の企業が販売している場合がありますが、日本ではマースジャパンリミテッドが取り扱っています。)

歴史・ルーツと開発背景の違い

【要点】

「ロイヤルカナン」は1968年にフランスの獣医師が、犬の皮膚病を栄養学で治療するためのフードを作ったのが始まりです。「ユーカヌバ」は1969年にアメリカで、「犬の能力を最大限に引き出す最高品質のフード」を目指して開発されました。

両者のルーツは、そのコンセプトの違いを象徴しています。

「ロイヤルカナン」の歴史は、1968年のフランスに遡ります。創設者は一人の獣医師、ジャン・カタリー氏です。彼は、犬の皮膚疾患が従来の治療ではなかなか治らないことに悩み、その原因が食事にあると考えました。そこで、栄養学に基づいた特別な食事(シリアルをベースにしたフード)を自ら開発し、犬たちに与えたところ、劇的に改善しました。
この「栄養学こそが、犬と猫の健康の鍵である」という獣医師の信念が、ロイヤルカナンの「超・個別ケア」という哲学の原点となっています。

「ユーカヌバ」の歴史は、ほぼ同時期の1969年のアメリカで始まります。創設者のポール・アイムス氏は、「犬の栄養における新時代を切り開く」という情熱のもと、当時としては画期的な高品質の動物性タンパク質(チキン)を主原料としたフードを開発しました。
ブランド名の「Eukanuba(ユーカヌバ)」は、彼がジャズ文化から見つけた言葉で、「最高のもの(The Supreme)」を意味します。最初から、犬のパフォーマンスを最大限に引き出す「最高品質のフード」を目指すという情熱が込められていたのです。

どっちを選ぶべき?愛犬・愛猫のタイプ別おすすめ

【要点】

特定の犬種・猫種、または特定の健康上の悩み(皮膚、消化器、毛玉など)にピンポイントで合わせたいなら「ロイヤルカナン」が最適です。運動量が多い犬、ドッグスポーツや仕事をする犬、中〜大型犬の骨格ケアを重視したいなら「ユーカヌバ」がおすすめです。

どちらも科学的根拠に基づいた優れたフードですが、愛犬・愛猫の特性に合わせて選ぶことが重要です。

【ロイヤルカナンがおすすめな子】

  • 特定の犬種・猫種(例:柴犬、トイ・プードル、ラグドール、ペルシャなど)
  • 明確な健康上の悩みがある子(例:皮膚がデリケート、お腹を壊しやすい、毛玉をよく吐く、太りやすい)
  • 室内飼育で運動量が少なめの子(インドア用ラインナップが豊富)
  • 獣医師から特定の栄養バランスを推奨されている子

【ユーカヌバがおすすめな子】

  • 運動量が多い、活発な犬(ドッグランやドッグスポーツが大好き)
  • ワーキングドッグ(警察犬、猟犬、介助犬など)
  • ラブラドール、シェパードなど、特定の犬種(主に中〜大型犬)の骨格や関節ケアを重視したい
  • (※猫ちゃんの場合は、ラインナップが豊富なロイヤルカナンが現実的な選択肢となります)

僕が愛犬に与えて感じた「目的」の違い(体験談)

僕の周りでも、ロイヤルカナンとユーカヌバの愛用者は多いです。その使い分けは、まさに両ブランドのコンセプトを反映していると感じます。

友人のAさんは、皮膚がデリケートなフレンチ・ブルドッグを飼っています。彼は獣医師の勧めで「ロイヤルカナン スキンケア」を与え始めてから、愛犬が体を掻く頻度が劇的に減ったと喜んでいました。「まさに“この子のための処方箋”という感じ」だそうです。

一方、僕の親戚が飼っているボーダー・コリーは、アジリティ(障害物競走)の大会に出るのが趣味のアクティブな子です。その子は「ユーカヌバ プレミアムパフォーマンス(アクティブ)」を食べています。飼い主曰く、「他のフードだとスタミナが持たない気がする。これを食べていると、トレーニング後の筋肉の付き方や毛艶が違う」と、そのパフォーマンス維持能力に絶大な信頼を置いていました。

まさに、ロイヤルカナンが「悩みを解決する栄養学」ユーカヌバが「能力を引き出す栄養学」という違いが、飼い主さんたちの選択に表れていると感じた体験です。

「ロイヤルカナン」と「ユーカヌバ」に関するよくある質問

Q: 結局、どっちが価格が高い(高級)ですか?

A: どちらもプレミアムペットフードに分類されるため、スーパーなどで売られている一般的なフードよりは高価です。両者を比較すると、製品ラインナップにもよりますが、同等か、ロイヤルカナンの方がやや高めに設定されている傾向があります。ロイヤルカナンは特に犬種・猫種別や悩み別に細分化されている分、開発・製造コストがかかるためと考えられます。

Q: どちらの方が食いつき(嗜好性)が良いですか?

A: これは愛犬・愛猫の個体差(好み)によるため、一概には言えません。ロイヤルカナンもユーカヌバも、犬や猫の嗜好性を研究して作られています。一般的にユーカヌバは動物性タンパク質をしっかり配合し、ロイヤルカナンは独自のフレーバー(香り)で嗜好性を高めていると言われることもあります。迷った場合は、少量パックで両方試してみるのが一番です。

Q: 穀物(グレイン)アレルギーがある子にはどっちがいいですか?

A: 両ブランドとも、主原料に穀物(米、トウモロコシなど)を使用している製品が多いです。これは、犬や猫にとっても穀物がエネルギー源や食物繊維として有用であるという科学的知見に基づいています。もし穀物アレルギーが確定している場合は、両ブランドの「グレインフリー(穀物不使用)」製品を選ぶか、獣医師に相談の上、他の療法食ブランドを検討する必要があります。

Q: 動物病院で勧められるのはどっちですか?

A: どちらのブランドも、動物病院で推奨されることが多いです。特にロイヤルカナンは「食事療法食」のラインナップが非常に豊富なため、特定の病気(腎臓病、尿路結石、消化器疾患など)の治療サポートとして獣医師から処方されるケースが非常に多いです。

「ロイヤルカナン」と「ユーカヌバ」の違いのまとめ

同じマースグループに属し、科学的知見に基づいて開発された「ロイヤルカナン」と「ユーカヌバ」。その違いは、愛犬・愛猫の健康に対するアプローチの違いにありました。

  1. ロイヤルカナンは「超・個別ケア」:犬種・猫種・年齢・悩み別に、非常に細かく栄養設計がされているのが最大の特徴。
  2. ユーカヌバは「パフォーマンス重視」:犬の活動レベルや特定犬種の骨格維持に強く、アクティブな犬に最適(犬用がメイン)。
  3. 共通点:どちらもマース社の科学的知見に基づいたプレミアムフードで、獣医師やブリーダーからの信頼が厚い。
  4. 選び方:特定の悩みや犬種・猫種にピンポイントで合わせたいなら「ロイヤルカナン」。運動量が多い犬の能力を引き出したいなら「ユーカヌバ」。

どちらが優れているかではなく、あなたの愛犬・愛猫の「今」のニーズにどちらが合っているか、という視点で選ぶことが大切です。ぜひ、愛犬・愛猫の健康状態や活動量をじっくり観察して、最適なフードを見つけてあげてくださいね。他のペット・飼育に関する違いについても、ぜひ他の記事をご覧ください。