トゥンカロンとマカロン、どちらもカラフルで可愛らしい見た目のスイーツですよね。
ですが、この二つには明確な違いがあります。トゥンカロンはマカロンをベースに韓国で独自に進化したスイーツで、従来のマカロンよりもサイズが大きく、クリームや装飾が豪華な点が最大の違いです。
この記事を読めば、トゥンカロンとマカロンの定義から、味、見た目、価格、そして文化的な背景まで、その違いが明確にわかります。スイーツ選びで迷った際の参考にしてくださいね。
それでは、まず両者の違いを比較表で見ていきましょう。
結論|トゥンカロンとマカロンの違いを一言でまとめる
トゥンカロンは、フランスの伝統菓子であるマカロンをベースに、韓国で独自に進化したスイーツです。マカロンに比べてサイズが大きく、コック(生地)の間にはみ出すほど大量のクリームを挟み、フルーツや菓子などで豪華なデコレーションが施されているのが特徴です。
トゥンカロンとマカロンの主な違いを一覧表にまとめました。一目で違いを把握したい方は、まずはこちらをご覧ください。
| 項目 | トゥンカロン | マカロン |
|---|---|---|
| 起源・発祥 | 韓国(マカロンの進化系) | フランス(諸説あり) |
| 主な特徴 | サイズが大きく、クリームが大量 | 生地とクリームの一体感 |
| 見た目 | 豪華・派手(クリームがはみ出す、トッピングが多い) | 上品・シンプル(クリームは生地に収まる) |
| 味の傾向 | クリームとトッピングが主役(多彩) | 生地とクリームの繊細な風味 |
| 価格帯(1個) | やや高め(約400円~600円) | 標準的(約250円~400円) |
| 文化的側面 | 韓国カフェ文化、SNS映え | フランスの伝統菓子、贈答品 |
このように、トゥンカロンはマカロンの「進化系」であり、特に見た目の豪華さとボリューム感において大きな違いがあります。
トゥンカロンとマカロンの定義と起源の違い
トゥンカロンは韓国語の「トゥントゥンハン マカロン(太っちょマカロン)」が語源で、2010年代後半に韓国でブームになりました。一方、マカロンはフランスを代表する伝統的な焼き菓子で、その起源はイタリアとも言われています。
トゥンカロンとは?(韓国発の進化系スイーツ)
トゥンカロン(뚱카롱)は、韓国で生まれたスイーツです。「トゥントゥンハン マカロン(뚱뚱한 마카롱)」という韓国語を略した言葉で、日本語に直訳すると「太っちょマカロン」という意味になります。
その名の通り、従来のマカロンのコック(生地)の間に、コックが見えなくなるほど大量のバタークリームやガナッシュを挟んでいるのが最大の特徴です。
さらに、クリームだけでなく、フルーツ、ブラウニー、クッキー、チーズケーキなどを大胆にトッピングしたり挟んだりすることで、見た目のインパクトと食べ応えを追求しています。2010年代後半から韓国のカフェ文化の中で人気が爆発し、日本でもSNS映えするスイーツとしてZ世代を中心にブームとなりました。
マカロンとは?(フランスの伝統菓子)
マカロン(Macaron)は、フランスを代表する伝統的な焼き菓子の一つです。
その起源には諸説あり、16世紀にイタリアのメディチ家からフランス王室に嫁いだカトリーヌ・ド・メディシスによって持ち込まれたという説が有名です。
アーモンドプードル、卵白、砂糖を主原料とする「コック」と呼ばれる生地を焼き上げ、その間にガナッシュやクリームを挟んだものが一般的です。表面はサクッとしており、中はねっとりとした食感が特徴で、コックとクリームの一体感が重視されます。パリのパティスリー「ラデュレ」が、現在のようなカラフルで2枚のコックを合わせたスタイルを確立したと言われています。
原材料・製法・見た目の違いを比較
基本的な原材料(アーモンドプードル、卵白、砂糖)はほぼ共通しています。最大の違いは「見た目」であり、マカロンが上品にクリームを挟むのに対し、トゥンカロンはクリームがはみ出し、派手なトッピングが施されます。
基本的な原材料はほぼ同じ
トゥンカロンもマカロンも、ベースとなるコック(生地)の原材料はほぼ同じです。
- アーモンドプードル(アーモンドの粉末)
- 卵白(メレンゲ)
- 砂糖(粉糖やグラニュー糖)
これらの材料を混ぜ合わせて生地を作り、色素で色付けをして焼き上げる点は共通しています。
製法と決定的な「見た目」の違い
両者の違いが最も顕著に現れるのが、製法(特に仕上げ)と、その結果としての「見た目」です。
マカロンの見た目:
マカロンは、2枚のコックの間にガナッシュやバタークリームを上品に挟み込みます。クリームはコックの縁からはみ出さないのが基本で、全体のフォルムは均一で洗練されています。表面の滑らかさや、焼いた際にできる「ピエ」(コックの縁のギザギザした部分)の美しさが品質の証とされます。
トゥンカロンの見た目:
トゥンカロンは、「はみ出すこと」を前提にしています。マカロンの何倍もの量のクリームを挟み、あえてコックの間からクリームがたっぷり見えるように仕上げます。さらに、クリームの中や上にフルーツ、クッキー(オレオなど)、プレッツェル、チョコレートなどを大胆にトッピングします。貝殻の形やキャラクターの顔を描くなど、コック自体のデザインも凝ったものが多く、非常にカラフルでデコラティブ(装飾的)です。
味・食感・カロリーの違い
マカロンは生地とクリームの調和した繊細な味わいと「サクッ、ねっちょり」とした食感を楽しむお菓子です。一方、トゥンカロンは大量のクリームとトッピングの味が主役で、ボリューム感のある食べ応えが特徴です。
クリームの量と食感の違い
マカロンの魅力は、コック(生地)の食感にあります。表面は薄くサクサク、中はアーモンドプードル由来のねっとり(またはしっとり)とした食感が特徴です。クリームは生地の風味を引き立てるためのバランサーとしての役割も担います。
一方、トゥンカロンはクリームが主役です。マカロンよりもはるかに多くのクリームを使用するため、食べた時の満足感が非常に高いです。食感も、コックのサクサク感よりも、濃厚なクリームの口当たりと、中に含まれるトッピング(クッキーのザクザク感やフルーツのジューシーさなど)のアクセントが強く感じられます。
味のバリエーションとカロリー
マカロンは、ピスタチオ、フランボワーズ、ショコラ、キャラメル、シトロン(レモン)など、フランス菓子としての伝統的なフレーバーが主流です。
トゥンカロンの味は非常に多彩で、若者の好みに合わせた自由な発想で作られています。オレオクッキー、抹茶ブラウニー、クリームチーズ、いちごミルク、さらにはチーズケーキそのものを挟んだものなど、一つのスイーツとして完結するようなボリューミーなフレーバーが人気です。
カロリーについては、明確な定義はありませんが、一般的にトゥンカロンの方がサイズが大きく、使用するバタークリームやトッピングの量も多いため、マカロンよりも高カロリーになる傾向が強いです。
価格・入手性・保存方法の違い
トゥンカロンはサイズが大きく手が込んでいるため、マカロンよりも価格が高めに設定されていることが一般的です。マカロンはデパ地下や洋菓子店で広く扱われていますが、トゥンカロンは韓国スイーツ専門店での取り扱いが中心です。
価格帯と購入できる場所
価格は店舗によって異なりますが、一般的な目安は以下の通りです。
- マカロン:1個あたり約250円~400円
- トゥンカロン:1個あたり約400円~600円
トゥンカロンは、その大きさ、クリームの量、豪華なトッピングという手間がかかっている分、マカロンよりも高価になる傾向があります。
入手性については、マカロンはデパ地下の有名パティスリーや専門店、一般的な洋菓子店でも広く販売されています。一方、トゥンカロンは、主に韓国スイーツ専門店や、トゥンカロンを専門に扱うカフェ、催事などで販売されています。
保存方法と賞味期限
トゥンカロンもマカロンも、クリームを使用した非常にデリケートな生菓子です。
常温保存はできません。必ず冷蔵庫で保存する必要があります。特にマカロンのコックは湿気を吸いやすく、トゥンカロンはクリームが溶けやすいため、購入後は速やかに冷蔵庫に入れましょう。
賞味期限も短く、多くの店で「当日中」または「翌日まで」とされています。購入後はなるべく早く食べるのが美味しく味わうコツですね。
文化・シーンの違い(韓国スイーツとフランス菓子の位置づけ)
マカロンはフランスの伝統と高級感を背負う「贈答品」としての側面を持ちます。対してトゥンカロンは、韓国の若者文化とSNS(特にインスタグラム)を背景に持つ、「写真映え」と「カフェ体験」のアイテムとしての側面が強いスイーツです。
マカロンは、その歴史的背景から「フランスの高級菓子」「パティスリーの宝石」といった上品なイメージを持っています。箱詰めにされたカラフルなマカロンは、大切な人への手土産やフォーマルなギフトとしても定番です。
トゥンカロンは、全く異なる文化背景から生まれました。その主戦場は、韓国のおしゃれなカフェと、インスタグラムなどのSNSです。若者たちがカフェで過ごす時間を彩り、写真を撮って共有(シェア)することを強く意識してデザインされています。
味わうだけでなく、「見て楽しみ、撮って楽しむ」というエンターテイメント性が、トゥンカロンの大きな特徴と言えるでしょう。
体験談|トゥンカロンとマカロン、食べ比べてみた印象
僕も初めてトゥンカロンを見たときは、その大きさと派手さに衝撃を受けました。
マカロンと言えば、コーヒーや紅茶と一緒に、繊細な味と香りをゆっくり楽しむ「上品なお菓子」というイメージでしたから。
実際にトゥンカロンを食べてみると、これはもう「マカロン」というより「クリームを食べるためのケーキ」に近い感覚でしたね。例えば「オレオトゥンカロン」なら、コックの風味よりも、ザクザクしたオレオと濃厚なバタークリームのパンチが前面に出てきます。
これはこれで非常に美味しく、満足感がすごいです。友人と「どれにする?」と選びながら、写真を撮り合ってワイワイ楽しむような、イベント的な楽しさがあります。
一方で、マカロンを食べると、やはりその完成度に感心します。特にピスタチオやフランボワーズなど、素材の香りを活かしたマカロンは、コックのアーモンドの風味とクリームが一体となって、口の中に繊細な香りが広がります。
同じ「マカロン」という名前がついていますが、トゥンカロンとマカロンは、楽しみ方が全く異なるスイーツだと実感しました。静かに集中して味わいたい時はマカロン、楽しく盛り上がりたい時はトゥンカロン、といった使い分けができそうですね。
トゥンカロンとマカロンに関するFAQ(よくある質問)
トゥンカロンとマカロンの違いに関して、よくいただく質問をまとめました。
Q1. トゥンカロンとマカロン、どっちが甘いですか?
A. 一概には言えませんが、トゥンカロンの方がクリームの量が多く、トッピングにクッキーやチョコレートなど甘い素材を使うことが多いため、全体的な甘さや満足感はトゥンカロンの方が強く感じられる傾向にあります。マカロンは、甘さの中にも素材の酸味や苦味(フランボワーズやショコラなど)を活かした、バランスの取れた甘さが特徴です。
Q2. トゥンカロンは日本でも買えますか?
A. はい、購入できます。東京の新大久保や大阪の鶴橋といったコリアンタウンにある韓国カフェやスイーツ専門店のほか、全国の主要都市にもトゥンカロン専門店が増えています。また、デパートの催事やオンラインストアでも取り扱いがありますよ。
Q3. 自宅で作るのはどちらが難しいですか?
A. どちらも難しいですが、特にマカロンのコック(生地)作りは難易度が高いです。マカロン作りは「マカロナージュ」というメレンゲの泡を潰す工程が非常に繊細で、天候(湿度)にも左右されます。トゥンカロンもベースはマカロンですが、デコレーションに凝る分、別の難しさがあります。まずはマカロンを完璧に作れるようになるのが第一歩ですね。
まとめ|トゥンカロンとマカロン、どちらを選ぶべきか?
トゥンカロンとマカロンの違いについて解説してきました。
どちらもアーモンドプードル、卵白、砂糖をベースにした魅力的なスイーツですが、その個性は大きく異なります。
- マカロン:フランスの伝統的な味わい。生地とクリームの繊細なハーモニーと、「サクッ、ねっちょり」とした食感を楽しみたい時におすすめ。ギフトや手土産にも最適です。
- トゥンカロン:韓国発の進化系スイーツ。見た目のインパクト、ボリューム満点のクリームとトッピングの満足感を味わいたい時におすすめ。カフェでの写真撮影や友人とのシェアにぴったりです。
根本的な違いは、マカロンが「生地(コック)とクリームの調和」を重視するのに対し、トゥンカロンは「クリームとトッピングの豪華さ」を重視している点にあります。
ぜひ、この違いを理解した上で、その日の気分やシーンに合わせて選んでみてくださいね。
当サイト「違いラボ」では、他にも様々なスイーツ・お菓子の違いについて詳しく解説しています。ぜひご覧ください。