浅草・仲見世通りを歩いていると、香ばしい匂いと共に「人形焼」のお店が目に入ります。
特に「木村屋」という名前のお店が複数あり、「どっちがどっち?」「違いは何?」と混乱した経験はありませんか?
最も大きな違いは、「木村家本店」と「元祖木村家人形焼本舗」という、名前が酷似した2つのお店が別々に存在している点です。
どちらも浅草名物の人形焼を販売していますが、「木村家本店」の方が歴史が古く(浅草で最古)、雷門寄りの手前(浅草寺から遠い側)に位置しています。
この記事を読めば、浅草にある二つの「木村屋」の具体的な違い、見分け方、そして味の特徴までスッキリと理解できます。
それでは、まず二つの違いを一覧表で比較してみましょう。
結論|浅草「木村屋」の人形焼、2つの店の違いとは?
浅草の仲見世通りには、「木村屋」と名の付く人形焼店が2軒あります。「木村家本店(きむらやほんてん)」と「元祖木村家人形焼本舗(がんそきむらやにんぎょうやきほんぽ)」です。両店は親戚関係にあるとされていますが、別々のお店です。「木村家本店」の方が歴史が古く(慶応4年創業)、浅草寺から見て手前(雷門寄り)にあります。一方、「元祖木村家人形焼本舗」は浅草寺本堂に近い奥側にあります。
【徹底比較】木村家本店 vs 元祖木村家人形焼本舗 違い一覧表
最大の違いは「場所」と「歴史(創業年)」です。味や形、価格はほとんど同じとされていますが、唯一の見分け方として、「木村家本店」の人形焼の裏には「木村家 本店」と刻印されているものがあります。
両者の特徴を一覧表で分かりやすく比較してみましょう。
| 項目 | 木村家本店 | 元祖木村家人形焼本舗 |
|---|---|---|
| 通称 | 木村家、本店 | 木村屋、本舗、元祖 |
| 場所(仲見世通り) | 浅草寺から遠い(雷門寄り) | 浅草寺に近い(宝蔵門寄り) |
| 創業 | 慶応4年(1868年) | (本店より後) |
| 人形の形(共通) | 五重塔、雷様、提灯、鳩の4種類 | |
| 主なあんこ | こしあん | こしあん |
| 生地の食感(共通) | カステラ風だが、他店より「モチモチ感」が強い | |
| 見分け方(刻印) | 裏側に「木村家 本店」の文字あり | 特になし |
浅草の人形焼「木村家本店」とは?
「木村家本店」は、慶応4年(1868年)創業の、浅草で最も古い人形焼店です。仲見世通りの雷門寄りに店を構え、浅草名物である五重塔・雷様・提灯・鳩の4つの型を考案したとされています。
特徴:慶応4年創業、浅草で最古の人形焼店
「木村家本店(きむらやほんてん)」は、慶応4年(1868年)に創業した、浅草で一番の歴史を持つ人形焼店です。
仲見世通りの入り口、雷門をくぐって浅草寺に向かう途中の手前側に店を構えています。
現在、浅草の人形焼の定番となっている「五重塔」「雷様」「提灯」「鳩」という浅草名物にちなんだ4つの型は、この木村家本店の初代が考案したとされています。
浅草の「元祖木村家人形焼本舗」とは?
「元祖木村家人形焼本舗」は、仲見世通りの中でも浅草寺の本堂に近い、宝蔵門のすぐ手前にある人形焼店です。木村家本店とは親戚関係にあるとされています。
特徴:仲見世通りにある、もう一つの「木村屋」
「元祖木村家人形焼本舗(がんそきむらやにんぎょうやきほんぽ)」は、同じ仲見世通り沿いにありますが、浅草寺の本堂(観音堂)にかなり近い、奥のブロックに位置しています。
「本店」と「本舗」は親戚関係にあると言われていますが、現在はそれぞれ独立したお店として営業しています。店頭では職人さんが人形焼を焼く様子を見ることができ、活気があります。
【核心】「木村屋本店」と「元祖木村家人形焼本舗」の決定的な違い
浅草の二つの「木村屋」を見分けるポイントは、「場所」と「人形焼の裏の刻印」です。雷門寄りが「本店」、浅草寺寄りが「本舗」。そして「本店」の提灯と雷様の裏には「木村家 本店」の文字が入っています。
観光客が最も混乱するこの二つの店ですが、見分けるポイントは明確です。
1. 場所(立地)の違い:浅草寺への近さ
仲見世通りにおいて、どちらの店が浅草寺に近いかで区別できます。
- 木村家本店:浅草寺から遠い(雷門側、仲見世の南端に近い)
- 元祖木村家人形焼本舗:浅草寺から近い(宝蔵門側、仲見世の北端に近い)
2. 刻印(裏側)の違い:「木村家 本店」の文字
お土産として購入した場合、中身の人形焼で見分ける方法があります。
どちらも「五重塔、雷様、提灯、鳩」の4種類の形はほぼ同じですが、「木村家本店」の「提灯」と「雷様」の裏側には、「木村家 本店」という文字が刻印されています。
一方、「元祖木村家人形焼本舗」の人形焼には、この刻印がありません。これが唯一の見た目の違いとされています。
3. 歴史:本店の方が古い?
創業年を見ると、「木村家本店」が慶応4年(1868年) と、浅草で最古の人形焼店であることを公表しています。口コミなどでも「本店の方が古い」とされています。「元祖」と名乗ってはいますが、歴史的には「本店」のほうが古いようです。
味や中身(あんこ)に違いはある?
二つの「木村屋」の味、形、価格は「ほとんど一緒」というのが、多くの人の見解です。どちらも生地は他店よりモチモチ感が強く、あんこは上品な甘さのこしあんを使用しています。
では、肝心の味に違いはあるのでしょうか?
生地の食感:どちらも「モチモチ感」が特徴
浅草の人形焼は、カステラ生地が主流です。しかし、二つの「木村屋」の人形焼は、他店の人形焼(カステラに近いもの)とは異なり、生地に独特の「モチモチ感」があるのが特徴だとされています。
この食感の違いが、両店が長年にわたり浅草で人気を二分している理由かもしれません。
あんこの種類:基本は「こしあん」
あんこは、両店ともに北海道十勝産の小豆を使用した、上品な甘さの「こしあん」が基本です。
(※あんこが入っていない「カステラ焼」も両店で販売されています)
口コミなどでは、「味も一緒」「違いはわからない」という声が多く、どちらも伝統の味を守る、美味しい人形焼であることは間違いないようです。
浅草の他の有名人形焼店との違い
浅草には「木村屋」以外にも有名な人形焼店があります。そちらとの違いも簡単に見てみましょう。
紀文堂総本店:七福神の顔型
雷門のすぐそばにある老舗「紀文堂総本店」の人形焼は、形が異なります。木村屋の「浅草名物」の型とは違い、「七福神」の顔をかたどっているのが最大の特徴です。あんこは国産最高級の小豆を使ったこしあんです。
梅林堂:日持ちするタイプや「つぶあん」も
仲見世通りにある「梅林堂」も人気店の一つです。こちらの特徴は、「こしあん」と「つぶあん」の両方を選べる点です(商品による)。また、焼きたての他に、真空パックで1ヶ月ほど日持ちするお土産用も充実しているのが特徴です。
【体験談】浅草散策と、焼きたて人形焼の記憶
僕が浅草に行くと、いつも悩むのがこの「木村屋」問題です。
雷門をくぐってすぐ、威勢のいい声が聞こえてくるのが「木村家本店」。ここでまず「焼きたてを1個」と誘惑されます。生地は確かに、ただのカステラとは違う、少しもっちりした密度を感じます。こしあんも上品で美味しいです。
そして、浅草寺でお参りを済ませた帰り道。宝蔵門の近くでまた香ばしい匂いが…。そこにあるのが「元祖木村家人形焼本舗」です。ここでも「焼きたて」が売られています。
正直なところ、両方の焼きたてを時間差で食べても、僕の舌では「味の明確な違い」を判断するのは困難です。どちらも同じくらい美味しい。ただ、「本店」の方が歴史が古い と知ってからは、なんとなく雷門側の「木村家本店」でお土産を買うことが増えたかもしれません。
結局のところ、「雷門から行く時に先に目に入るのが本店、お参りして帰る時に目に入るのが元祖」と覚えて、その時々で近い方や、空いている方で買うのが、浅草散策を楽しむコツなのかもしれませんね。
浅草「木村屋」の人形焼に関するよくある質問(FAQ)
浅草の人形焼で「元祖」はどっちですか?
「元祖木村家人形焼本舗」が「元祖」を名乗っていますが、創業年で言うと「木村家本店」(慶応4年創業)の方が古い とされています。ただし、人形焼の発祥地自体は、浅草ではなく日本橋「人形町」であるという説が有力です。
二つの木村屋は「あんこ」が違いますか?
いいえ、どちらも北海道十勝産の小豆を使った「こしあん」を主力としており、上品な甘さが特徴です。味や食感に大きな違いはない、とされています。
焼きたてはどこで買えますか?
「木村家本店」「元祖木村家人形焼本舗」ともに、店頭で焼きたてのバラ売りを行っていることがあります。「梅林堂」などでも焼きたてを購入できる場合があります。
まとめ|浅草の人形焼、好みの「木村屋」を見つけよう
浅草の二つの「木村屋」の違い、これでスッキリしましたね。
二つの違いを最後にシンプルにまとめます。
- 木村家本店:歴史が最古(慶応4年創業)。雷門寄りの手前にある。人形焼の裏に「木村家 本店」の刻印あり。
- 元祖木村家人形焼本舗:「元祖」を名乗る。浅草寺本堂寄りの奥にある。刻印はなし。
どちらも「五重塔・雷様・提灯・鳩」の4つの形で、モチモチした生地 と上品なこしあん が特徴で、味や価格に大きな違いはないとされています。
浅草を訪れた際は、ぜひ両方の「木村屋」を探してみて、立地の違いや、焼きたての味わいを比べてみてください。
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