仙台土産の絶対的王者といえば、菓匠三全の「萩の月」ですよね。
ふわふわのカステラにたっぷりのカスタードクリームが入った、あの優しい味わいは多くの人に愛されています。
しかし、時折「萩の調(はぎのしらべ)」という、そっくりな姉妹品を見かけることはありませんか?「名前が違うだけ?」「何が違うの?」と疑問に思った方も多いでしょう。
結論から言うと、「萩の月」は定番の「カスタードクリーム」、「萩の調」は「チョコレートクリーム」という決定的な違いがあります。
この記事を読めば、この二つの仙台銘菓の違い、それぞれの魅力、そして「萩の調」がなぜ「幻」と呼ばれるのか、その理由までスッキリと理解できますよ。
お土産選びの参考に、ぜひ最後までご覧ください。
結論|萩の月と萩の調の違いを一言で
「萩の月」と「萩の調」は、どちらも菓匠三全が製造する、ふわふわのカステラ生地でクリームを包んだお菓子です。最大の違いは中のクリームです。「萩の月」はまろやかなカスタードクリーム、「萩の調」はオリジナルのチョコレートクリームを使用しています。
さらに、現在では「萩の月」が通年販売の定番商品であるのに対し、「萩の調」はバレンタイン時期など、販売期間が限定される「レア商品」となっている点も大きな違いです。
「萩の月」と「萩の調」の違い 比較一覧表
| 項目 | 萩の月(はぎのつき) | 萩の調(はぎのしらべ) |
|---|---|---|
| メーカー | 菓匠三全 | 菓匠三全 |
| 中のクリーム | カスタードクリーム | チョコレートクリーム |
| 生地 | ふわふわのカステラ生地 | ふわふわのカステラ生地(共通) |
| 風味 | 優しくまろやかな卵の風味 | 甘すぎないビターなチョコ風味 |
| 販売時期 | 通年(定番) | 限定(バレンタイン時期など) |
| パッケージ | 主にオレンジ色(月) | 主に茶色・紫色(調) |
萩の月と萩の調の決定的な違いは「クリーム」と「販売時期」
「萩の月」が通年手に入る定番のカスタード味であるのに対し、「萩の調」は特製のチョコクリームを使った姉妹品で、現在は主にバレンタインシーズンなどの期間限定でしか販売されません。
この二つの商品は、単なる味違いというだけでなく、その「立ち位置」が大きく異なります。
萩の月(はぎのつき)とは?【定番のカスタード】
「萩の月(はぎのつき)」は、1979年(昭和54年)に誕生して以来、仙台土産の定番として全国的な知名度を誇る銘菓です。
「萩の咲き乱れる宮城野の空に浮かぶ月」をイメージしており、その名の通り、満月のような美しい円形が特徴です。
オリジナルのカスタードクリームを、きめ細かくふんわりとした高級カステラ生地で優しく包み込んでいます。
まろやかで優しい卵の風味が特徴で、老若男女問わず愛される、まさに「王道」の味わいですね。
萩の調(はぎのしらべ)とは?【限定のチョコレート】
「萩の調(はぎのしらべ)」は、「萩の月」の姉妹品として登場しました。
基本的な構造は「萩の月」と同じですが、最大の違いは中に包まれたクリームです。
「萩の調」には、菓匠三全オリジナルのなめらかなチョコレートクリームが使用されています。
以前は通年で販売されていた時期もあったようですが、現在では生産体制の都合などから、バレンタインデーの時期(おおむね1月下旬から2月中旬)や、一部の百貨店催事などでしか手に入らない限定品となっています。
この入手の難しさから、仙台土産に詳しい人々の間では「見つけたらラッキー」と言われる「幻の銘菓」となりつつあります。
味・食感・見た目の違いを比較
どちらも外側のカステラ生地は共通で、ふわふわ・しっとりとした食感です。違いは中のクリームの風味に集約されます。「萩の月」は卵の優しい甘さ、「萩の調」は甘さ控えめでビターなチョコの香りが特徴です。
外側のカステラ生地は共通
まず、外側のカステラ生地については、両者に大きな違いはありません。
どちらも指で持つと跡がついてしまうほど繊細で、しっとりと柔らかく、口に入れると、きめ細かな生地がほどけるような食感です。
萩の月(カスタード)の味と風味
「萩の月」の魅力は、何といってもカスタードクリームの「まろやかで優しい甘さ」です。
卵の風味が豊かで、どこか懐かしさを感じるミルキーな味わいです。
カステラ生地との一体感が素晴らしく、全体として非常にバランスの取れた「癒し系」のスイーツと言えるでしょう。
萩の調(チョコレート)の味と風味
一方、「萩の調」は、封を開けるとカカオの香りが漂います。
中のチョコレートクリームは、甘すぎず、少しビターな大人の味わいです。
カスタードクリームほどの「とろり」感はありませんが、非常になめらかな口当たりのチョコクリームが、ふわふわのカステラ生地と組み合わさることで、定番の「萩の月」とは全く異なる満足感を与えてくれます。
入手方法・価格・パッケージの違い
「萩の月」は通年、仙台の主要な交通機関や百貨店で購入可能です。「萩の調」は販売期間・場所ともに限定されており、入手難易度が非常に高いです。パッケージも「月」のオレンジ色に対し、「調」は茶色や紫色を基調としています。
入手難易度と販売時期
この二つの最大の違いは「入手難易度」にあると言っても過言ではありません。
萩の月(定番)
仙台駅、仙台空港、市内の百貨店、サービスエリア、菓匠三全の各直営店などで通年購入可能です。仙台に行けば、まず間違いなく手に入れることができます。
萩の調(限定)
通年販売はされていません。主な販売時期はバレンタインシーズン(1月下旬~2月14日頃)で、菓匠三全の主要店舗やオンラインショップで取り扱われます。それ以外の時期は、全国の百貨店で開催される「宮城物産展」などの催事に、予告なく登場することがある程度です。
価格とパッケージ
価格
価格は、販売時期や店舗によって若干変動する可能性はありますが、基本的には「萩の月」も「萩の調」もほぼ同価格帯で販売されることが多いです。
パッケージ
個包装や箱のデザインも異なります。
- 萩の月:満月をイメージした「オレンジ色」や「黄色」を基調とした、明るいデザインです。
- 萩の調:チョコレートを連想させる「茶色」や、シックな「紫色」を基調とした、落ち着いたデザインが特徴です。
【体験談】定番の「月」と幻の「調」を食べ比べてみた
僕は仙台を訪れるたびに「萩の月」を買うのが習慣になっているのですが、数年前の2月、仙台駅でお土産を選んでいた時に、見慣れない茶色い箱の「萩の調」を偶然発見しました。
「萩の月じゃない?しらべ…?」と不思議に思いつつ、そのレアだという噂を思い出して即座に購入。ホテルに戻って、定番の「萩の月」と食べ比べてみることにしました。
まず、定番の「萩の月」。これはもう知っている味です。ふわふわの生地と、とろけるカスタード。「ああ、仙台に帰ってきたな」と感じる、鉄板の美味しさでした。
次に、初めて食べる「萩の調」。見た目はそっくりですが、個包装を開けると、ほのかにカカオの香りがします。
一口食べてみると……「これは、別物だ!」と衝撃を受けました。
生地の食感は同じなのに、中のクリームが全く違います。甘ったるいチョコではなく、カカオの風味がしっかりと感じられる、少しビターで上品なチョコレートクリームなのです。
「萩の月」が持つ「優しさ」や「まろやかさ」とは対照的に、「萩の調」は「シック」で「大人びた」味わいでした。これはコーヒーや、もしかしたら赤ワインにも合うかもしれない……そう感じさせる奥深さがありましたね。
どちらが美味しいという優劣ではなく、「優しさの月」と「大人の調」という、全く異なる個性を持った姉妹なのだと実感した体験でした。
萩の月と萩の調に関するよくある質問(FAQ)
「萩の調」の読み方は何ですか?
「はぎのしらべ」と読みます。「月」と「調べ」で対になっている、風流なネーミングですよね。
萩の調はどこで買えますか?
現在は、通年販売されていません。主にバレンタイン時期(1月下旬~2月頃)に、菓匠三全の直営店やオンラインショップ、一部の百貨店などで限定販売されます。それ以外は、物産展などで稀に登場することがあります。
結局、どっちがおすすめですか?
初めて仙台土産を買う方や、あの優しいカスタードの味が好きな方には、定番の「萩の月」が絶対におすすめです。一方、甘すぎるのが苦手な方、チョコレートが好きな方、そして「限定品」という特別感を味わいたい方には「萩の調」がおすすめです。
まとめ|萩の月と萩の調、どちらを選ぶべき?
「萩の月」と「萩の調」の違い、これで明確になったでしょうか。
- 萩の月(はぎのつき):定番のカスタードクリーム。通年販売。
- 萩の調(はぎのしらべ):限定のチョコレートクリーム。バレンタイン時期などに限定販売。
最大の違いはクリームの味と販売時期です。
仙台を訪れた際は、まず定番の「萩の月」を味わい、もし運良く「萩の調」を見かけたら、迷わず手に入れて、その「幻の味」を定番と食べ比べてみるのがおすすめです。
どちらも菓匠三全が誇る素晴らしい銘菓です。他のスイーツ・お菓子の違いを知ることで、お土産選びがさらに楽しくなりますよ。