キシリトールとクロレッツの違い!「歯」のためのガムか「息」のためのガムか

「キシリトール」と「クロレッツ」。

コンビニやスーパーのガムコーナーで、この二大ブランドのボトルが並んでいると、どちらを選ぶべきか迷ってしまいますよね。

最も決定的な違いは、「キシリトール」が「歯の健康(虫歯予防)」を主目的とした「特定保健用食品(トクホ)」であるのに対し、「クロレッツ」は「息の清涼感(リフレッシュ)」を主目的とした「清涼菓子」であるという点。

簡単に言えば、「歯のため」に噛むのがキシリトール、「息のため」に噛むのがクロレッツ、という明確な使い分けがあります。

この記事を読めば、二大ガムブランドの成分、味、そして「トクホ」の秘密までスッキリと理解でき、自信を持って選べるようになります。

それでは、まず二つの違いを比較表で見ていきましょう。

結論|「キシリトール」と「クロレッツ」の違いを一言で

【要点】

「キシリトール」と「クロレッツ」の最大の違いは、その「目的」と「分類」です。「キシリトール(ガム)」は、ロッテが販売する「特定保健用食品(トクホ)」のガムブランドです。虫歯の原因となる酸を作らない甘味料「キシリトール」を主成分とし、歯の健康を保つ(虫歯予防)ことを目的としています。

「クロレッツ(ガム)」は、モンデリーズ・ジャパンが販売する「清涼菓子」のガムブランドです。「息スッキリ」をコンセプトに、クロロフィル(葉緑素)や強力なミント、カフェイン(一部商品)などを配合し、口内のリフレッシュを目的としています。

【徹底比較】キシリトールガム vs クロレッツガム 違い一覧表

【要点】

目的(トクホ vs 清涼菓子)、主成分(キシリトール vs クロロフィル・冷却剤)、運営会社(ロッテ vs モンデリーズ)が三大違いです。ガムを選ぶ際の基準が「歯の健康」か「息の清涼感」かで、選択が変わってきます。

日本でガムの二大巨頭とも言える、ロッテの「キシリトール」ブランドと、モンデリーズ・ジャパンの「クロレッツ」ブランドを比較してみましょう。

項目キシリトール(ガム)クロレッツ(ガム)
分類特定保健用食品(トクホ)清涼菓子(一般的なガム)
主な目的歯の健康維持(虫歯の予防)息のリフレッシュ、眠気覚まし
主な関与成分・特徴キシリトール(甘味料)クロロフィル(葉緑素)、カフェイン(一部)、ミント香料
運営会社株式会社ロッテ (Lotte)モンデリーズ・ジャパン株式会社
味わいの特徴クリアなミント感、優しい甘さ強力な清涼感、スパイシーなミント
食感(傾向)比較的柔らかめ比較的硬め
パッケージ(ボトル)白や緑を基調としたクリーンなデザイン緑や黒を基調としたシャープなデザイン

キシリトール(ガム)とは?

【要点】

「キシリトール」は、もともと白樺などから作られる天然素材の甘味料(糖アルコール)の名前です。虫歯菌が食べても「酸」をほとんど作らないため、虫歯予防に効果があるとされています。ロッテの「キシリトールガム」は、このキシリトールを主成分とし、消費者庁からその効果が認められた「特定保健用食品(トクホ)」です。

特徴:歯の健康を保つ「トクホ(特定保健用食品)」

私たちがお店で目にする「キシリトール」は、多くの場合、株式会社ロッテが販売するガムのブランド名ですね。

この商品の最大の特徴は、「トクホ(特定保健用食品)」の表示が許可されている点です。これは、消費者庁が「特定の保健の目的が期待できる」と科学的根拠に基づき認可した食品だけが表示できます。

キシリトールガムの場合、「虫歯の原因とならない甘味料(キシリトールなど)を使用しており、歯の再石灰化を増強する」といった内容が認められています。

つまり、キシリトールガムを噛むことは、お菓子を楽しむというより、「歯の健康を維持するための習慣」という側面が強いのです。日本歯科医師会からも推薦されており、食後や歯磨き後に噛むことが推奨されています。

クロレッツ(ガム)とは?

【要点】

「クロレッツ」は、「息スッキリ」を追求するガムブランドです。モンデリーズ・ジャパンが販売しており、分類は「清涼菓子」です。名前の由来ともなった「クロロフィル(葉緑素)」や、強力なミント、カフェイン(一部商品)を配合し、口の中を瞬時にリフレッシュさせることを得意としています。

特徴:「息スッキリ」を追求する「清涼菓子」

「クロレッツ」は、アメリカ発祥の歴史あるブランドで、日本ではモンデリーズ・ジャパン株式会社(旧キャドバリー・ジャパン)が販売しています。

その最大の特徴は、発売当初から一貫している「息のリフレッシュ」という強力なコンセプトです。「Clorets」という名前も、葉緑素を意味する「クロロフィル(Chlorophyll)」に由来すると言われています。

トクホであるキシリトールとは異なり、クロレッツの分類は一般的な「清涼菓子」です。保健的な効果を謳うのではなく、食べた瞬間の「スッキリ感」を追求しています。強力なミントフレーバーや、近年では「クロレッツXP」のようにカフェインを配合し、眠気覚ましに特化したラインナップも充実しています。

【核心】「歯の健康」 vs 「息の清涼感」 目的と成分の決定的な違い

【要点】

最大の違いは「ガムを噛む目的」です。キシリトールは「歯の健康維持(守り)」のためのトクホ。クロレッツは「息の清涼感(攻め)」のための清涼菓子です。

ここまでをまとめると、二つのブランドの核心的な違いが浮かび上がってきます。

それは、「キシリトール」が虫歯予防という「健康維持(守り)」の側面を持ち、消費者庁から「特定保健用食品」としてのお墨付きを得ているのに対し、「クロレッツ」は食べた瞬間の「息のリフレッシュ(攻め)」や「眠気覚まし」といった、即効性のある体感を重視した「清涼菓子」である、という点です。

キシリトールを噛むのは「習慣(歯磨き後など)」、クロレッツを噛むのは「瞬間のニーズ(人に会う前など)」に対応したガムと言えるでしょう。

味わい・食感・ラインナップの違い

【要点】

キシリトールは「クリアなミント感」と「優しい甘さ」が特徴で、食感は比較的柔らかめです。一方、クロレッツは「ガツンと来る辛口ミント」や「強力な清涼感」が特徴で、食感は硬めな傾向があります。

キシリトール:クリアなミントと甘さ

キシリトールガムは、トクホとして食後に噛むことも想定されているため、比較的マイルドでクリアなミントフレーバーが多いのが特徴です。キシリトール自体の優しい甘さも感じられます。食感は比較的「柔らかめ」で、長時間噛み続けやすい設計になっています。

クロレッツ:強力な清涼感とスパイシーさ

クロレッツは「息スッキリ」が目的なので、「ガツンと来るミントの辛さ」や「鼻まで抜けるような強力な清涼感」を重視したフレーバーが中心です。食感はキシリトールに比べて「硬め」に作られていることが多く、噛み応えがあります。「味が1.5倍長持ち」などを謳った技術も特徴的ですね。

運営会社と歴史の違い

【要点】

「キシリトールガム」は日本の「ロッテ」が1997年に発売し、「トクホガム」市場を確立しました。「クロレッツ」はアメリカ発祥のブランドで、日本では1985年から「モンデリーズ・ジャパン」が販売する、歴史あるリフレッシュガムです。

キシリトール:株式会社ロッテ

「キシリトールガム」は、日本の株式会社ロッテが1997年に発売した、比較的歴史の新しいブランドです。発売と同時に「トクホ」の許可を取得し、「虫歯予防」という新しいガムの価値を日本市場に確立しました。

クロレッツ:モンデリーズ・ジャパン株式会社

「クロレッツ」は、モンデリーズ・ジャパン株式会社(旧キャドバリー・ジャパン、元をたどればアメリカン・チクル社)が販売するブランドです。日本では1985年に発売されており、キシリトールよりも長い歴史を持つ、「息スッキリ」ガムの王道ブランドと言えます。

【体験談】会議前と食後、僕の使い分け方

僕は、デスクの引き出しに、この二つのガムボトルを常備しています。そして、シーンによって明確に使い分けていますね。

まず、ランチを食べ終えた後、特に歯磨きがすぐにできない時は、必ず「キシリトール」を2粒噛みます。これはもう「お菓子」という感覚ではなく、「デンタルケア」の一環です。トクホだという安心感もあり、「歯のために良いことをしている」という気分になります。

一方、大事な会議の前や、人と会う直前に口の中をリセットしたい時は、迷わず「クロレッツ」を選びます。特に黒いパッケージの「クロレッツXP」は、食べた瞬間に頭がシャキッとするような、鼻まで抜ける強力なミント感が頼りになります。「息、スッキリしたな」という即効性が欲しい場面では、絶対にこちらですね。

僕の中では、「守りのキシリトール」と「攻めのクロレッツ」。この二つは、似ているようで全く役割が違う、仕事中の大切な相棒です。

キシリトールとクロレッツに関するよくある質問(FAQ)

どっちが虫歯予防にいいですか?

虫歯予防を主目的にするなら、消費者庁に「歯の健康を保つ」効果が認められた「トクホ(特定保健用食品)」である「キシリトール」ガムが推奨されます。クロレッツは「清涼菓子」であり、虫歯予防を目的とした商品ではありません。

クロレッツにもキシリトールは入っていますか?

はい、クロレッツの多くの商品にも、甘味料の一つとして「キシリトール」は配合されています。ただし、ロッテの「キシリトールガム」のように、虫歯予防の効果を謳える「トクホ」の基準量(関与成分として)は含まれていないのが一般的です。

味が長持ちするのはどっちですか?

これは両ブランドが技術革新で競い合っている部分ですね。クロレッツは「1.5倍長持ち」などを謳った商品を展開していますし、キシリトールも「味長持ちタイプ」のガムを出しています。どちらも味が長続きするように工夫されており、一概にどちらが優れているとは言えないのが現状です。

まとめ|目的で選ぶ「キシリトール」と「クロレッツ」

「キシリトール」と「クロレッツ」の違い、明確になりましたね。

二つの違いを最後にシンプルにまとめます。

  • キシリトール:ロッテの「トクホ(特定保健用食品)」「歯の健康(虫歯予防)」が目的。キシリトールが主成分。
  • クロレッツ:モンデリーズ・ジャパンの「清涼菓子」「息スッキリ(リフレッシュ)」が目的。クロロフィルや強力なミントが主成分。

「食後のデンタルケアとしてガムを噛みたい」なら、キシリトール。

「大事な場面の前に、とにかく今すぐ息をスッキリさせたい」なら、クロレッツ。

ぜひ、あなたの目的に合わせて、二つのガムを賢く使い分けてみてください。

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