シュラスコとケバブの違いを徹底比較!発祥から食べ方まで完全ガイド

シュラスコとケバブ、どちらも「串に刺して焼いた肉料理」というイメージがありますが、その違いを明確に説明できますか?

実はこの2つ、発祥地や調理法、そして楽しみ方が全く異なる料理なのです。

この記事を読めば、それぞれの特徴や歴史的背景、美味しい食べ方までがスッキリと理解でき、レストラン選びや話題作りにも自信が持てるようになりますよ。

それでは、まず最も大きな違いから見ていきましょう。

結論|シュラスコとケバブの違いを一言でまとめると

【要点】

シュラスコは「ブラジル発祥のバーベキュー」で、塊肉を岩塩でシンプルに焼き上げます。一方、ケバブは「中東発祥の焼き肉料理全般」を指し、スパイスで下味をつけた肉を様々なスタイルで楽しみます。

まず、結論からお伝えしますね。

この二つの料理の最も重要な違いを、以下の表にまとめました。

項目シュラスコ(Churrasco)ケバブ(Kebab)
発祥地南米(主にブラジル)中東(トルコなど)
主な肉牛肉(特にイチボなどの塊肉)羊肉、鶏肉、牛肉
味付け主に岩塩のみでシンプルスパイスやヨーグルトで下味
調理法鉄串に塊肉を刺して炭火焼き様々な焼き方がある(回転焼きなど)
食べ方切り分けてそのまま食べるピタパンに挟む、皿に盛るなど多様

一言でいうなら、シュラスコは「南米の豪快な塊肉バーベキュー」、ケバブは「中東のスパイス香る多彩な肉料理」と覚えておくと分かりやすいでしょう。

どちらも美味しい肉料理ですが、そのルーツや楽しみ方は大きく異なりますね。

定義・発祥・地域文化の違い

【要点】

シュラスコは南米のカウボーイ文化から生まれた野外料理が起源です。ケバブは中東地域の遊牧民が肉を保存・調理するために発展させた多様な焼き肉料理の総称です。

それぞれの料理が生まれた背景を知ると、その違いがより深く理解できますよ。

シュラスコの起源:南米ガウチョの食文化

シュラスコは、ブラジル南部のカウボーイ(ガウチョ)たちが、野外で牛を捌いて焼いて食べたのが始まりとされています。

彼らは岩塩のみで味付けした大きな塊肉を鉄串に刺し、焚き火でじっくりと焼き上げていました。

このシンプルかつ豪快なスタイルが、現在のブラジル式バーベキューの原型となっているんですね。

家族や友人が集まるパーティーや祝いの席には欠かせない、ブラジルの国民食とも言える存在です。

ケバブの起源:中東の豊かな食の歴史

一方、ケバブはトルコをはじめとする中東地域で広く食べられている肉料理の総称です。

その歴史は古く、遊牧民たちが移動中に肉を調理するために工夫したのが始まりと言われています。

「ケバブ」という言葉自体が「焼く」や「ローストする」といった意味を持っており、串焼きの「シシケバブ」や回転焼きの「ドネルケバブ」など、その種類は非常に豊富です。

地域や宗教によって使用する肉の種類(羊肉が主流だが、鶏肉や牛肉も使われる)やスパイスの配合が異なるのも特徴ですね。

肉の種類と調理法の違い

【要点】

シュラスコは「牛肉の塊」を炭火でじっくり焼くのが基本です。日本で一般的なドネルケバブは「味付けした薄切り肉」を積み重ねて回転させながら炙り焼きにします。

使われる肉の種類や調理法にも、それぞれの文化が色濃く反映されています。

シュラスコの調理法:塊肉の旨味を閉じ込める

シュラスコの最大の特徴は、なんといってもその豪快な見た目でしょう。

特に「ピッカーニャ(イチボ)」と呼ばれる部位の塊肉を、弓なりの形に鉄串に刺して焼くスタイルは圧巻です。

シュラスコ専用のオーブン(シュラスケーロ)を使い、炭火でじっくりと回転させながら焼くことで、余分な脂を落としつつ、肉の旨味を中に閉じ込めます。

焼き上がった表面を削ぎ切りにして食べ、残った部分は再び火に戻して焼く、というプロセスを繰り返すのも特徴的ですね。

ケバブの調理法:多彩なスパイスと焼きの技術

日本でよく見かける「ドネルケバブ」は、下味をつけた薄切り肉を巨大な塊になるように垂直の串に積み重ね、それを回転させながら外側から電熱器などで炙り焼きにします。

「ドネル」とはトルコ語で「回転」を意味します。

焼き上がった外側の香ばしい部分を長いナイフで薄く削ぎ落として提供されます。

一方、「シシケバブ」は角切りの肉を串に刺して炭火などで焼くスタイルで、日本の焼き鳥に近いイメージかもしれません。

味付け・食べ方・提供スタイルの違い

【要点】

シュラスコは岩塩のみで肉本来の味を楽しみ、レストランでは食べ放題形式が主流です。ケバブはスパイスとソースで複雑な味わいを楽しみ、手軽なファストフードとして人気です。

実際に私たちがお店で食べる際のスタイルも、大きく異なります。

シュラスコの楽しみ方:食べ放題とパフォーマンス

シュラスコの味付けは、基本的に粗い岩塩のみと非常にシンプルです。

これは、良質な牛肉そのものの味を最大限に引き出すためなんですね。

専門店(シュラスカリア)では、ウェイターが焼き上がった様々な種類の肉をテーブルまで持ってきて、目の前で切り分けてくれる「ロディージョ」という食べ放題形式が一般的です。

ストップの合図を出すまで次々と肉が運ばれてくる、エンターテイメント性の高い食事スタイルと言えます。

「モーリョ・ヴィナグレッチ」と呼ばれる野菜たっぷりの酸味のあるソースを添えて、さっぱりといただくことも多いですよ。

ケバブの楽しみ方:ソースと手軽さ

ケバブは、肉を焼く前にクミン、コリアンダー、チリパウダー、ヨーグルトなどでしっかりと下味をつけます。

さらに、食べる際にはヨーグルトソースやチリソースなど、好みのソースをたっぷりとかけて味わうのが一般的です。

日本では、削ぎ切りにしたドネルケバブをキャベツなどの野菜と一緒にピタパンに挟んだ「ケバブサンド」が、手軽なファストフードとして親しまれていますね。

レストランでは、皿に盛ってライスやパンと一緒に食べるスタイルも人気があります。

体験談・実際に食べ比べて感じたこと

僕も以前、友人とシュラスコ料理店に行ったときのことです。

次から次へと運ばれてくる焼きたての塊肉の迫力に、まず圧倒されました。

目の前で大きなナイフで削ぎ切りにされるイチボは、外はカリッと香ばしく、中はジューシーで肉汁があふれ出し、岩塩だけのシンプルな味付けが肉本来の旨味をダイレクトに伝えてくれました。

「肉を食べている!」という満足感は格別でしたが、調子に乗って食べ過ぎてしまい、後半は少し苦しくなってしまったのは反省点ですね。

一方、街角の屋台で食べるケバブサンドは、スパイシーな香りが食欲をそそります。

たっぷりの野菜とソースが絡まったケバブは、複雑でパンチのある味わいで、手軽に異国情緒を感じられるのが魅力だと感じました。

個人的には、特別な日にガッツリと肉を堪能したいならシュラスコ、普段のランチや小腹が空いたときにサクッと楽しみたいならケバブ、といった使い分けをしています。

どちらもそれぞれの良さがあり、その日の気分やシチュエーションに合わせて選ぶのが楽しいですね。

よくある質問(FAQ)

Q. シュラスコとバーベキューは何が違うの?

A. 大きな違いは「焼き方」です。一般的なバーベキューは網で焼きますが、シュラスコは鉄串に刺して回転させながらじっくり焼きます。このため、余分な脂が落ちてヘルシーに仕上がります。

Q. ケバブは何の肉を使うのが本場流?

A. イスラム教の国が多い中東では、羊肉(ラムやマトン)が主流です。鶏肉もよく使われますが、宗教上の理由から豚肉は基本的に使いません。日本では日本人向けに牛肉や鶏肉を使うお店が多いですね。

Q. シュラスコの「ピッカーニャ」ってどこの部位?

A. 牛のお尻の先の部分で、日本では「イチボ」と呼ばれる希少部位です。適度な脂肪と赤身のバランスが良く、シュラスコで最も人気のある部位の一つですよ。

まとめ|今の気分はシュラスコ?それともケバブ?

シュラスコとケバブ、似ているようで全く異なるこの二つの肉料理の違い、お分かりいただけたでしょうか。

最後に、それぞれの特徴をもう一度振り返ってみましょう。

  • シュラスコ:ブラジル発祥。塊肉を岩塩で豪快に焼く。肉そのものの味を堪能したい時におすすめ。
  • ケバブ:中東発祥。スパイスで味付けした肉を多様なスタイルで。手軽にエキゾチックな味を楽しみたい時におすすめ。

「今日は肉をガッツリ食べたい!」と思ったら、その日の気分やシチュエーションに合わせて、ぴったりの方を選んでみてくださいね。

異国の食文化に触れることで、いつもの食事がもっと楽しくなるはずです。

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