マッコリと日本酒の違い!どっちが好み?醸造酒の仲間だけど全く別物!

マッコリと日本酒、どちらも米を原料にしたアジアを代表するお酒ですよね。

特に韓国料理店でマッコリを、和食店で日本酒を飲む機会は多いですが、この二つの明確な違いを説明するのは意外と難しいかもしれません。

最も決定的な違いは、日本酒が発酵させた「もろみ」を布などで搾って「ろ過」し、透明な液体にするのに対し、マッコリは「粗くこす」だけで、米や麹の固形分が残ったままの「白く濁ったお酒」である点です。

実はどちらも「醸造酒」という大きなカテゴリーの仲間なのですが、製法や使われる麹(こうじ)が異なるため、味わいも見た目も全くの別物となっています。

この記事を読めば、その根本的な違いから、味、香り、度数、飲み方、さらには法律上の分類まで、スッキリと理解できますよ。

結論|マッコリと日本酒の違いを一言でまとめる

【要点】

マッコリと日本酒は、どちらも米などの穀物を麹で発酵させて造る「醸造酒」の仲間です。最大の違いは「ろ過」の工程にあります。日本酒(清酒)は、もろみを搾って透明にするのに対し、マッコリは粗くこすだけなので白く濁っています。また、マッコリは乳酸菌や酵母が生きていることが多く、甘酸っぱい味わいと微炭酸が特徴ですが、日本酒は米の旨味とフルーティーな香りが特徴です。

まずは、この二つの違いを一覧表で比較してみましょう。

項目マッコリ日本酒(清酒)
分類(酒税法)その他の醸造酒(またはリキュール類)清酒
主な原材料米、小麦粉、さつまいも など多様米、米麹、水(+醸造アルコール)
麹(こうじ)ヌルク(小麦や米に多様な菌が繁殖)黄麹(米麹)が主流
製造方法発酵させたもろみを「粗くこす」発酵させたもろみを「搾る(ろ過する)」
見た目(色)乳白色(白く濁っている)ほぼ透明
味わい甘酸っぱい、ヨーグルトのよう、微炭酸米の旨味、甘み、フルーティーな香り
主な度数約6%~8%(低い)約15%前後(比較的高い)
主な飲み方冷やして飲むのが一般的冷酒、常温、熱燗など幅広い温度帯

決定的な違い:原料と「ろ過(搾り)」の有無

【要点】

日本酒は米を発酵させた「もろみ」を布で搾り、酒粕と透明な「清酒」に分離させます。一方、マッコリはもろみを粗いザルなどでこすだけで、米の固形分や酵母、乳酸菌がそのまま残っています。この「ろ過」工程の違いが、見た目と味わいの最大の違いを生んでいます。

マッコリとは?(多様な穀物+麹・ろ過しない)

マッコリは、韓国の伝統的な醸造酒です。「マッ(막)」は「粗雑に・むやみに」、「コルダ(거르다)」は「ろ過する・こす」という意味があり、その名の通り「粗くこした酒」を意味します。

米や小麦粉などを蒸したものに、「ヌルク」と呼ばれる韓国伝統の麹(こうじ)と水を加えて発酵させます。発酵が終わった「もろみ」を、布やザルで軽くこすだけで完成です。

このため、液体の中には米のデンプンやタンパク質、酵母や乳酸菌、食物繊維などが豊富に残っており、白く濁った見た目と、独特の甘酸っぱさ、そして発酵由来の微炭酸が生まれます。

日本酒とは?(米+米麹・ろ過する)

日本酒は、酒税法上「清酒(せいしゅ)」と呼ばれます。「清」という字が表す通り、透明であることが前提です。

米と米麹、水を原料に発酵させた「もろみ」を、布袋などを使って圧力をかけて搾り(ろ過し)ます。これにより、米の固形分である「酒粕(さけかす)」と、透明な液体の「日本酒(清酒)」に分離されます。

この「搾る」工程によって、雑味が取り除かれ、日本酒特有のクリアな口当たりと、米の洗練された旨味や香りが際立つのです。

原材料と麹(こうじ)の違い

【要点】

日本酒の原料は「米、米麹、水」と法律で厳格に決められています。マッコリは米だけでなく小麦粉やさつまいも等も使われ、多様です。また、日本酒が主に「黄麹」を使うのに対し、マッコリは「ヌルク」という乳酸菌や酵母も共存する麹を使うため、ヨーグルトのような酸味が生まれます。

マッコリの原材料と「ヌルク(麹)」

マッコリの原材料は、主原料として米(うるち米やもち米)が使われることが多いですが、法律で厳密に決まっているわけではなく、小麦粉やさつまいも、とうもろこしなどが使われることもあります。

最も特徴的なのは、糖化に使われる「ヌルク(麹)」です。日本の米麹(黄麹)が蒸した米に麹菌を繁殖させるのに対し、ヌルクは小麦や米を砕いて固めたものに、麹菌だけでなく酵母菌や乳酸菌など、様々な微生物が自然に繁殖したものです。この乳酸菌の働きが、マッコリ特有の爽やかな酸味を生み出す大きな要因となっています。

日本酒の原材料と「黄麹」

日本酒(清酒)の原材料は、酒税法で「米、米麹、水」(及び醸造アルコールなどの政令で定める物品)と厳格に定められています。芋や麦を使うことはできません。

そして、糖化に使われるのは、主に「黄麹(きこうじ)」という種類の麹菌を蒸し米に繁殖させた「米麹」です。黄麹はデンプンを糖に変える力(糖化力)が非常に強く、クエン酸をあまり造らないため、雑菌が繁殖しないよう低温での管理が必要です。これが、日本酒のフルーティーな香り(吟醸香)と、米の繊細な旨味を引き出すことに繋がっています。

味・香り・見た目(色)の違いを比較

【要点】

マッコリは「乳白色」で、乳酸菌由来の「甘酸っぱさ」と微炭酸の「爽快感」が特徴です。日本酒は「透明」で、米由来の「旨味(甘み)」と麹由来の「フルーティーな香り」が特徴です。

マッコリの味わい(甘酸っぱい・微炭酸・乳白色)

マッコリの見た目は、ろ過していないため白く濁っています。米などの固形分が沈殿していることも多いですね。

味わいは、ヌルクに含まれる乳酸菌発酵による、ヨーグルトのような爽やかな酸味と、米由来の優しい甘みが最大の特徴です。酵母が生きている非加熱の「生マッコリ」は、瓶内で発酵が続くため、シュワシュワとした微炭酸も感じられます。

日本酒の味わい(米の旨味・フルーティー・透明)

日本酒は「清酒」の名の通り、ほぼ透明です(熟成や製法によってわずかに色づくこともあります)。

味わいは、米のデンプンが糖化・発酵して生まれる奥深い旨味(甘み)が中心です。マッコリのような強い酸味は少なく、黄麹と酵母の働きによって生まれる、リンゴやバナナ、メロンのようなフルーティーな香り(吟醸香)が特徴的なものも多くあります。

アルコール度数と健康面(糖質・カロリー)の違い

【要点】

アルコール度数は、マッコリが「6~8%」と低いのに対し、日本酒は「15%前後」と高めです。健康面では、マッコリは日本酒に比べて糖質・カロリーが低い傾向がありますが、製品(特に甘味料添加のもの)によります。

アルコール度数の違い

マッコリのアルコール度数は約6%~8%のものが主流です。ビール(約5%)より少し高いくらいで、アルコール飲料の中では比較的低めです。

日本酒のアルコール度数は約15%前後が主流です(原酒では18%~20%になることも)。マッコリやビール、ワイン(約12%)と比べると、高めのお酒と言えます。

糖質・カロリーの違い

マッコリは、ろ過していない分、米のデンプンや糖が残っています。また、乳酸菌や食物繊維、ビタミンなども含まれるのが特徴です。日本酒も同様に米由来の糖質を含みます。

一般的な製品で比較すると(100mlあたり)、

  • マッコリ(生):約46kcal / 糖質 約1.2g
  • 日本酒(純米酒):約103kcal / 糖質 約3.6g

(※数値は文部科学省「日本食品標準成分表」などを参考にしています)

マッコリの方がアルコール度数が低い分、カロリー・糖質ともに日本酒より低い傾向にあります。ただし、注意点として、日本で市販されているマッコリの多くは、飲みやすくするために砂糖や人工甘味料が添加されています。その場合、糖質やカロリーは上記よりも高くなるため、成分表示の確認が必要です。

飲み方・温度・シーン別の楽しみ方

【要点】

マッコリは、その甘酸っぱさと微炭酸を活かすため、キンキンに冷やして飲むのが一般的です。一方、日本酒は冷酒から熱燗まで、非常に幅広い温度帯で楽しまれるのが最大の特徴で、温度によって香りと味わいが劇的に変化します。

マッコリの飲み方(冷やして・器で)

マッコリは、爽やかな酸味とのどごしを楽しむため、冷蔵庫でよく冷やして飲むのが基本です。

韓国では、カメ(甕)に入ったマッコリを、お椀のような専用の器(トゥッペギ)ですくって飲むのが伝統的なスタイル。微炭酸が抜けないよう、振らずに上澄みだけを飲んだり、あえて沈殿した部分を混ぜて濃厚な味わいを楽しんだりします。

日本酒の飲み方(冷酒・常温・熱燗)

日本酒の最大の魅力は、世界でも類を見ないほど飲用温度帯が広いことです。

  • 冷酒(5℃~15℃):吟醸酒など、フルーティーな香りを際立たせ、スッキリと飲みたい時に。
  • 常温(冷や)(20℃前後):お酒本来の米の旨味と香りのバランスが最も良く分かります。
  • 熱燗(30℃~55℃以上):純米酒や本醸造酒など。温めることで旨味とコクが膨らみ、体が温まります。「ぬる燗」「上燗」「熱燗」など、温度で呼び名が変わるのも日本文化ならではですね。

文化・歴史・法律上の違い

【要点】

日本酒は日本の「国酒」として神事にも使われる長い歴史を持ち、法律上「清酒」と厳格に定義されます。マッコリは韓国の「庶民の酒」「農民の酒」として親しまれてきた歴史があり、法律上は「その他の醸造酒」または(甘味料などを加えたもの)「リキュール」に分類されます。

発祥と歴史的背景

日本酒は、稲作と共に始まったとされ、日本の神事や儀式に欠かせない「国酒」として、非常に長い歴史と格式を持っています。米と麹だけで造る最高級の酒を目指して、その製法は時代と共に洗練されてきました。

マッコリは、韓国で最も歴史のあるお酒の一つですが、その位置づけは「庶民の酒」「農民の酒」でした。農作業の合間に飲まれるなど、生活に密着したカジュアルな飲み物として親しまれてきました。

酒税法における分類の違い

日本の酒税法上、この二つは明確に区別されています。

日本酒は、「米、米麹、水」などを原料とし、「こしたもの」と定義される「清酒」カテゴリーに入ります。

マッコリは、韓国の伝統製法で造られたものは「穀類…を原料として発酵させた酒類…(ビール、清酒、果実酒等を除く)」として「その他の醸造酒」に分類されます。

ただし、日本で流通しているマッコリの多くは、品質安定や味の調整のためにスピリッツ(蒸留酒)や糖類、香料などを添加しています。これらは酒税法上「リキュール」に分類されます。

体験談|チヂミとマッコリ、刺身と日本酒のペアリング

僕がマッコリの魅力に開眼したのは、新大久保の韓国料理店で熱々の「海鮮チヂミ」と一緒に生マッコリを飲んだ時です。

カメから器に注がれたマッコリは、見た目も香りもまるでヨーグルトドリンクのよう。一口飲むと、優しい甘みと爽やかな酸味、そしてシュワッとした微炭酸が口に広がりました。そして、油でカリッと焼かれたチヂミの香ばしさと脂っこさを、マッコリの酸味と炭酸が見事に洗い流してくれました。「脂っこい料理に、こんなに合うお酒があったのか!」と衝撃を受けました。

一方、日本酒の良さを再認識したのは、寿司屋のカウンターで「純米大吟醸」と「ヒラメの刺身」を合わせた時です。

透明な日本酒は、メロンのように華やかな香り。口に含むと、マッコリのような強い酸味はなく、米由来のふくよかで上品な旨味が舌の上に広がります。そのお酒が、淡白なヒラメの白身の甘みを邪魔するどころか、そっと引き立ててくれるのです。

どちらも「米」から造られる醸造酒なのに、マッコリは「乳酸菌と酵母の共演(甘酸っぱさ)」で料理の脂を切り、日本酒は「麹と酵母の芸術(旨味)」で素材の味に寄り添う。その対照的な個性を知ってから、僕はすっかり両方のお酒のファンになりました。

マッコリと日本酒に関するよくある質問

マッコリと「どぶろく」の違いは何ですか?

「どぶろく」は、日本酒のもろみを一切「こさない」お酒で、酒税法上は「その他の醸造酒」に分類されます。マッコリが「粗くこす」のに対し、どぶろくは「こさない」という違いがありますが、見た目や製法は非常に近いです。ただし、どぶろくは日本の黄麹、マッコリは韓国のヌルクを使うため、風味(特に酸味)が異なります。

マッコリは美容や健康に良いって本当ですか?

マッコリ(特に生マッコリ)は、酵母や乳酸菌が生きているため、腸内環境を整える効果が期待できると言われています。また、米や麹由来のビタミンや食物繊維も含まれています。ただし、アルコール飲料であることに変わりはなく、飲みやすいからといって飲み過ぎには注意が必要です。

日本酒が透明なのはなぜですか?

発酵が終わった「もろみ」を、布などできめ細かく「搾る(ろ過する)」からです。この工程で、米の固形分や酵母(酒粕)が取り除かれ、澄んだ透明な液体(清酒)になります。この点が、粗くこすだけのマッコリとの最大の違いです。

まとめ|マッコリと日本酒、どちらを選ぶべきか?

マッコリと日本酒の違い、スッキリ整理できたでしょうか。

どちらも米を原料とする醸造酒ですが、その個性は全く異なります。

チヂミや焼肉など、こってりした韓国料理と合わせたい時、あるいはヨーグルトのような甘酸っぱさと微炭酸で爽やかに酔いたい時は「マッコリ」。

刺身や寿司、豆腐料理など、繊細な和食と合わせたい時、あるいは米の旨味とフルーティーな香りを、冷やしたり温めたりしてじっくり楽しみたい時は「日本酒」。

このように覚えておけば、その日の気分や料理に合わせて最適なお酒を選べますよ。

どちらも素晴らしい飲み物・ドリンクの世界です。ぜひ様々なアルコール類を試して、お気に入りを見つけてください。