ブランデーとウイスキーとバーボンの違い!「果実」か「穀物」かが全ての始まり

ブランデー、ウイスキー、バーボン。どれもバーの棚に並ぶ美しい琥珀色のお酒ですよね。

名前は知っていても、この3つの違いを正確に説明するのは難しいかもしれません。「バーボンってウイスキーと何が違うの?」「ブランデーは?」と混乱しがちです。

実はこの3つ、「原料が全く異なるお酒(ブランデーとウイスキー)」と、「親子のような関係(ウイスキーとバーボン)」という、複雑な関係性で成り立っています。

この記事を読めば、原料、製法、法律上の定義、そして味わいの違いがスッキリと理解できます。もうバーで迷うことはありませんよ。

それでは、最も重要な結論から見ていきましょう。

結論|ブランデー、ウイスキー、バーボンの決定的な違いとは?

【要点】

最も決定的な違いは「原料」です。ブランデーはブドウなどの「果実」を原料とする蒸留酒です。ウイスキー「穀物」(大麦、トウモロコシなど)を原料とする蒸留酒です。そしてバーボンは、そのウイスキーの一種であり、「アメリカで造られ、主原料の51%以上がトウモロコシ」といった厳格な法的定義を満たしたものを指します。

まず、「ブランデー」と「ウイスキー」は、原料が果物か穀物か、という点で全くの別物です。

そして、「バーボン」は「ウイスキー」という大きなカテゴリの中に含まれる、特定の種類(銘柄)の一つなのです。

3つの関係性:「バーボン」は「ウイスキー」の一種

【要点】

この3つの関係は階層構造になっています。まず「蒸留酒」という大きな分類があり、その中に原料違いで「ブランデー(果実酒の蒸留)」と「ウイスキー(穀物酒の蒸留)」があります。さらに「ウイスキー」の中に、産地や製法違いで「バーボン」「スコッチ」「ジャパニーズ」などが存在します。

この関係性を整理すると、以下のようになります。

  • 蒸留酒(スピリッツ)
    • ブランデー(原料:果実)
      • 例:コニャック、アルマニャック、カルヴァドス(リンゴ)
    • ウイスキー(原料:穀物)
      • バーボン(アメリカ産 / 主原料:トウモロコシ)
      • スコッチ(スコットランド産 / 主原料:大麦麦芽など)
      • ジャパニーズ(日本産 / 主原料:大麦麦芽など)
      • ライ(主原料:ライ麦)
      • カナディアン(カナダ産)

このように、「ブランデーとウイスキーは別物」であり、「バーボンはウイスキーの仲間」と覚えるのが正解です。

ブランデーとウイスキーの違い(原料と製法)

【要点】

ブランデーは「ワイン(果実酒)」を蒸留したお酒です。ウイスキーは「ビールに似た穀物の醸造酒」を蒸留したお酒です。どちらも「醸造酒→蒸留→樽熟成」という工程は似ていますが、スタート地点の原料が果物か穀物か、という点が根本的に異なります。

ブランデー(Brandy)とは? (原料:果実)

ブランデーは、主にブドウを原料とします。

ブドウを発酵させて「ワイン(醸造酒)」を造り、そのワインを「蒸留」してアルコール度数を高め、木樽で熟成させたお酒です。

簡単に言えば「ワインを蒸留して濃縮したもの」ですね。

フランスのコニャック地方やアルマニャック地方で造られるものが世界的に有名です。また、リンゴから造る「カルヴァドス」などもブランデーの一種です。

ウイスキー(Whisky)とは? (原料:穀物)

ウイスキーは、大麦、トウモロコシ、ライ麦といった穀物を原料とします。

穀物を糖化させ、酵母で発酵させて「ビールによく似た醸造酒(もろみ)」を造ります。

(ビールとの違いは、この段階でホップを加えないことです)

そのもろみを「蒸留」し、木樽で熟成させたお酒です。

簡単に言えば「穀物で造ったビールのようなものを蒸留したもの」と言えます。

ウイスキーとバーボンの違い(アメリカの法律)

【要点】

バーボンはウイスキーの中でも、アメリカの連邦アルコール法(FAA)によって厳格に定義された「アメリカンウイスキー」の一種です。主原料の51%以上がトウモロコシであること、そして「新品の、内側を焦がしたオーク樽」で熟成させることが義務付けられています。

ウイスキーは世界中で造られており、産地や製法によって様々な種類(スコッチ、アイリッシュ、カナディアンなど)に分類されます。

「バーボン」もその中の一つで、特にアメリカで造られるウイスキーの代表格です。

バーボン(Bourbon)の厳格な定義

バーボンと名乗るためには、アメリカの法律で定められた以下の厳しい基準を満たす必要があります。

  • アメリカ合衆国で製造されていること。
  • 主原料の51%以上がトウモロコシであること。
  • アルコール度数80%(160プルーフ)以下で蒸留されていること。
  • 内側を焦がした、新品のオーク樽で熟成させること。
  • 樽詰め時のアルコール度数が62.5%(125プルーフ)以下であること。
  • ボトリング時のアルコール度数が40%(80プルーフ)以上であること。

特に重要なのが「51%以上のトウモロコシ」「新品の焦がしたオーク樽」です。

トウモロコシが独特の甘みを生み出し、新品の焦がした樽がバニラやカラメルのような芳醇な香りを強く与えます。これがバーボンの個性となっています。

スコッチなど他のウイスキーとの違い

バーボン以外のウイスキー、例えば「スコッチ・ウイスキー」(スコットランド産)は、主原料が大麦麦芽(モルト)(※シングルモルトの場合)であり、熟成に使う樽も中古の樽(シェリー樽や、バーボンの熟成に使われた古樽など)を使うことが一般的です。

そのため、バーボンのような強烈なバニラ香ではなく、ピート(泥炭)由来のスモーキーな香りや、麦芽本来の風味、古樽由来の複雑な熟成香が特徴となります。

味・香り・アルコール度数の違いを徹底比較

【要点】

ブランデーは原料の果実(ブドウ)由来のフルーティーで華やかな香りが特徴です。ウイスキーは穀物由来で、スコッチなどはスモーキー(ピート香)なものが多いです。バーボンはトウモロコシと新樽由来の力強いバニラやカラメルのような甘い香りが特徴です。アルコール度数はどれも40%以上が主流です。

比較表|ブランデー・ウイスキー・バーボンの違い一覧

項目ブランデーウイスキー(代表例:スコッチ)バーボン(ウイスキーの一種)
分類蒸留酒蒸留酒蒸留酒(アメリカンウイスキー)
主原料果実(主にブドウ)穀物(主に大麦麦芽)穀物(トウモロコシ51%以上)
ベースの醸造酒ワインビール様の液(ホップなし)ビール様の液(ホップなし)
主な産地フランス(コニャック地方など)スコットランド、アイルランド、日本などアメリカ合衆国
熟成樽オーク樽(古樽が多い)オーク樽(古樽が多い)新品の内側を焦がしたオーク樽
主な香りフルーティー、華やかスモーキー(ピート香)、麦芽香バニラ、カラメル、オーク香
主な味わいまろやか、甘み、エレガントドライ、スモーキー、複雑力強い、甘みが強い
アルコール度数40%~40%~40%~

香りと味わいの違い(フルーティー vs 穀物香 vs バニラ香)

原料と樽の違いが、そのまま香りと味わいの違いに直結します。

  • ブランデー:
    原料がブドウ(ワイン)であるため、フルーティーで華やかな香りが最大の特徴です。長期熟成を経たコニャックなどは、非常にエレガントでまろやかな口当たりになります。
  • ウイスキー(スコッチなど):
    原料が穀物(大麦麦芽)であり、麦芽を乾燥させる際にピート(泥炭)で燻すことが多いため(特にアイラモルト)、スモーキーな香り(薬品や正露丸に例えられることも)と、麦芽本来の穀物感が特徴です。
  • バーボン:
    原料のトウモロコシが持つ甘みと、「新品の焦がした樽」から溶け出すバニリンなどの成分により、非常に力強く、バニラやカラメルのような甘い香りが特徴です。他のウイスキーと比べても、甘みがはっきり感じられます。

飲み方とシーンの使い分け

【要点】

ブランデーは、その繊細な香りを楽しむため「ストレート」や、クラシックカクテルで飲まれることが多いです。バーボンを含むウイスキーは飲み方の幅が広く、「ロック」「水割り」「ハイボール(ソーダ割り)」のほか、「オールドファッションド」などのカクテルベースとしても万能です。

ブランデーのおすすめな飲み方

ブランデーは、その華やかな香りをじっくりと楽しむ飲み方が適しています。

  • ストレート:専用のブランデーグラス(スニフター)で、手のひらで温めながらゆっくりと香りの変化を楽しみます。食後酒として最適です。
  • カクテル:「サイドカー」や「ニコラシカ」など、ブランデーベースのクラシックカクテルも多くあります。

ウイスキー(バーボン含む)のおすすめな飲み方

ウイスキーは非常に多様な飲み方が許容されています。

  • ストレート、ロック、水割り:ウイスキー本来の味を楽しむ基本の飲み方です。
  • ハイボール(ソーダ割り):特に食中酒として人気です。バーボンの甘い香りはハイボールにしても際立ちます。
  • カクテル:バーボンは「オールドファッションド」や「ミントジュレップ」、「マンハッタン」(ライウイスキーも多い)など、アメリカンカクテルのベースとして欠かせない存在です。

体験談|バーボンはウイスキーだと知った日

僕がまだお酒の知識に乏しかった頃、バーで「ウイスキー」をイメージしてスモーキーなスコッチばかり飲んでいました。

ある日、映画で見た「オールドファッションド」というカクテルが飲みたくなり、バーテンダーさんに注文しました。

すると、「ベースのウイスキーはどうしますか?バーボンか、ライウイスキーが定番ですが」と聞かれたのです。

その時の僕は、「え?ウイスキーじゃないんですか?」と素直に聞き返してしまいました。

バーテンダーさんは優しく、「バーボンもライもウイスキーの一種ですよ。ただ、オールドファッションドには、バーボンのような甘みとコクがあるタイプがよく合うんです」と教えてくれました。

出てきたバーボンベースのオールドファッションドは、僕が知っていたウイスキー(スコッチ)のスモーキーさとは全く違う、トウモロコシ由来の甘みと新樽のバニラ香がガツンと香る、力強い味わいでした。

「同じウイスキーなのに、こんなに違うのか!」と衝撃を受けると同時に、原料と樽で世界が変わるお酒の奥深さを知った瞬間でした。

そしてもちろん、ブランデーがブドウからできていることは、そのまた後に知ることになります。

ブランデー・ウイスキー・バーボンに関するよくある質問

これら3つのお酒に関して、よくある質問をまとめました。

コニャック(Cognac)はブランデーですか?

はい、コニャックはブランデーの一種です。

フランスのコニャック地方で、法律で定められたブドウ品種や製法(単式蒸留機で2回蒸留するなど)を守って造られたブランデーだけが「コニャック」と名乗ることを許されます。シャンパンがスパークリングワインの一種である関係と似ていますね。

スコッチとバーボンの違いは何ですか?

どちらもウイスキーですが、国、主原料、熟成樽が違います。

スコッチはスコットランド産で、主に「大麦麦芽」を使い、「古樽(中古の樽)」で熟成させることが多く、ピート(泥炭)によるスモーキーな香りが特徴です。

バーボンはアメリカ産で、「トウモロコシ(51%以上)」を使い、「新品の焦がした樽」での熟成が義務付けられています。

バーボンはなぜ甘く感じるのですか?

主原料の51%以上が「トウモロコシ」であること、そして「新品の焦がしたオーク樽」で熟成させることが法律で義務付けられているためです。

トウモロコシが持つ穀物の甘みと、焦がした新樽から溶け出すバニラのような香り(バニリン)が、バーボン特有の力強い甘さの源になっています。

まとめ|好みやシーンに合わせて正しく選ぼう

ブランデー、ウイスキー、バーボンの違い、スッキリ整理できたでしょうか。

・ブランデー = 果実(ブドウ)原料の蒸留酒(フルーティー)

・ウイスキー = 穀物原料の蒸留酒(スモーキー、穀物香)

・バーボン = ウイスキーの一種(トウモロコシ原料で、甘くバニラのような香り)

この3つの関係性を理解すれば、もうお店で迷うことはありません。

どちらを選ぶべきか、結論です。

  • 優雅でフルーティーな香りを食後にじっくり楽しみたい時:
    「ブランデー(コニャックなど)」をストレートで。
  • ピートのスモーキーな香りや、麦芽の複雑な風味を楽しみたい時:
    「ウイスキー(スコッチなど)」をロックや水割りで。
  • バニラのような甘い香りと力強いコクを楽しみたい時、カクテルベースとして:
    「バーボン」をハイボールやオールドファッションドで。

どのお酒も長い歴史と文化を持つ、奥深い世界です。

お酒は適量を守ることが大切です。厚生労働省の示す栄養・食生活に関する情報などを参考に、健康的に楽しみましょう。

当サイト「違いラボ」では、他にも様々なアルコール類の違いについて詳しく解説しています。ぜひご覧ください。