「甘麹」と「甘酒」、どちらも健康や美容に良いと話題ですよね。
でも、この二つ、具体的に何が違うのかご存知ですか?「飲む点滴」と呼ばれるのはどっち?アルコールは?と疑問に思うことも多いでしょう。
実は、「甘麹」は「甘酒」の素(もと)であり、そのまま飲む「甘酒」とは状態が異なります。
この記事を読めば、甘麹と甘酒の明確な定義、作り方、栄養価の違い、そして料理や飲み物での賢い使い分けまでスッキリと理解できます。もう売り場で迷うことはありません。
それでは、まず二つの決定的な違いから見ていきましょう。
結論|「甘麹」と「甘酒」の違いは「状態」と「飲み方」
「甘麹」と「甘酒」の最大の違いは、その「状態」と「用途」です。「甘麹」は米麹と米(または米麹のみ)を発酵させて作った濃厚なペースト状の「甘酒の素」であり、主に調味料や甘味料として使われます。一方、「甘酒」は、その「甘麹」を水やお湯で割って飲みやすくした「飲料」(米麹甘酒)を指すのが一般的です。
ただし、最も注意すべき点は、「甘酒」には酒粕(さけかす)から作るアルコール入りのものも存在する、ということです。この違いが混乱を招く最大の原因かもしれませんね。
「甘麹」と「甘酒」の違い早わかり比較表
一般的に「甘麹」と比較される「甘酒」は、米麹から作られるノンアルコールのタイプを指すことが多いです。まずはこの2つの違いを表で比較してみましょう。
| 項目 | 甘麹(あまこうじ) | 甘酒(米麹甘酒) |
|---|---|---|
| 状態 | ペースト状・粥状(濃厚) | 飲料(液体) |
| 別名 | 甘酒の素、濃縮甘酒、麹ジャム | 米麹甘酒、ノンアルコール甘酒 |
| 主な用途 | 調味料、甘味料、漬け床 | 飲料(そのまま飲む) |
| アルコール | 0% | 0% |
| 主な甘み | 米由来のブドウ糖(麹菌が分解) | 米由来のブドウ糖(麹菌が分解) |
| 栄養 | 飲む点滴の「素」 | 「飲む点滴」と呼ばれる |
「甘麹(あまこうじ)」とは?【飲む点滴の素】
「甘麹」とは、米麹(こめこうじ)と米(または米麹のみ)にお湯を加えて発酵させたものです。米のデンプンが麹菌の酵素(アミラーゼ)によって糖化されることで、非常に強い自然な甘みを持つ、濃厚なペースト状(または粥状)になります。「甘酒の素」「濃縮甘酒」とも呼ばれ、このままでは濃すぎて飲みにくいため、主に甘味料や調味料として使用されます。
甘麹は、文字通り「甘い麹(を使ったもの)」です。
炊飯器やヨーグルトメーカーを使い、60℃前後の温度を保つことで、麹菌の酵素が活発に働き、お米のデンプンをブドウ糖に変えます。このプロセスを「糖化」と呼びます。
砂糖を一切加えていないにもかかわらず、ジャムのように強い甘みを持つのが特徴です。この甘麹こそが、ビタミンB群やアミノ酸、ブドウ糖を豊富に含む「飲む点滴」の原型なんですね。
「甘酒(あまざけ)」とは?【2つの種類に注意】
「甘酒」という言葉は、実は2つの異なる飲み物を指します。一つは「甘麹」を水やお湯で割ったノンアルコールの「米麹甘酒」です。もう一つは、日本酒を作る際に出る「酒粕(さけかす)」を砂糖で甘くした「酒粕甘酒」で、こちらは微量のアルコールを含みます。
スーパーなどで「甘酒」として売られている商品には、この2種類が混在しているため、選ぶ際には注意が必要です。
米麹甘酒(ノンアルコール)
「飲む点滴」として一般的に知られているのは、こちらの米麹甘酒です。
「甘麹」(米麹と米を発酵させたもの)を水やお湯で割って、飲みやすい濃度にしたものを指します。
原材料が米と米麹だけなので、アルコールは一切含まれません。そのため、お子様や妊婦さん、運転前でも安心して飲むことができます。米由来の自然な甘みが特徴です。
パッケージの原材料名に「米こうじ、米」とだけ書かれているのが目印ですね。
酒粕甘酒(アルコール含む)
もう一つの甘酒は、主に冬場に温めて飲まれることが多いタイプです。
これは、日本酒を絞った残りカスである「酒粕(さけかす)」をお湯で溶かし、砂糖を加えて甘みをつけたものです。
米麹甘酒との決定的な違いは2点あります。
- 甘みの由来:米麹甘酒の甘みが米の糖化によるものなのに対し、酒粕甘酒の甘みは後から加えた砂糖によるものです。
- アルコール:酒粕は日本酒の副産物であるため、1%未満の微量なアルコールを含んでいます(酒税法上は清涼飲料水に分類されます)。
独特の芳醇な香りが特徴ですが、アルコールに弱い方や運転前は避けるべきでしょう。
原材料・製造工程・アルコールの違い
甘麹と米麹甘酒は、米と米麹を「糖化発酵」させて作られ、アルコールを全く含まないのが特徴です。一方、酒粕甘酒は酒粕と砂糖を主原料とし、微量のアルコールを含みます。甘麹は発酵させた「素」であり、米麹甘酒はそれを「割った」ものです。
3者の違いを製造工程や原材料の観点から整理してみましょう。
| 項目 | 甘麹(甘酒の素) | 甘酒(米麹) | 甘酒(酒粕) |
|---|---|---|---|
| 主な原材料 | 米、米麹 | 米、米麹、水(お湯) | 酒粕、砂糖、水、塩など |
| 製造工程 | 米と米麹を糖化発酵させる | 甘麹を水やお湯で割る | 酒粕を水で溶かし砂糖を加える |
| 甘みの由来 | 米(デンプン) | 米(デンプン) | 砂糖 |
| アルコール | 0% | 0% | 微量に含む (1%未満) |
味・食感・栄養価(糖度・効能)の違い
甘麹は非常に濃厚で糖度が高く、ジャムのような食感です。米麹甘酒はそれを薄めるため、スッキリとした甘みの飲み物になります。酒粕甘酒は砂糖の甘みと酒粕の香りが特徴です。栄養面では、米麹由来のものは「飲む点滴」と呼ばれるほどブドウ糖やビタミンB群、アミノ酸が豊富です。
甘麹(甘酒の素)
状態:非常に濃厚なペースト状、または粒が残ったお粥状です。
味:米のデンプンがブドウ糖に分解されているため、非常に強い甘みを感じます。糖度は40度近くになることもあります。
栄養:ブドウ糖、ビタミンB群、アミノ酸、食物繊維などが凝縮されています。
甘酒(米麹)
状態:サラサラとした飲みやすい液体です。
味:甘麹を薄めているため、自然でスッキリとした甘みが特徴です。米の粒が残っているタイプもあります。
栄養:「飲む点滴」と呼ばれ、消化吸収されやすいブドウ糖や豊富な栄養素を手軽に摂取できます。
甘酒(酒粕)
状態:サラサラとした液体ですが、酒粕の粒子が残ることがあります。
味:砂糖による直接的な甘みと、酒粕特有の芳醇な香り、わずかな苦味や渋みが特徴です。
栄養:米麹甘酒とは栄養プロファイルが異なり、たんぱく質や食物繊維、葉酸などが含まれます。
使い方・飲み方・シーン別の楽しみ方
「甘麹」は調味料として砂糖の代わりに使ったり、肉や魚を漬け込んだりするのに最適です。「甘酒(米麹甘酒)」はそのまま飲むのが基本です。酒粕甘酒も飲料ですが、アルコールに注意が必要です。
それぞれの特性を活かした使い分けが重要です。
甘麹(調味料・甘味として)
甘麹は「食べる甘酒」とも呼ばれ、その濃厚さと甘みを活かして調味料として使うのが主流です。
- 砂糖の代わりに:煮物、卵焼き、照り焼きのタレなどに入れると、自然でまろやかな甘みとコクが出ます。
- 漬け床として:肉(鶏むね肉など)や魚(サワラなど)を漬け込むと、麹の酵素(プロテアーゼ)がたんぱく質を分解し、素材を驚くほど柔らかく、旨味豊かにします。
- ソース・甘味料として:ヨーグルトやトーストにジャムのようにかけたり、ドレッシングの甘み付けに使ったりもできます。
甘酒(そのまま飲む)
甘酒はすでに飲料として完成されているため、そのまま飲むのが基本です。
- 米麹甘酒:夏は冷やして夏バテ防止の栄養補給に、冬は温めて(お好みで生姜を加えて)体を温める飲み物として、一年中楽しめます。豆乳や牛乳、トマトジュースで割るのも人気のアレンジですね。
- 酒粕甘酒:主に冬場に、体を温める目的で熱くして飲まれます。生姜との相性も抜群です。
甘麹づくりに挑戦した体験談
僕は数年前から、自宅の炊飯器を使って甘麹(甘酒の素)を手作りしています。
最初は「本当に砂糖なしで甘くなるのか?」と半信半疑でした。作り方はシンプルで、炊いたお米と米麹、お湯を混ぜて、炊飯器の「保温」機能(蓋は少し開けておく)で60℃くらいを保ちながら6〜8時間待つだけです。
4時間を過ぎたあたりで、途中で一度かき混ぜるのですが、その瞬間に広がる、ふんわりと甘い、お米と麹の良い香りがたまらなく好きですね。
そして8時間後、味見をしてみて驚きました。市販のどの甘酒よりも濃厚で、脳に響くような強い甘みがあるんです。「麹菌、すごい…」と、目に見えない微生物の力(酵素)を実感した瞬間でした。
この自家製甘麹を鶏むね肉に一晩漬け込んでソテーした時は、その柔らかさと旨味の深さに感動しました。それ以来、甘麹は僕のキッチンに欠かせない万能調味料になっています。市販品も便利ですが、手作りだからこそ味わえるフレッシュな風味は格別ですよ。
「甘麹」と「甘酒」に関するよくある質問(FAQ)
Q1. 甘麹と甘酒、「飲む点滴」と呼ばれるのはどちらですか?
A. 一般的に「飲む点滴」と呼ばれるのは、「米麹甘酒」(甘麹を薄めたもの)のことです。ブドウ糖やビタミンB群、アミノ酸が豊富に含まれ、点滴の成分と似ていることからそう呼ばれています。酒粕甘酒は栄養成分が異なるため、通常はこう呼ばれません。
Q2. 甘麹も甘酒もアルコールはゼロですか?
A. 「甘麹」と「米麹甘酒」はアルコール0%です。麹菌の発酵(糖化)で作られるため、子どもでも飲めます。しかし、「酒粕甘酒」は酒粕自体に微量のアルコール(1%未満)が含まれるため、運転前やお子様は注意が必要ですよ。
Q3. 甘麹と甘酒はダイエット中に飲んでも大丈夫ですか?
A. どちらも米のデンプンが糖(ブドウ糖)に分解されたものなので、糖質は高めです。特に甘麹は濃縮されているので注意が必要です。ヘルシーなイメージですが、砂糖の代わりとして適量を使う、または飲み過ぎないようにするのが賢明ですね。
まとめ|どちらを選ぶべきか?(目的別おすすめ)
「甘麹」と「甘酒」の違い、そして「甘酒」には2種類あることが明確になったでしょうか。
- 甘麹(あまこうじ):濃縮された「素(もと)」。調味料や甘味料として使う。ノンアルコール。
- 甘酒(あまざけ):そのまま飲む「飲料」。
そして、甘酒を選ぶ際は、ラベルをよく確認することが重要です。
- 米麹甘酒:米と米麹が原料。ノンアルコール。「飲む点滴」。
- 酒粕甘酒:酒粕と砂糖が原料。微量アルコールを含む。
料理に使うなら「甘麹」、そのまま飲んで栄養補給したいなら「米麹甘酒」を選ぶのがおすすめです。それぞれの特性を理解して、上手に使い分けてみてくださいね。
甘酒や発酵食品についてさらに詳しく知りたい方は、農林水産省の「aff(あふ)」などの情報も参考になります。また、他にも様々な「飲み物・ドリンクの違い」を知ることで、食生活がより一層豊かになりますよ。