カフェと喫茶店の違いとは?営業許可・メニュー・歴史を徹底比較

「カフェ」と「喫茶店」、どちらもコーヒーを飲む場所として使っていますが、その明確な違いをご存知ですか?

「喫茶店」にはナポリタンやトースト、「カフェ」にはパスタやランチプレートがあるイメージ…。実はこの違い、単なる雰囲気だけでなく、法律による明確な区分に基づいているんです。

一言でいえば、最大の違いは「営業許可」の種類です。「喫茶店」は「喫茶店営業許可」でアルコール提供や本格的な調理ができませんが、「カフェ」は「飲食店営業許可」でアルコール提供も食事(調理)も可能です。

この記事を読めば、なぜ「喫茶店」には軽食が多く、「カフェ」ではお酒が飲めるのか、その法的な背景から文化的な違い、シーン別の使い分けまでスッキリ理解できます。

まずは、両者の決定的な違いを一覧表で見ていきましょう。

結論|カフェと喫茶店の違いを一言でまとめる

【要点】

「カフェ」と「喫茶店」の最も重要な違いは、取得している「営業許可」です。「喫茶店(喫茶店営業許可)」は、原則としてアルコールの提供ができず、提供できる食事もトーストや盛り付けなど「調理」を伴わない軽食に限られます。一方、「カフェ(飲食店営業許可)」は、アルコールの提供が可能で、パスタや定食など本格的な「調理」も行えます。

店名(屋号)は自由に名乗れるため、「喫茶店」という名前でも「飲食店営業許可」を持っているお店(ナポリタンなどを提供するお店)も多いのが現状です。しかし、法律上の区分では明確な違いがあります。

項目カフェ(飲食店営業許可)喫茶店(喫茶店営業許可)
根拠法食品衛生法食品衛生法
営業許可飲食店営業許可喫茶店営業許可
アルコール提供可能原則不可
食事の提供調理が可能(パスタ、定食、一品料理など)簡易な調理のみ(トースト、盛り付けなど)
雰囲気(傾向)明るい、オープン、BGM(ポップス等)、会話・PC作業レトロ、静か、BGM(ジャズ等)、読書・思索
具体例スターバックス、ドトール(※)、カフェ・ド・クリエ、ランチ営業のカフェ純喫茶、昔ながらのコーヒー専門店

※スターバックスやドトールなどは、屋号は「カフェ」ですが、「飲食店営業許可」と「喫茶店営業許可」のどちらを取得しているかは店舗の設備や提供メニューによって異なります。ただし、多くは「飲食店営業許可」を取得し、幅広いメニューを提供できる体制を整えています。

定義と法律(営業許可)上の決定的違い

【要点】

両者の違いは、食品衛生法に基づく「営業許可」の種類によって明確に区別されます。「カフェ」の多くは「飲食店営業許可」、「喫茶店」は「喫茶店営業許可」を取得しているのが一般的です。この許可の違いが、提供できるメニューの範囲を決定しています。

「カフェ」も「喫茶店」も、お店を開くためには保健所の許可が必要です。この時に申請する「営業許可」の種類が、両者のサービス内容を根本的に分けています。

「カフェ(カフェー)」とは?|飲食店営業許可

「カフェ(Café)」はもともとフランス語でコーヒーを意味します。

現在の日本で「カフェ」を名乗るお店の多くは、食品衛生法における「飲食店営業許可」を取得しています。

この許可を取得するには、二槽シンクの設置など、喫茶店営業許可よりも厳しい設備基準を満たす必要があります。その代わり、アルコールの提供が全面的に認められ、食材を「調理」して食事を提供する(例:パスタを茹でる、肉を焼く)ことが可能になります。

ちなみに、歴史的な文脈での「カフェー(Café)」は、明治・大正時代にアルコールと共に女性による接客(ホステス業務)を伴う業態を指し、風営法の管轄でした。現代の私たちが利用する「カフェ」とは全く異なるものですね。

「喫茶店」とは?|喫茶店営業許可

「喫茶店」は、一般的に「喫茶店営業許可」を取得しているお店を指します。

この許可は、飲食店営業許可に比べて設備の基準が緩やかです(例:一槽シンクでも可)。しかし、その代わりに大きな制限が2つあります。

  1. アルコールの提供ができません。
  2. 本格的な「調理」ができません。

提供できるのは、「喫茶店営業における簡易な調理の範囲」と定められたものに限られます。具体的には、飲み物を作ることや、あらかじめ調理されたものを温める(トーストを焼く)、盛り付ける(ケーキ、サンドイッチ)といった行為までです。

提供メニューとアルコールの違い

【要点】

「飲食店営業許可」の「カフェ」は、パスタ、オムライス、ハンバーグなどの本格的な調理を伴う食事や、ビール、ワインなどのアルコール類を提供できます。「喫茶店営業許可」の「喫茶店」は、アルコール提供が不可で、食事もトースト、サンドイッチ、ケーキ、サラダなど、簡易な調理・盛り付けの範囲(軽食)に限られます。

この営業許可の違いが、そのままメニューラインナップの違いに直結しています。

カフェのメニュー|食事(調理)とアルコールが提供可能

「飲食店営業許可」を持つカフェは、メニューの自由度が非常に高いのが特徴です。

ランチタイムにはパスタ、カレー、オムライス、日替わり定食などを提供できます。ディナータイムになれば、ビールやワイン、カクテルといったアルコール類と共に、それに合うアラカルト(一品料理)を提供することも可能です。

「カフェごはん」という言葉があるように、カフェはコーヒーを飲む場所であると同時に、「食事をする場所」としての役割も担っているのです。

喫茶店のメニュー|軽食(調理不要)とアルコール不可が原則

「喫茶店営業許可」の場合、メニューは大きく制限されます。

アルコールは提供できません。食事メニューも、あくまで「調理」を伴わない範囲に限られます。

  • OKな例:コーヒー、紅茶、ジュース(飲み物)、トースト(焼くだけ)、ケーキ(仕入れたものを切って盛り付け)、サンドイッチ(具材を切って挟む)、サラダ(盛り付け)
  • NGな例:パスタ(茹でてソースと和える)、カレーライス(ルーを調理してご飯と合わせる)、オムライス(卵を焼いてご飯と合わせる)

ここで、「待って!昔ながらの喫茶店でナポリタンやカレーライスを食べたことがあるよ?」と疑問に思った方も多いでしょう。

その通りです。それは、そのお店が「喫茶店」という名前(屋号)を使いながらも、法律上は「飲食店営業許可」を取得しているからです。見た目や雰囲気は「喫茶店」でも、許可さえ取っていれば、調理もアルコール提供も可能なのです。

雰囲気・利用シーン・歴史的背景の違い

【要点】

「喫茶店」は、昭和レトロな雰囲気で、静かにコーヒーの味や読書を楽しむ空間(純喫茶など)が多い傾向があります。一方、「カフェ」は、明るくオープンな雰囲気で、友人との会話やランチ、仕事(ノマドワーク)など、多目的に利用される現代的な空間が多いのが特徴です。

法律上の違いだけでなく、両者が培ってきた文化的な背景も、現在のイメージの違いに大きく影響しています。

雰囲気と利用シーン(カフェ vs 喫茶店)

喫茶店
個人経営のお店が多く、店主(マスター)がカウンターに立ち、一杯ずつ丁寧にコーヒーを淹れる姿が象徴的です。BGMはジャズやクラシックが静かに流れ、照明はやや暗め。客層も比較的高めで、新聞や本を読んだり、思索にふけったりと、「一人の時間」や「静かな会話」を楽しむための空間として愛されています。アルコールを提供しない「純喫茶」は、その代表格ですね。

カフェ
スターバックスに代表されるシアトル系カフェの登場以降、明るく、オープンな雰囲気が主流になりました。セルフサービス式の店舗も多く、BGMはポップスやボサノバなど様々。友人とのおしゃべり、ランチ、テイクアウト、そして最近ではWi-Fiや電源が完備され、PC作業(ノマドワーク)をする場所としても定着しています。

歴史的背景と文化の違い

日本におけるコーヒー文化は、明治時代に始まりました。当初はアルコールを提供する「カフェー」と、それと一線を画す「喫茶店」が混在していましたが、昭和に入り、コーヒーの味そのものや静かな空間を提供する「純喫茶」が独自の文化として花開きました。これらが、文化人やビジネスマンの「サードプレイス(第三の場所)」としての役割を担ってきたのです。

一方、「カフェ」が現代のスタイルとして爆発的に普及したのは、1990年代後半以降です。スターバックスなどの外資系チェーン店が「カフェ」という呼称と共に上陸し、テイクアウト文化や、食事もできるオシャレな空間として、新しいライフスタイルを提案しました。これが若い世代を中心に受け入れられ、現在に至っています。

体験談|僕がカフェと喫茶店を使い分ける理由

僕はフリーランスとして働いているため、外出先でPC作業をすることが日常茶飯事です。その時の気分や目的によって、この二つを明確に使い分けていますね。

(カフェの体験)
例えば、クライアントとのオンラインミーティングが控えている時や、集中して資料をガリガリ作りたい時。こんな時は、迷わず電源とWi-Fiが完備されている「カフェ」を選びます。周りのお客さんもPCを開いている人が多く、程よい雑音がBGM代わりになって、むしろ作業が捗るんです。ランチタイムになれば、そのままパスタやサンドイッチで手軽に食事を済ませられるのも合理的ですよね。

(喫茶店の体験)
一方、新しい企画書の記事の「アイデア」をじっくり練りたい時。僕はあえて、電源もWi-Fiもない、昔ながらの「喫茶店」を探して入ります。

先日も、駅裏の路地にある「純喫茶」の扉を開けました。薄暗い照明、重厚なベルベットの椅子、壁には年代物の振り子時計、そしてBGMは静かなクラシック。そこではPCを開く気には到底なれず、カバンから手帳とペンだけを取り出しました。

マスターがサイフォンで淹れてくれたコーヒーは、驚くほど深い苦味と豊かな香りがありました。あの空間では、効率や作業(Doing)ではなく、「思考(Thinking)」そのものに没入できました。結果、煮詰まっていた企画の素晴らしい切り口を思いつくことができたんです。

僕にとって、「カフェ」は“作業する場所”、「喫茶店」は“考える場所”。同じコーヒーを飲む場所でも、得られる体験価値が全く違う。これが、僕が両者を使い分ける理由です。

カフェと喫茶店に関するよくある質問

カフェと喫茶店の違いについて、よくある疑問にお答えします。

質問1:「純喫茶」とは何ですか?

回答:「純喫茶」とは、歴史的な呼称の一つです。かつてアルコールや女性による接客を提供していた「カフェー」と区別するために、「純粋にコーヒーやお茶(喫茶)を楽しむためのお店」という意味で使われ始めました。現代では、お酒を提供せず、コーヒーの味やレトロな雰囲気を楽しむ、昔ながらの「喫茶店」を指す愛称として使われることが多いですね。

質問2:「カフェ」なのにアルコールがない店や、「喫茶店」なのにナポリタンがある店があるのはなぜですか?

回答:それは、お店の名前(屋号)は、営業許可の種類に関わらず自由に決められるからです。「喫茶店 〇〇」という名前でも、実際には「飲食店営業許可」を取得していれば、ナポリタンもカレーも、さらにはビールも提供できます。逆に「〇〇カフェ」という名前でも、オーナーの方針として「喫茶店営業許可」しか取っていない(あるいは飲食店許可は持っていてもお酒を置かない)場合もあります。

質問3:カフェラテとカフェオレの違いは何ですか?

回答:これはコーヒーの種類の違いですね!カフェラテは「エスプレッソコーヒー(濃く抽出したもの)+スチームミルク(蒸気で温めた泡立てミルク)」で作るイタリア式の飲み物です。対して、カフェオレは「ドリップコーヒー(通常のコーヒー)+ホットミルク」で作るフランス式の飲み物です。一般的にカフェラテの方が濃厚で、カフェオレの方がマイルドな味わいになりますよ。

まとめ|カフェと喫茶店、どちらを選ぶべきか?

「カフェ」と「喫茶店」の法律上の違い、そして文化的な違いが明確になりましたね。

水道法食品衛生法という異なる法律・基準で管理されている点が、メニューやアルコールの提供可否という大きな違いを生み出していました。

どちらを選ぶべきか、目的別にまとめます。

  • ランチやディナーでしっかり食事をしたい時
  • ビールやワインなどお酒も楽しみたい時
  • 友人とおしゃべりしたり、PCで作業をしたい時
    「カフェ」(飲食店営業許可)が適しています。
  • 静かな空間で、じっくりとコーヒーの味を堪能したい時
  • 読書や思索にふける一人の時間を持ちたい時
  • レトロな雰囲気を味わいたい時
    「喫茶店」(特に純喫茶)が最適です。

もちろん、最近では「喫茶店」の名前(屋号)で「飲食店営業許可」を持ち、美味しいナポリタンやオムライスを提供する「レトロ系カフェ(食堂)」も人気です。

最終的には法律上の区分けを意識しつつも、その日のあなたの目的(食事か、会話か、一人の時間か)に合わせて、お店の雰囲気やメニューを見て選ぶのが一番ですね。

飲み物の違いについてもっと知りたい方は、飲み物・ドリンクの違いカテゴリのまとめ記事もぜひご覧ください。飲食店の営業許可については、厚生労働省の食品衛生に関するページも参考になりますよ。