ホテルの朝食や洋食のトッピングでおなじみの「フライドエッグ」と「目玉焼き」。
どちらも「卵を焼いた料理」であることは分かりますが、この二つの明確な違いを説明するのは意外と難しいですよね。
実はこの二つ、同じものを指しているようで、カバーする範囲が全く異なります。
最大の違いは、「フライドエッグ」が英語で「油で焼いた卵」の総称であり、片面焼きも両面焼きも全て含むのに対し、「目玉焼き」は日本語の料理名で、主に「片面焼き(サニーサイドアップ)」を指すことが多い点です。
この記事を読めば、二つの言葉の正しい意味から、海外で卵料理を注文する際に役立つ「焼き加減」の種類まで、スッキリと理解できますよ。
それではまず、二つの違いを比較表で見ていきましょう。
結論|フライドエッグと目玉焼きの違いが一目でわかる比較表
「フライドエッグ」は英語で「油で焼いた卵料理」全般を指す総称です。片面焼き(サニーサイドアップ)だけでなく、両面焼き(オーバーイージーなど)も含まれます。一方、「目玉焼き」は日本語の料理名で、一般的には片面焼きで黄身が半熟の状態(=サニーサイドアップ)を指します。
つまり、「目玉焼き」は「フライドエッグ」という大きなカテゴリの中の一つのスタイルを指す、日本語の呼び名ということになります。
| 比較項目 | フライドエッグ (Fried Egg) | 目玉焼き |
|---|---|---|
| 言語・分類 | 英語(調理法の総称) | 日本語(料理名) |
| 主な焼き方 | 片面焼き・両面焼きの両方を含む | 主に片面焼き(サニーサイドアップ) |
| 主な種類 | ・サニーサイドアップ ・オーバーイージー ・オーバーミディアム ・オーバーハード | ・(広義ではフライドエッグ全般を指すことも) ・(狭義ではサニーサイドアップを指す) |
| 名前の由来 | Fried(油で焼いた) Egg(卵) | 見た目が「目玉」に似ていることから |
| 油の量 | 少なめ~多め(揚げるように焼くことも) | 少なめ(または水を入れて蒸し焼き) |
フライドエッグと目玉焼きの定義と起源・発祥の違い
「フライドエッグ」は英語圏で「油で焼いた卵」全般を指す言葉です。一方、「目玉焼き」は日本で生まれた呼び名で、その見た目が「飛び出した目玉」に似ていることから名付けられました。
二つの言葉は、使われる言語と生まれた背景が異なります。
フライドエッグ (Fried Egg) とは?
「フライドエッグ」は、その名の通り英語(Fried Egg)で、「油で焼いた(揚げた)卵」を意味します。
これは特定の焼き方を指す固有名詞ではなく、油を使ってフライパンで焼いた卵料理の「総称」です。そのため、英語圏のレストランで “Fried Egg” と注文すると、後述する「焼き加減(片面か両面か、黄身の硬さ)」を必ず尋ねられます。
イギリスやアメリカの伝統的な朝食(フル・ブレックファストなど)に欠かせない定番メニューですね。
目玉焼き(めだまやき)とは?
「目玉焼き」は、日本で生まれた料理名です。
その由来は非常に分かりやすく、フライパンに卵を割り落として焼いた時の、白い白身と中央の黄色い黄身の見た目が「目玉」にそっくりなことから、「目玉焼き」と呼ばれるようになりました。
日本では、この目玉のビジュアルを保つため、黄身を崩さず、片面だけを焼くスタイル(=サニーサイドアップ)が主流となっています。
決定的な違いは「焼き方」と「言葉の範囲」
決定的な違いは「言葉がカバーする範囲」です。「フライドエッグ」は両面焼きも含みますが、日本の「目玉焼き」は基本的に片面焼きを指します。
日本人が「目玉焼き」と聞いて想像するものと、英語圏の人が「フライドエッグ」と聞いて想像するものは、必ずしも一致しません。
フライドエッグ:片面焼き・両面焼きを含む「総称」
フライドエッグという言葉は、調理法全体を指します。油で焼けば、それはすべて「フライドエッグ」です。
そのため、黄身がトロトロの片面焼きだけでなく、黄身を固めるために両面をしっかり焼いたもの(オーバーハード)も、フライドエッグの一種です。
また、調理法も様々で、少量の油で焼く方法のほか、スペインの「ウエボス・フリートス(Huevos fritos)」のように、多めのオリーブオイルで縁をカリカリに「揚げる」ように焼くスタイルもフライドエッグに含まれます。
目玉焼き:主に「片面焼き」を指す「日本語の料理名」
日本の「目玉焼き」は、その名前の由来である「目玉」のビジュアルを重視します。
そのため、黄身をひっくり返して潰してしまう「両面焼き(Turn over)」のスタイルは、一般的に「目玉焼き」とは呼びません。(※広義では両面焼きも目玉焼きの一種とすることもありますが、主流ではありません)。
また、日本では油を多めに使って白身の縁をカリカリにするよりも、少量の油で焼くか、少量の水を入れて蓋をし、「蒸し焼き」にすることで、白身をふんわりと白く仕上げ、黄身の表面だけを薄い膜で覆うような焼き方が好まれる傾向にありますね。
フライドエッグの主な種類(焼き加減)
英語圏で「フライドエッグ」を注文する際は、焼き加減の指定が必須です。日本の「目玉焼き」に最も近いのは「サニーサイドアップ(片面焼き)」です。両面焼きは「オーバー」と呼ばれ、黄身の硬さで3段階に分かれます。
海外(特に英語圏)で朝食を注文する際に知っておくと非常に便利な、フライドエッグの代表的な焼き加減を紹介します。
サニーサイドアップ (Sunny-side up)
「太陽が上にある側」という意味の通り、片面だけを焼くスタイルです。黄身は完全に生(液体)で、白身は固まっています。まさに日本の「目玉焼き」のイメージに最も近い焼き方です。
オーバーイージー (Over easy)
「Over」は「ひっくり返す(Turn over)」を意味します。サニーサイドアップの状態からひっくり返し、両面をごく軽く焼いたものです。「Easy」の名の通り、黄身はまだ完全に液体で、白身の表面だけが固まった状態です。黄身を崩してトーストにつけたい人に人気です。
オーバーミディアム (Over medium)
両面を焼き、黄身が半熟(ジャム状)になった状態です。黄身は流れ出ませんが、ねっとりとした食感が残っています。
オーバーハード (Over hard)
両面をしっかりと(Hard)焼いたものです。黄身まで完全に火が通り、ゆで卵の固ゆでのような状態になります。サンドイッチの具材などに使われることが多いですね。
味付け・食感・見た目の違い
味付けはどちらも塩・コショウが基本ですが、日本では醤油をかけることも多いです。食感は、日本の「目玉焼き」が蒸し焼きで「ふんわり」しやすいのに対し、「フライドエッグ」は油の量や焼き方次第で「カリカリ」にも「しっかり」にもなります。
焼き方が違えば、当然、食感や好まれる味付けも変わってきます。
見た目と食感
日本の「目玉焼き」は、蒸し焼きにすることで白身がふんわりと仕上がり、黄身の鮮やかな黄色が際立つビジュアルが好まれます。
一方、「フライドエッグ」は焼き方次第です。サニーサイドアップは目玉焼きと似ていますが、油を多めに使うと白身の縁が茶色く色づき、カリカリとした食感(クリスピー)になります。オーバー(両面焼き)にすると、黄身のビジュアルは失われますが、焼き加減によって様々な食感が楽しめます。
味付け
どちらも調理中に塩・コショウを振るか、後からかけるのが基本です。
ただし、日本では「目玉焼きにご飯」という組み合わせが定番であることから、「醤油」をかける人が非常に多いのが特徴ですね。他にもソースやケチャップなど、個人の好みで様々な調味料が使われます。
英語圏のフライドエッグは、ベーコンやソーセージの塩気と一緒に食べることが多く、そのままか、軽く塩・コショウで食べるのが一般的です。
栄養・カロリー・健康面の違い
卵自体の栄養価(タンパク質、脂質、ビタミン)は同じです。違いが生まれるのは「油の量」です。油を多く使って「揚げる」ように焼くフライドエッグは、蒸し焼きにする日本の目玉焼きよりも脂質・カロリーが高くなります。
使用する食材は「卵」なので、基本的な栄養価に違いはありません。卵は「完全栄養食品」と呼ばれるほど、良質なタンパク質、脂質、ビタミン、ミネラルをバランス良く含んでいます。
違いが出るとすれば、それは「調理法=油の使用量」です。
日本の家庭で作る「目玉焼き」のように、テフロン加工のフライパンで少量の油、あるいは水を入れて蒸し焼きにするスタイルは、最も低カロリーです。
一方、英語圏の「フライドエッグ」やスペインの「ウエボス・フリートス」のように、多めの油やバターを使って縁をカリカリに「揚げる」ように焼くスタイルは、その分、脂質と総カロリーが高くなります。
また、オーバーハード(固ゆで)のように黄身にしっかり火を通すと、生の黄身に比べて消化に時間がかかるようになります。
体験談|海外ホテルの朝食で「How would you like your eggs?」に戸惑った日
僕が初めてアメリカのホテルに泊まった時の朝食での出来事です。
レストランで卵料理を注文しようと思い、シンプルに「Fried Egg, please.(フライドエッグをください)」と伝えました。すると、店員さんから笑顔でこう聞き返されたんです。
「How would you like your eggs?(卵の焼き加減はどうしますか?)」
当時の僕は、「フライドエッグ」=「目玉焼き」としか思っていなかったので、頭の中が「?」でいっぱいになりました。「え? 焼き方って何?」と。僕が戸惑っていると、店員さんは「Sunny-side up? Over easy?(サニーサイドアップ? オーバーイージー?)」と助け舟を出してくれました。
「サニーサイド…太陽…? あ、片面焼きのことか!」と瞬時に理解し、「Sunny-side up, please!」と何とか答えることができました。
運ばれてきたのは、まさに見慣れた「目玉焼き」。この時、日本の「目玉焼き」が、英語圏では「フライドエッグ」というカテゴリの中の「サニーサイドアップ」という一つの焼き方に過ぎないことを痛感しました。もしあの時「Over hard」と答えていたら、カチカチの黄身が出てきて驚いていたことでしょう。
フライドエッグと目玉焼きに関するよくある質問(FAQ)
結局、目玉焼きは英語で何と言えば通じますか?
日本の「片面焼きで黄身が半熟の目玉焼き」を注文したい場合は、「Sunny-side up(サニーサイドアップ)」と伝えるのが最も正確です。「Fried Egg」だけでは焼き方を指定したことにならないので注意しましょう。
「ターンオーバー(Turn over)」とは何ですか?
「ひっくり返す」という意味で、両面焼きのことです。先ほど紹介した「オーバーイージー」「オーバーミディアム」「オーバーハード」は、すべてターンオーバーの一種です。
スクランブルエッグやオムレツもフライドエッグですか?
いいえ、違います。フライドエッグは基本的に卵を割った形(黄身と白身が分かれた状態)のまま焼くものを指します。スクランブルエッグは「かき混ぜた(Scrambled)卵」、オムレツは「(具材を包んだ)溶き卵」となり、調理法として区別されます。
目玉焼きをご飯に乗せるのは日本だけですか?
ご飯(白米)の上に直接乗せて醤油をかける食べ方は、日本独特のスタイルと言えます。アジアの他の国々、例えばタイの「ガパオライス」やインドネシアの「ナシゴレン」のように、フライドエッグ(サニーサイドアップ)を炒めたご飯や料理の「トッピング」として乗せる文化は広く存在します。
まとめ|フライドエッグと目玉焼き、どう使い分ける?
フライドエッグと目玉焼きの違い、これでスッキリしましたね。
この二つの言葉は、上下関係にあると考えると分かりやすいです。
- フライドエッグ(Fried Egg)
英語で「油で焼いた卵料理」の「総称」。片面焼き(サニーサイドアップ)も、両面焼き(オーバーイージー、ミディアム、ハード)も全てこれに含まれます。 - 目玉焼き
日本語で「卵を焼いた料理」の「料理名」。一般的には、フライドエッグの中の「サニーサイドアップ(片面焼き)」のことを指します。
日本では「目玉焼き」で十分通じますが、海外のレストランでは「フライドエッグ」と伝えた上で、ぜひ好みの焼き加減を伝えてみてください。きっと、自分好みの一皿に出会えますよ。
当サイト「違いラボ」では、他にも様々な「料理・メニューの違い」について詳しく解説しています。ぜひ他の記事もチェックしてみてください。