媛まどんなと紅まどんなの違い!「本家」はどっち?見分け方を解説

冬の贈答品として人気の「紅まどんな」。

一方で、スーパーや直売所では「媛まどんな」という名前も見かけますよね。

「紅まどんな」と「媛まどんな」の最も大きな違いは、「商標登録の有無」と「品質基準」です。「紅まどんな」はJA全農えひめの登録商標であり、糖度や見た目など厳格な基準をクリアした愛媛県の最高級ブランド柑橘です。「媛まどんな」は、その基準を満たさなかったものや、JAを通さずに出荷された類似品の総称として使われています。

どちらも品種としては同じ「愛媛果試第28号」ですが、なぜ名前が分かれるのでしょうか。

この記事を読めば、その理由から価格、味の違い、正しい選び方までスッキリと理解でき、もう迷うことはありません。

「紅まどんな」はJA全農えひめの登録商標

【要点】

「紅まどんな」は、JA全農えひめ(全国農業協同組合連合会 愛媛県本部)が所有する登録商標(第5456988号)です。この名前を正式に使用できるのは、JA全農えひめが定めた厳格な品質基準を満たし、JAを通じて出荷された果実だけです。

「紅まどんな」は厳格な品質基準をクリアしたブランド品

「紅まどんな」と名乗るためには、「愛媛県内で生産された」「JA(農協)を通じて出荷された」「定められた品質基準をクリアした」という3つの条件をすべて満たす必要があります。

この基準は非常に厳しく、糖度、酸度、色、形、傷の有無などが細かくチェックされます。

つまり「紅まどんな」という名前は、愛媛県が誇る最高品質の証であり、その味と美しさが保証された「選ばれし果実」の称号なんですね。

「媛まどんな」はJA基準外品や類似品の呼称

一方、「媛まどんな」という名称は商標登録されていません(2025年現在)。

これは一般的に、以下のいずれかに該当する果実の流通名(総称)として使われています。

  • 「紅まどんな」の品質基準(糖度や見た目など)にわずかに届かなかったもの。
  • JA(農協)を通さず、生産者や農園が独自に出荷・販売しているもの。

「媛まどんな」や、ほかにも「愛媛まどんな」「訳ありまどんな」といった名前で販売されているものは、JA全農えひめが定義する「紅まどんな」とは区別される、ということです。

品種は同じ「愛媛果試第28号」

【要点】

「紅まどんな」も「媛まどんな」も、植物としての品種は全く同じ「愛媛果試第28号(えひめかしだいにじゅうはちごう)」です。これは愛媛県立果樹試験場(現:愛媛県農林水産研究所果樹研究センター)で開発された、愛媛県オリジナルの柑橘品種です。

この「愛媛果試第28号」は、「南香(なんこう)」と「天草(あまくさ)」という2つの品種を交配させて誕生しました。

両親から良いところを受け継ぎ、薄い皮と、とろけるようなゼリー状の果肉が最大の特徴となっています。

つまり、生物学的には「紅まどんな」も「媛まどんな」も同じ柑橘であり、その中から厳しい選抜試験に合格したエリートだけが「紅まどんな」の称号を与えられる、という関係なんですね。

品質基準(糖度・酸度・見た目)の違い

【要点】

「紅まどんな」はJAによって糖度10.5度以上、酸度1.2%以下など、数値で厳格に定められています。一方、「媛まどんな」には統一された基準がなく、品質は生産者や販売元によって異なります。

紅まどんなの厳格な「JA品質基準」

「紅まどんな」として出荷されるためには、JA全農えひめによる光センサー選果機などを使った厳密なチェックを通過しなければなりません。

主な基準は以下の通りです。

  • 糖度:10.5度以上(または11.0度以上など、等級によりさらに厳しい基準も)
  • 酸度:1.2%以下
  • 見た目:色が鮮やかで、形が整い、傷がほとんどないこと

これらの基準を全て満たしたものだけが、贈答用にもふさわしい最高級品「紅まどんな」として流通します。

媛まどんなの品質は生産者・販売者次第

「媛まどんな」には、JA全農えひめのような統一された品質基準がありません。

そのため、品質は文字通りピンキリです。

もちろん、生産者さんが自信を持って「紅まどんな」に匹敵する品質だとして出荷しているものもたくさんあります。

しかし、中には「紅まどんな」の選果で基準外となったものが「媛まどんな」として流通しているケースもあります。例えば、以下のような理由です。

  • 糖度が基準(例:10.5度)にわずかに満たなかった。
  • 形が少し不揃いである。
  • 風などで表皮に小さな傷(スレ)がついてしまった。

味は「紅まどんな」と遜色ないのに、見た目だけで基準外になったお得な果実が「媛まどんな」として見つかることも多いんですよ。

味・食感・見た目の違いを徹底比較

【要点】

「紅まどんな」は、品質が保証されており、とろけるような“ゼリー食感”と高い糖度を確実に楽しめます。「媛まどんな」は、品種は同じため美味しいものも多いですが、JA基準外品も含むため、食感や糖度に個体差(バラつき)が出る可能性があります。

基準の違いが、私たちが実際に食べる際の体験にどう影響するのかを見ていきましょう。

比較一覧表:紅まどんな VS 媛まどんな

項目紅まどんな(JA正規品)媛まどんな(JA基準外品・類似品)
名称登録商標一般的な呼称・流通名
品種愛媛果試第28号愛媛果試第28号
品質基準厳格(糖度・酸度・見た目)基準なし(生産者・販売元による)
味・食感品質が保証されたゼリー食感・高糖度美味しいものも多いが、個体差あり
見た目傷がなく、形が整っている傷や形のバラつきを含む場合がある
価格高価(贈答用向き)安価(家庭用向き)
11月下旬~12月下旬11月下旬~12月下旬

味と食感:「紅まどんな」は保証された“ゼリー食感”

「紅まどんな」の最大の売りは、「ぷるぷる」「とろける」「ゼリーのような」と表現される独特の食感です。

厳格な基準をクリアしているため、どの個体を購入しても、この特徴的な食感と高い糖度を安定して楽しむことができます。これがブランドの信頼性ですね。

「媛まどんな」も同じ品種なので、素晴らしい食感を持つものが多いです。しかし、品質基準がないため、中には「紅まどんな」ほどの糖度に達していないものや、食感がわずかに異なるものが含まれる可能性は否定できません。

見た目:「媛まどんな」には傷や形のバラつきも

贈答用として「紅まどんな」が選ばれるのは、味だけでなく見た目の美しさも基準に含まれているからです。

「媛まどんな」は、家庭用として流通することが多いため、味に影響のない小さな表皮の傷や、形の不揃いなものが含まれることがよくあります。

価格・流通・旬の違い

【要点】

厳格な基準をクリアし、手間がかかっている「紅まどんな」は贈答用として高価格帯で流通します。「媛まどんな」は家庭用として、比較的安価に販売されることが多いです。旬の時期はどちらも11月下旬から12月下旬頃と短いです。

価格:「紅まどんな」は高価(贈答用)、「媛まどんな」は安価(家庭用)

価格には明確な差が出ます。

「紅まどんな」は、選果基準が厳しく、希少価値が高いため、一個あたり数百円から、立派な化粧箱入りでは数千円~一万円を超えることもある高級品です。デパートや高級果物店、JAの公式通販などで贈答用として扱われるのがメインです。

「媛まどんな」は、基準外品も含まれるため、比較的安価です。スーパーや産直ECサイトなどで、お得な「家庭用」「訳あり品」として袋詰めで販売されているのをよく見かけますね。

旬の時期は同じ

品種は同じ「愛媛果試第28号」ですので、収穫時期は同じです。

どちらも旬は11月下旬から12月下旬頃までと、非常に短い期間しか出回らない貴重な柑橘です。

栄養価とおすすめの食べ方

【要点】

品種が同じため、ビタミンCなどの基本的な栄養成分に大きな差はありません。どちらも皮が薄く果肉が柔らかいため、ナイフで「スマイルカット」にして食べるのが最もおすすめです。

栄養成分は同じ

「紅まどんな」も「媛まどんな」も、品種は「愛媛果試第28号」です。そのため、糖度や酸度の基準値によるわずかな差はあれど、含まれるビタミンCなどの基本的な栄養成分に大きな違いはありません。

おすすめの食べ方「スマイルカット」

「紅まどんな」(愛媛果試第28号)は、皮が非常に薄く、果肉が驚くほど柔らかいのが特徴です。

みかんのように手で剥こうとすると、薄皮(じょうのう膜)が果肉にくっついてしまい、果汁が溢れてうまく剥けません。

そこでおすすめされているのが「スマイルカット」(または「くし形切り」)です。

  1. まず、横半分(赤道切り)にカットします。
  2. 次に、それぞれを縦に4等分(または3等分)のくし形にカットします。
  3. 最後に、皮と果肉の間にナイフを入れ、皮から果肉を切り離します(完全に切り離さず、片方を残すと食べやすいです)。

この方法なら、ゼリーのような果肉を崩さず、手を汚さずに美味しく食べられますよ。

体験談|贈答品選びで学んだ「まどんな」の使い分け

僕も毎年、この「まどんな」の季節を楽しみにしています。

初めて「紅まどんな」を食べた時の衝撃は忘れられません。お歳暮でいただいた立派な箱を開け、勧められるがままにスマイルカットにして口に入れた瞬間、「これは柑橘なのか?ゼリーなのか?」と脳が混乱しました。

それ以来、「これは絶対に失敗できない」という大切な方への贈答品には、必ずJAの品質基準をクリアした「紅まどんな」を選ぶようにしています。価格は張りますが、あの感動を確実に届けられる安心感には代えられませんからね。

一方で、その美味しさを知ってしまった僕は、旬の時期に自宅でも食べたくなります。

そんな時、産直サイトで見かけるのが「媛まどんな」の家庭用(訳あり)です。

最初は「味が落ちるのかな?」と不安でしたが、試しに取り寄せてみると、確かに皮に少しスレ傷があったり、形が不揃いだったりしましたが、味は絶品でした。

「贈答用なら紅まどんな、自宅用なら媛まどんな」という使い分けが、僕の中での賢い楽しみ方として定着しています。見た目を気にしないのであれば、「媛まどんな」は本当に狙い目だと思いますよ。

媛まどんなと紅まどんなに関するFAQ(よくある質問)

「媛まどんな」と「紅まどんな」に関して、特によくいただく質問をまとめました。

Q1. 結局、「媛まどんな」は「紅まどんな」の偽物なんですか?

A. 「偽物」という表現は正しくありませんね。「媛まどんな」も品種は同じ「愛媛果試第28号」です。ただし、JA全農えひめが定める厳格な「品質基準」を満たしていない、あるいは「JAを通さず出荷された」ものが、その名前で流通していることが多いんです。

Q2. 「紅まどんな」を買いたい場合、何を確認すればいいですか?

A. 確実なのは、JA全農えひめの登録商標である「紅まどんな」という名称と、JAのロゴマーク(または「えひめ中央」「にしうわ」等のJA名)が、箱やシールに明記されているかを確認することです。デパートや信頼できる果物専門店、JAの直販サイトでの購入が最も確実ですよ。

Q3. スマイルカット以外に美味しい食べ方はありますか?

A. もちろん、ゼリーのような食感を活かして、果肉をスプーンですくって食べたり、贅沢に生搾りジュースにするのも最高です。ただ、加熱すると特徴的な食感が失われやすいので、まずは生で食べることを強くおすすめします。

まとめ|媛まどんなと紅まどんな、どちらを選ぶべきか?

「媛まどんな」と「紅まどんな」の違い、スッキリご理解いただけたでしょうか。

どちらも「愛媛果試第28号」という素晴らしい品種ですが、その中での「格付け」が異なると考えると分かりやすいですね。

お歳暮や大切な方への贈答用で、確実に最高品質のものを贈りたい場合は、JA全農えひめの登録商標であり、厳格な品質基準をクリアした「紅まどんな」一択です。

自宅用や親しい友人へのおすそ分けで、多少の見た目のバラつきは気にしないから、お得にあのゼリー食感を楽しみたい場合は、「媛まどんな」(家庭用・訳あり品)を探してみると良いでしょう。

どちらにしても、旬が非常に短い冬の贅沢な味覚です。目的に合わせて賢く選び、とろけるような美味しさを楽しんでくださいね。

食べ物の違いについてもっと知りたい方は、僕たちの「食材・素材の違い」カテゴリまとめもぜひご覧ください。

また、愛媛の柑橘についてさらに詳しくは、愛媛かんきつ部公式サイトなどの情報も参考になりますよ。