カシスとブルーベリーの決定的な違いは「酸味」と「用途」にあり!

カシスとブルーベリー、どちらも目に良いとされる「ベリー類」ですが、具体的に何が違うのかご存知ですか?

見た目が似ているため混同されがちですよね。

結論から言うと、カシスは「強い酸味と独特の香り」が特徴で主に加工用、ブルーベリーは「優しい甘み」があり生食にも向くという点が最大の違いです。生物学的にも全く異なる植物なんですよ。

この記事を読めば、カシスとブルーベリーの明確な違いから、栄養価、効果的な使い方、そしてどちらを選ぶべきかまで、もう迷うことはありません。

それでは、まず両者の違いを比較表で見ていきましょう。

結論|カシスとブルーベリーの違いが一目でわかる比較表

【要点】

カシスとブルーベリーは、生物学的に全く異なる植物です。カシス(和名:クロスグリ)はスグリ科で強い酸味と独特な香りを持ち、主にリキュールやジャムに加工されます。一方、ブルーベリーはツツジ科で穏やかな甘みがあり、生食やスイーツに広く使われます。

まずは、カシスとブルーベリーの最も重要な違いを、以下の表にまとめました。これさえ押さえれば、基本的な使い分けはバッチリですね。

項目カシスブルーベリー
分類スグリ科 スグリ属ツツジ科 スノキ属
和名クロスグリ(黒酸塊)(特になし)
見た目黒に近い濃い紫色、光沢がある濃い青紫色、表面が白い粉(ブルーム)で覆われる
味の特徴非常に強い酸味、わずかな渋み穏やかな甘みとほのかな酸味
香り芳醇で独特な強い香り(カシス香)比較的穏やかでフルーティーな香り
主な用途加工用(リキュール、ジャム、ソース)生食、ジャム、スイーツ(マフィン、パイ)
主な栄養素ビタミンC、カシスアントシアニンビタミンE、食物繊維、アントシアニン
価格帯生は希少で高価。加工品が主流。生でも比較的手頃。冷凍品も安価。

このように、似ているようで全く異なる特徴を持っていることがわかります。次に、それぞれの定義と分類について詳しく見ていきましょう。

カシスとブルーベリーの定義と分類の違い

【要点】

カシスはスグリ科の「クロスグリ(黒酸塊)」という植物の実です。一方、ブルーベリーはツツジ科スノキ属の低木果樹の総称であり、ハイブッシュやラビットアイなど多くの品種が存在します。そもそも「科」のレベルで異なる、全く別の植物なんですね。

「カシス」とは?(和名:クロスグリ)

「カシス(Cassis)」はフランス語での呼び名です。日本語の正式な和名は「クロスグリ(黒酸塊)」と言い、英語では「ブラックカラント(Blackcurrant)」と呼ばれます。

日本では「カシス」というフランス語の呼び名が、特にリキュール(クレーム・ド・カシス)の普及によって定着しました。

「ブルーベリー」とは?(種類と特徴)

「ブルーベリー(Blueberry)」は、北米原産のツツジ科スノキ属に分類される低木果樹の「総称」です。

一口にブルーベリーと言っても多くの品種があり、大きくは以下の3系統に分けられます。

  • ハイブッシュブルーベリー:寒冷地向けで大粒。日本で最も多く栽培されています。
  • ラビットアイブルーベリー:暖地向けで育てやすい品種。
  • ローブッシュブルーベリー:野生種で、主に加工用(ワイルドブルーベリー)に使われます。

生物学的な分類(科・属)の違い

両者の最も決定的な違いは、生物学的な分類にあります。

  • カシス:スグリ科 スグリ属
  • ブルーベリー:ツツジ科 スノキ属

このように、見た目が似ている「ベリー類」というだけで、「科」の段階から全く異なる植物であり、近縁種ではありません。例えるなら、リンゴとミカンくらい違う存在なんですね。

味・香り・食感・見た目の違い

【要点】

見た目は、カシスが光沢のある黒紫色なのに対し、ブルーベリーは白い粉(ブルーム)をまとった青紫色です。味と香りは対照的で、カシスはガツンとくる強い酸味と芳醇な香りがありますが、ブルーベリーは酸味が穏やかで優しい甘みが特徴です。

私たちが最も気になるのは、やはり味や見た目の違いですよね。ここが両者を見分ける最大のポイントになります。

見た目(色・形・大きさ)

カシス:
大きさはブルーベリーより少し小さいか同程度ですが、色は黒に限りなく近い濃い紫色をしています。表面はツルっとしており、光沢(テリ)があるのが特徴です。

ブルーベリー:
色は濃い青紫色です。最大の特徴は、果皮の表面が「ブルーム」と呼ばれる白い粉で覆われている点です。このブルームは果実自身が乾燥から身を守るために出しているもので、新鮮な証拠とも言えます。

味と香り(カシスの酸味 vs ブルーベリーの甘み)

味と香りは、この二つのベリーを決定的に分ける要素です。

カシス:
とにかく酸味が非常に強いのが特徴です。生のまま食べると、思わず顔をしかめてしまうほどの酸っぱさがあります。そして、香りが非常に芳醇で、カシスリキュールを嗅いだ時に感じる、あの独特で華やかな香り(カシス香)がします。この香りの強さこそが、カシスが加工品として重宝される理由ですね。

ブルーベリー:
品種にもよりますが、基本的には酸味が穏やかで、優しい甘みが主体です。生でそのまま食べても美味しく、パクパクと食べ進められます。香りはカシスほど強くはなく、ほのかに甘酸っぱいフルーティーな香りがします。

栄養・成分・健康面の違い

【要点】

どちらも目に良いとされるアントシアニンを含みますが、カシスには「カシスアントシアニン」と呼ばれる特有の成分が含まれ、ピント調節機能のサポートなどで注目されています。また、カシスはビタミンCが、ブルーベリーはビタミンEが豊富な傾向にあります。

カシスもブルーベリーも、健康食品やサプリメントでよく見かけるように、栄養価の高い果物です。特に注目される成分を比較してみましょう。

アントシアニン(カシス特有成分)

どちらもポリフェノールの一種であるアントシアニンを豊富に含みますが、その「種類」に大きな違いがあります。

カシス:
カシスに含まれるアントシアニンは、「カシスアントシアニン」と呼ばれ、特有の成分を含みます(デルフィニジン-3-ルチノシド(D3R)やシアニジン-3-ルチノシド(C3R)など)。これらは特に目のピント調節機能をサポートする働きや、血流改善に関する研究が進められています。

ブルーベリー:
ブルーベリーにも多くの種類のアントシアニンが含まれており、古くから視機能の維持に役立つとされてきました。特に野生種のローブッシュ(ワイルドブルーベリー)は含有量が多いことで知られています。

ビタミンCとビタミンE

ビタミン類にも違いが見られます。(生・可食部100gあたり)

  • ビタミンC:カシスは41mgと非常に豊富です。一方、ブルーベリー(栽培種)は9mgです。
  • ビタミンE(α-トコフェロール):カシスは1.0mgですが、ブルーベリー(栽培種)は1.7mgと、カシスよりも多く含んでいます。

※出典:日本食品標準成分表(八訂)

ビタミンCをしっかり摂りたい場合はカシス、抗酸化作用のあるビタミンEを期待するならブルーベリー、という見方もできますね。

その他の栄養素比較

どちらも食物繊維を適度に含んでおり、腸内環境を整えるのにも役立ちます。カシスは3.6g、ブルーベリー(栽培種)は3.3g(100gあたり)です。

使い方・加工品・料理での扱い方の違い

【要点】

この違いは明確です。カシスはその強烈な酸味と香りを活かし、ほぼ加工用です。リキュールやジャム、ソースに使われます。一方、ブルーベリーは穏やかな甘みで生食に最適であり、ヨーグルトやマフィンなど幅広く使われます。

カシスとブルーベリーは、その味と香りの違いから、調理や加工での使われ方が全く異なります。

カシスの主な用途(リキュール・ジャム)

カシスは酸味が強すぎるため、生食にはほとんど向きません。その代わり、加熱したり砂糖を加えたりすることで、その芳醇な香りが一層引き立ちます。

  • リキュール:最も有名なのが「クレーム・ド・カシス」ですね。カシスオレンジやカシスソーダといったカクテルのベースとして欠かせません。
  • ジャム・コンフィチュール:強い酸味は砂糖との相性が抜群で、濃厚な味わいのジャムになります。
  • ソース:肉料理(特に鴨肉や豚肉)のソースとして使われることも多く、フレンチでは定番の組み合わせです。
  • お菓子:ムースやマカロンなど、香りを活かしたスイーツに使われます。

ブルーベリーの主な用途(生食・スイーツ)

ブルーベリーは、その穏やかな甘みと適度な酸味から、生食が主流です。加熱しても美味しいですが、フレッシュな味わいを楽しむのに最適です。

  • 生食:そのまま食べるのが一番です。ヨーグルトやシリアル、スムージーのトッピングにも大人気ですね。
  • スイーツ:マフィン、パイ、タルト、チーズケーキなど、焼き菓子との相性が抜群です。
  • ジャム:カシスほど濃厚ではありませんが、定番のジャムとして人気があります。
  • ソース:パンケーキやワッフルにかけるソースとしても使われます。

旬・産地・保存・価格の違い

【要点】

カシスは冷涼な気候を好み、日本では青森県が主産地ですが、国産の生は非常に希少です。ブルーベリーは北米原産で、日本国内でも広く栽培されています。生の旬はどちらも夏(6月〜8月頃)ですが、流通量はブルーベリーが圧倒的に多く、価格も手頃です。

主な産地と国内での入手性

カシス:
ヨーロッパやニュージーランドが主な産地です。冷涼な気候を好むため、日本では青森県が最大の産地として知られています。しかし、国内の生産量は非常に少なく、生の国産カシスが市場に出回ることは稀です。ほとんどが冷凍品や加工品として流通しています。

ブルーベリー:
北米が原産地です。日本でも気候に合わせて様々な品種が導入され、長野県、東京都、群馬県、茨城県など、全国各地で観光農園が開かれるほど広く栽培されています。

旬の時期(生カシスは希少)

どちらのベリーも、生の旬は夏、主に6月から8月頃です。

ブルーベリーは旬の時期になるとスーパーの店頭にも生のパックが並びますが、生の国産カシスは、前述の通り非常に希少なため、産地の直売所や高級デパート、お取り寄せなどでないと入手は困難です。

保存方法と価格帯

保存方法:
どちらも傷みやすい果物です。生の場合は、乾燥を防ぐために密閉容器やポリ袋に入れ、冷蔵庫の野菜室で保存し、2〜3日中に食べきるのが理想です。長期保存する場合は、洗って水気をしっかり拭き取り、冷凍保存します。

価格帯:
ブルーベリーは、国産の生でも比較的手頃な価格で入手可能です。冷凍品はさらに安価で、業務スーパーなどでも大容量のものが売られています。

カシスは、生の国産品は非常に高価です。冷凍品もブルーベリーに比べると高めの価格設定になっています。

起源・歴史・文化的背景

【要点】

カシスはヨーロッパが原産で、古くから薬用としても利用されてきました。特にフランスのブルゴーニュ地方でリキュール「クレーム・ド・カシス」が作られるようになり、世界的に有名になりました。ブルーベリーは北米原産で、ネイティブアメリカンが古くから食用や薬用にしていました。

カシスはヨーロッパ、ブルーベリーは北アメリカと、そのルーツは異なります。

カシス(クロスグリ)は、ヨーロッパの冷涼な地域が原産で、16世紀頃からフランスなどで栽培が始まったとされています。当初は薬用として利用されることも多かったようです。19世紀にフランスのブルゴーニュ地方ディジョンで「クレーム・ド・カシス」が開発されたことで、その地位を確立しました。

一方、ブルーベリーは北米大陸が原産です。ネイティブアメリカンが古くから食用や薬用、保存食として利用していました。20世紀初頭にアメリカで品種改良が進み、世界中に広まっていった、比較的新しい果樹と言えます。

【体験談】カシスリキュールと生ブルーベリーの使い分け

僕にとって、カシスとブルーベリーは全く別の楽しみ方をする果物ですね。

カシスと聞くと、やはりバーで飲む「カシスオレンジ」や「カシスソーダ」のイメージが強いです。あの独特の華やかな香りと、甘酸っぱさが堪らないですよね。家でもクレーム・ド・カシスを常備していて、炭酸水で割るだけでちょっと贅沢な気分になれます。

料理に使うことは稀ですが、一度、豚肉のソテーにカシスジャムを使ったソースを試してみたことがあります。豚の脂の甘みとカシスの強い酸味、芳醇な香りが組み合わさって、一気にフレンチレストランのような本格的な味わいになり、驚きました。

一方、ブルーベリーは「毎朝のヨーグルトのお供」として欠かせません。僕はよく冷凍ブルーベリーを大袋で買っておいて、凍ったままヨーグルトに入れています。

生のブルーベリーが手に入った時は、それだけでデザートになりますね。あのプチっとした食感と、口に広がる優しい甘みは、カシスにはない魅力です。生クリームと一緒にマフィンやパンケーキにたっぷり乗せるのも最高です。

「香り」と「酸味」で非日常感を味わいたい時はカシス、「甘み」と「食感」で日常的に楽しみたい時はブルーベリー。僕の中では、そんな風に明確に使い分けられていますね。

カシスとブルーベリーの違いに関するよくある質問(FAQ)

Q1. カシスとブルーベリー、結局どっちが目に良いんですか?

A. どちらもアントシアニンという目に良いとされる成分を含んでいます。ただ、カシスには「カシスアントシアニン」という特有の種類が含まれており、特に「目のピント調節機能」をサポートする働きで注目されています。ブルーベリーも伝統的に目に良いとされていますが、期待する効果によって選ぶのが良いかもしれませんね。

Q2. カシスは生で食べられますか?

A. はい、食べること自体は可能です。ただ、ブルーベリーのように甘くはなく、非常に酸味が強いため、生食にはあまり向いていません。ジャムやリキュールのように、砂糖を加えたり加工したりするのが一般的ですよ。

Q3. カシスと「ハスカップ」の違いは?

A. ハスカップも北海道などで採れる濃い紫色のベリーですね。カシスがスグリ科なのに対し、ハスカップはスイカズラ科で、植物として全く別物です。味はどちらも酸味が強いですが、ハスカップの方がより独特の風味があり、形状が細長い(楕円形)点で見分けがつきます。

まとめ|カシスとブルーベリー、目的別おすすめの選び方

カシスとブルーベリーの違い、スッキリご理解いただけたでしょうか。

どちらも「ベリー」と呼ばれ、見た目も似ていますが、実際には「スグリ科」のカシスと「ツツジ科」のブルーベリーという、全く異なる植物でした。

最大の違いは「味」と「用途」にあります。

  • カシス(クロスグリ):強い酸味と芳醇な香りが特徴。生食はせず、リキュール、ジャム、ソースなど【加工用】として香りを活かす。
  • ブルーベリー:穏やかな甘みとほのかな酸味が特徴。【生食】に最適で、ヨーグルトやスイーツに幅広く使える。

これからは、カクテルや濃厚なソースで華やかな香りを楽しみたい時は「カシス」を、毎日のヨーグルトやフレッシュなデザートとして楽しみたい時は「ブルーベリー」を、と自信を持って使い分けられますね。

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