見た目がそっくりな「韓国かぼちゃ」と「ズッキーニ」。
どちらもウリ科の野菜ですが、料理をしてみると食感や風味が異なり、使い分けに迷うことがありますよね。
結論から言うと、この二つはどちらも「ペポカボチャ」というカボチャの仲間ですが、品種が異なります。
「韓国かぼちゃ」は果肉が柔らかく、煮込むとトロリとなるのが特徴で、「ズッキーニ」は果肉が緻密で、加熱しても煮崩れしにくいのが最大の違いです。
この記事を読めば、韓国かぼちゃとズッキーニの明確な違いから、栄養価、そして料理での正しい使い分けまで、スッキリと理解できますよ。
それでは、まず両者の違いを比較表で見ていきましょう。
結論|「韓国かぼちゃ」と「ズッキーニ」の違いが一目でわかる比較表
「韓国かぼちゃ」と「ズッキーニ」は、どちらもウリ科カボチャ属ペポカボチャ種に属する、カボチャの仲間です。「韓国かぼちゃ(愛称:エホバク)」は果肉が柔らかく、煮込み料理(チゲなど)に向いています。一方、「ズッキーニ」は果肉が緻密で煮崩れしにくく、油を使った料理(ラタトゥイユ、ソテー)に向いています。
まずは、「韓国かぼちゃ」と「ズッキーニ」の核心的な違いを一覧表にまとめました。
| 項目 | 韓国かぼちゃ(エホバクなど) | ズッキーニ |
|---|---|---|
| 分類 | ウリ科 カボチャ属 ペポカボチャ種 | ウリ科 カボチャ属 ペポカボチャ種 |
| 見た目 | 淡い緑色(黄緑色)、形はずんぐりしたものが多い | 濃い緑色(黄色の品種も)、細長い円筒形 |
| 味・香り | 淡白でほのかな甘み、クセがない | 淡白だが、やや青みやナッツに似た風味がある |
| 食感 | 柔らかく、みずみずしい、煮崩れしやすい | 果肉が緻密で硬め、煮崩れしにくい |
| 主な用途 | 韓国料理(チゲ、ジョン)、煮物 | 洋食(ラタトゥイユ、ソテー、グリル)、油炒め |
| 生食 | あまり向かない(通常は加熱) | 薄切りにしてサラダなどで食べられる |
このように、同じカボチャの仲間でありながら、食感と用途が大きく異なることがわかります。次に、この関係性について詳しく解説します。
「韓国かぼちゃ」と「ズッキーニ」の定義と分類(科・属)の違い
「韓国かぼちゃ」も「ズッキーニ」も、ウリ科カボチャ属ペポカボチャ種(Cucurbita pepo)に分類される夏カボチャの一種です。日本で一般的な緑色のカボチャ(西洋カボチャ)や日本カボチャとは、同じカボチャ属でも「種(しゅ)」が異なります。
「韓国かぼちゃ」とは?(ペポカボチャの一種)
「韓国かぼちゃ」は、その名の通り、韓国料理で日常的に使われるカボチャです。韓国語では「エホバク(애호박)」と呼ばれ、直訳すると「若いカボチャ」という意味になります。
生物学的には「ペポカボチャ」という種のひとつで、完熟する前の未熟な状態で収穫されます。見た目は淡い緑色で、ズッキーニよりも少し太く、ずんぐりとした形(棍棒型)のものが多いのが特徴です。
「ズッキーニ」とは?(ペポカボチャの一種)
「ズッキーニ」も、韓国かぼちゃと同じ「ペポカボチャ」の一種です。イタリア料理で多用されることからヨーロッパで発展し、日本でもおなじみになりました。
こちらも未熟な状態で収穫する夏カボチャの代表格です。見た目は濃い緑色で、きゅうりを太くしたような細長い円筒形が一般的です(黄色い品種や丸い品種もあります)。
生物学的には「非常に近い親戚」
つまり、「韓国かぼちゃ」と「ズッキーニ」は、生物学的には「同じ種(Cucurbita pepo)」に属する、非常に近い親戚同士と言えます。例えるなら、「ふじ」と「つがる」がどちらも「りんご」であるのと同じ関係性ですね。
ちなみに、私たちが「かぼちゃ」と聞いて思い浮かべる、皮が硬くてホクホクした緑色のカボチャ(例:えびすかぼちゃ)や日本カボチャは、「ニホンカボチャ(Cucurbita moschata)」や「セイヨウカボチャ(Cucurbita maxima)」という別の「種」に分類されます。
つまり、ズッキーニと韓国かぼちゃは、実は日本カボチャよりも生物学的に近い関係なのです。
味・香り・食感・見た目の違い
見た目は、韓国かぼちゃが淡い緑色でずんぐり、ズッキーニが濃い緑色で細長い傾向があります。最大の違いは食感で、韓国かぼちゃは非常に柔らかく煮崩れしやすいのに対し、ズッキーニは果肉が緻密で煮崩れしにくいです。
同じペポカボチャの仲間でも、品種が違うため、見た目や食感には明確な違いがあります。
見た目(色・形)
韓国かぼちゃ:
皮の色が淡い緑色(黄緑色)で、表面は滑らかです。形はズッキーニより太く、ずんぐりとした棍棒型や、片方の端が膨らんだ形をしていることが多いです。
ズッキーニ:
皮の色は濃い緑色が一般的です(黄色い品種もあります)。形はきゅうりのように細長い円筒形をしています。
味と香り(韓国かぼちゃの淡白さ vs ズッキーニの風味)
韓国かぼちゃ:
味が非常に淡白で、クセがありません。ほのかな甘みがあり、どんな味付けにも良くなじみます。
ズッキーニ:
こちらも淡白ですが、韓国かぼちゃに比べると、わずかに独特の青っぽさや、油で炒めた時のナッツのような風味を感じることがあります。
食感(韓国かぼちゃの柔らかさ vs ズッキーニの歯ごたえ)
ここが両者を分ける決定的なポイントです。
韓国かぼちゃ:
果肉が非常に柔らかく、水分が多いのが特徴です。そのため、火の通りが非常に早く、煮込むとすぐにトロリとした食感になります。
ズッキーニ:
果肉が緻密で、硬めです。水分も韓国かぼちゃより少ないため、加熱しても形が崩れにくい(煮崩れしにくい)という大きな特徴があります。この食感を活かし、グリルやソテーでは歯ごたえを楽しむことができます。
栄養・成分・健康面の違い
どちらも低カロリーで、栄養価は非常に近いです。ビタミンC、β-カロテン、カリウムなどをバランスよく含んでいます。特に皮の部分に栄養が多いため、皮ごと食べるのがおすすめです。
韓国かぼちゃ(エホバク)とズッキーニは、どちらも未熟なうちに収穫する夏カボチャであり、栄養成分は非常によく似ています。
どちらも100gあたり約16kcalと非常に低カロリーで、ダイエット中にも嬉しい野菜ですね。主な栄養素としては以下のようなものが挙げられます。
- カリウム:体内の余分なナトリウム(塩分)の排出を助けます。
- β-カロテン:体内でビタミンAに変換され、皮膚や粘膜の健康維持を助けます。皮の濃い緑色の部分(ズッキーニなど)に特に豊富です。
- ビタミンC:抗酸化作用を持つビタミンです。
- ビタミンK:骨の健康維持に関わります。
栄養面で大きな差はないため、料理によって食感の好みで使い分けるのが良いでしょう。
使い方・料理での扱い方の違い
食感の違いで使い分けます。韓国かぼちゃの柔らかさは、チゲ(鍋)やジョン(ピカタ風)など、味を染み込ませたり、柔らかく仕上げたい韓国料理に最適です。ズッキーニの硬さは、ラタトゥイユ、グリル、ソテー、パスタなど、形を残したい洋食や油を使った料理に最適です。
それぞれの食感の特性を活かした料理を選ぶのが、美味しく食べる最大のコツです。
韓国かぼちゃが向いている料理(韓国料理・煮物)
「柔らかさ」と「味しみの良さ」を活かした料理が中心です。韓国料理には欠かせません。
- チゲ(鍋料理):テンジャンチゲ(韓国味噌チゲ)やキムチチゲの具材として。すぐに火が通り、トロリとした食感が楽しめます。
- ジョン(チヂミ・ピカタ):薄くスライスして衣をつけて焼く「ホバクジョン」は、韓国の定番おかずです。
- 煮物:日本のカボチャのように、だし汁で煮物にしても、淡白な味わいと柔らかな食感が楽しめます。
ズッキーニが向いている料理(洋食・油料理)
「煮崩れしにくさ」と「油との相性の良さ」を活かした料理が中心です。
- 煮込み料理:ラタトゥイユなど、野菜の形を残したい煮込みに最適です。
- 油で調理:ソテー、グリル、天ぷら、フライにすると、果肉が緻密なため油を吸いすぎず、ジューシーに仕上がります。
- 生食:薄くスライスしてサラダやマリネにも使えます。
代用はできる?
チゲにズッキーニを使うと、なかなか柔らかくならず、ゴロゴロとした食感が残ります。逆にラタトゥイユに韓国かぼちゃを使うと、すぐに煮崩れて形がなくなってしまいます。代用は可能ですが、仕上がりの食感が全く別物になることは覚悟しておきましょう。
旬・産地・保存・価格の違い
どちらも夏野菜で、旬は6月〜8月頃です。ズッキーニは宮崎県や長野県などで広く栽培され通年流通しています。韓国かぼちゃは、韓国からの輸入のほか、国内でも栽培されています。どちらも低温と乾燥に弱いため、新聞紙などに包んで冷蔵庫の野菜室で保存します。
主な産地と旬の時期
韓国かぼちゃ:
韓国からの輸入品が通年流通していますが、国内でも茨城県、長野県、千葉県などで生産されています。旬はズッキーニと同じく夏(6月〜8月頃)です。
ズッキーニ:
国内の主な産地は宮崎県、長野県、群馬県、千葉県などです。ハウス栽培も盛んで通年出回りますが、本来の旬は夏(6月〜8月頃)で、この時期は価格も安くなります。
正しい保存方法と価格帯
保存方法:
どちらも夏野菜であり、低温と乾燥に非常に弱いです。ラップでぴったり包むか、新聞紙やキッチンペーパーで包んでからポリ袋に入れ、冷蔵庫の野菜室で保存します。カットした場合は、切り口をラップで覆い、早めに使い切りましょう。
価格帯:
旬の時期にはどちらも手頃な価格で手に入ります。ズッキーニの方が国内での生産量・流通量が多いため、より安定して安価な傾向があります。韓国かぼちゃは、ズッキーニよりやや高値で販売されていることが多いです。
起源・歴史・文化的背景
ズッキーニも韓国かぼちゃも、原産地はアメリカ大陸です。ズッキーニはヨーロッパ、特にイタリアで品種改良が進み、世界に広まりました。韓国かぼちゃは、韓国の食文化の中で独自の品種(エホバク)として定着し、韓国料理に不可欠な食材となりました。
カボチャ属の原産地は南北アメリカ大陸です。ズッキーニや韓国かぼちゃの原種であるペポカボチャも、アメリカ大陸で古くから栽培されていました。
ズッキーニは、ヨーロッパに伝わった後、19世紀後半にイタリアのミラノ近郊で現在の形に品種改良されたと言われています。その後、フランス料理やイタリア料理の食材として世界中に広まり、日本でも1980年代頃から急速に普及しました。
韓国かぼちゃ(エホバク)は、朝鮮半島に伝わったペポカボチャが、韓国の食文化(チゲやジョンなど)に適応する形で、柔らかく淡白な味わいの品種として選抜・定着していったと考えられます。現代の韓国料理において、最も日常的で欠かせない野菜の一つとなっています。
【体験談】煮込み料理で実感した「食感」の違い
僕がズッキーニと韓国かぼちゃの違いを最も痛感したのは、韓国料理の「テンジャンチゲ(味噌チゲ)」を作った時です。
いつもは韓国食材店で「エホバク(韓国かぼちゃ)」を買って作っていたのですが、ある日切らしてしまい、スーパーで手に入った「ズッキーニ」で代用してみることにしました。
見た目は同じように緑色なので、同じように切って鍋に入れました。しかし、いつもの時間煮込んでも、ズッキーニが一向に柔らかくなりません。エホバクなら5分も煮ればトロッと柔らかくなるのに、ズッキーニはいつまでも形を保ち、ゴロッとした食感のまま。
無理やり食べたところ、味は染みているものの、チゲ特有の「具材が溶け合った一体感」が全くなく、ズッキーニだけが「僕はズッキーニです!」と主張しているような、バラバラな味わいになってしまいました。
逆に、ラタトゥイユを作るときにズッキーニの硬さがどれほど重要か、その時に初めて理解しましたね。「柔らかくなってほしい」韓国かぼちゃと、「形が残ってほしい」ズッキーニ。同じカボチャの仲間でも、料理における役割が正反対なんだと実感した体験でした。
韓国かぼちゃとズッキーニの違いに関するよくある質問(FAQ)
Q1. 韓国かぼちゃとズッキーニは、結局同じものですか?
A. いいえ、違います。どちらも「ペポカボチャ」というカボチャの仲間ですが、品種が異なります。韓国かぼちゃ(エホバク)は非常に柔らかく、ズッキーニは果肉が緻密で硬めです。
Q2. 韓国料理にズッキーニで代用できますか?
A. 代用は可能ですが、仕上がりは変わります。チゲや煮物に入れると、韓国かぼちゃのようにトロリと柔らかくならず、ズッキーニのゴロッとした食感が残ります。食感が変わっても良いという前提で使う必要がありますね。
Q3. 韓国かぼちゃは「かぼちゃ」で、ズッキーニは「かぼちゃ」じゃないのですか?
A. いいえ、どちらも「かぼちゃ」の仲間です。日本で一般的なホクホクしたカボチャ(西洋カボチャ)とは「種(しゅ)」が違いますが、ズッキーニも韓国かぼちゃも「ペポカボチャ」というカボチャの仲間(ウリ科カボチャ属)に分類されます。
まとめ|韓国かぼちゃとズッキーニ、目的別おすすめの選び方
「韓国かぼちゃ」と「ズッキーニ」の違い、スッキリご理解いただけたでしょうか。
見た目は似ていますが、その正体は「柔らかい韓国かぼちゃ」と「硬いズッキーニ」という、食感が全く異なる野菜でした。
- 韓国かぼちゃ(エホバク):
「柔らかく、トロリとした食感」が特徴。チゲやジョン、煮物など、味を染み込ませたい韓国料理に最適です。 - ズッキーニ:
「緻密で煮崩れしにくい食感」が特徴。ラタトゥイユ、グリル、ソテーなど、形を残したい洋食や油料理に最適です。
これからは、作りたい料理に合わせて、自信を持って二つの「ペポカボチャ」を使い分けてみてください。特に韓国料理には、ぜひ韓国かぼちゃ(エホバク)を使ってみることをおすすめします。
当サイト「違いラボ」では、他にも様々な食材・素材の違いについて詳しく解説しています。ぜひチェックしてみてください。