豚バラとロースの違いとは?部位・脂身・カロリー・用途を徹底比較

豚バラと豚ロース、どちらも日本の食卓に欠かせない豚肉の定番部位ですよね。

スーパーで並んでいると、「角煮用にはどっち?」「生姜焼きなら?」と、その使い分けで迷った経験はありませんか?

豚バラと豚ロースの最大の違いは、「部位」とそれに伴う「脂身の量」です。

豚バラはお腹側の肉(腹筋)で脂身が非常に多くこってりしているのに対し、豚ロースは背中側の肉で赤身が主体であっさりしています。

この記事を読めば、見た目や味の違いはもちろん、カロリー、最適な調理法、価格の傾向まで、豚バラと豚ロースの違いが明確になり、自信を持って使い分けられるようになりますよ。

まずは、両者の違いが一目でわかる比較表からご覧ください。

豚バラと豚ロースの違いとは?結論(比較一覧表)

【要点】

豚バラと豚ロースの最も大きな違いは「部位」と「脂身の量」です。豚バラは腹側の肉(あばら骨周辺)で、赤身と脂身が三層になっており、こってりと濃厚な味わいです。一方、豚ロースは背中側の肉で、きめ細かい赤身が特徴で、豚バラよりあっさり上品な味わいを楽しめます。

豚バラと豚ロース、どちらも豚肉(ポーク)ですが、その特徴は対照的とも言えます。主な違いを一覧表にまとめました。

項目豚バラ(三枚肉)豚ロース
主な部位腹部(あばら骨周辺の肉)背中(肩から腰にかけての背肉)
見た目赤身と脂身がはっきり層になっている(三枚肉)きめ細かい赤身が中心で、外側に脂身がある
脂身の量非常に多い少ない~適度(バラ肉より圧倒的に少ない)
食感こってり、ジューシー、濃厚。やや硬め。あっさり、しっとり、きめ細かく柔らかい
カロリー(100g)高い(約366 kcal)低い(約248 kcal)
おすすめ料理角煮、焼肉、ベーコン、炒め物、鍋物トンカツ、ポークソテー、生姜焼き、しゃぶしゃぶ
価格傾向比較的安価バラ肉よりやや高価な傾向

(※カロリーは文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」の「ぶた・バラ・脂身つき・生」「ぶた・ロース・脂身つき・生」を参照)

こうして見ると、同じ豚肉でも特徴が全く違うことがよくわかりますよね。こってり濃厚な料理が食べたい時は豚バラ、肉本来の旨味や柔らかさを楽しみたい時は豚ロース、という使い分けが基本になりそうです。

豚バラと豚ロースの定義と「部位」の違い

【要点】

豚バラは牛でいう「カルビ」にあたるお腹の肉(腹筋部分)で、「三枚肉」とも呼ばれます。一方、豚ロースは牛でいう「サーロイン」や「リブロース」にあたる背中側の肉で、きめ細かく柔らかい高級部位の一つです。

そもそも「バラ」と「ロース」は、豚のどの部分を指しているのでしょうか。農林水産省などが定める食肉の部位の定義に基づいて解説します。

豚バラ(三枚肉):脂身と赤身が層になった腹部の肉

豚バラは、豚のお腹(腹部)の肉、特あばら骨(肋骨)周辺の肉を指します。牛でいうと「カルビ(韓国語であばらの意)」にあたる部位ですね。

この部位は腹筋にあたり、赤身と脂身が交互に重なって美しい層をなしていることから、別名「三枚肉(さんまいにく)」とも呼ばれます。スーパーで「豚バラ(三枚肉)」と併記されているのを見たことがある方も多いでしょう。

呼吸や内臓を守る役割があるため脂肪が非常に多く、濃厚な味わいの元となっています。

豚ロース:背中側の厚くきめ細かな赤身肉

豚ロースは、豚の背中側の肉、胸から腰にかけての背中の部分を指します。牛でいう「リブロース」や「サーロイン」といった高級部位にあたりますね。

豚肉の部位の中でも特にきめが細かく、肉質が均一で柔らかいのが特徴です。赤身が主体ですが、肉の片側に脂肪の層(背脂)がついており、この脂身にも旨味が凝縮されています。

ちなみに、ロースの中でも肩に近い部分を「肩ロース」と呼び、腰に近い部分(一般的なロース)と区別することもあります。肩ロースはロースよりも脂身が網目状に入りやすく、より濃厚な味わいです。

【味・食感】豚バラと豚ロースの決定的な違い

【要点】

味の最大の違いは脂の質と量です。豚バラは脂の甘みと旨味が強く、こってりジューシーな味わいです。対して豚ロースは赤身が主体で、きめ細かくしっとりとした食感と、上品な肉本来の旨味が楽しめます。

部位が違えば、もちろん味や食感も全く異なります。どちらを選ぶか、好みがはっきり分かれるポイントですよね。

豚バラの味と食感:こってり濃厚な脂の旨味

豚バラの魅力は、なんといってもその「脂の旨味と甘み」です。

赤身と脂身が交互になっているため、加熱すると脂が溶け出し、赤身部分をコーティングします。これにより、口に入れた瞬間に広がるジューシーで濃厚な味わいが生まれます。焼肉屋さんでカルビを焼くと、脂が滴り落ちて炎が上がるのを想像すると分かりやすいでしょう。

食感としては、赤身部分は筋肉質でやや硬めですが、脂身の柔らかさがそれを補い、独特の歯ごたえとジューシーさが両立しています。煮込めばとろけるように柔らかくなりますね。

豚ロースの味と食感:あっさり上品な赤身の旨味

豚ロースの魅力は、「きめ細かな赤身の柔らかさ」です。

豚バラに比べると脂身は格段に少なく、非常にあっさりとしています。しかし、パサパサしているわけではなく、肉質がきめ細かいためにしっとりとした上品な舌触りと、赤身肉本来のしっかりとした旨味を感じることができます。

特にトンカツやポークソテーのように、肉そのものの質を味わう料理にすると、その違いが際立ちます。脂っこいのが苦手な方や、豚肉の上品な旨味を堪能したい方にはロースが最適です。

【栄養・カロリー】豚バラと豚ロースの比較

【要点】

栄養面での最大の違いは脂質量です。文部科学省のデータによれば、豚バラ(脂身つき)は100gあたり約35.4gの脂質を含むのに対し、豚ロース(脂身つき)は約17.1gと、バラ肉の半分以下です。そのためカロリーもバラ肉が圧倒的に高くなります。

「こってり」と「あっさり」という味の違いは、栄養成分、特に脂質量とカロリーに直結しています。

文部科学省が公表している「日本食品標準成分表(八訂)」を参考に、脂身つき・生の可食部100gあたりの主な栄養成分を見てみましょう。

栄養素(100gあたり)豚バラ(脂身つき・生)豚ロース(脂身つき・生)
カロリー366 kcal248 kcal
タンパク質14.4 g19.3 g
脂質35.4 g17.1 g
炭水化物0.1 g0.2 g
ビタミンB10.51 mg0.69 mg

(出典:日本食品標準成分表)

一目瞭然ですが、豚バラは豚ロースの2倍以上の脂質を含んでおり、その分カロリーも約1.5倍高くなっています。これはダイエット中には大きな違いですよね。

一方で、豚ロースはタンパク質が豊富です。また、疲労回復に役立つとされるビタミンB1も、豚肉は全体的に豊富ですが、ロースの方がより多く含んでいます。

ヘルシーさやタンパク質摂取を重視するなら豚ロース、濃厚な味わいとエネルギー補給を重視するなら豚バラ、と選ぶのが良さそうです。

【使い分け】豚バラと豚ロースのおすすめ調理法

【要点】

脂が多く濃厚な豚バラは、角煮や焼肉、炒め物など、脂の旨味を活かす料理や、煮込み料理に最適です。一方、きめ細かく柔らかい豚ロースは、トンカツやポークソテー、生姜焼きなど、肉そのものの食感と上品な旨味を味わう料理に向いています。

これまでの違いを踏まえると、それぞれの部位に最適な調理法が見えてきます。

豚バラに合う料理(こってり系・煮込み系)

豚バラは、その豊富な脂を活かす料理が鉄則です。

  • 豚の角煮:脂身がとろけるまでじっくり煮込むことで、最高の食感になります。
  • 焼肉(サムギョプサル):脂を落としながら香ばしく焼くのに最適です。
  • 炒め物(回鍋肉など):脂が野菜と絡み合い、料理全体にコクを出します。
  • 鍋物・豚汁:脂から美味しい出汁が出て、スープの味を格段に良くします。
  • ベーコン:豚バラ肉を塩漬け・燻製したものがベーコンですね。

逆に、豚バラ肉でしゃぶしゃぶをすると、脂が強すぎてくどく感じてしまうかもしれません。

豚ロースに合う料理(あっさり系・肉質を楽しむ系)

豚ロースは、柔らかい赤身の美味しさをストレートに味わう料理に向いています。

  • トンカツ:まさに王道。肉の柔らかさとジューシーさを衣で閉じ込めます。
  • ポークソテー・トンテキ:厚切りにして肉の旨味をシンプルに味わうのに最適です。
  • 生姜焼き:薄切りでも柔らかく仕上がり、タレとよく絡みます。
  • しゃぶしゃぶ:さっと火を通すことで、しっとりとした食感を楽しめます。
  • ローストポーク:ブロック肉を低温でじっくり焼くことで、柔らかく仕上がります。

豚ロースを角煮のように長時間煮込むと、逆に赤身が硬くパサパサになってしまうので注意が必要ですね。

豚バラと豚ロースの価格と入手性

スーパーでの入手しやすさは、どちらも非常に高く、定番商品と言えます。

価格については、一般的には豚バラの方が豚ロースよりも100gあたりの単価が安い傾向にあります。これは、ロースの方が赤身が多く、一頭から取れる量も限られる高級部位とされているためです。

ただし、これはあくまで一般的な傾向です。近年はサムギョプサルの人気などで豚バラの需要も高く、価格差は縮まっているかもしれません。また、ロースの中でも「肩ロース」は、ロース(リブロースやサーロインにあたる部分)よりも安価なことが多いです。

もちろん、黒豚などのブランド豚になれば、バラもロースも価格は上がります。

豚バラとロース、トンカツにするならどっち?【実食体験】

「トンカツといえばロース」が定番ですが、最近は「バラカツ」を提供するお店も増えていますよね。僕も食べ比べたことがありますが、これはもう「別の食べ物」と言っていいほど個性が違いました。

まず「ロースカツ」。これはもう期待通りの美味しさです。サクサクの衣のすぐ内側にある脂身の甘さと、それに続く赤身の柔らかさ、そして噛みしめるほどに溢れる肉汁と旨味。肉を食べている満足感が非常に高いですよね。脂身と赤身のバランスが絶妙です。

次に「バラカツ」(串カツ屋さんなどでよく見かけますね)。薄切りのバラ肉を重ねて揚げたミルフィーユ状のものや、一枚肉を揚げたものがあります。口に入れた瞬間に感じるのは、圧倒的な脂の甘みと香ばしさです。衣のサクサク感と、脂のジュワッとした食感が一体となり、非常にジャンキーで中毒性のある美味しさです。

ただ、正直なところ、バラカツは一切れ目は感動的ですが、二切れ、三切れと食べ進めると、やはり脂の重たさがズッシリときます。ビールは進みますが、ご飯のおかずとしてガッツリ食べるなら、僕はやはりロースカツを選びますね。

「肉の旨味と食感の王道」を楽しむならロース「脂の甘みと背徳感」を楽しむならバラ。どちらも魅力的な選択肢であることは間違いありません。

豚バラと豚ロースの違いに関するよくある質問

質問1:トンカツに使うのは、一般的にバラとロースのどちらですか?

回答:一般的に「トンカツ」といえば、「豚ロース」を使いますね。
ロース肉のきめ細かく柔らかい赤身と、片側についた脂身のバランスが、衣で揚げた時に最も美味しくなるとされています。もちろん、脂身が好きな方向けに「バラカツ」もありますが、定番はロースです。

質問2:豚バラの「バラ」とは、どういう意味ですか?

回答:「バラ」は、あばら骨(肋骨)周辺の肉を指す言葉です。
この部位は赤身と脂身が層になっているため「三枚肉」とも呼ばれます。お腹の部分なので脂肪がつきやすいのが特徴ですね。

質問3:ダイエット中なら、豚ロースを選べば安心ですか?

回答:豚バラよりは脂質もカロリーも低いので、良い選択と言えます。
ただし、ロースにも「脂身つき」と「赤身」があります。よりヘルシーにしたい場合は、外側の脂身をカット(トリミング)して調理するか、さらに脂質が少ない「ヒレ肉」を選ぶのがおすすめですよ。

まとめ:豚バラと豚ロース 脂の旨味か、赤身の柔らかさか

豚バラと豚ロースの違い、明確になったでしょうか。最後にポイントを整理しますね。

  • 豚バラ:お腹の肉。脂身が非常に多く(三枚肉)、こってり濃厚。カロリーは高い。角煮や焼肉、炒め物に最適。
  • 豚ロース:背中の肉。赤身が主体できめ細かく、あっさり上品。カロリーはバラより低い。トンカツやポークソテー、生姜焼きに最適。

「こってり脂のバラ」「あっさり赤身のロース」か。

この2つの違いを理解するだけで、豚肉料理のレパートリーも美味しさも格段にアップするはずです。ぜひ、作りたい料理やその日の気分に合わせて、スーパーで選んでみてくださいね。

豚肉の部位には、他にも「ロースとヒレの違い」など、たくさんの興味深い違いがあります。ぜひ「肉・魚介類の違い」カテゴリまとめの記事も合わせてご覧ください。