焼肉に行くと、必ず頼むという方も多い「カルビ」と「ロース」。
どちらも牛肉の定番部位ですが、この二つの明確な違いを説明できますか?
カルビとロースの最も大きな違いは、「部位」と「脂の量」です。カルビはアバラ骨周辺の脂身が多い部位(バラ肉)を指し、ロースは背中側の赤身と脂身のバランスが良い部位を指します。
この違いが、味や食感、カロリー、さらには美味しい焼き方にまで影響してきます。
この記事を読めば、カルビとロースの定義から栄養価、焼肉店での使い分けまでスッキリと理解でき、次からの焼肉がもっと楽しくなるはずです。まずは、両者の違いをひと目で比較できる表から見ていきましょう。
結論|カルビとロースの違いが一目でわかる比較表
カルビとロースの決定的違いは「部位」です。カルビは韓国語で「アバラ骨」を意味し、アバラ周辺の「バラ肉」を指します。一方、ロースは英語の「ロースト(焼く)」が語源で、肩から腰にかけての「背肉」を指します。
まずは、焼肉店で迷わないための最も重要な違いを表にまとめました。
| 項目 | カルビ | ロース |
|---|---|---|
| 主な部位 | アバラ骨周辺の肉(バラ肉) | 背中側の肉(肩ロース・リブロース・サーロイン) |
| 語源 | 韓国語「カルビッピ」(アバラ骨) | 英語「ロースト」(焼く) |
| 脂の量 | 非常に多い(脂の旨味が強い) | 部位によるが、カルビよりは少ない(赤身とのバランス型) |
| 味の特徴 | 濃厚、こってり、ジューシー | 肉本来の旨味が強い、上品な味わい |
| 食感 | 柔らかく、脂がとろける食感 | きめ細かく柔らかい(サーロイン)、やや歯ごたえあり(肩ロース) |
| 見た目 | 赤身と脂身(サシ)が複雑に入り組んでいる | 赤身の中心に脂身がバランス良く入っている |
| おすすめの焼き方 | 強火でさっと炙り、脂を落とす | 焼きすぎず、ミディアムレアで肉汁を閉じ込める |
| カロリー(100g) | 高い(和牛ばら:約472kcal) | 比較的低い(和牛かたロース:約380kcal) |
| 価格帯 | 比較的安価~高価(三角バラなど) | 比較的高価(特にリブロース、サーロイン) |
(カロリー出典:日本食品標準成分表(八訂))
カルビとロースの「部位」と「定義」の違い
「カルビ」は部位の名称ではなく、韓国語の「アバラ骨」に由来する「バラ肉」の総称です。一方、「ロース」は英語の「ロースト」に由来し、日本では主に肩から腰にかけての背肉全体(肩ロース、リブロース、サーロイン)を指します。
焼肉店で当たり前のように使っている「カルビ」と「ロース」ですが、その言葉の由来を知ると、違いがより明確になりますよ。
カルビとは?|脂の旨味が特徴の「アバラ骨周辺」の肉
「カルビ」という言葉は、実は韓国語の「カルビッピ(갈비뼈)」に由来しています。これは「アバラ骨」という意味です。
つまり、カルビは牛肉の特定の部位(例:サーロイン)を指す正式な名称ではなく、アバラ骨周辺の肉、すなわち「バラ肉」全般を指す焼肉店での一般的な呼称なんですね。
アバラ骨周辺の肉は、牛が呼吸をするたびによく動かす筋肉です。そのため、筋肉(赤身)と脂肪(サシ)が層のように重なり合っているのが特徴です。
焼肉店では、このバラ肉の中でも特にサシが入りやすい「三角バラ」や「カイノミ」といった部位が「上カルビ」や「特上カルビ」として提供されることもあります。
ロースとは?|きめ細かな肉質の「背中側」の肉
一方、「ロース」は英語の「ロースト(Roast=焼く)」が語源です。ローストに適した、肩から腰にかけての背中側の肉を総称して「ロース」と呼びます。
この背中側の肉は、牛の体の中でもあまり動かさない部分であるため、筋肉が発達しすぎず、きめ細かく柔らかい肉質が特徴です。
ロースはさらに細かく分類されます。
- 肩ロース:首に近い部分。赤身と脂身のバランスが良く、適度な歯ごたえと濃厚な風味が特徴です。
- リブロース:背中の中央部分。最もサシが入りやすく、柔らかくジューシーな最高級部位の一つです。
- サーロイン:腰に近い部分。「ステーキの王様」とも呼ばれ、きめ細かな赤身と上質な脂の甘みが特徴です。
焼肉店で単に「ロース」と書かれている場合は、これらの部位、特に肩ロースを使用していることが多いですね。
味・脂の量・食感・見た目の違い
カルビは脂の量が圧倒的に多く、とろけるような食感と濃厚でこってりした旨味が特徴です。ロースは赤身と脂のバランスが良く、肉本来の上品な味わいときめ細かな柔らかさが特徴です。
部位が違えば、もちろん味や食感も大きく異なります。焼肉店でどちらを選ぶか、好みが分かれるポイントですよね。
味と脂の量(カルビは濃厚、ロースは上品)
カルビ
カルビ(バラ肉)の最大の特徴は、豊富な脂(サシ)です。この脂が焼くことで溶け出し、赤身の旨味と混ざり合うことで、非常に濃厚でこってりとしたジューシーな味わいを生み出します。甘辛いタレとの相性も抜群で、ご飯が欲しくなる力強い美味しさがあります。
ロース
ロースは、カルビに比べると脂の量は控えめです(もちろん、サーロインなどはサシが豊富ですが)。その分、赤身肉本来の上品な旨味と風味をしっかりと感じられます。脂の甘さと赤身のコクのバランスが良く、カルビほどこってりしていないため、肉の質そのものを楽しみたい方に向いています。
食感と見た目(サシの入り方)
見た目でも、両者は簡単に見分けがつきます。
カルビ
筋肉と脂肪が層になっているため、赤身と白い脂身がまだら模様のように複雑に入り組んでいます。特に「三角バラ」などは、美しい霜降り模様になります。食感は非常に柔らかく、脂が口の中でとろけるような感覚が特徴です。
ロース
ロースは、きめ細かな赤身の中に、網目状にサシが入っているのが特徴です。特にリブロースやサーロインは、そのサシが細かく入ることで、非常に柔らかく、しっとりとした食感を生み出します。肩ロースは、ロースの中では比較的筋肉質なため、適度な歯ごたえも楽しめます。
栄養・カロリー・価格の違い
脂質が多いカルビは、ロースに比べてカロリーが高い傾向にあります。価格は、ロース(特にリブロースやサーロイン)の方が一般的に高価ですが、カルビも「三角バラ」などの希少部位は高額になります。
美味しさだけでなく、カロリーや価格も気になるところですよね。
栄養とカロリー
栄養面では、どちらもタンパク質やビタミンB群を豊富に含みます。しかし、カロリーには明確な差が出ます。
日本食品標準成分表(八訂)によれば、和牛の100gあたりのカロリーは以下の通りです。
- ばら(カルビ):約472kcal(脂質 約45.0g)
- かたロース(ロース):約380kcal(脂質 約33.2g)
- リブロース(ロース):約514kcal(脂質 約50.3g)
脂質が多いカルビ(ばら)は、やはり高カロリーです。ただし、ロースの中でもサシが最も多いリブロースは、カルビを上回るカロリーになることもあります。赤身の多い肩ロースであれば、カロリーは比較的抑えられますね。(出典:日本食品標準成分表(文部科学省))
価格
価格は、お店や肉のランク(A5ランクなど)によって大きく変動するため一概には言えません。
一般的な傾向としては、「ロース」(特にリブロースやサーロイン)の方が、「カルビ」(バラ肉)よりも高価です。これは、ロースが背中側のあまり動かさない部位であり、柔らかくきめ細かな肉質で、一頭から取れる量も限られているためです。
ただし、カルビの中でも「三角バラ」のようにサシが美しい希少部位は、「上カルビ」としてロース並み、あるいはそれ以上に高価な値段で提供されます。
焼肉での美味しい焼き方と使い分け
脂の多いカルビは、強火でさっと炙り、余分な脂を落として香ばしく焼くのがおすすめです。一方、ロースは焼きすぎると硬くなるため、強火で表面を固め、中はミディアムレアで肉汁を閉じ込めるように焼くと美味しく仕上がります。
せっかくの良いお肉も、焼き方を間違えると美味しさが半減してしまいます。部位の特性に合わせた焼き方をマスターしましょう。
カルビのおすすめの焼き方
カルビは脂が非常に多いため、強火で短時間が基本です。
- 網をしっかり熱します。
- 肉を網に乗せ、脂が溶け出して肉の表面がテカテカしてきたらすぐに裏返します。
- 脂が多いため、火が上がりやすいです。炎が上がったら、肉を網の端に移動させて火を避けましょう。
- 両面にさっと焼き色がついたら完成です。焼きすぎると脂が落ちすぎて硬くなってしまいます。
脂を適度に落とし、表面を香ばしく仕上げるのがコツですね。
ロースのおすすめの焼き方
ロースは赤身の旨味を楽しむ部位。焼きすぎは厳禁です。
- こちらも網はしっかり熱しておきます。
- 肉を網に乗せ、表面に肉汁が浮いてくるのを待ちます。
- 肉汁がじんわりと浮かんできたら、一度だけ裏返します。何度も裏返すと旨味が逃げてしまいます。
- 裏面もさっと炙る程度でOK。中心がほんのり赤いミディアムレアが、最も柔らかくジューシーに味わえます。
特にサーロインやリブロースのような高級部位は、片面8割、裏面2割くらいの気持ちで焼くと、肉汁をしっかり閉じ込めることができますよ。
焼肉店での位置づけと文化的背景
日本では長らく「ロース」が上等な肉とされてきましたが、焼肉文化の普及に伴い、韓国語由来の「カルビ」も定番メニューとして定着しました。現在では、カルビとロースは焼肉の「二大巨頭」として人気を二分しています。
日本では古くから、すき焼きやステーキの影響で「ロース」が上等な牛肉の代名詞でした。一方、「カルビ」は前述の通り韓国語が語源であり、戦後の焼肉文化の発展とともに日本に定着した呼称です。
当初は、脂の多いバラ肉(カルビ)はロースよりも安価な部位とされていました。しかし、日本人の好みが「サシ(霜降り)」を重視するようになると、カルビの中でもサシが美しい部位が評価されるようになり、「上カルビ」「特上カルビ」といった高級メニューが登場しました。
現在では、「脂の旨味を楽しむカルビ」と「赤身の旨味を楽しむロース」は、どちらが上というわけではなく、焼肉の二大巨頭として、好みに合わせて選ばれる定番部位となっていますね。
体験談|焼肉店でのカルビとロースの楽しみ方
僕も昔は、焼肉といえば「とりあえずカルビと白ごはん!」というタイプでした。若かったこともあり、あの濃厚な脂とタレが染み込んだご飯の組み合わせが最高だと思っていたんです。
でもある時、少し奮発して「上ロース」を注文してみたんです。それまでの「ロース=少しパサパサした赤身肉」というイメージが覆されましたね。
網に乗せると、カルビのように激しく脂が燃え上がることはなく、静かに肉汁が表面に浮かび上がってきます。焼きすぎないように集中し、わさび醤油で一口食べた瞬間、感動しました。
「これが、肉の味か…」と。
カルビのような暴力的な脂の旨味ではなく、噛むほどに溢れ出す上品な赤身のコクと、それを引き立てる上質な脂の甘み。まったく別次元の美味しさでした。
それ以来、僕の焼肉の頼み方は変わりました。まずはタン塩でスタートし、次に脂の少ない赤身系のロースを塩で味わう。それからタレのカルビで白ごはんをかきこみ、最後はホルモンで締める。部位の違いを意識することで、焼肉の楽しみ方が格段に深まった気がします。
カルビとロースに関するよくある質問(FAQ)
Q.カルビとロース、どっちが太りやすいですか?
A.一概には言えませんが、脂質(サシ)の量が多いカルビの方が、赤身の多いロースに比べるとカロリーは高い傾向にあります。ただし、ロースの中でもリブロースやサーロインのようにサシが多い部位は、カルビと同等かそれ以上に高カロリーになる場合もあります。
Q.「上カルビ」や「上ロース」の「上」って何ですか?
A.焼肉店における「上」や「特上」には、法律などで定められた明確な定義はありません。基本的には、お店の判断で、通常のカルビやロースよりも「サシが多く入った部位」や「希少な部位」を「上」として提供していることが多いですね。例えば、カルビなら「三角バラ」、ロースなら「リブロース」や「サーロイン」の一部が使われることが多いです。
Q.ハラミはカルビの一種ですか?
A.いいえ、違います。ハラミは部位としては「横隔膜」で、赤身肉ではなく「内臓(ホルモン)」に分類されます。見た目や食感が赤身肉に近いためカルビやロースと同じように扱われがちですが、分類上は別物なんです。ちなみに、カルビ(バラ肉)に近い部位で、ハラミと似た食感の「サガリ」(横隔膜の一部)という部位もあります。
まとめ|脂の旨味か、肉本来の味か。好みで選ぼう
カルビとロースの違い、スッキリご理解いただけたでしょうか。
カルビは「アバラ骨周辺(バラ肉)」で、脂の濃厚な旨味ととろける食感が特徴。
ロースは「背中側(肩・背・腰)」で、肉本来の上品な旨味ときめ細かな食感が特徴。
この二つは、語源も部位も全く異なるものでした。
「今日はこってりした脂の旨味を楽しみたい!」という時はカルビを、「じっくりと肉の上質な味わいを楽しみたい」という時はロースを。その日の気分や好みに合わせて、自信を持って使い分けてみてくださいね。
焼肉の世界は奥深く、他にも肉・魚介類の違いなど、知ると面白い違いがたくさんあります。ぜひそちらもご覧ください。