マルチョウとシマチョウの違い|部位・脂・食感で分かる!焼肉ホルモンの選び方

焼肉屋さんでホルモンを注文するとき、「マルチョウ」と「シマチョウ」、名前が似ていてどちらを頼むか迷った経験はありませんか?

どちらも牛ホルモンの代表格で、独特の食感と脂の旨味が人気の部位ですよね。

実はこの二つ、「マルチョウ」は牛の「小腸」「シマチョウ」は牛の「大腸」と、全く異なる部位なんです。

この記事を読めば、マルチョウとシマチョウの決定的な違い、それぞれの味や食感、脂の量の違い、そして焼肉屋さんで最高に美味しく食べるための「焼き方」まで、スッキリと理解できます。

これからは、その日の気分に合わせて「今日はとろける脂のマルチョウにしよう」「今日はコリコリ食感のシマチョウがいいな」と、自信を持って注文できるようになりますよ。それでは、詳しく見ていきましょう。

結論|マルチョウとシマチョウの違いを一言でまとめる

【要点】

マルチョウとシマチョウの最大の違いは「部位」です。マルチョウは牛の「小腸」で、筒状のまま裏返され、中にたっぷりの脂(コプチャン)が詰まっているのが特徴です。一方、シマチョウは牛の「大腸」で、開かれた状態のものが多く、脂は比較的少なく、皮のコリコリとした強い食感が特徴です。

簡単に言えば、「脂のジューシーさを楽しむならマルチョウ」、「独特の歯ごたえと食感を楽しむならシマチョウ」と覚えると分かりやすいですね。

この二つの違いを、まずは一覧表で比較してみましょう。

項目マルチョウシマチョウ
部位牛の小腸牛の大腸
別名コプチャン、ヒモテッチャン、ホルモン
見た目筒状(丸い)、脂が内側に詰まっている開かれている、表面に縞(シマ)模様がある
主な特徴非常に脂が多くジューシー皮が厚く、強い食感(コリコリ)
脂の量★★★★★(非常に多い)★★★☆☆(適度)
食感ぷりぷり、とろけるコリコリ、クニュクニュ
おすすめの食べ方焼肉(転がしながら焼く)、もつ鍋焼肉(皮目からじっくり焼く)、もつ鍋

マルチョウとシマチョウの定義|牛のどの部位?

【要点】

マルチョウとシマチョウは、どちらも牛の消化器官(内臓肉)ですが、マルチョウは「小腸」、シマチョウは「大腸」という明確な部位の違いがあります。

マルチョウとは?(小腸)

マルチョウは、牛の「小腸」を指します。牛の小腸は非常に長く、全長で40メートルほどにもなると言われています。

焼肉店で提供されるマルチョウは、この小腸を裂かずに筒状のまま裏返し、外側にあった脂(コプチャン)を内側に閉じ込めるように処理されています。これにより、焼いたときに旨味たっぷりの脂が流れ出さず、口の中いっぱいに広がるのです。

ちなみに、韓国語で「小腸」を意味する「コプチャン(곱창)」という名前で呼ばれることも多いですね。

シマチョウとは?(大腸)

シマチョウは、牛の「大腸」を指します。牛の大腸は、小腸に比べると短く、太いのが特徴です。

シマチョウは小腸(マルチョウ)とは違い、裂いて開かれた平たい状態で流通することが一般的です。最大の特徴は、表面(皮の部分)に浮き出たシマシマの模様。これが名前の由来にもなっています。

この皮の部分は厚い筋肉層になっており、マルチョウにはない独特の歯ごたえを生み出します。関西地方では「テッチャン」という愛称で親しまれていますが、これは韓国語で「大腸」を意味する「テチャン(대창)」に由来しています。

マルチョウとシマチョウの味・脂のり・食感の違い

【要点】

マルチョウは「脂の甘みとジューシーさ」が命です。口に入れると脂がとろけ出します。一方、シマチョウは「皮の食感」が命。脂はマルチョウより控えめですが、噛むほどに旨味が出る「コリコリ」「クニュクニュ」とした歯ごたえが魅力です。

味と脂のり(ジューシーさ)

マルチョウ(小腸)

ホルモンの中で最も脂が多い部位の一つと言えます。筒状の内側に閉じ込められた脂は、加熱すると溶け出し、非常に濃厚な甘みとコク、そして爆発的なジューシーさを生み出します。「脂の旨味を堪能したい」という気分の時には、マルチョウが最適です。

シマチョウ(大腸)

マルチョウに比べると、脂の量は控えめです。もちろん、脂(ホルモン)ならではの旨味はありますが、マルチョウのように「脂の塊」というほどではありません。その分、脂の甘みよりも、皮自体の噛み締める旨味を強く感じることができます。

食感(皮の歯ごたえ)

食感は、この二つの最大の違いと言っても良いでしょう。

マルチョウ(小腸)

皮は比較的薄く、柔らかめです。加熱すると、内側の脂がとろけると同時に皮も収縮し、「ぷりぷり」とした弾力と、「とろける」脂の食感が同時に楽しめます。

シマチョウ(大腸)

皮(筋肉層)が非常に厚く、ゴムのような強い弾力を持っています。この皮を噛み切る時の「コリコリ」「クニュクニュ」「シコシコ」といった独特の歯ごたえが、シマチョウ最大の魅力です。脂っぽさよりも、この食感の虜になる人が多いですね。

マルチョウとシマチョウの栄養・成分・健康面の違い

【要点】

マルチョウもシマチョウも、ビタミンB群(特にB12)や鉄分、亜鉛などのミネラルを豊富に含みます。ただし、マルチョウは脂質(カロリー)が非常に高いため、食べ過ぎには注意が必要です。シマチョウも脂質は含みますが、マルチョウよりは低カロリーです。

ホルモン(内臓肉)は、見た目とは裏腹に栄養豊富な食材です。

  • ビタミンB群:特にビタミンB12が豊富で、貧血予防や神経機能の維持に役立ちます。
  • ミネラル:鉄分や亜鉛、銅などを多く含み、健康維持をサポートします。
  • 脂質:マルチョウは特に脂質が多く、高カロリーです。シマチョウも脂質を含みますが、マルチョウほどではありません。どちらもコレステロールを多く含むため、食べる量には注意しましょう。
  • コラーゲン:シマチョウの皮の部分にはコラーゲンが含まれているとされますが、食べたコラーゲンがそのまま肌のコラーゲンになるわけではない点には留意が必要です。

使い方・料理での扱い方(焼き方)の違い

【要点】

マルチョウは脂が主役のため、脂を落としすぎないように転がしながら焼くのがコツです。一方、シマチョウは皮の食感が主役。皮目からじっくりと焼き、脂は軽く炙る程度がベストです。

焼肉屋でホルモンを美味しく食べられるかどうかは、「焼き方」にかかっています。部位の特性を知って、ベストな焼き方をマスターしましょう。

マルチョウのおすすめの焼き方

マルチョウの命は、中に詰まった脂です。

  1. 脂を下にしない:脂の詰まった内側(ぷりぷりした方)を下にして焼くと、大切な脂が全部網から落ちてしまいます。必ず皮目(ツルツルした方)から焼き始めます。
  2. 転がしながら焼く:筒状なので、トングでコロコロと転がしながら全体に焼き色をつけます。
  3. 焼きすぎ厳禁:焼きすぎると脂が全て溶け出し、皮が縮んで小さく硬くなってしまいます。皮がキツネ色に縮み、中の脂が透明になってきたら食べ頃です。

※脂が多いため、火が上がりやすい(炎上しやすい)ので注意してください。

シマチョウのおすすめの焼き方

シマチョウの命は、皮の食感です。

  1. 皮目からじっくり焼く:必ず皮目(縞模様のある方)から網に乗せます。
  2. 皮をパリッとさせる:中火〜弱火で、皮目がキツネ色になり、少し反り返ってくるまでじっくりと焼きます。ここでしっかり焼くことで、独特の歯ごたえと香ばしさが出ます。
  3. 脂はサッと炙る:皮が焼けたら裏返し、脂の面(白い方)はサッと炙る程度でOKです。脂を焼きすぎると硬くなってしまいます。

名前の由来・価格の違い

【要点】

マルチョウは小腸を「丸い」筒状のまま切った形から名付けられました。シマチョウは大腸の表面にある「縞(シマ)模様」が名前の由来です。価格は、どちらも希少部位ですが、一般的にマルチョウ(小腸)の方がシマチョウ(大腸)よりも高価な傾向があります。

名前の由来(丸い vs 縞模様)

名前の由来は、それぞれの見た目の特徴をそのまま表しています。

  • マルチョウ:小腸を裂かずに筒状のまま裏返し、輪切りにするため、その「丸い(まるい)」形から「マルチョウ」と呼ばれるようになりました。
  • シマチョウ:大腸の表面にある、筋肉の収縮によってできた「縞(シマ)模様」から「シマチョウ」と呼ばれています。

価格の違い

牛一頭から取れる小腸(マルチョウ)と大腸(シマチョウ)の量は限られており、どちらも希少部位です。

一般的に、マルチョウ(小腸)の方がシマチョウ(大腸)よりも高値で取引される傾向があります。マルチョウの、口の中でとろける脂の旨味に対する人気が非常に高いためと考えられます。

ただし、価格は仕入れ状況やお店のこだわりによっても大きく変動します。

体験談|焼肉屋での究極の選択

僕も焼肉に行くと必ずホルモンを頼むのですが、マルチョウとシマチョウは、その日の気分で明確に使い分けています。

先日、友人と「今日はとことん脂っこいものが食べたい!」という日があり、迷わずマルチョウを注文しました。炭火の上でコロコロと転がし、皮がキツネ色になった瞬間を狙って口に放り込むと…まさに期待通り。熱い脂が口の中で弾け、ビールとの相性が最高でした。ただ、調子に乗って2人前頼んだら、後半はさすがに脂の重さを感じましたね。

また別の日、ホルモン専門店で「おまかせ盛り」を頼んだ際、ひときわ分厚く、縞模様が美しいシマチョウが出てきました。店員さんに「これは皮目からじっくり焼いてください」と教わり、言われた通りに皮をパリパリになるまで焼いてみました。

一口噛むと、「コリッ!」「クニュッ!」という、他の肉では絶対に味わえない複雑な歯ごたえ。噛むほどに脂の旨味も滲み出てきて、マルチョウとは全く違う「食感の楽しさ」に感動しました。

この経験から、マルチョウは「飲む脂」、シマチョウは「噛む食感」と、僕の中での棲み分けがハッキリしました。どちらが上ということではなく、全く別の楽しみ方ができるのがホルモンの奥深さだと感じています。

マルチョウとシマチョウに関するFAQ(よくある質問)

マルチョウとシマチョウの違いについて、よくある疑問にお答えしますね。

「ホルモン」と「マルチョウ」「シマチョウ」の関係は?

「ホルモン」は、食肉の内臓部分全般を指す「総称」です。語源は「放るもん(捨てるもの)」という説もありますね。その「ホルモン」という大きなカテゴリの中に、特定の部位を示す「マルチョウ(小腸)」や「シマチョウ(大腸)」、「ミノ(第一胃)」、「レバー(肝臓)」などが含まれます。

「テッチャン」や「コプチャン」との違いは?

これらは主に地域(特に関西)や韓国語に由来する呼び名ですね。

  • テッチャン:主にシマチョウ(大腸)を指します。韓国語の「テチャン(대창、大腸)」が語源です。
  • コプチャン:主にマルチョウ(小腸)を指します。韓国語の「コプチャン(곱창、小腸)」が語源です。

お店によっては厳密に使い分けている場合もあります。

どっちがカロリー高いですか?

一般的に、脂の塊とも言える「マルチョウ(小腸)」の方が、「シマチョウ(大腸)」よりも脂質が多く、高カロリーです。ダイエット中の方はシマチョウの方が良いかもしれませんが、どちらもタレの糖分なども含めると高カロリーになりがちなので、食べ過ぎには注意ですね!

まとめ|マルチョウとシマチョウ、あなた好みはどっち?

マルチョウとシマチョウの違い、これでバッチリですね。

「小腸」か「大腸」かという明確な部位の違いが、脂の量、食感、そして最適な焼き方まですべてを決定づけています。

とろける脂の甘みと、ぷりぷりのジューシーさを堪能したい日は、マルチョウ(小腸)を。

皮のコリコリとした独特の歯ごたえと、噛み締める旨味を楽しみたい日は、シマチョウ(大腸)を。

どちらも牛一頭からわずかしか取れない貴重な部位であることには変わりありません。それぞれの個性を理解して、ぜひ焼肉屋さんでのホルモン選びを楽しんでみてください。

この他にも、様々な食材・素材の違いについて解説していますので、ぜひご覧ください。