シーチキンLとシーチキンマイルドの違いとは？原料の魚と味を徹底比較

食卓の定番「シーチキン」を選ぶとき、「L」と「マイルド」のどちらを買うべきか迷ったことはありませんか？

どちらも同じように見えますが、実はこの二つ、使われている「魚の種類」が全く違います。

「シーチキンL」は「きはだまぐろ」を、「シーチキンマイルド」は「かつお」を原料としています。この原料の違いが、味の方向性（あっさり vs しっかり）を決定づけているんです。

この記事では、シーチキンLとマイルドの根本的な違いから、味、栄養、価格、そして最適な使い分けまで、はごろもフーズの公式情報も交えながら徹底的に解説します。

もうツナ缶選びで迷うことはなくなりますよ。

結論：シーチキンLとマイルドの違いが一目でわかる比較表

まずは、この二つのシーチキンの主な違いを、一覧表で比較してみましょう。

シーチキンLとマイルドの定義と「原料」の根本的な違い

そもそも「シーチキン」とは何か、そして「L」と「マイルド」の定義を見ていきましょう。

シーチキンとは？（はごろもフーズの登録商標）

「シーチキン」は、はごろもフーズ株式会社が製造・販売するツナ缶（マグロやカツオの油漬け・水煮缶）のブランド名（登録商標）です。「海の鶏肉（チキン）」という名前の由来は、その食感が鶏のささみ肉に似ていることから名付けられたと言われています。

シーチキンL（エル）とは？

「シーチキンL」は、「きはだまぐろ」を原料としたシーチキンです。

名前の「L」は、きはだまぐろの身が白っぽいことから「Light（ライト）ミート」と呼ばれていることに由来します。スーパーで単に「シーチキン」として売られている場合、この「L」を指すことが多い、ブランドのスタンダード商品です。

シーチキンマイルドとは？

「シーチキンマイルド」は、「かつお」を原料としたシーチキンです。

マグロ類に比べて、かつおは魚本来の風味が強い特徴があります。その風味を、はごろもフーズの技術で食べやすく「マイルドに仕上げている」ことから、この名前が付けられました。

【徹底比較】味・食感・見た目の違い

原料の魚が違うため、味や食感、見た目にも分かりやすい違いが現れます。

シーチキンL（きはだまぐろ）の味・食感

見た目：名前の由来（Light）通り、白っぽい色をしています。

味わい：クセや魚特有の風味が少なく、非常にあっさりとしていて淡白です。万人受けするマイルドな味わいです。

食感：「シーチキンL」はかたまり状の「チャンク」タイプ、「シーチキンLフレーク」は細かくほぐした「フレーク」タイプと、形状が選べます。食感は比較的柔らかく、しっとりしています。

シーチキンマイルド（かつお）の味・食感

見た目：きはだまぐろのLと比べると、身の色がやや濃く、ピンク色や茶色がかっています。

味わい：かつおを原料としているため、魚本来の旨味や風味がしっかりと感じられます。「L」と食べ比べると、その「魚らしさ」の違いは歴然です。

食感：「シーチキンマイルド」は基本的に「フレーク」タイプで、Lフレークよりもさらに細かくほぐされていることが多いです。食感はLよりもややしっかりしていると感じる人もいます。

栄養・カロリー・健康面の違い（オイル漬け vs 水煮）

「マイルド＝ヘルシー」というイメージがあるかもしれませんが、実際はどうでしょうか。代表的な70g缶で比較してみます。

オイル漬け（油漬）の場合

最も一般的なオイル漬けタイプ（70g缶・液汁含む）の比較です。

出典：はごろもフーズ公式サイト

驚くことに、オイル漬けの場合、カロリーや脂質量はほぼ同じです。たんぱく質量も大差ありません。原料の魚による栄養価の違いは、オイル漬けではほとんどないと言えますね。

オイル不使用（水煮）の場合

次に、健康志向の方に人気のオイル不使用タイプ（70g缶・液汁含む）の比較です。

出典：はごろもフーズ公式サイト、楽天マート

オイル不使用（水煮）にすると、カロリーはオイル漬けの約4分の1、脂質はほぼゼロになります。そして、この状態でも「L」と「マイルド」の間に大きな差はありません。

結論として、ヘルシーさを求めるなら「Lかマイルドか」ではなく、「オイル漬けかオイル不使用か」で選ぶのが正解です。

料理での使い分け・おすすめの調理法

原料の魚の風味が異なるため、料理によって使い分けるとそれぞれの良さが引き立ちます。

シーチキンLが向いている料理

クセがなくあっさりした味わいを活かす料理に最適です。

• ツナサラダ：野菜の風味を邪魔せず、マヨネーズとの相性も抜群です。
• サンドイッチ、ツナマヨおにぎり：他の具材と調和し、マイルドな味わいに仕上がります。
• 和え物：きゅうりやワカメの酢の物など、さっぱりとした料理に合います。

シーチキンマイルドが向いている料理

かつお由来のしっかりとした旨味を活かす料理に向いています。

• 炒め物：ゴーヤチャンプルーや野菜炒めなど、加熱しても魚の風味がしっかり残ります。
• パスタ：トマトソースや和風パスタの具材として、強い旨味を発揮します。
• 煮物：大根や人参との煮物に加えると、かつおだしのようなコクが出ます。
• 炊き込みご飯：ご飯と一緒に炊き込むことで、魚の風味が引き立ちます。

価格とラインナップの違い

スーパーでの販売価格を比較すると、シーチキンL（またはLフレーク）は、シーチキンマイルドよりも1缶あたり数十円高く設定されていることが多いです。

これは、原料となる魚の市場価格（まぐろ類 vs かつお）が反映されているためと考えられます。

また、ラインナップとしては、「L」には「シーチキンL（チャンク）」と「シーチキンLフレーク」がありますが、「マイルド」は基本的に「フレーク」タイプで展開されています。

体験談：サンドイッチで気づいた「L」と「マイルド」の明確な個性

僕は長年、シーチキンといえば「Lフレーク」一択でした。ツナサンドが大好きで、マヨネーズと和えた時のあのマイルドな味わいが「シーチキン」の味だと思い込んでいたんです。

ある日、安かったので「マイルド」を初めて買ってみました。そして、いつものようにツナサンドを作って食べた瞬間、「あれ！？」と声が出ました。

いつものツナサンドと全然違う。明らかに「魚」の風味が強いんです。

もちろん美味しいのですが、僕が求めていた「脇役としてのツナマヨ」ではなく、「主役としてのかつお」が前面に出てくる味わいでした。ここで初めてパッケージを見返し、「かつお」と書かれていることに気づきました。

逆に、その「マイルド」で野菜炒めを作ってみたら、これが絶品でした。Lフレークでは物足りなく感じる「コク」が、マイルドだとしっかり出て、料理全体の味が締まるんです。

この経験から、「サンドイッチやサラダにはL、加熱料理にはマイルド」という使い分けが、僕の中での定番になりました。

シーチキンLとマイルドの違いに関するよくある質問（FAQ）

Q1. 「シーチキンファンシー」との違いは何ですか？

A1. 「シーチキンファンシー」は、シーチキンブランドの最高級品です。原料は「びんながまぐろ（アルbacore）」を使用しており、身が白く「ホワイトミート」と呼ばれます。L（きはだまぐろ）やマイルド（かつお）よりもさらにあっさりとして上品な味わいで、形状も「かたまり（ソリッド）」タイプが特徴です。

Q2. 「L」と「マイルド」の名前の由来を教えてください。

A2. 「L」は、原料のきはだまぐろの身が白いことから「Light（ライト）ミート」と呼ばれていることに由来します。一方「マイルド」は、原料のかつおの強い風味を、食べやすく「マイルドに仕上げている」ことから名付けられました。

Q3. 結局、シーチキンは「マグロ」と「カツオ」どっちなんですか？

A3. 「商品によります」が正解です。「シーチキンL」や「シーチキンファンシー」はマグロ（きはだまぐろ、びんながまぐろ）が原料です。しかし、「シーチキンマイルド」はカツオが原料です。ツナ缶＝マグロというイメージが強いですが、「シーチキン」ブランドに関してはカツオも主力商品となっています。

まとめ｜シーチキンLとマイルド、どちらを選ぶべきか？

シーチキンLとシーチキンマイルドの違い、明確にご理解いただけたでしょうか。最後にポイントをまとめます。

• シーチキンL：原料は「きはだまぐろ」。身が白く、あっさり上品な味わい。サラダやサンドイッチなど、素材と調和させたい時におすすめ。
• シーチキンマイルド：原料は「かつお」。身の色が濃く、魚の旨味がしっかり感じられる。炒め物や煮物など、ツナの風味を主役にしたい時におすすめ。

栄養価やカロリーに大きな差はないため、純粋に「料理の目的」と「味の好み」で選ぶのが正解です。ぜひ、それぞれの個性を活かして、日々の食卓を豊かにしてみてくださいね。

当サイト「違いラボ」では、他にも様々な食材・素材の違いについて詳しく解説しています。ぜひご覧ください。