紅天使と紅はるかの違い!「甘さ」の秘密は?

近年、焼き芋ブームで「ねっとり系」のさつまいもが大人気ですよね。

その中でも「紅天使(べにてんし)」と「紅はるか(べにはるか)」は、どちらも非常に甘いさつまいもとして有名ですが、この二つの違いをご存知でしょうか?

実は、この二つは「ブランド名」と「品種名」という根本的な違いがあります。

紅天使と紅はるかの最大の違いは、「紅はるか」がさつまいもの「品種名」であるのに対し、「紅天使」は茨城県の会社「ポテトかいつか」が、紅はるかを独自の貯蔵技術で熟成させて糖度を高めた「ブランド名(登録商標)」である点です。

つまり、紅天使は、紅はるかという品種のポテンシャルを最大限に引き出した、エリートさつまいもと言えますね。

この記事を読めば、二つの名前の違いから、なぜ紅天使がそこまで甘いのか、その秘密までスッキリと理解できますよ。

まずは、両者の違いを比較表で見ていきましょう。

結論|紅天使と紅はるかの違いが一目でわかる比較表

【要点】

「紅はるか」は、甘くねっとりした食感が特徴のさつまいもの「品種名」です。一方、「紅天使」は、その紅はるかを原料に、株式会社ポテトかいつかが独自の貯蔵庫で熟成させ、非常に高い糖度(焼き芋で最高47度)を引き出した「ブランド名(登録商標)」です。

「紅天使」と、その原料である「紅はるか」の主な違いを以下にまとめます。

項目紅天使(べにてんし)紅はるか(べにはるか)
分類ブランド名・登録商標品種名
生産・販売元株式会社ポテトかいつか全国の様々な農家・JA
原材料(品種)紅はるか紅はるか
最大の特徴独自の熟成技術による高い糖度品種としての高い糖度とねっとり感
糖度(焼き芋)平均35度、最高47度非常に高い(栽培・熟成条件による)
食感非常にねっとり、クリーミーねっとり(栽培・熟成条件による)
主な用途焼き芋、干し芋、スイーツ(ブランド加工品)焼き芋、干し芋、天ぷら、スイーツ
主な入手場所ポテトかいつか直営店、一部スーパー、通販全国のスーパー、八百屋、直売所

「紅天使」と「紅はるか」の定義と関係性(ブランド名 vs 品種名)

【要点】

「紅はるか」は、九州沖縄農業研究センターが開発したさつまいもの品種名です。「紅天使」は、この紅はるかという品種を使い、茨城県の「ポテトかいつか」という会社が付加価値を付けたブランド名です。

紅天使(べにてんし)とは?(ポテトかいつかの熟成ブランド)

「紅天使(べにてんし)」は、茨城県かすみがうら市に本社を置くさつまいも専門企業「株式会社ポテトかいつか」が商標登録しているさつまいものブランド名です。

同社が契約農家と協力して栽培したさつまいもを、独自の貯蔵庫で徹底した温度・湿度管理のもと熟成させることで、その甘みを最大限に引き出しています。

つまり、「紅天使」という名前の品種が存在するわけではなく、特定の会社が生み出した高品質なブランドさつまいもを指します。

紅はるか(べにはるか)とは?(さつまいもの品種名)

「紅はるか(べにはるか)」は、さつまいもの「品種名」です。

2010年に品種登録された比較的新しい品種で、九州沖縄農業研究センター(現・農研機構)によって開発されました。

「紅はるか」という名前は、既存の品種よりも「はるか」に優れていることから名付けられました。その名の通り、加熱した際の糖度が非常に高く、食感もねっとりとしているのが特徴で、現在の焼き芋ブームを牽引する代表的な品種となっています。

【重要】紅天使は「紅はるか」を独自熟成させたもの

二つの関係性を整理すると、以下のようになります。

(品種名)紅はるか → (熟成) → (ブランド名)紅天使

ポテトかいつかは、数あるさつまいもの品種の中から「紅はるか」を選び抜き、それを「紅天使」というブランドとして育て上げました。「紅天使」の原料は、100%「紅はるか」なのです。

これは、「魚沼産コシヒカリ」と「コシヒカリ」の関係に似ています。「コシヒカリ」は品種名ですが、「魚沼産」という特定の産地で育てられることで、特別なブランド価値が生まれていますよね。それと同じように、「紅はるか」という品種を「ポテトかいつか」が独自の方法で熟成させることで、「紅天使」という特別なブランドになっているのです。

最大の違いは「熟成方法」と「保証された糖度」

【要点】

紅はるかは品種であるため、生産者や貯蔵方法によって甘さや食感にバラツキが出ます。一方、紅天使は「ポテトかいつか」が独自のキュアリング(貯蔵)技術を用いて熟成させるため、糖度(焼き芋で最高47度)が非常に高く、安定しているのが最大の違いです。

紅天使の味と糖度(独自の熟成技術)

さつまいもは収穫してすぐ食べるよりも、一定期間貯蔵(熟成)させることで、デンプンが糖に変わり、甘みが増します。

「ポテトかいつか」は、この「熟成」に最大の強みを持っています。独自の貯蔵庫(キュアリング施設)で、温度や湿度を徹底管理しながら紅はるかを長期間熟成させます。

この独自の熟成技術により、「紅天使」は品種としてのポテンシャルを極限まで引き出され、焼き芋にした際の糖度は平均35度、時には最高47度にも達するとされています。これはメロンの糖度(約15~18度)をはるかに超える驚異的な甘さです。

紅はるかの味と糖度(品種としての特徴)

「紅はるか」は、品種そのものが非常に甘みが強い特性を持っています。

しかし、「紅はるか」という名前でスーパーに並んでいるものは、生産者やJA、販売店によって貯蔵期間や熟成度が異なります。もちろん、農家さんが適切に熟成させてから出荷しているものがほとんどですが、その甘さやねっとり感には、どうしてもバラツキが出てしまいます。

収穫して間もない「紅はるか」は、ねっとり感よりもホクホク感が強く、甘みも控えめな場合があります。

つまり、「紅天使」は、「紅はるか」の中でも「ポテトかいつか」の厳格な熟成基準をクリアし、常に最高の甘さが保証されたブランドである、という点が最大の違いです。

食感・見た目・価格・入手性の違い

【要点】

熟成された「紅天使」は、非常にねっとりとしたクリーミーな食感が特徴です。一方、「紅はるか」は生産者によってホクホク系からねっとり系まで幅があります。価格は、熟成の手間がかかる分、「紅天使」の方が「紅はるか」よりも高価になる傾向があります。

食感と見た目の違い

食感
紅天使:独自の熟成により、水分を保ったまま糖度が高められているため、非常にねっとり・しっとりとしたクリーミーな食感が特徴です。冷めても美味しいとされています。
紅はるか:品種本来の食感は「ねっとり系」ですが、熟成が浅いものは「ホクホク系」に近い食感が残っていることもあります。

見た目
どちらも元は同じ「紅はるか」なので、見た目(生の芋)で区別するのは困難です。皮は赤紫色で、中は黄白色をしています。

価格と入手性(どこで買えるか)の違い

価格
「紅天使」は、独自の熟成技術という手間とコスト、そしてブランド価値が加わっているため、一般的な「紅はるか」として販売されているものよりも価格は高価になる傾向があります。

入手性
紅天使:株式会社ポテトかいつかの直営店(蔵出し焼き芋かいつか)や、公式オンラインストアが主な販売場所です。また、ドン・キホーテなど一部の提携スーパーでも焼き芋や冷凍焼き芋として販売されています。
紅はるか:全国のスーパーや八百屋、道の駅などで、秋から冬にかけて広く流通しており、非常に入手しやすい品種です。

おすすめの食べ方・用途の違い

【要点】

どちらも焼き芋や干し芋に最適です。「紅天使」は、その完成された甘さとねっとり食感を活かし、まずはそのまま焼き芋で食べるのが一番です。一方、「紅はるか」は家庭での調理にも向いており、天ぷらや煮物、スイートポテトなど幅広く使えます。

紅天使の食べ方
「紅天使」は、すでに最高の状態に熟成されています。そのポテンシャルを最大限に活かす食べ方は、やはり「焼き芋」です。
ポテトかいつかの店舗や通販では、専用のオーブンでじっくりと焼き上げた「蔵出し焼き芋」が看板商品となっています。家庭で調理する場合も、その甘さとねっとり感を活かしたスイーツ作りがおすすめです。

紅はるかの食べ方
「紅はるか」も焼き芋が一番人気ですが、品種としての汎用性も高いです。

  • 焼き芋・蒸し芋:家庭でじっくり加熱して甘みを引き出します。
  • 天ぷら:加熱時間が短いため、ホクホク感を残しつつ甘みを楽しめます。
  • 煮物・さつまいもご飯:煮崩れしにくい性質もあるため、おかずにも使えます。
  • スイートポテト・大学芋:素材の甘みが強いため、砂糖を控えめにしても美味しく仕上がります。

体験談|「紅天使」の焼き芋の衝撃的な甘さ

僕も以前は、「紅はるかなら、どれも同じように甘くて美味しいだろう」と思っていました。近所のスーパーで「紅はるか」を買ってきては、家で焼き芋にして楽しんでいたんです。それなりに甘くて、ねっとりしていて満足していました。

そんなある日、知人から「これは別物だから」と、ポテトかいつかの冷凍焼き芋「紅天使」をもらいました。冷凍の焼き芋?と半信半疑で温めて食べてみたところ、その甘さに衝撃を受けました。

僕が家で作っていた紅はるかの焼き芋を「コーヒー」とすれば、「紅天使」はまるで「エスプレッソ」のよう。甘みが凝縮されていて、食感はもはや芋ではなく、カスタードクリームのようでした。皮から蜜が溢れ出て、手がベトベトになるほどの甘さ。最高糖度47度というのも納得です。

この体験から、「品種」が同じでも、「熟成」というプロの技術が加わることで、食材は全く別の次元の美味しさになるのだと痛感しました。「紅はるか」は素晴らしい品種ですが、「紅天使」はその品種のポテンシャルを極限まで引き出した「作品」なのだと感じています。

紅天使と紅はるかの違いに関するよくある質問

紅天使と紅はるかの違いについて、特によくある質問をまとめました。

質問1:「紅天使」という名前の苗(なえ)は売っていますか?

回答:いいえ、売っていません。「紅天使」は品種名ではなく、株式会社ポテトかいつかの登録商標(ブランド名)だからです。家庭菜園などで育てたい場合は、「紅はるか」の苗を購入することになります。

質問2:「紅天使」と「紅はるか」は、栄養価に違いはありますか?

回答:元は同じ「紅はるか」なので、含まれる栄養素(食物繊維、ビタミンC、ビタミンEなど)に大きな違いはありません。ただし、熟成によってデンプンが糖(麦芽糖)に変化しているため、「紅天使」の方が糖質(糖分)の割合は高くなっていると考えられます。

質問3:スーパーで買った「紅はるか」を「紅天使」のように甘くすることはできますか?

回答:ご家庭で「紅天使」と全く同じ状態にするのは難しいです。紅天使の甘さは、ポテトかいつかの専用貯蔵庫による徹底した温度・湿度管理(キュアリング)の賜物だからです。ただし、ご家庭でも新聞紙にくるんで冷暗所(13~15℃が理想)で1~2ヶ月ほど寝かせると、追熟が進んで甘みが増しますよ。

まとめ|「紅天使」と「紅はるか」、違いを理解して選ぼう

「紅天使」と「紅はるか」の違い、明確にご理解いただけたでしょうか。

  • 紅はるか「品種名」。甘みが強くねっとりした食感が特徴のさつまいも。全国の農家が栽培しており、品質(甘さや熟成度)にはバラツキがある。
  • 紅天使「ブランド名(登録商標)」。ポテトかいつかが、紅はるかを独自技術で熟成させ、最高の甘み(最高糖度47度)とねっとり食感を引き出した高品質なさつまいも。

例えるなら、「紅はるか」は「才能ある原石」、「紅天使」は「その原石を完璧に磨き上げた宝石」と言えるかもしれません。

自分で調理して様々な料理に使いたい場合は「紅はるか」を、とにかく最高レベルに甘い焼き芋を食べたい場合は「紅天使」を。目的に合わせて選んでみてくださいね。

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