「어떡해(オットケ)」と「어떻게(オットケ)」、韓国語を勉強していると必ずぶつかる壁ですよね。
発音がほぼ同じため、K-POPや韓国ドラマで耳にするだけでは区別がつきにくいですが、実は文の「終わり」に来るか、「途中」に来るかで明確に使い分けられます。
この記事を読めば、この二つの決定的な違いと正しい使い分けがスッキリと理解でき、メールやSNSでの推し活メッセージでも迷うことはもうありません。
それでは、まず最も重要な違いから一覧表で見ていきましょう。
結論:一覧表でわかる「어떡해」と「어떻게」の最も重要な違い
基本的には、文末で「どうしよう」と言うなら「어떡해」、文中で「どのように」と方法を聞くなら「어떻게」と覚えるのが簡単です。「어떡해」は動詞フレーズの短縮形、「어떻게」は副詞という品詞の違いがあります。
まず、結論からお伝えしますね。
この二つの言葉の最も重要な違いを、以下の表にまとめました。
これさえ押さえれば、基本的な使い分けはバッチリでしょう。
| 項目 | 어떡해 (eotteokhae) | 어떻게 (eotteoke) |
|---|---|---|
| 中心的な意味 | どうしよう、どうするの | どのように、どうやって |
| 使われる場所 | 主に文末 | 主に文中(動詞や形容詞の前) |
| 品詞・構造 | フレーズ(어떻게 해の縮約) | 副詞 |
| ニュアンス | 困惑、心配、感情の吐露 | 手段、方法、状態の質問 |
| 日本語訳の例 | 「遅刻だ、どうしよう!」 | 「駅までどうやって行きますか?」 |
一番大切なポイントは、「어떡해」は「どうするの(Do)」という動詞の意味を含んでいるのに対し、「어떻게」は「どのように(How)」という方法を聞く言葉だということです。
発音はどちらも「オットケ」と聞こえますが、書くときはこの役割の違いを意識する必要があります。
なぜ違う?言葉の成り立ち(語源)からイメージを掴む
「어떡해」は「어떻게 해(どうする)」が縮まった形で、すでに動詞「하다(する)」が含まれています。一方、「어떻게」は形容詞「어떻다(どうだ)」が副詞化したもので、後ろに続く言葉を詳しく説明する役割を持っています。
なぜ発音が似ているのに使い方が違うのか、言葉の成り立ちを紐解くと、その理由がよくわかりますよ。
「어떡해」の成り立ち:「どうする」の短縮形
「어떡해」は、実は一つの単語ではありません。
もともとは「어떻게 해(オットケ ヘ)」というフレーズでした。
これが会話の中で短く発音されるようになり、「어떡해」という綴りとして定着しました。
つまり、この言葉の中にはすでに「해(する)」という動詞が含まれているのです。
だからこそ、「どうしよう」「どうするの」といった動作や状態への対処を表す文末表現として使われます。
「어떻게」の成り立ち:「どのように」を表す副詞
一方、「어떻게」は、形容詞の「어떻다(どうだ、いかがだ)」の語幹に、副詞化する語尾「-게」がついたものです。
英語で言えば「How」にあたる言葉ですね。
副詞なので、単独で文が終わることはなく、必ず後ろに「食べる」「行く」「考える」などの用言(動詞や形容詞)が続きます。
「どのように~する」という方法や手段を問うイメージを持つと分かりやすいでしょう。
具体的な例文で使い方をマスターする
日常会話では、困ったときの独り言「어떡해(どうしよう)」や、相手への手段の問いかけ「어떻게(どうやって)」として頻出します。文末なら「어떡해」、後ろに動詞が続くなら「어떻게」と見分けるのがコツです。
言葉の違いは、具体的な例文で確認するのが一番ですよね。
ドラマのセリフのような日常シーンと、間違いやすいNG例を見ていきましょう。
日常会話・推し活での使い分け
文のどこにあるかを意識すると、使い分けは簡単ですよ。
【OK例文:어떡해(文末・感嘆)】
- 지갑을 잃어버렸어. 어떡해!
(財布をなくしちゃった。どうしよう!) - 내일 시험인데 공부 안 했어. 나 진짜 어떡해?
(明日試験なのに勉強してない。私マジでどうする?) - 너무 멋있어서 어떡해…
(カッコよすぎてどうしよう(無理)…)
【OK例文:어떻게(文中・方法)】
- 이거 어떻게 먹어요?
(これ、どうやって食べるんですか?) - 학교까지 어떻게 가요?
(学校までどうやって行きますか?) - 어떻게 지내셨어요?
(どのようにお過ごしでしたか? / お元気でしたか?)
これはNG!間違えやすい使い方
発音が同じだからこそやってしまいがちなミスを見てみましょう。
- 【NG】 한국어 공부를 어떡해 해요?
(韓国語の勉強をどうしようしますか?) - 【OK】 한국어 공부를 어떻게 해요?
(韓国語の勉強をどうやってしますか?)
「勉強をする」という動詞にかかるのは、方法を聞く「어떻게」です。「어떡해」を使ってしまうと、文の中に「する(해)」と「しますか(해요)」が重複してしまい、意味が通じなくなってしまいます。
- 【NG】 큰일 났다. 어떻게!
(大変だ。どのように!) - 【OK】 큰일 났다. 어떡해!
(大変だ。どうしよう!)
文末で感情を吐露する場合は「어떡해」が正解です。「어떻게」で止めると、「どのように…(何なの?)」と文章が途中で切れたような不自然な印象を与えてしまいます。
【応用編】似ている言葉「어떤(どんな)」との違いは?
「어떤(オットン)」は連体形で、後ろに来る名詞を修飾して「どんな~」「ある~」という意味を作ります。「어떻게」が動詞を修飾するのに対し、「어떤」は名詞を修飾する点が決定的な違いです。
「어떻게」と似ている言葉に「어떤」があります。
これも併せて覚えておくと、表現力がグッと上がりますよ。
「어떤」:どんな(名詞を修飾)
「어떤」は「どんな」という意味で、後ろには必ず名詞(人や物)が来ます。
性格や種類、性質を尋ねるときに使われます。
- 어떤 사람을 좋아해요?
(どんな人が好きですか?) - 어떤 영화를 보고 싶어요?
(どんな映画を見たいですか?)
「어떻게(どうやって)」は方法、「어떤(どんな)」は種類や性質を聞く、と区別しましょう。
「어떡해」と「어떻게」の違いを文法的に解説
文法的には、「어떡해」は形容詞「어떻다」の活用形に「하다」が結合して短縮された動詞的なフレーズです。一方、「어떻게」は「어떻다」の語幹に副詞形語尾「-게」が付いた純粋な副詞です。品詞の役割が異なるため、文の中での配置場所が決定されます。
ここでは少し専門的な視点から、文法的な構造の違いを解説します。
短縮形としての「어떡해」
「어떡해」の原型は以下の通りです。
어떻게 해(どうする、どうやる) → 어떡해
文法的には、「어떻다(どうだ)」という形容詞の副詞形「어떻게」に、動詞「하다(する)」の活用形「해」がくっついて、さらに発音通りに綴りが短縮されたものです。
つまり、これ自体が「述語」としての機能を持っています。
だからこそ、文の最後に置いて「完結」させることができるのです。
副詞としての「어떻게」
「어떻게」は単純な副詞活用です。
어떻다(どうだ) + -게(~く、~に) → 어떻게(どのように)
副詞は、基本的に用言(動詞・形容詞)を修飾する役割を持ちます。
そのため、文末に来ることはなく、必ず「어떻게 가요(どうやって行きますか)」「어떻게 생각해요(どう思いますか)」のように、後ろに続く言葉が必要になるのです。
言語の構造を理解することは、正しい使い分けへの近道です。詳しくは文化庁の日本語教育ページなどで言語学習の基礎知識を参照するのも、間接的に役立つかもしれません。
「어떡해」と「어떻게」に関する失敗体験談
僕も韓国語を習い始めたばかりの頃、この二つの使い分けで赤面した経験があります。
韓国人の友人とメッセージアプリでやり取りをしていたときのことです。
待ち合わせ場所に迷ってしまい、パニックになって「どうしよう!」と伝えたくて、急いでこう打ちました。
「어떻게!」
すると、友人からすぐに返信が来ました。
「어떻게 뭐?(どのように、何?)」
僕は「大変だ、どうしよう」という気持ちを伝えたかったのに、相手には「どのように…」という言葉だけが送られ、「何かをしたいけど方法が分からないから、続きの言葉を待っている」と思われてしまったんです。
慌てて「길을 잃었어(道に迷った)」と送りましたが、文末で感情を伝えるときは「어떡해」を使わなければいけないと痛感しました。
逆に、推しのアイドルのファンレターに「カッコよすぎてどうしよう」と書こうとして「너무 멋있어서 어떻게」と書いてしまったこともあります。
これだと「カッコよすぎて、どのように(料理してやろうか…?)」みたいな、ちょっと意味深で不完全な文になっていたかもしれません。
この経験から、「気持ち(どうしよう)」なら「어떡해」、「手段(どうやって)」なら「어떻게」と、心の中で唱えてから書くクセがつきました。
「어떡해」と「어떻게」に関するよくある質問
「オットケ」と発音するとき、区別はありますか?
発音に関しては、実はほとんど同じです。どちらも「[어떠케](オットケ)」と発音されます。「어떡해」の「ㄱ」パッチムと「ㅎ」が合わさって激音化する場合も、「어떻게」の「ㅎ」パッチムと「ㄱ」が合わさる場合も、結果的に同じ音になるためです。したがって、会話では文脈で判断し、書き言葉(メールやSNS)でのみ綴りの区別を厳密にする必要があります。
「어떻해」という書き方を見かけましたが、これは正しいですか?
いいえ、「어떻해」は間違いです。これは「어떡해(どうしよう)」と「어떻게(どのように)」が混ざってしまった、ネイティブでもよくやってしまうスペルミスの一つです。正しい表記は「어떡해」か「어떻게」のどちらかしかありません。「어떻」という文字の後に「해」が直接つくことは文法的にありませんので、注意しましょう。
「どうして(Why)」の意味で使われることはありますか?
「어떻게」は文脈によって「どうして(なぜ)」という意味で使われることがあります。例えば「어떻게 알았어?」は直訳すると「どうやって知ったの?」ですが、文脈によっては「なんで(どうして)知ってるの?(驚き)」というニュアンスを含みます。ただし、純粋に理由を問う「왜(ウェ)」とは異なり、手段や経緯に焦点を当てた「どうして」になります。
「어떡해」と「어떻게」の違いのまとめ
「어떡해」と「어떻게」の違い、スッキリご理解いただけたでしょうか。
最後に、この記事のポイントをまとめておきますね。
- 基本は「場所」で使い分け:「어떡해」は文末(どうしよう)、「어떻게」は文中(どのように)。
- 意味の違い:「어떡해」は困惑や感情、「어떻게」は方法や手段。
- 品詞の違い:「어떡해」は動詞フレーズ、「어떻게」は副詞。
この二つの違いを意識するだけで、あなたの韓国語メッセージはぐっと自然になり、気持ちや質問が相手に正確に伝わるようになります。
これからは自信を持って、シチュエーションに合わせた「オットケ」を選んでいきましょう。
さらに言葉の使い分けについて深く知りたい方は、日常会話の外来語の違いまとめの記事もぜひ参考にしてください。
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