「probably」と「maybe」の最大の違いは、実現する確率(確信度)の高さにあります。
どちらも日本語では「たぶん」と訳されることが多いですが、「probably」は「十中八九(80〜90%)」という高い確信を持つのに対し、「maybe」は「五分五分(50%)」またはそれ以下という低い確信を表すため、ビジネスシーンなどで使い間違えると相手に誤った期待や不安を与えてしまうもの。
この記事を読めば、それぞれの単語が持つ本来の確信度や具体的な使い分け、さらには「perhaps」など似た言葉との関係までスッキリ理解でき、英語でのコミュニケーションに自信が持てるようになります。
それでは、まず最も重要な違いを比較表で見ていきましょう。
結論:一覧表でわかる「probably」と「maybe」の最も重要な違い
「probably」は確信度が高く、根拠がある「たぶん(十中八九)」。「maybe」は確信度が低く、根拠が薄い「たぶん(もしかすると)」です。ビジネスで「maybe」を多用すると、自信がない印象を与えます。
まず、結論からお伝えしますね。
この二つの言葉の最も重要な違いを、以下の表にまとめました。これさえ押さえれば、基本的な使い分けはバッチリです。
| 項目 | probably | maybe |
|---|---|---|
| 中心的な意味 | 十中八九、高い確率で | もしかすると、ことによると |
| 確信度(目安) | 高い(80〜90%) ※ほぼ間違いない | 低い〜中間(30〜50%) ※どうなるかわからない |
| 根拠の有無 | ある程度の根拠や理由がある | 根拠は薄い、単なる推測 |
| ニュアンス | 「恐らくそうなるだろう」 (肯定的) | 「そうかもしれないし、違うかも」 (中立的・不確実) |
一番大切なポイントは、「probably」は「ほぼイエス」に近いが、「maybe」は「イエスかノーかわからない」状態を指すということですね。
イベントに参加するか聞かれた時、「Probably」なら席を用意しておきますが、「Maybe」なら席を用意するかどうか迷う、というくらいの違いがあります。
なぜ違う?言葉の成り立ち(語源)からイメージを掴む
「probably」は「証明できる」という意味のラテン語に由来し、論理的な裏付けを感じさせます。「maybe」は「may(〜かもしれない)」と「be(ある)」が結合した言葉で、可能性の存在を示唆するに留まります。
なぜこの二つの言葉に確信度の違いが生まれるのか、語源を紐解くと、その理由がよくわかりますよ。
「probably」の語源:「証明可能」な確からしさ
「probably」は、ラテン語の「probabilis(証明できる、称賛に値する)」に由来しています。
「prove(証明する)」や「probe(厳密に調べる)」と同じルーツを持っています。
つまり、「probably」には、「何らかの証拠や理屈があって、それに基づくとこうなる可能性が高い」という論理的なニュアンスが含まれているのです。
単なる勘ではなく、「空が暗くなってきたから、たぶん(probably)雨が降る」のように、客観的な状況証拠が背景にあるイメージですね。
「maybe」の語源:「あるかもしれない」可能性
一方、「maybe」は、助動詞の「may(〜かもしれない)」と動詞の「be(ある、なる)」が組み合わさってできた言葉です。
「It may be…(それは〜かもしれない)」という文が、そのまま副詞になったものです。
「may」自体が「50%程度の可能性」を表す言葉なので、「そうなる可能性もあるし、ならない可能性もある」という、どっちつかずの宙ぶらりんな状態を表します。
根拠がなくても、単に「ひょっとしたら」という思いつきで使えるのが「maybe」の特徴です。
具体的な例文で使い方をマスターする
遅刻しそうな時に、電車が遅れているなどの理由があるなら「probably」、なんとなく間に合わないかもと思うなら「maybe」。ビジネスで実現可能性を伝える際は、安易な「maybe」は避けるべきです。
言葉の違いは、具体的な例文で確認するのが一番ですよね。
ビジネスと日常、そして間違いやすいNG例を見ていきましょう。
日常会話での使い分け
【OK例文:probably】
- I’ll probably be late.
(たぶん遅れます。)
※渋滞に巻き込まれているなど、遅れる確率がかなり高い状況。 - This is probably the best movie I’ve ever seen.
(これはたぶん、今まで見た中で最高の映画だ。)
※自分の中で確信に近い感想を持っている。
【OK例文:maybe】
- Maybe it will rain tomorrow.
(明日は雨が降るかもね。)
※天気予報を見たわけではなく、なんとなく言っている感じ。 - “Are you coming to the party?” “Maybe.”
(「パーティー来る?」「行けたら行くよ(微妙)」)
※行く確率は五分五分、あるいは気乗りしていない。
ビジネスシーンでの使い分け(NG例)
ビジネスでは、確信度を正しく伝えないとトラブルの原因になります。
- 【NG】 We can maybe finish the project by Friday.
(金曜までにプロジェクトを終わらせられる、かも。)
上司やクライアントに対して「maybe」を使うと、「終わらない可能性も十分ある」「計画性がない」と受け取られ、不信感を買う恐れがあります。
- 【OK】 We can probably finish the project by Friday.
(十中八九、金曜までには終わります。)
進捗が順調で、ほぼ確実に終わる見込みがあるなら「probably」を使います。もちろん、100%確実なら「We will finish…」と言い切るのがベストです。
【応用編】似ている言葉「perhaps / possibly」との違いは?
「perhaps」は「maybe」とほぼ同じ確信度ですが、よりフォーマルな響きがあります。「possibly」は可能性が非常に低く、「ひょっとすると」というニュアンスになります。
「probably」や「maybe」以外にも、可能性を表す副詞はいくつかあります。これらも合わせて覚えておくと、表現の幅が広がりますよ。
| 単語 | 確信度 | ニュアンス・使われる場面 |
|---|---|---|
| probably | 80-90% | 高い確率。ほぼ確実。 |
| maybe | 30-50% | 五分五分。カジュアル。文頭に来ることが多い。 |
| perhaps | 30-50% | 五分五分。フォーマル、丁寧。文中で使いやすい。 |
| possibly | 10-20% | 低い確率。ひょっとすると、もしかして。 |
ビジネスメールなどで、断定を避けて丁寧に「〜かもしれませんね」と言いたい場合は、「Maybe」よりも「Perhaps」を使うと知的な印象を与えます。
「Possibly」は、「Could you possibly…?(ひょっとして〜していただくことは可能でしょうか?)」のように、依頼文で使って謙虚さを出す際によく使われます。
「probably」と「maybe」の違いを確信度(%)で解説
一般的に「probably」は80%以上、「maybe」は50%程度と認識されています。気象庁の予報用語における「確率」の定義なども参考にすると、言葉の重みがより理解しやすくなります。
少し専門的な視点から、この二つの違いを深掘りしてみましょう。
言語学やコミュニケーションの研究において、確率を表す副詞(Probability Adverbs)が、聞き手にどの程度の数値として受け取られるかの調査が行われることがあります。
多くの調査結果で、以下のような傾向が見られます。
- Certainly / Definitely:95〜100%
- Probably:75〜90%
- Likely:60〜75%
- Maybe / Perhaps:40〜60%
- Possibly:20〜40%
- Unlikely:20%以下
「Probably」は、日本語の「たぶん」よりもかなり強い確信を持っています。天気予報で言えば「降水確率80%」なら、ほぼ傘を持って出かけますよね。それが「Probably」の感覚です。
一方、「Maybe」は「降水確率40〜50%」。傘を持っていくか迷う、あるいは「まあ、なんとかなるか」と持っていかないこともあるレベルです。
日本語の「たぶん」は、文脈によって「十中八九(Probably)」の意味でも、「もしかして(Maybe)」の意味でも使われてしまうため、英語にする際にズレが生じやすいのです。
詳しくは気象庁の予報用語などを参照すると、日本語における確率表現の定義も確認でき、言葉の「確度」に対する感度が磨かれますよ。
「probably」と「maybe」の使い分けで誤解を招いた体験談
僕もアメリカに留学したての頃、この使い分けで失敗した経験があります。
現地の友人に「今週末のバーベキュー、来る?」と誘われました。僕は行く気満々だったのですが、まだ課題が終わっていなかったので、謙虚なつもりでこう答えました。
「Maybe I’ll go!」
当日、課題を終わらせて会場に行くと、なんと僕の分の肉や椅子が用意されていなかったんです。
友人は驚いて、「えっ、来るの? “Maybe” って言ってたから、来ないと思ってたよ」と言いました。
僕としては「(行きたいけど課題があるから)たぶん行く(行けるように頑張る)」というポジティブなつもりでしたが、友人には「(気が向いたら行くけど)たぶん行かないかな(五分五分以下)」という消極的な返事、あるいは断り文句として受け取られていたのです。
この場合、行く気が強いなら「I’ll probably go.(たぶん行けるよ)」と言うか、もっと明確に「I’m planning to go, but I have to finish my homework first.」と伝えるべきでした。
この経験から、自分の意志や予定を伝える時に、曖昧な「Maybe」を使うと、相手は「No(来ない)」の準備をしてしまう可能性があるということを痛感しました。
それ以来、「行きたい」という気持ちがある時は、しっかり「Probably」や「Hopefully」を使うようにしています。
「probably」と「maybe」に関するよくある質問
「Maybe」を文中で使ってもいいですか?
「Maybe」は文頭で使われることが圧倒的に多いです(例:Maybe he is right.)。文中で使うと少し不自然に聞こえることがあります。文中で使いたい場合は「might(助動詞)」や「perhaps(副詞)」を使う方が収まりが良いです(例:He might be right. / He is perhaps right.)。一方、「Probably」は文中で頻繁に使われます(例:He is probably right.)。
「Probably not」と「Maybe not」の違いは?
「Probably not」は「たぶん違う(高い確率でそうではない)」という強い否定の予測です。「Maybe not」は「そうじゃないかもね(違う可能性もあるね)」という、柔らかい否定や可能性の示唆です。「Maybe not」は相手の意見に対して「そうとも限らないよ」と反論する際にもよく使われます。
レストランで「Maybe…」を使うのは失礼?
注文を決める際に「Maybe I’ll have…」と言うのは、失礼ではありませんが、優柔不断な印象を与えるかもしれません。単に「I’ll have…」と言い切るか、「I think I’ll have…」と言う方がスマートです。
「probably」と「maybe」の違いのまとめ
「probably」と「maybe」の違い、スッキリご理解いただけたでしょうか。
最後に、この記事のポイントをまとめておきますね。
- 確信度が違う:「probably」は80%以上(高い)、「maybe」は50%程度(半々)。
- 根拠の有無:「probably」は根拠がある推測、「maybe」は単なる思いつきや可能性。
- 使い所:ほぼ確実なら「probably」、わからないなら「maybe」。
- 位置の違い:「maybe」は文頭、「probably」は文中で使うことが多い。
「たぶん」と訳して安心せず、その裏にある「確信の度合い」を意識することで、あなたの英語はぐっと正確になり、誤解を防ぐことができます。
これからは自信を持って、状況に合った「たぶん」を選んでいきましょう。さらに詳しい英語のニュアンスや外来語の使い分けについては、英語由来語の違いをまとめたページもぜひ参考にしてくださいね。
スポンサーリンク