「near」と「nearby」、どちらも「近く」を意味する英語ですが、いざ使おうとすると迷ってしまいませんか?
結論から言うと、この2つの言葉は後ろに場所(名詞)を置いて「〜の近く」と言えるかどうかという点で決定的に違います。
日本語で言えば「~の近くに」と「近くの~」の違いに近い感覚でしょうか。
この記事を読めば、道案内や場所の説明で、ネイティブのように自然に使い分けられるようになります。
それでは、まず最も重要な違いからズバリ解説していきましょう。
結論:一覧表でわかる「near」と「nearby」の最も重要な違い
「near」は前置詞として使えるため「near the station(駅の近く)」と言えますが、「nearby」は前置詞ではないため後ろに名詞を置けません。「nearby」は形容詞や副詞として「近くの」「近くに」と単独で使います。
まず、結論からお伝えしますね。
この二つの言葉の最も重要な違いを、以下の表にまとめました。
これさえ押さえれば、文法的なミスは確実に防げます。
| 項目 | near | nearby |
|---|---|---|
| 中心的な役割 | 前置詞、副詞、形容詞 | 形容詞、副詞 |
| 後ろに場所を置けるか? | 置ける(前置詞) 例:near the park | 置けない NG:nearby the park |
| 名詞を修飾する位置 | 名詞の前にはあまり置かない (near future等は例外) | 名詞の前にも後ろにも置ける 例:a nearby hotel |
| 距離感のニュアンス | 物理的・時間的・心理的に近い | 物理的に「すぐそこ」「界隈」 |
一番大切なポイントは、「〜の近くに」と言いたい時に「nearby 〇〇」とは絶対に言わないということです。
「nearby」はそれ一語で「近くに」という意味が完結している言葉なんですね。
なぜ違う?言葉の成り立ちと品詞からイメージを掴む
「near」は「近づく」という動きや状態を表す広い意味の言葉です。「nearby」は「near(近く)」に「by(そば)」がくっついた言葉で、「すぐそばの」「界隈の」という物理的に限定されたエリアを指します。
なぜ使い方が違うのか、言葉の成り立ちを少し掘り下げてみましょう。
理由がわかれば、丸暗記しなくても自然と使い分けられるようになりますよ。
「near」のイメージ:対象に接近している
「near」は古くからある言葉で、「近づく」「接近している」という状態を表します。
物理的な距離だけでなく、「near future(近い将来)」のように時間的な近さや、「near equals(ほぼ等しい)」のように程度が近いことにも使えます。
最大の特徴は、「何に近いのか」という対象(目的地)を強く意識する言葉だということです。
だから、「near the station(駅の近く)」のように、基準となる場所と一緒に使う(前置詞としての用法)のが得意なんですね。
「nearby」のイメージ:この辺り一帯
一方、「nearby」は「near」と「by(そばに)」が合体してできた言葉です。
「すぐそば」という意味が強調されています。
この言葉は「この辺り」「近隣」というエリアそのものを指すイメージを持っています。
「特定の何か」との距離を測るというよりは、「この界隈にあるよ」という漠然とした近さを表すのに適しています。
すでに「by」が含まれているので、さらに後ろに場所を置く必要がない(置けない)と覚えると分かりやすいでしょう。
具体的な例文で使い方をマスターする
「〜の近く」と場所を指定するなら「near」を使います。「近くの〜」と名詞を説明したり、文末で「近くに」と言うなら「nearby」が便利です。
言葉の違いは、具体的な例文で確認するのが一番ですよね。
シーン別に、ネイティブがどう使い分けているかを見ていきましょう。
場所を基準にする場合(near)
「駅の近く」「学校の近く」のように、基準となる場所を示したい時は「near」一択です。
【OK例文】
- I live near the station.(私は駅の近くに住んでいます。)
- Is there a convenience store near here?(この近くにコンビニはありますか?)
- Don’t come near me!(私に近寄らないで!)
このように、後ろに名詞が続いている場合は「near」を使います。
「近くの〇〇」と言う場合(nearby)
「近くのホテル」「近くのレストラン」のように名詞を修飾したい時は「nearby」が活躍します。
【OK例文】
- We stayed at a nearby hotel.(私たちは近くのホテルに泊まった。)
- Let’s go to a nearby cafe.(近くのカフェに行こうよ。)
- My mother lives nearby.(母はすぐ近くに住んでいる。)
「nearby」は名詞の前(a nearby hotel)にも、後ろ(the hotel nearby)にも置くことができます。
また、例文の3つ目のように、文末に置いて「近くに」という副詞としても使えます。
これはNG!間違えやすい使い方
意味は通じそうですが、文法的に間違いとされる使い方です。
- 【NG】 I live nearby the station.
- 【OK】 I live near the station. / I live nearby.
「nearby」の後ろに場所(the station)を続けることはできません。
「nearby」を使うなら、「the station」を消して「I live nearby.(近くに住んでるよ)」と言い切る形にしましょう。
【応用編】似ている言葉「close」との違いは?
「close」は「near」よりもさらに距離が近く、接触しそうなほどの近さを表します。また、物理的な距離だけでなく、心理的な「親密さ」を表す際によく使われます。
「近く」を表す言葉には「close(クロース)」もありますよね。
これも一緒に整理しておきましょう。
「close」のコアイメージは「閉じる」から来ており、隙間がないほどくっついている状態です。
ですので、「near」よりもさらに距離が近い場合に使われます。
また、「close friend(親友)」のように、人間関係の距離が近いことを表すのが得意です。
場所に対して使う場合は「close to」という形で、「to」とセットで使うのが一般的です。
- My house is close to the station.(家は駅からすぐそこです。)
「near」と「nearby」の違いを文法的な視点で解説
「near」は形容詞として使う場合、主に述語(is near)として使われ、名詞の前(near house)にはあまり置きません。「nearby」は名詞の前(nearby house)に置く限定用法が得意です。
少しマニアックですが、文法的な使い分けのルールを知っておくと迷いがなくなります。
形容詞として使う場合、以下のような傾向があります。
- near:The station is near.(駅は近い。)
※「叙述用法」と言い、be動詞の後ろなどで状態を説明するのによく使われます。 - nearby:A nearby station.(近くの駅。)
※「限定用法」と言い、名詞にくっついて説明するのによく使われます。
「a near station」と言うと、間違いではありませんが、ネイティブは少し違和感を覚えることがあります(「nearest station」ならOK)。
「近くの〇〇」と言いたい時は、迷わず「nearby」を使うのが安全で自然な英語です。
僕が「nearby」を使って道案内で恥をかいた体験談
僕も海外旅行に行ったばかりの頃、この使い分けで失敗した経験があります。
ロンドンの街を歩いていた時、どうしてもトイレに行きたくなって、通りすがりの紳士に声をかけました。
焦っていた僕は、必死にこう言いました。
「Excuse me! Is there a toilet nearby the station?」
「駅の近くにトイレはありますか?」と聞きたかったんです。
すると、紳士は少し眉をひそめて、優しくこう直してくれました。
「Ah, you mean, is there a toilet near the station? Or perhaps, is there a toilet nearby?」
その時は「どっちでも通じるじゃん!」と思いましたが、後で冷静になって考えると、僕の英語は「駅の『近くに』にトイレはありますか?」と、言葉が重複したような変な響きになっていたんですね。
「nearby」と言ったら、もう場所の名前は続けられない。
このルールを体感した、ちょっと恥ずかしい思い出です。
それからは、「場所を指定するなら near」「単に『近くに』と言うなら nearby」と、頭の中でスイッチを切り替えるようになりました。
「near」と「nearby」に関するよくある質問
Q. 「nearest」と「nearby」の違いは何ですか?
A. 「nearest」は「near」の最上級で、「(複数の候補の中で)一番近い」という意味です。「Where is the nearest station?(最寄りの駅はどこですか?)」のように、特定の最も近い場所を探す時に使います。「nearby」は単に「この辺りの」という意味で、一番近いとは限りません。
Q. 「near future」と「nearby future」はどちらが正しいですか?
A. 「near future(近い将来)」が正解です。「nearby」は物理的な場所の近さを表す言葉なので、時間的な近さには使いません。時間について話す時は「near」を使いましょう。
Q. 「not far」と言っても同じ意味ですか?
A. はい、ほぼ同じ意味で使えます。「It’s not far from here.(ここから遠くない=近くだよ)」という表現は、日常会話で非常によく使われます。「near」や「nearby」がパッと出てこない時は、「not far」を使うのも賢い手ですね。
「near」と「nearby」の違いのまとめ
「near」と「nearby」の違い、スッキリ整理できたでしょうか。
最後に、この記事のポイントをまとめておきますね。
- 基本の使い分け:場所を指定するなら「near」、単に「近くの」と言うなら「nearby」。
- 文法ルール:「nearby」の後ろに名詞(場所)を続けてはいけない。
- イメージ:「near」は接近、「nearby」はこの界隈。
言葉はパズルのピースのようなものです。正しい形(品詞)を選べば、ピタリとハマってきれいな文章になります。
これからは「後ろに名詞があるか?」を意識して、自信を持って使い分けてみてくださいね。
さらに詳しい英語のニュアンスの違いについては、日常会話の外来語の違いまとめなども参考にしてみてください。
また、正確な文法知識を確認したい場合は、Cambridge Dictionaryなどの英英辞典を引いてみるのもおすすめですよ。
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