「handle」と「deal with」の違いとは?手際よい処理と向き合う対応の使い分け

「handle」と「deal with」、どちらも「対処する」という意味で使われますが、この2つ、「コントロールできているか」と「向き合っているか」で使い分けるのが基本です。

深刻な悩みを相談されたときに「I can handle it.(さばけるよ)」なんて軽く言ってしまったら、「私の悩みは事務処理か!」と相手を怒らせてしまうかもしれません。

この記事を読めば、それぞれの単語が持つ「対処」のニュアンスの違いから具体的な使い分け、さらにはビジネスでの適切な選び方までスッキリと理解でき、自信を持って英語を使えるようになります。それでは、まず最も重要な違いから見ていきましょう。

結論:一覧表でわかる「handle」と「deal with」の最も重要な違い

【要点】

基本的には手際よく処理・解決するなら「handle」、問題や人と向き合って取り組むなら「deal with」と覚えるのが簡単です。「handle」は完了や制御のニュアンスが強く、「deal with」は過程や対応のニュアンスが強いです。

まず、結論からお伝えしますね。

この二つの言葉の最も重要な違いを、以下の表にまとめました。これさえ押さえれば、基本的な使い分けはバッチリです。

項目handle(ハンドル)deal with(ディール・ウィズ)
中心的な意味取り扱う、処理する、操縦する対処する、扱う、論じる、取引する
ニュアンスコントロール下において、手際よく片付ける問題や人と向き合って、何らかの措置をとる
焦点結果(解決・処理完了)プロセス(対応・取り組み)
対象仕事、機械、感情、状況問題、人、テーマ、悩み
日本語訳さばく、処理する、操る対応する、付き合う、論じる

簡単に言うと、スキルを使って自分が主導権を握って処理するのが「handle」、相手や問題と対等に向き合って対応するのが「deal with」というイメージですね。

例えば、業務上のタスクをサクサクこなすのは「handle」、難しい性格の顧客に真摯に対応するのは「deal with」、といった使い分けになります。

なぜ違う?語源とイメージからニュアンスを掴む

【要点】

「handle」は「hand(手)」が語源で、手で掴んで操るイメージ。「deal with」は「deal(配る・分ける)」が語源で、一つ一つの事柄に関係して対応していくイメージです。

なぜこのように似た単語でニュアンスが異なるのか、語源を知ると、その違いがよりクリアになりますよ。

「handle」の語源:「手」で巧みに操る

「handle」は、名詞の「hand(手)」に由来します。ドアの「ハンドル」を思い浮かべてください。

手でしっかりと握り、自分の思い通りに動かすことができますよね。そこから、「自分のコントロール下におく」「手際よく扱う」「操縦する」という意味が生まれました。

「この問題は私が『handle』できる」と言うとき、それは「私の手の中にあり、制御可能だ(=解決できる)」という自信を表しています。

「deal with」の語源:「配る」から「関わる」へ

一方、「deal」はもともと「分配する(配る)」という意味でした。カードゲームでカードを配る人を「ディーラー(dealer)」と言いますよね。

そこから「分け与える」→「関わりを持つ」→「処置する・対応する」と意味が広がりました。

「deal with」には、目の前の人や問題に対して、何らかのアクション(カードを切るような)を起こして、関わっていくというプロセスのニュアンスが含まれます。必ずしも「完全に解決(制御)」していなくても、向き合っていれば「deal with」と言えます。

具体的な例文で使い方をマスターする

【要点】

「handle」は「Can you handle this?(これ処理できる?)」のように能力を問う場面でよく使われます。「deal with」は「I have to deal with a complaint.(クレーム対応しなきゃ)」のように、やるべきこととして使われます。

言葉の違いは、具体的な例文で確認するのが一番ですよね。

ビジネスと日常、そして間違いやすいNG例を見ていきましょう。

「handle」の使い分け

「処理能力」「制御」「担当」といった文脈で使います。

【OK例文:handle】

  • I can handle the pressure.(プレッシャーには耐えられます/対処できます。)
  • She handles all the customer inquiries.(彼女が全ての顧客の問い合わせを処理(担当)しています。)
  • This car is easy to handle.(この車は運転(操作)しやすい。)
  • Let me handle this situation.(この状況は私に任せてください/なんとかします。)

「deal with」の使い分け

「対応」「取り組み」「付き合い」といった文脈で使います。

【OK例文:deal with】

  • We need to deal with this problem immediately.(この問題にすぐに対処しなければならない。)
  • I don’t know how to deal with him.(彼とどう接していいかわからない/彼の扱いに困っている。)
  • This book deals with Japanese history.(この本は日本の歴史を扱っている(論じている)。)
  • We deal with that company.(我々はあの会社と取引がある。)

これはNG!間違えやすい使い方

意味は通じるかもしれませんが、ニュアンスがズレてしまう使い方です。

  • 【NG】This book handles environmental issues.
  • 【OK】This book deals with environmental issues.(この本は環境問題を扱っている。)

本や映画のテーマとして「扱う」場合は「deal with」を使います。「handle」だと、本が物理的に環境問題を「操作」しているような変な意味になります。

【応用編】似ている言葉「cope with」との違いは?

【要点】

「cope with」は、困難やストレスなど精神的に負担のかかることに対して「なんとか対処する」「うまく切り抜ける」という意味で使われます。「handle」や「deal with」よりも「耐える」「やりくりする」というニュアンスが強くなります。

「handle」「deal with」と並んでよく使われるのが「cope with」です。これも整理しておきましょう。

cope withは、主に「困難な状況」や「ストレス」に対して使われます。

  • How do you cope with stress?(ストレスにどう対処していますか?)
  • She is coping with the loss of her husband.(彼女は夫を亡くした悲しみを乗り越えようとしている。)

日常的な業務処理なら「handle」、問題への対応なら「deal with」、辛い状況を乗り切るなら「cope with」と使い分けると、とても自然な英語になりますよ。

「handle」と「deal with」の違いをビジネス視点で解説

【要点】

ビジネスでは、「handle」は「遂行能力」をアピールするポジティブな言葉として好まれます。「deal with」はトラブルシューティングや交渉など、プロセス重視の場面で使われます。

少しビジネス的な視点から、この2つの言葉を見てみましょう。

採用面接や自己評価において、「I can handle it.(私に任せてください/できます)」というフレーズは、自分の能力(Competence)を示す力強い言葉になります。ここには「責任を持って完遂する」という意志が含まれます。

一方、マネジメントや顧客対応の現場では「deal with」が頻出します。「dealing with difficult customers(難しい顧客への対応)」のように、解決が簡単ではない相手や課題に対して、粘り強く向き合う姿勢を表します。

上司への報告で「I handled the complaint.」と言えば「クレームはもう解決済み(鎮火)です」と聞こえますが、「I dealt with the complaint.」だと「クレームに対応しました(結果はどうあれ対応はした)」というニュアンスになることもあります。

文脈によっては「handle」の方が「完了」の意味合いが強くなるため、結果を急ぐ場面では好まれるかもしれませんね。

英語教育における語彙の指導については、文部科学省の学習指導要領解説などでも、文脈による使い分けの重要性が示唆されています。

僕が「handle」しようとしてお客様を怒らせた体験談

僕が海外のホテルでインターンシップをしていた頃の失敗談です。

フロント係として働いていたある日、お客様から「部屋のエアコンが壊れている!暑くて眠れない!」と猛烈なクレームが入りました。僕は「よし、手際よく部屋を交換して解決しよう」と思い、こう言いました。

「Don’t worry, sir. I will handle you right away.(心配しないでください、すぐにあなたを“処理”しますから)」

お客様の顔が真っ赤になりました。「私は荷物か何かか!?『handle』するとは何事だ!」と激怒されたのです。

僕は「対応する」つもりで「handle」を使ったのですが、人に対して直接「handle you」と言うと、「あなたを操る」「あなたを片付ける」というような、非常に失礼な響きになることがあったのです(文脈や言い方にもよりますが)。

先輩スタッフが飛んできて、「I will deal with the situation immediately.(すぐに状況に対応いたします)」と謝罪し、事なきを得ました。

人そのものを「handle」しようとすると、「コントロール対象」として見ているような傲慢さが出ることがあります。人に対しては、その人の抱える問題(Situation / Problem)を「handle」するか、その人と向き合って「deal with」するのが正解だと、痛い思いをして学びました。

それ以来、人に対して使うときは細心の注意を払うようにしています。「物」はhandle、「人」はdeal with(またはtake care of)と心に刻んでいます。

「handle」と「deal with」に関するよくある質問

「Tackle」とはどう違いますか?

「Tackle(タックル)」は、スポーツのタックルのように、難問や大仕事に「全力でぶつかる」「着手する」という積極的で力強いニュアンスがあります。「handle」や「deal with」よりも、意欲やエネルギーを感じさせる言葉です。

「Take care of」とはどう違いますか?

「Take care of」は「世話をする」「責任を持って引き受ける」という意味で、最も汎用性が高く、丁寧な表現です。「I’ll handle it」よりも「I’ll take care of it」の方が、柔らかく安心感を与える響きがあります。ビジネスで「やっておきます」と言うときはこれが一番無難です。

「Address」も「対処する」という意味ですか?

はい、ビジネスやフォーマルな場では「Address」もよく使われます。「(問題などに)真剣に取り組む」「正面から対処する」という硬い表現です。「Address the issue」のように使い、演説するという意味から転じて、問題に焦点を当てるニュアンスがあります。

「handle」と「deal with」の違いのまとめ

「handle」と「deal with」の違い、スッキリご理解いただけたでしょうか。

最後に、この記事のポイントをまとめておきますね。

  1. 基本のイメージ:「handle」は手際よい操作、「deal with」は向き合う対応。
  2. 結果かプロセスか:「handle」は解決・完了重視、「deal with」は取り組み・行動重視。
  3. 対象の違い:「handle」は物や状況が得意、「deal with」は人や問題が得意。
  4. 人への使用:人を直接「handle」すると失礼になることがあるので注意。

言葉の背景にある「コントロール」と「関係性」のニュアンスを掴むと、機械的な暗記ではなく、感覚的に使い分けられるようになりますね。ビジネスメールや英会話で、これらの違いを意識することで、より的確で相手に配慮した表現ができるはずです。

これからは自信を持って、的確な言葉を選んでいきましょう。言葉の使い分けについてさらに知りたい方は、日常会話の外来語の違いをまとめたページもぜひご覧ください。

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