「持続的」と「継続的」の違い!SDGsはなぜ「継続的」じゃない?

「SDGs(持続可能な開発目標)」を、「継続可能な開発目標」と言い間違えてしまったことはありませんか?

実はこの二つ、「状態そのものを保つ」か「行動を繰り返してつなぐ」かで、ビジネスにおける意味合いが劇的に変わってしまうんです。

この記事を読めば、経営戦略や日々の業務報告で「持続的」と「継続的」を的確に使い分けられるようになり、あなたの発言の説得力が一段とアップしますよ。

それでは、まず最も重要な違いからスッキリと見ていきましょう。

結論:一覧表でわかる「持続的」と「継続的」の最も重要な違い

【要点】

ある状態が途切れずに保たれるのが「持続的」、行為や作用が繰り返されるのが「継続的」です。システムの維持には「持続」、人の努力や活動には「継続」を使うのが基本です。

まず、結論からお伝えしますね。

この二つの言葉の決定的な違いを、以下の表にまとめました。英語のニュアンスも含めて理解すると、より鮮明になります。

項目持続的 (Sustainable / Lasting)継続的 (Continuous / Ongoing)
中心的な意味ある状態が長く保たれることある行為が続いていくこと
イメージ一本の線が切れずに伸びる(維持)鎖のように繋げていく(反復・継承)
主語の傾向効果、成長、環境、システム努力、支援、改善、取引
英語のニュアンス持ちこたえる、耐えうる絶え間なく続く、繰り返す
代表的な熟語持続可能な社会、持続的成長継続的改善、継続的な支援

いかがでしょうか?

「持続的」は、一度達成した良い状態を「キープする」力。「継続的」は、意志を持って行動を「やり続ける」力。

この違いが分かると、なぜ「持続化給付金(事業の状態を維持する)」であって「継続化給付金」ではないのか、理由が見えてきますよね。

なぜ違う?漢字の成り立ち(語源)からイメージを掴む

【要点】

「持」は手に持って保つこと。「継」は糸をつなぎ合わせること。「持続」は状態の保持、「継続」は糸をつなぐような行為の連続性を表します。

言葉の意味を深く理解するには、漢字一文字ずつの意味に注目するのが一番の近道です。

それぞれの漢字を分解してみましょう。

「持続」は「持ちこたえて」続く

「持」という字は、「手で持つ」「保つ」という意味です。

つまり「持続」とは、「その状態を支え持って、崩れないように維持する」というニュアンスがあります。

スタミナのことを「持久力」と言いますよね? これは「走り続ける行為」そのものではなく、「走れる体の状態を保つ力」を指しています。

「継続」は「継(つ)いで」続く

一方、「継」という字は、「糸をつなぐ」「跡をつぐ」という意味です。

これは、リレーのバトンパスや、切れた糸を結び直すようなイメージです。

つまり「継続」とは、一つ一つの行動や出来事を「つなぎ合わせて、終わらせないようにする」という、能動的な意志が含まれています。

具体的な例文で使い方をマスターする

【要点】

企業の「持続的な成長」のためには、社員の「継続的な努力」が必要です。結果としての状態(持続)と、プロセスの行動(継続)で使い分けるのがビジネスの鉄則です。

ここでは、ビジネスシーンですぐに使える具体的な例文をご紹介します。

「結果」なのか「プロセス(行動)」なのかに注目すると、自然と使い分けられますよ。

「持続的」を使った例文(状態・効果)

  • 弊社は、持続的な競争優位性を確立するためにブランド戦略を見直す。(優位な「状態」を保つ)
  • 環境に配慮した持続可能な社会(SDGs)の実現を目指す。
  • この薬の効き目は持続的ではありません。(効果という「状態」が続かない)

「継続的」を使った例文(行為・プロセス)

  • 業務効率化のために、継続的な改善(PDCA)を行う。(改善という「行為」を繰り返す)
  • 顧客との関係を深めるため、メルマガで継続的に情報を発信する。
  • 彼は入社以来、継続的に好成績を上げている。(好成績を出す「行為」を続けている)

NG例:違和感のある使い方

×「毎朝のジョギングを持続する」
→ジョギングは「行為」なので、「継続する」が自然です。「ジョギングによって体力が持続する」ならOKです。

×「継続可能な開発目標(SDGs)」
→資源を枯渇させずに今の社会システムを「保つ」ことが目的なので、「持続可能」が正解です。

【応用編】似ている言葉「永続的」との違いは?

【要点】

「永続的」は「いつまでも限りなく続く」こと。持続的や継続的よりも、時間的な長さ(永遠性)を強調する場合に使われる、より強い言葉です。

さらにレベルアップするために、「永続的」についても触れておきましょう。

ビジネス書の名著に『ビジョナリー・カンパニー ― 時代を超える生存の原則』がありますが、原題は『Built to Last』。これは「永続するように作られた」という意味合いです。

  • 持続的:ある期間、状態を保つこと(メンテナンスが必要なニュアンス)。
  • 継続的:途切れないように続けること(努力が必要なニュアンス)。
  • 永続的:果てしなく長く続くこと(もはや揺るがない状態)。

「永続的な平和」や「永続的な企業」という言葉には、単に続くだけでなく、「時間が経っても変わらない強固な価値」という意味が込められています。

「持続的」と「継続的」の違いを学術的に解説

【要点】

ISO(国際標準化機構)のマネジメントシステムでは、「継続的改善(Continual Improvement)」が定義されています。これは「再発防止」と「予防」を繰り返すスパイラルアップの活動を指します。

専門的な視点から、ビジネスの国際規格における使い分けを見てみましょう。

ISO(国際標準化機構)の品質マネジメントシステム(ISO 9000シリーズ)では、重要な概念として「継続的改善(Continual Improvement)」が登場します。

ここで「Continuous(絶え間ない)」ではなく「Continual(断続的だが繰り返される)」が使われている点に注目してください。

ビジネスにおける「継続」とは、休みなくずっとやり続けることではなく、「計画(Plan)→実行(Do)→評価(Check)→改善(Action)」のサイクルを回し続けることを指します。

一方で、「サステナビリティ(Sustainability=持続可能性)」は、企業の社会的責任(CSR)や環境経営の文脈で使われます。

つまり、「継続的」な改善活動を行った結果として、企業が「持続的」に存続できる、という因果関係が成り立つのです。

「持続的」と「継続的」に関する体験談

僕がマーケティングコンサルタントとして独立したばかりの頃、クライアントへのプレゼンで恥ずかしい思いをしたことがあります。

「御社のWebサイトへの集客を『持続』させるために、ブログを書きましょう」と提案しました。

すると、社長から鋭いツッコミが入りました。

「神宮寺さん、ブログは書けば勝手に客が来る『状態』が続く魔法の杖なのかい? それとも我々が汗水垂らして書き『続ける』必要があるのかい?」

僕は言葉に詰まりました。

僕が言いたかったのは「(努力して)継続的に発信する」ことでした。しかし「持続」という言葉を使ったせいで、「一度やれば効果が勝手に長持ちする」ような、楽なイメージを与えてしまったのです。

「継続的な運用を行って初めて、持続的な集客効果が得られます」

そう訂正して、なんとか納得してもらえました。

言葉一つで、クライアントに「楽ができる」という誤解を与えるか、「覚悟が必要だ」と正しく伝えられるかが決まる。プロとして言葉の精度にこだわるきっかけになった失敗談です。

「持続的」と「継続的」に関するよくある質問

Q. 「継続的な取引」と「持続的な取引」、契約書ではどちらがいいですか?

A. 一般的には「継続的な取引」が使われます。「継続的取引基本契約書」という名称が標準的です。取引という「行為」を繰り返すからです。

Q. 集中力は「持続」?「継続」?

A. 「持続力」と言いますよね。集中しているという「状態」を保つことなので「持続」が適切です。「集中を持続させる」という表現が自然です。

Q. 「コンティニュアス(Continuous)」と「サステナブル(Sustainable)」の違いは?

A. コンティニュアスは「途切れなく続くプロセス」、サステナブルは「環境やシステムが破綻せずに持ちこたえる能力」です。今、世界中で「サステナブル」が重視されるのは、「成長し続ける(コンティニュアス)」ことよりも、「地球が壊れないように保つ(サステナブル)」ことが急務だからですね。

「持続的」と「継続的」の違いのまとめ

ここまで、「持続的」と「継続的」の違いについて解説してきました。

最後に、重要ポイントをまとめておきましょう。

  • 持続的 (Sustainable):状態を保つこと。環境、成長、効果などに使う。「キープする力」。
  • 継続的 (Continuous):行為を続けること。改善、努力、取引などに使う。「ループする力」。
  • 関係性:「継続的」な努力の先に、「持続的」な未来がある。

ビジネスにおいては、行動計画には「継続」、目標ビジョンには「持続」を使うと、非常に収まりが良くなります。

「継続は力なり」と言いますが、その力が生み出すのは「持続可能な成功」です。

ぜひ、この二つの言葉を使いこなして、あなたのビジネスの解像度を高めてくださいね。

もっと詳しく用語の使い分けを知りたい方は、マーケティング用語の解説ページもぜひ参考にしてみてくださいね。

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