「ノベルティ」と「販促品」、どちらもお客様に配るグッズですが、実はその狙いは全く異なることをご存知でしょうか?
結論から言うと、「ノベルティ」は企業の認知度を高めるためのブランディングツールであり、「販促品」は購買意欲を刺激して売上に直結させるためのセールスツールです。
この記事を読めば、あなたの企画に最適なのがどちらなのかが明確になり、予算を無駄にしない効果的なマーケティング施策が打てるようになりますよ。
それでは、まず最も重要な違いを一覧表で詳しく見ていきましょう。
結論:一覧表でわかる「ノベルティ」と「販促品」の最も重要な違い
「ノベルティ」は企業名の認知拡大を目的とし、無料で広く配る「名刺代わりのグッズ」です。対して「販促品」は、商品の購入や成約を促すために配る「販売促進のための道具」全般を指します。
この二つの言葉、現場では混同されがちですが、目的を明確に区別することで施策の精度がグッと上がります。
以下の比較表で、その違いを整理しました。
| 項目 | ノベルティ (Novelty) | 販促品 (Sales Promotion) |
|---|---|---|
| 最大の目的 | 認知拡大・ブランディング | 購買意欲の喚起・売上向上 |
| ターゲット | 不特定多数(潜在層含む) | 見込み客・購入者(顕在層) |
| 配布条件 | 無条件(無料配布) | 条件付き(購入・来店・契約など) |
| 名入れ | 必須(社名・ロゴ) | 場合による(商品名アピールが主) |
| 具体例 | 社名入りボールペン、カレンダー | 購入特典のポーチ、試供品 |
| 期待する効果 | 「名前を覚えてもらうこと」 | 「商品を買ってもらうこと」 |
いかがでしょうか。
「ノベルティ」は、まだ自社を知らない人にも配る「ご挨拶」のようなもの。
一方で「販促品」は、もう少し踏み込んで「買ってください!」と背中を押すためのアイテムなんですね。
なぜ違う?言葉の成り立ちからイメージを掴む
「ノベルティ」は英語の”Novelty”(珍しいもの・目新しいもの)に由来し、広告業界では「企業名入りの記念品」を指します。「販促品」は「販売促進品」の略語で、セールスプロモーション(SP)に使われる物品の総称です。
言葉のルーツを知ると、その役割がより鮮明に見えてきます。
ノベルティ(Novelty)の語源
英語の「Novelty」には、「新奇さ」「目新しいもの」という意味があります。
元々は「珍しいグッズ」を意味していましたが、広告業界では転じて「企業名や商品名を入れて無料で配る記念品」を指すようになりました。
「おっ、これ珍しいね!」と手に取ってもらい、そこにあるロゴを記憶に残す。
これがノベルティの本質的な役割です。
販促品の語源
こちらはシンプルに日本語の「販売促進品」を略した言葉です。
英語では「Promotional Item」や「Sales Promotion Goods」にあたります。
文字通り、「販売」を「促進」するための道具すべてを含みます。
広い意味ではノベルティも販促品の一部に含まれますが、ビジネスの現場では「購入特典」や「ベタ付け景品」など、直接的な売上アップを狙うグッズを指して「販促品」と呼ぶことが多いですね。
具体的な例文で使い方をマスターする
文脈に応じて使い分けることで、施策の意図がチームに正確に伝わります。認知を広げたいなら「ノベルティ」、売上を作りたいなら「販促品」という言葉を選びましょう。
ここでは、マーケティングや営業の現場で実際に使われるフレーズを紹介します。
状況をイメージしながら読んでみてください。
「ノベルティ」を使った例文
- 「来月の展示会、来場者の記憶に残るようなインパクトのあるノベルティを用意しよう。」
- 「創業記念のノベルティとして、ロゴ入りの高級ボールペンを取引先に配る予定だ。」
- 「このノベルティ、デザインはお洒落だけど社名が小さすぎて宣伝効果が薄いんじゃないか?」
ここでは「認知」や「記憶」、「社名アピール」がキーワードになっていますよね。
「販促品」を使った例文
- 「夏商戦に向けて、対象商品を買うともらえる販促品の企画を急いでくれ。」
- 「店頭での実演販売で使う販促品が不足しているので、至急追加発注をお願いします。」
- 「今回のキャンペーン、販促品の魅力で客単価を上げることが最大のミッションだ。」
こちらでは「購入条件」「キャンペーン」「客単価」といった、直接的な売上に関する言葉と一緒に使われています。
【NG例】誤解を招く使い方
×「商品購入者限定のノベルティを作ろう。」
通じなくはないですが、購入条件がある場合は「プレミアム(景品)」や「購入特典」、あるいは広義の「販促品」と呼ぶ方が正確です。
ノベルティは基本的に「無料配布(ばらまき)」のニュアンスが強い言葉だからです。
【応用編】似ている言葉「プレミアム」「記念品」との違いは?
「プレミアム」は購入者への特典(おまけ)で、射幸心や購買意欲を煽るもの。「記念品」は式典などで配られる思い出の品で、宣伝色は薄めです。これらも広義の「販促品」に含まれます。
さらに解像度を上げるために、周辺の用語との違いも押さえておきましょう。
マーケティング担当者なら、この使い分けができると「おっ、こいつ分かってるな」と思われますよ。
プレミアム(Premium)との違い
プレミアムは、いわゆる「おまけ」や「景品」のことです。
「シールを◯枚集めたら必ずもらえる」とか「対象商品を買うと付いてくる」といったものが該当します。
ノベルティが「認知」なら、プレミアムは「購買の最後の一押し」です。
「このおまけが欲しいから、このお茶を買おう」という動機を作ります。
記念品との違い
創立記念や周年行事、卒業式などで配られるのが記念品です。
ノベルティと似ていますが、記念品は「感謝」や「お祝い」の意味合いが強く、宣伝目的は二の次です。
過度に大きなロゴを入れるよりも、長く使ってもらえる質感が重視されます。
「ノベルティ」と「販促品」の違いをマーケティング視点で解説
マーケティングファネルにおいて、「ノベルティ」は認知・興味関心フェーズ(トップオブファネル)に作用し、「販促品」は比較検討・購入フェーズ(ボトムオブファネル)に作用します。単純接触効果を狙うのがノベルティの本質です。
ここでは少し専門的な視点から、この二つの違いを深掘りしてみましょう。
マーケティングには「ファネル(漏斗)」という考え方がありますよね。
消費者が商品を知ってから購入に至るまでの心理プロセスを図式化したものです。
ノベルティは「ザイオンス効果」を狙う
ノベルティが活躍するのは、ファネルの最上部、つまり「認知」の段階です。
心理学には「ザイオンス効果(単純接触効果)」という法則があります。
これは、「特定の対象に繰り返し接することで、好感度が高まる」という現象です。
デスクの上に置かれたロゴ入りのカレンダーやメモ帳。
これらを毎日目にすることで、無意識のうちにその企業への親近感が湧いてくる。
これこそが、ノベルティが狙うべき科学的な効果なのです。
販促品は「行動変容」を促す
一方で、販促品(特にプレミアム)は、ファネルの下部、「購入」の段階で威力を発揮します。
消費者が「A社の商品とB社の商品、どっちにしようかな」と迷っているとき。
「今ならオリジナルポーチ付き!」という販促品が、決定打となって行動を変容させます(これをコンバージョンと言います)。
つまり、ノベルティは「種まき」、販促品は「収穫」の役割を担っていると言えるでしょう。
予算配分で大失敗?僕が学んだ「目的」の重要性
実は僕も過去に、この違いをあいまいに理解していたせいで、痛い失敗をしたことがあります。
あれは、あるBtoBサービスの展示会に出展したときのことでした。
当時の僕は「とにかくたくさんの人に配って、ブースに来てもらおう!」と意気込み、安価なプラスチックのボールペンを数千本発注しました。
名目は「販促品」費としての計上です。
ブースの前を通る人全員に配りまくり、ボールペンは飛ぶようになくなりました。
「よし、これで認知拡大だ!」と喜んだのも束の間。
後日、営業チームから厳しいフィードバックが返ってきたんです。
「集まった名刺のほとんどが、サービスに関心のない人ばかりだ。しかも、商談の場であのペンを使っているお客様は一人もいないよ。安っぽすぎてすぐに捨てられたんじゃないか?」
顔から火が出るような思いでした。
僕は「認知(ノベルティの領域)」と「集客(販促の領域)」を混同していたんです。
ただ配ればいいという思考停止に陥っていました。
本当に必要だったのは、ターゲットを絞り込み、商談に進んでくれた人だけに渡す「質の高いノベルティ」か、あるいはその場でのデモ体験を促すための「魅力的な販促品」だったはずです。
「誰に、どういう行動をしてほしいから、これを渡すのか?」
この問いに答えられないままグッズを作っても、それはただの「無駄遣い」になってしまう。
この苦い経験から、言葉の定義だけでなく、その裏にある「戦略」を考えることの大切さを学びました。
あなたには、同じ失敗をしてほしくありません。
「ノベルティ」と「販促品」に関するよくある質問
最後に、現場でよく聞かれる疑問についてQ&A形式で答えていきますね。
迷ったときの参考にしてください。
Q. ノベルティに高価なものを選んでもいいですか?
目的によりますが、基本的には避けたほうが無難です。
ノベルティは不特定多数に配るものなので、単価が高いと予算を圧迫します。
また、景品表示法などの法律により、提供できる物品の価格には上限がある場合も。
高価なものを渡したいなら、成約記念などの「記念品」や、特定の条件を満たした人への「プレミアム」として設定するのが賢い戦略です。
Q. 社名はどこまで大きく入れるべき?
これは悩みどころですよね。
ノベルティなら社名は必須ですが、大きすぎると「使いにくい」と敬遠され、捨てられるリスクが高まります。
最近のトレンドは、デザインに馴染むようにさりげなくロゴを入れるスタイルです。
「使ってもらってこそのザイオンス効果」だということを忘れないでくださいね。
Q. 領収書の但し書きはどうすればいい?
一般的にはどちらも「広告宣伝費」や「販売促進費」として処理されることが多いですが、税務上の区分は会社のルールや金額によります。
但し書きには「ノベルティ代(ボールペン制作費など)」や「販促品代」と具体的に書いておくと、後から経理担当者に聞かれたときにスムーズですよ。
「ノベルティ」と「販促品」の違いのまとめ
ここまで、「ノベルティ」と「販促品」の違いについて解説してきました。
最後に、もう一度ポイントを振り返ってみましょう。
- ノベルティ:認知拡大が目的。無料で配る名入れグッズ。「種まき」の役割。
- 販促品:売上アップが目的。購入を促すための道具や景品。「収穫」の役割。
- 使い分け:ターゲットが「まだ見ぬ客(潜在層)」ならノベルティ、「迷っている客(顕在層)」なら販促品。
ぜひ、あなたのビジネスに最適なグッズを選んで、大きな成果につなげてくださいね。
なお、マーケティングの現場では、他にも似たような言葉がたくさん飛び交います。
以下の記事も参考にして、言葉の解像度をさらに高めてみてはいかがでしょうか。
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