「事例」と「実例」の違い!もうプレゼン資料で間違えない使い分け方

「事例」と「実例」、どちらの言葉を使えばいいか迷った経験はありませんか?

実はこの2つの言葉、「過去の出来事」か「現実に存在する事実」かで使い分けるのが基本です。

この記事を読めば、それぞれの言葉の核心的なイメージから具体的な使い分けまでスッキリと理解でき、もう企画書やプレゼンで迷うことはありません。

それでは、まず最も重要な違いから見ていきましょう。

結論:一覧表でわかる「事例」と「実例」の最も重要な違い

【要点】

基本的には過去に起きた参考になる出来事を指すなら「事例」、今現実に存在している事実や実物を指すなら「実例」と覚えるのが簡単です。

まず、結論からお伝えしますね。

この二つの言葉の最も重要な違いを、以下の表にまとめました。

これさえ押さえれば、基本的な使い分けはバッチリでしょう。

項目事例(じれい)実例(じつれい)
中心的な意味過去に実際にあった出来事の例現実に存在している事実の例
フォーカスする対象出来事、ケース、プロセス実物、事実、具体的な証拠
使われるシーン問題解決の参考、ビジネスのケーススタディ文法の説明、現物の提示、事実の証明
英語表現case, precedentexample, instance

表を見るとわかるように、「事例」は過去の出来事を参考にしたいときに使われます。

一方で、「実例」は実際に存在している事実や実物を示したいときに使われます。

たとえばマーケティングの現場では、「他社の成功事例」とは言いますが、「他社の成功実例」とはあまり言いませんよね。

なぜこのような違いが生まれるのでしょうか。

次の見出しで、漢字の意味から深く掘り下げてみましょう。

なぜ違う?漢字の成り立ち(語源)からイメージを掴む

【要点】

「事」は無形の出来事を表し、「実」は有形の事実や実物を表します。この成り立ちの違いが、そのまま2つの言葉のニュアンスの違いに直結しています。

言葉の使い分けに迷ったら、漢字そのものが持つ意味をイメージするとわかりやすいです。

それぞれの漢字の成り立ちを見ていきましょう。

「事例」は「事(できごと)」の例

「事」という漢字は、行い、できごと、事柄を意味します。

そこに「例(ためし)」が組み合わさることで、「過去に起きた出来事の例」という意味になります。

つまり、形のないプロセスや状況をピックアップして、他者の参考に供するニュアンスが強いのです。

ビジネスにおいて「ケーススタディ」と呼ばれるものは、まさにこの「事例」に該当します。

「実例」は「実(まこと)」の例

一方、「実」という漢字には、まこと、中身が詰まっていること、現実に存在すること、といった意味があります。

つまり「実例」とは、「現実に存在している例」や「事実としての例」を指します。

目の前に提示できるものや、疑いようのない事実としてそこにあるものを指し示すときに適している言葉です。

「文法の実例を挙げる」というように、具体的な証拠として提示するイメージですね。

具体的な例文で使い方をマスターする

【要点】

「事例」は他者の参考となる過去の出来事に、「実例」は主張を裏付けるための現実に存在する事実に使われます。文脈に合わせて適切に使い分けることが重要です。

ここでは、ビジネスや日常のシーンを想定して、具体的な使い方を見ていきましょう。

OK例だけでなくNG例も知ることで、より正確な使い分けが身につくはずです。

「事例」を使ったOK例文

・新商品のプロモーション企画を立てるにあたり、競合他社の成功事例をリサーチした。

・過去のクレーム事例をデータベース化し、社員教育に役立てる。

・このシステムを導入した企業の導入事例をウェブサイトで公開する。

これらの例文はすべて、過去の出来事や状況を「参考」として扱っています。

「実例」を使ったOK例文

・この特殊な塗料が使われている実例として、こちらのサンプルをご覧ください。

・日本語の乱れについて、最近のSNSの投稿から実例を挙げて説明する。

・理論ばかりではなく、実際にうまくいっている実例を見せてほしい。

こちらは、実物や具体的な事実を「証拠」として提示しているのがわかりますね。

よくあるNG例文とその理由

【NG例】 当社が手がけたコンサルティングの実例をご紹介します。

この場合、クライアントの過去の取り組みという「出来事」を紹介しているため、「実例」よりも「事例」とするのが自然です。

【NG例】 不良品が混入していた事例が目の前にあります。

目の前にある「実物」を指し示しているため、ここは「事例」ではなく「実例」を使うのが適切でしょう。

「事例」と「実例」の違いを専門的な視点から解説

【要点】

公的な文章や学術的な場面でも、「事例」と「実例」は厳密に区別されています。参考にする対象が「事柄」か「事実」かという定義に忠実であることが求められます。

言葉の使い分けは、公的な機関の指針などでも注意深く扱われています。

たとえば、文化庁の国語施策情報などを参考にすると、言葉の定義がいかに重要かがわかりますね。

専門的な視点で見ると、「事例」はあくまで「事柄」に重きを置いています。

つまり、「Aという状況でBという対応をした結果、Cになった」という一連のプロセスを含意していることが多いのです。

そのため、ビジネス書や論文では「ケース(Case)」の訳語として「事例」が定着しています。

一方で、「実例」は「事実」に重きを置いています。

「こういうものが存在する」という事実そのものを証明するための客観的なデータやサンプルとして扱われます。

もしあなたが公式なレポートを書く立場なら、この微妙なニュアンスの違いを理解しておくことで、文章の説得力が格段に向上するはずです。

僕が「実例」と書いて赤面した新人時代の体験談

僕も新人時代、この「事例」と「実例」の使い分けで冷や汗をかいたことがあります。

マーケティング会社に入社して半年が経ち、初めてクライアントへの提案書の作成を任されたときのことです。

少しでも説得力を持たせようと、僕は過去に自社が手がけた他のキャンペーンの資料をかき集めました。

そして、スライドのタイトルに堂々と「過去のプロモーション実例」と打ち込んだのです。

自信満々で上司にレビューをお願いしたところ、上司は赤ペンを持ちながら静かに言いました。

「ここ、過去の取り組みのプロセスを紹介しているんだよね?だったら『実例』じゃなくて『事例』のほうが適切だよ」

僕はハッとしました。

僕は「実際にあった例」だから「実例」だと単純に思い込んでいたのです。

しかし、そこで説明しようとしていたのは目の前にある物理的なものではなく、過去にどのような施策を行い、どういう結果が出たかという「出来事(ストーリー)」でした。

上司は優しく指摘してくれましたが、言葉の持つ本質的な意味を理解できていなかった自分が恥ずかしく、顔が熱くなったのを覚えています。

この経験から、言葉を使うときは、その言葉が指し示す対象が何なのかを正確に見極めることが大切だと学びました。

それ以来、辞書を引くクセがつき、言葉の解像度が上がったように感じています。

「事例」と「実例」に関するよくある質問

ここでは、読者の方からよく寄せられる疑問にお答えします。

Q. 「成功事例」と「成功実例」、どちらが正しいですか?

A. 一般的なビジネスシーンでは「成功事例」が多く使われます。他社の成功した「出来事やプロセス」を参考にすることが多いためです。

Q. 目の前にある商品のサンプルを見せるときはどちらを使いますか?

A. 「実例」が適しています。実際に存在している「実物」を指し示しているためです。

Q. 英語に翻訳する場合、明確な違いはありますか?

A. 文脈によりますが、「事例」は case(ケース)、「実例」は example(イグザンプル)や instance(インスタンス)と訳されることが多いです。

「事例」と「実例」の違いのまとめ

今回は「事例」と「実例」の違いについて詳しく解説しました。

最後にもう一度、重要なポイントをおさらいしておきましょう。

  • 事例:過去に実際にあった出来事の例。参考にしたいプロセスやケースを指す。
  • 実例:現実に存在している例。事実や実物など、証拠として提示するものを指す。

ビジネスの現場では、適切な言葉選びが信頼感に直結します。

企画書やプレゼン資料を作成する際、今自分が伝えたいのは「過去のストーリー(事例)」なのか、それとも「現実に存在する証拠(実例)」なのかを少し立ち止まって考えてみてください。

そうすることで、あなたの言葉はより相手の心に響くようになるでしょう。

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