「評価金額」と「取得金額」、投資や資産管理の画面でこの二つの言葉が並んでいて、どちらが何を表しているのか迷った経験はありませんか?
実はこの2つの言葉、「いま現在の価値」か「過去に買った時の値段」かという非常にシンプルな違いで使い分けられています。
この記事を読めば、証券会社の口座画面や不動産の書類を見るときに、資産の状況がはっきりと理解でき、もう数字の意味で迷うことはありません。
それでは、まず最も重要な違いから見ていきましょう。
結論:一覧表でわかる「評価金額」と「取得金額」の最も重要な違い
基本的には、いま売却したらいくらになるかを示すのが「評価金額」であり、過去にそれを手に入れるために支払った合計額を示すのが「取得金額」です。
まず、結論からお伝えしますね。
この二つの言葉の最も重要な違いを、以下の表にまとめました。
これさえ押さえれば、基本的な使い分けはバッチリです。
| 項目 | 評価金額 | 取得金額 |
|---|---|---|
| 中心的な意味 | いま現在の市場価格(時価)で換算した金額 | 過去に手に入れるために支払った金額(元本) |
| 時間の軸 | 現在(いま) | 過去(買った時) |
| 変動の有無 | 日々変動する | 買い増し等がない限り変動しない |
| 最大のメリット | いま売却したらいくら手に入るか、リアルな資産価値がわかる | 自分がいくら投資したか、元本の正確な金額がわかる |
| 最大のデメリット | 相場の変動によって大きく増減するため、一時的な数字に過ぎない | 現在の実際の価値を反映していない |
表を見るとわかるように、今の価値を知りたいか、元々いくら払ったかを知りたいかで使い分けが分かれています。
特に投資の世界では、この二つの差額がそのまま「利益」や「損失」になるため、両方をセットで確認することが非常に重要です。
なぜ違う?言葉の意味と仕組みからイメージを掴む
「評価金額」は中古ショップで査定してもらった時の買取価格のイメージ、「取得金額」は新品でお店から買った時のレシートに印字されている合計金額のイメージを持つと理解しやすくなります。
資産運用の現場で必ず登場するこれらの用語ですが、そもそもどういう仕組みなのでしょうか。
それぞれの言葉の成り立ちや、日常的な買い物に例えてイメージを掴んでいきましょう。
「評価金額」の仕組みとイメージ
評価金額とは、保有している資産を「いま現在の市場価格」で評価し直した金額のことです。
たとえば、あなたが人気の限定スニーカーを持っているとします。
そのスニーカーを今すぐフリマアプリに出品したり、買取専門店に持ち込んだりしたときに「いくらの値段がつくか」が評価金額に該当します。
もし需要が高まっていれば買った時より高い値段がつきますし、逆に人気が落ちていれば安い値段しかつきません。
常に相場の波に揺られて変動する、いまのリアルな価値だと覚えておきましょう。
「取得金額」の仕組みとイメージ
一方、取得金額とは、その資産を手に入れるために「過去に支払ったお金の総額」のことです。
先ほどのスニーカーの例で言えば、お店で買ったときのレシートに書かれている金額そのものですね。
投資信託や株式の世界では、購入したときの単価に数量を掛けたものに、購入時にかかった手数料などを足した金額が「取得金額(取得価額)」となります。
あなたが財布から実際に支払った元手であり、あとから変わることはない確固たる事実と言えます。
具体的な例文で使い方をマスターする
「評価金額」は現在の資産の状況や相場の変動を語る文脈で、「取得金額」は投資した元本や税金計算の基準を語る文脈で使われます。
意味と仕組みがわかったところで、実際のビジネスシーンや日常でどのように使われるのかを見ていきましょう。
具体的な例文を通して、言葉のニュアンスを感じ取ってくださいね。
「評価金額」の正しい使い方と例文
現在の資産状況を確認したり、相場変動の影響を話題にしたりする場面でよく使われます。
- ビジネスでのOK例:
「昨日の株価急落の影響で、お客様の保有資産の評価金額が大きく減少しております」 - 日常でのOK例:
「証券口座にログインしたら、投資信託の評価金額がプラスになっていて安心した」 - NGな使い方(不自然な例):
「この株を買うのにいくら払ったか忘れたから、評価金額を見て確認しよう」
(※買った時の値段を確認したい場合は、「取得金額」を見る必要があります)
「取得金額」の正しい使い方と例文
投資の元本を確認したり、利益を計算するための基準として使われます。
- ビジネスでのOK例:
「不動産を売却した際の税金は、売却価格から取得金額と諸経費を差し引いた利益に対してかかります」 - 日常でのOK例:
「毎月コツコツ積み立てているから、取得金額の合計がようやく100万円を超えたよ」 - NGな使い方(不自然な例):
「最近は円安が進んでいるから、私の外貨預金の取得金額も増えているはずだ」
(※相場変動によって増減するのは「評価金額」であり、「取得金額」は勝手に増えません)
「評価金額」と「取得金額」の違いを専門的に解説
投資信託の運用成績は「評価金額」から「取得金額」を引いた差額(評価損益)で把握し、売却時の税金は「取得金額」をベースに譲渡所得を計算するという厳格なルールがあります。
ここからは応用編として、少し専門的な視点から二つの違いを掘り下げてみましょう。
資産運用や税金の計算において、この二つの概念は絶対に避けて通れない重要な指標となります。
投資信託や株式における使い分け(時価と簿価)
証券会社の画面を見ると、必ずと言っていいほど「評価金額」と「取得金額(または投資金額)」が並んで表示されています。
会計の専門用語では、評価金額を「時価(現在の価格)」、取得金額を「簿価(帳簿上の価格)」と呼びます。
投資家が最も気にするのは、この二つの差額である「評価損益」です。
評価金額が取得金額を上回っていれば「含み益」、下回っていれば「含み損」が出ている状態ですね。
あくまで確定していない見せかけの利益・損失であることを理解しておくことが大切です。
税金(譲渡所得)の計算における決定的な違い
株式や不動産を売却して利益が出た場合、国に税金(譲渡所得税)を納める必要があります。
この税金計算において、「取得金額」は極めて重要な役割を果たします。
利益は「売却した金額」から「取得金額(購入代金+手数料)」を引いて計算されるからです。
厚生労働省トップページ等で社会保障の負担額を調べる際にも、所得の正確な計算は欠かせません。
もし取得金額がわからなくなってしまうと、売却額の多くが利益と見なされてしまい、余計な税金を払う羽目になることもあるので注意が必要です。
僕が投資信託の画面を見て「評価金額」を勘違いした体験談
ここで、僕が初めて投資信託を買った頃の、ちょっと恥ずかしい体験談をお話しさせてください。
毎月少しずつお金を積み立てる設定をして、半年ほど経ったある日のこと。
久しぶりに証券会社のアプリを開いてみると、画面に大きく「評価金額:105,000円」と表示されていました。
僕はそれを見て、「やった!半年で10万5千円も儲かったんだ!」とすっかり舞い上がってしまったのです。
嬉しくて友人に自慢げに話すと、友人は呆れたような顔をして言いました。
「それ、自分が今まで積み立てた元本も含まれてる数字だよ。儲かってるのは『評価金額』から『取得金額』を引いた分だけだからね」
慌てて画面をよく見直すと、小さく「取得金額:100,000円」「評価損益:+5,000円」と書かれていました。
「評価金額」とは、利益のことではなく「元本+利益の合計」のことだったのです。
10万円も儲かったと勘違いして、危なくその日の夜に高級焼肉を奢ってしまうところでした。
数字の定義を正しく理解していないと、ぬか喜びしたり、無駄遣いしたりする原因になると身をもって学んだ出来事です。
「評価金額」と「取得金額」に関するよくある質問
最後に、これら二つの言葉について、よく寄せられる疑問にお答えします。
Q. 投資信託の画面で「評価金額」が「取得金額」を下回っているのですが、どういうことですか?
相場が下落して、あなたが買った時(取得金額)よりも現在の価値(評価金額)が下がっている状態です。いわゆる「元本割れ」や「含み損」を抱えていることを意味します。
Q. 不動産の「取得金額」には、購入時の手数料なども含まれますか?
はい、含まれます。不動産や株式を購入する際にかかった仲介手数料や、購入にかかる税金などは、原則として取得金額に含めて計算されます。
Q. 「評価金額」は毎日変わるものですか?
投資対象によります。株式や一般的な投資信託であれば、市場が開いている日は毎日変動します。一方で、定期預金などの元本保証型商品の場合は、利息がつくタイミング以外で評価金額が変動することはありません。
「評価金額」と「取得金額」の違いのまとめ
ここまで「評価金額」と「取得金額」の違いについて詳しく解説してきました。
最後に、記事の重要ポイントを振り返っておきましょう。
- 評価金額は「いま現在の市場価値(時価)」であり、相場によって日々変動する。
- 取得金額は「過去に手に入れるために支払った合計額(元本)」であり、買い増し等がなければ変動しない。
- 投資の利益や損失は、評価金額から取得金額を引くことで計算できる。
- 売却時の税金計算には、正確な「取得金額」を把握しておくことが不可欠である。
- 評価金額は「利益そのもの」ではないので、勘違いしないよう注意が必要である。
資産管理の画面を見たときに、この二つの数字の意味がわかるだけで、自分の置かれている状況が冷静に判断できるようになります。
今回の知識を活かして、一喜一憂せず賢く資産を管理していきましょう。
なお、他の業界用語やビジネス用語の違いについてもっと知りたい方は、業界用語の使い分けまとめ記事もぜひチェックしてみてくださいね。
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