「べんりで酢」と「かんたん酢」の違い!成分・価格・使い分けを徹底比較

「べんりで酢」と「かんたん酢」、どちらもこれ一本で味が決まると評判の調味酢ですが、一体何が違うのか迷ったことはありませんか?

名前もコンセプトも似ていますが、実はこの2つ、「甘みの成分(オリゴ糖か果糖ぶどう糖液糖か)」と「入手しやすさ」に決定的な違いがあるのです。

この記事を読めば、あなたの健康意識や料理のスタイルに合った一本を選べるようになり、毎日の食事作りがもっと楽しく、美味しくなります。

それでは、まず最も重要な違いの結論から見ていきましょう。

結論:一覧表でわかる「べんりで酢」と「かんたん酢」の最も重要な違い

【要点】

最大の違いは原材料へのこだわりと入手性です。「べんりで酢」はオリゴ糖を使用し4種のお酢をブレンドした無添加志向の逸品ですが、「かんたん酢」はレモン果汁や果糖ぶどう糖液糖を使った、安価で手に入りやすい万能選手です。

まずは、結論からお伝えしますね。

この二つの調味酢の決定的な違いを、以下の表にまとめました。これを見れば、どちらが今のあなたに必要かがすぐに分かります。

項目べんりで酢(トキワ)カンタン酢(ミツカン)
甘みの素ガラクトオリゴ糖、砂糖果糖ぶどう糖液糖、砂糖
お酢の種類リンゴ酢、米酢、穀物酢、醸造酢(4種ブレンド)醸造酢、米酢、リンゴ酢
味の特徴ツンとこない、深みのあるまろやかさ甘みが強い、レモンの爽やかさ
添加物化学調味料・保存料無添加酸味料、調味料(アミノ酸等)
入手性通販、一部スーパー、道の駅全国のスーパー、コンビニ
価格(目安)約800〜1,000円 / 1L約400〜500円 / 500ml

一番大切なポイントは、「健康や素材へのこだわり」を重視するならべんりで酢、「コスパと手軽さ」を重視するならかんたん酢という選び方が基本になることです。

定義とメーカーの違い|兵庫の老舗vs全国の大手

【要点】

「べんりで酢」は兵庫県香美町の株式会社トキワが製造する、カニ酢をルーツに持つこだわりの合わせ酢です。「カンタン酢」は大手メーカーのミツカンが製造する、全国どこでも買える家庭の味方です。

似たような名前ですが、作っている会社や背景には大きな違いがあります。

べんりで酢:香住(かすみ)のカニから生まれた名脇役

「べんりで酢」を作っているのは、兵庫県香美町にある株式会社トキワです。

もともとは、地元の特産品である「香住ガニ(ベニズワイガニ)」を美味しく食べるための「カニ酢」として開発されました。

「カニの繊細な甘みを邪魔せず、もっと美味しくするお酢を」という要望から生まれたため、酸味がマイルドで素材の味を引き立てるのが得意です。

かんたん酢:食卓革命を起こした大ヒット商品

「カンタン酢」は、お酢業界の巨人、ミツカンの主力商品です。

「お酢料理は味が決まらなくて難しい」という主婦の悩みを解決するために開発され、2020年には累計販売本数が1億本を突破した大ヒット商品です。

「これ一本で味が決まる」というコンセプト通り、調味の手間を極限まで減らす工夫が凝らされています。

原材料と成分の違い|オリゴ糖か果糖ぶどう糖液糖か

【要点】

「べんりで酢」は腸内環境に優しいガラクトオリゴ糖を使用し、4種類のお酢をブレンドしています。「かんたん酢」は甘みの強い果糖ぶどう糖液糖をベースに、レモン果汁で爽やかさをプラスしています。

裏面のラベルを見ると、その味の設計思想の違いがよく分かります。

べんりで酢:体に優しいオリゴ糖

べんりで酢の最大の特徴は、甘み付けに「ガラクトオリゴ糖」を使用している点です。

オリゴ糖はビフィズス菌のエサになるため、お腹の調子を整えたい方や、急激な血糖値上昇を気にする方には嬉しい成分です。

また、リンゴ酢・米酢・穀物酢・醸造酢の4種類をブレンドすることで、単調ではない奥深い酸味を作り出しています。

かんたん酢:ガツンと甘い果糖ぶどう糖液糖

かんたん酢の原材料の筆頭は「果糖ぶどう糖液糖」です。

これは清涼飲料水などにも使われる甘味料で、冷たくても強い甘みを感じさせます。

さらに「レモン果汁」を加えることで、強い甘みをスッキリと引き締め、洋風の料理にも合いやすい味に仕上げています。

味・香り・酸味の違い|まろやかブレンドとレモンの爽やかさ

【要点】

「べんりで酢」はツンとくる刺激が少なく、出汁の旨味が効いたまろやかな味わいです。「かんたん酢」は甘みが強く、レモンの風味が爽やかで、子供でも食べやすいはっきりとした味付けです。

実際に舐め比べてみると、その違いは歴然です。

べんりで酢:飲めるほどまろやか

口に含むと、まず感じるのは「優しさ」です。

お酢特有のツンとくる刺激が極限まで抑えられており、かつおと昆布の出汁の風味がじんわりと広がります。

酸っぱいのが苦手な男性や子供でも、「これなら食べられる」と言うことが多いのも納得の味です。

かんたん酢:甘酸っぱくてフルーティー

こちらは口に入れた瞬間に、しっかりとした甘さとレモンの爽やかな香りが広がります。

酸味は控えめですが、味が濃いめなので、少量をかけるだけでもしっかりと「味付け」ができます。

酢の物だけでなく、肉料理のソースとしても負けないパンチ力があります。

料理での使い分け・相性の良い食材

【要点】

素材の味を活かしたい酢の物やピクルスには「べんりで酢」、照り焼きや甘酢炒めなどこってりした料理には「かんたん酢」が適しています。べんりで酢は「和風だし」の代わりにもなり、かんたん酢は「甘酢あん」として優秀です。

それぞれの特徴を活かした使い分けを紹介します。

べんりで酢が輝く料理

  • 酢の物・南蛮漬け:出汁の旨味が野菜や魚に染み込み、料亭のような上品な味になります。
  • ピクルス:野菜本来の味を邪魔せず、サラダ感覚でバリバリ食べられます。
  • ちらし寿司:ご飯に混ぜてもベチャッとなりにくく、上品な甘さの酢飯ができます。
  • カニ・魚介類:元がカニ酢なだけあり、魚介との相性は抜群です。

かんたん酢が輝く料理

  • 鶏の照り焼き:焼いたお肉に絡めるだけで、テリテリの美味しい照り焼きになります。
  • ピクルス(洋風):レモンの風味が効いているので、パプリカやセロリなど洋野菜によく合います。
  • 酢豚・甘酢炒め:甘みが強いので、追加の砂糖なしでバシッと味が決まります。
  • マリネ:オリーブオイルと混ぜるだけで、即席のドレッシングになります。

価格・入手性の違い|スーパーで買えるのは?

【要点】

「かんたん酢」は全国のスーパーやドラッグストアで安価に購入できますが、「べんりで酢」は取り扱い店舗が限られており、主に通販や特定のスーパー、道の駅などで販売されています。価格もべんりで酢の方がやや高価です。

毎日使う調味料ですから、買いやすさも重要なポイントですよね。

かんたん酢:どこでも買える安心感

ミツカンの商品は流通網が完璧です。近所のコンビニでも見かけることがあるくらい、どこでも手に入ります。

価格も500mlで300円〜400円程度と手頃で、特売にかかることも多いのが魅力です。

べんりで酢:探してでも買いたい名品

一方、べんりで酢は「知る人ぞ知る」商品です。

関西地方のスーパーや、高級スーパー(成城石井や北野エースなど)では見かけますが、全国どこでもというわけにはいきません。

基本は公式通販や楽天市場などを利用することになります。価格は1Lで800円〜1000円程度と、かんたん酢の倍近い値段になることもありますが、その味を知るとリピートする人が後を絶ちません。

僕が「べんりで酢」と「かんたん酢」を使い分けて感じた決定的な差

僕も最初は「かんたん酢」ユーザーでした。スーパーで特売していたのをきっかけに使い始め、鶏肉を焼いて絡めるだけで絶品の「鶏のさっぱり煮」ができることに感動したのを覚えています。

「これさえあれば料理上手じゃん!」と調子に乗っていたある日、友人から「これも美味しいよ」と「べんりで酢」をプレゼントされました。

正直、「お酢なんてどれも一緒でしょ?」と思っていました。

しかし、きゅうりとワカメの酢の物を作ってみて驚愕しました。

「……料亭の味がする!」

かんたん酢で作る酢の物は「甘くて美味しい家庭の味」なのですが、べんりで酢で作ったそれは、出汁の香りが鼻に抜け、酸味がとげとげしくなく、野菜の味が生き生きとしていたんです。

一方で、鶏の照り焼きに使ってみると、べんりで酢では少し上品すぎてパンチが足りず、かんたん酢のあのガツンとした甘みと照りが恋しくなりました。

それ以来、僕の中での使い分けは明確です。

  • 野菜や魚をさっぱり食べたい時、酢の物を作るときは「べんりで酢」
  • お肉をガッツリ食べたい時、子供ウケする味にしたい時は「かんたん酢」

この二刀流が、我が家の食卓を支えています。

「べんりで酢」と「かんたん酢」に関するよくある質問

Q. カロリーや糖質はどちらが低いですか?

A. 商品の栄養成分表示を見ると、大さじ1杯あたりの炭水化物(糖質)は、べんりで酢が約8.9g、かんたん酢が約5.3g〜5.8g程度です。意外にも、べんりで酢の方が糖質が高い数値になることがありますが、これはオリゴ糖を含んでいるためです。単純なカロリーではかんたん酢の方が低い傾向にありますが、添加物や糖の質(オリゴ糖か果糖ぶどう糖液糖か)で選ぶのが良いでしょう。

Q. それぞれ代用は可能ですか?

A. 可能です。ただし、かんたん酢をべんりで酢の代用にする場合は、出汁の風味が足りないので「だし汁」や「白だし」を少し足すと近づきます。逆にべんりで酢をかんたん酢の代用にする場合は、甘みが上品すぎるので「砂糖」を少し足すと、照り焼きなどが上手くいきます。

Q. 開封後の賞味期限はどのくらいですか?

A. どちらも保存料が入っていない(または少ない)ため、開封後は冷蔵庫で保管し、なるべく早めに使い切ることが推奨されています。目安としては1〜2ヶ月以内が美味しく食べられる期間でしょう。色が濃くなることがありますが、これは糖分とお酢のアミノ酸が反応したもので、味には問題ないことが多いです。

「べんりで酢」と「かんたん酢」の違いまとめ

ここまで「べんりで酢」と「かんたん酢」の違いについて解説してきました。

最後に、選び方のポイントをまとめておきます。

  • 「べんりで酢」を選ぶべき人:添加物を気にする人、酸味のツンとした感じが苦手な人、和食(特に酢の物)を美味しく作りたい人。
  • 「かんたん酢」を選ぶべき人:スーパーで手軽に買いたい人、肉料理などメインのおかずに使いたい人、コスパを重視する人。

どちらも「かけるだけ・混ぜるだけ」で料理が完成する魔法の調味料であることに変わりはありません。

あなたの食卓に並ぶ料理の傾向に合わせて、ベストな一本を選んでみてくださいね。

もし、他のお酢や調味料の使い分けについても気になったら、調味料の違いまとめ記事もぜひチェックしてみてください。