チョウムチョロムとチャミスル、どちらも韓国ドラマや韓国料理店でお馴染みの、あの緑色の小瓶に入った韓国焼酎(ソジュ)ですよね。
見た目がそっくりなため、「何が違うの?」と疑問に思う方も多いかもしれません。
実はこの二つ、韓国の焼酎市場を二分する巨大なライバルブランドであり、製造元も、こだわっているポイントも全く異なります。
「チャミスル」が竹炭ろ過による「スッキリ・クリア」な味わいを追求するのに対し、「チョウムチョロム」はアルカリ還元水を使用した「まろやか・やわらか」な口当たりを最大の売りにしています。
この記事を読めば、二大ブランドの個性、味の違い、そしてどちらを選ぶべきかが明確に分かります。あなたのソジュ選びがもっと楽しくなるはずですよ。
それでは、両者の決定的な違いから見ていきましょう。
結論|チョウムチョロムとチャミスルの決定的な違いとは?
チョウムチョロムとチャミスルの最も決定的な違いは「製造元」と「味わいのコンセプト」です。チャミスルは「ハイト眞露(ジンロ)」社製で、竹炭ろ過による雑味のないクリアでキレのある味わいが特徴の、韓国No.1ブランドです。一方、チョウムチョロムは「ロッテ酒類」社製で、アルカリ還元水を使用することによる口当たりのまろやかさと、ほのかな甘みを特徴としています。
どちらも韓国焼酎(ソジュ)の「希釈式焼酎」というカテゴリーに属し、製造方法の基本は似ています。
しかし、チャミスルが「竹炭ろ過」を徹底して雑味を取り除くことをアイデンティティにしているのに対し、チョウムチョロムは「水」そのものに着目し、アルカリ還元水を使うことで酒質をやわらかく仕上げている点が対照的です。
例えるなら、チャミスルが「キレのある辛口」、チョウムチョロムが「まろやかな甘口」といったイメージの違いがあり、韓国国内でも好みによって人気が二分されています。
チョウムチョロムとチャミスルの基本情報(製造元・ブランド)
チョウムチョロムは「ロッテ酒類(Lotte Chilsung Beverage)」の主力焼酎ブランドです。対するチャミスルは、ライバル企業である「ハイト眞露(HITEJINRO)」の主力焼酎ブランドであり、韓国市場で最大のシェアを誇ります。
この二つは、例えるなら日本のビール市場におけるアサヒとキリンのような、強力なライバル関係にあります。
「チョウムチョロム(Cheoeum Cheoreom)」とは?
「チョウムチョロム」は、韓国語で「初めてのように」という意味を持つ、ロッテ酒類が製造・販売するソジュブランドです。
2006年に登場した後発ブランドですが、「アルカリ還元水で造ったやわらかいソジュ」というコンセプトが受け入れられ、急速にシェアを拡大しました。
活性炭で丁寧にろ過した水で仕込んでおり、ほのかな甘みとまろやかな口当たりが特徴です。特に若者からの支持を集めています。
「チャミスル(Chamisul)」とは?
「チャミスル」は、韓国語で「真の露」という意味を持ち、ハイト眞露(HITEJINRO)が製造する、韓国国内シェアNo.1の国民的ソジュブランドです。
1998年の発売以来、そのクリアな味わいで圧倒的な人気を誇ります。
日本では近年の韓国ドラマブームにより、緑の小瓶のイメージと共に人気が爆発しました。フレーバータイプ(マスカットなど)のヒットが先行しましたが、韓国ではプレーンタイプ(フレッシュなど)が主流です。
原材料と製造方法の違い(ベースは同じ希釈式ソジュ)
どちらも米、麦、サツマイモ、タピオカなどの穀物を原料とした純度の高いアルコール(酒精)に水を加えて造る「希釈式焼酎」です。製造方法の根本的な違いはありませんが、チャミスルは独自の「竹炭ろ過」を、チョウムチョロムは「アルカリ還元水の使用」を、それぞれ味の決め手としています。
共通点:希釈式焼酎としての製法
チョウムチョロムもチャミスルも、日本の「甲類焼酎」とほぼ同じ「希釈式焼酎」です。
サツマイモやタピオカ、米、麦などの穀物を原料に、連続式蒸留機で蒸留を繰り返し、純度95%以上の非常にクリアなアルコール(酒精)を造ります。
このままでは飲めないため、この酒精に水を加えてアルコール度数を調整し、さらに甘味料(ステビア、果糖など)や酸味料を加えて、飲みやすい味わいに仕上げます。
最大の違い:こだわりの「水」と「ろ過」
基本的な製法は同じですが、最終的な味わいを決める「水」と「ろ過」に各社のこだわりが表れています。
チャミスルのこだわり:「竹炭ろ過」
チャミスルは、製造工程で竹炭を使った精密なろ過を4回(または3回)も繰り返します。
これにより、アルコールの刺激臭や雑味の原因となる不純物を徹底的に除去し、ブランドの命である「スッキリ」「クリア」な味わいを実現しています。
チョウムチョロムのこだわり:「アルカリ還元水」
チョウムチョロムは、割水(アルコールの度数を調整するために加える水)に「アルカリ還元水」を使用しています。
アルカリ性の水は、アルコールとよく混ざり合い、口当たりを「やわらかく」「まろやか」にすると謳っています。
また、チャミスルよりも甘味料の添加がやや多めで、ほのかな甘みを感じやすいのも特徴です。
味・香り・アルコール度数の違いを徹底比較
プレーンタイプで比較すると、チョウムチョロムはまろやかでほのかに甘い口当たり、チャミスルは雑味がなくシャープでキレのある辛口と対照的です。アルコール度数はどちらも16%台が主流ですが、チャミスルの方が高アルコールの「オリジナル」(20.1%)なども展開しています。
比較表|チョウムチョロムとチャミスルの違い一覧
| 項目 | チョウムチョロム | チャミスル |
|---|---|---|
| 製造元 | ロッテ酒類 | ハイト眞露(JINRO) |
| 味わいの特徴 | まろやか、やわらかい、ほのかな甘み | クリア、スッキリ、シャープなキレ |
| 製法のこだわり | アルカリ還元水を使用 | 竹炭ろ過(3~4回) |
| 主な度数(プレーン) | 16.0%〜16.5% | 16%(フレッシュ)、20.1%(オリジナル) |
| 主な度数(フレーバー) | 12% | 13% |
| 主なフレーバー | ゆず、ピーチ、ヨーグルト、ぶどうなど | マスカット、すもも、グレープフルーツ、いちごなど |
アルコール度数のラインナップ(プレーンタイプの違い)
韓国のソジュ市場では、年々アルコール度数が低くなる「低度数化」が進んでいます。
現在、両ブランドの主力プレーン商品は、チャミスル・フレッシュ(16%)とチョウムチョロム(16.0%~16.5%)で、アルコール度数はほぼ同じです。
ただし、チャミスルには昔ながらの飲みごたえがある「オリジナル」(20.1%)といった高めの度数のラインナップも存在します。
味わいと香りの違い(まろやか vs クリア)
同じアルコール度数でも、飲み比べると個性は明確です。
チョウムチョロムは、アルカリ還元水の影響か、口当たりが非常になめらかです。
アルコールのツンとした刺激が少なく、ほのかな甘みが後口に残ります。まさに「初めてのように」という名前の通り、「やさしい」「飲みやすい」という表現がぴったりです。
チャミスル・フレッシュは、竹炭ろ過の名の通り、極めてクリアで雑味がありません。
甘みはチョウムチョロムより控えめで、スッと口に入り、スッと消えていくようなシャープなキレ味が特徴です。「スッキリ」「辛口」という表現が似合います。
フレーバータイプの展開の違い
日本で人気のフレーバータイプにも違いがあります。
チャミスルのフレーバーはアルコール度数13%です。
マスカットやすもも、いちごなど、果物のシロップのような「はっきりとした甘さ」が特徴です。
チョウムチョロムのフレーバー(「スナリ」ブランドとして展開されているものを含む)は、アルコール度数12%と、チャミスルよりさらに1%低く設定されています。
ゆずやピーチなど、果汁感を活かした「すっきりとした甘酸っぱさ」が特徴で、よりジュースに近い感覚で飲めます。
韓国国内での人気と文化的背景
韓国国内ではチャミスルが圧倒的なシェアNo.1を誇ります。チャミスルは「国民の酒」としての地位を確立しており、チョウムチョロムがそれに続く二番手ブランドとして若年層などに支持を広げています。
韓国ソジュ市場の二大巨頭
韓国のソジュ市場は、このハイト眞露(チャミスル)とロッテ酒類(チョウムチョロム)の二社による寡占状態が続いています。
長年にわたりチャミスルが首位を独走しており、チョウムチョロムがそれを追いかける構図です。
チャミスルのブランドイメージ(国民的・伝統)
チャミスルは、まさに「韓国の国民酒」。
「ソジュといえばチャミスル」というほど圧倒的なブランド力と信頼感があります。
広告塔には、その時代で最も人気のあるトップスターが起用され続け、ブランドイメージを確立しています。
「伝統的」「王道」「クリアな味」といったイメージが強いです。
チョウムチョロムのブランドイメージ(やわらか・新しい)
チョウムチョロムは、後発ブランドとして「やわらかさ」を武器に市場に切り込みました。
チャミスルよりもアルコール度数を低めに設定する戦略(現在は追随されていますが)や、「まろやか」「やさしい」「ほのかに甘い」といった味わいで、特に若年層や女性からの支持を集めました。
広告塔には、トレンドを象徴するスターが起用されることが多いです。
体験談|韓国料理店で飲み比べた印象
僕がソウルに旅行した際、現地の友人とサムギョプサルの店に行った時のことです。
友人は「ここではチャミスル・フレッシュが常識だよ」と言って注文しました。
脂の多いサムギョプサルを頬張り、チャミスルをショットグラスでクイッと流し込む。
驚いたのはそのキレ味でした。
アルコールの刺激はあるものの、雑味が一切なく、口の中の脂っこさを瞬時にリセットしてくれました。
「なるほど、脂っこい料理にはこのクリアさが最高に合うな」と納得しました。
二軒目に「タッカンマリ(鶏の水炊き)」の店に行った時、今度は僕が「チョウムチョロム」を頼んでみました。
一口飲むと、その違いにまた驚きました。
口当たりが本当に「まろやか」なんです。
アルコールのカドがなく、ほのかに甘い。タッカンマリの優しい鶏のスープの味を邪魔せず、むしろその甘みがスープの旨味と調和するようでした。
友人が「キツイのが好きならチャミスル、やさしいのが好きならチョウムチョロム。俺は料理で変えるかな」と言っていましたが、まさにその通り。
ガツンとした焼肉には「キレ」のチャミスル、優しい鍋料理には「まろやかさ」のチョウムチョロム。
同じソジュでも、これほど個性が違うのかと、二大ブランドのこだわりを実感した体験でした。
チョウムチョロムとチャミスルに関するよくある質問
両ブランドに関する、よくある質問をまとめました。
チョウムチョロムとチャミスル、結局どっちが人気ですか?
韓国国内では「チャミスル」が圧倒的に人気(シェアNo.1)です。
ただし、これはブランド力や伝統も含めた結果です。「チョウムチョロム」もソウル首都圏を中心に非常に人気が高く、二番手として確固たる地位を築いています。味の好みは人それぞれで、チャミスルのキレを好む人も、チョウムチョロムのまろやかさを好む人もいます。
アルコール度数が低いのはどっちですか?
主力プレーン商品は「どちらも同じ(16%台)」、フレーバー商品は「チョウムチョロム(12%)」の方が低いです。
プレーンタイプは低度数化競争の結果、ほぼ横並びです。しかし、フレーバータイプに関しては、チャミスル(13%)に対し、チョウムチョロム(12%)の方が低く設定されており、より飲みやすさを重視しています。
スナリとチョウムチョロムの違いは何ですか?
「スナリ」は、チョウムチョロムを製造する「ロッテ酒類」が、展開するフレーバー焼酎のブランド名です。
中身は、チョウムチョロムのフレーバータイプ(韓国版)と近いですが、アルコール度数(12%)や果汁感など、より日本人の嗜好に合わせて調整されているものが「スナリ」ブランドとして日本で流通していることがあります。
まとめ|チョウムチョロムとチャミスル、どちらを選ぶべきか?
韓国焼酎(ソジュ)の二大巨頭、チョウムチョロムとチャミスルの違い、明確になったでしょうか。
どちらもベースは同じ希釈式焼酎ですが、その目指す味わいは対照的です。
あなたの好みや飲むシーンに合わせて、以下のように選ぶのがおすすめです。
- キレのあるスッキリした後味、辛口のお酒が好きな方:
「チャミスル(フレッシュ)」が最適です。脂っこい料理との相性は抜群です。 - まろやかな口当たり、ほのかに甘みを感じるやさしいお酒が好きな方:
「チョウムチョロム」がおすすめです。辛い料理や優しい味の鍋料理にも合います。 - ジュースのように飲みやすい、果汁感のあるお酒が好きな方:
「チョウムチョロム」のフレーバー(スナリ)(度数12%)を選びましょう。 - はっきりとした甘さのフルーツカクテルが好きな方:
「チャミスル(フレーバー)」(度数13%)がぴったりです。
どちらのブランドも、韓国の食文化と深く結びついています。
ぜひ今夜、韓国料理と合わせて、この二大ブランドの個性の違いを飲み比べてみてください。
韓国のお酒や文化については、日本政府観光局(JNTO)のサイトなども観光情報として参考になりますよ。
当サイト「違いラボ」では、他にも様々なアルコール類の違いについて詳しく解説しています。ぜひご覧ください。