みょうがとしょうがの違いを解説!風味・栄養・料理での使い分け

料理の薬味として欠かせない、みょうがとしょうが。

なんとなく似ているイメージで使っていませんか?

みょうがとしょうがの最大の違いは、みょうがが「花のつぼみや若い茎」を食べるのに対し、しょうがは「根茎(地下茎)」を食べる点です。どちらもショウガ科の植物ですが、食用とする部位が全く異なります。

この記事を読めば、風味や栄養価の違いから、料理での正しい使い分け、保存方法まで、もう二度と迷わなくなるでしょう。

まずは、両者の違いが一目でわかる比較表から見ていきましょう。

結論|みょうがとしょうがの違いが一目でわかる比較表

【要点】

みょうがとしょうがは、同じショウガ科でありながら、食べる部位が全く異なります。みょうがは爽やかな香りが特徴の「花のつぼみ(花穂)」、しょうがはピリッとした辛味が特徴の「根茎」です。この違いが、風味や使い方に大きく影響していますね。

みょうがとしょうがの主な違いを一覧表にまとめました。まずは全体像を掴んでみてください。

項目みょうがしょうが
食用部位花のつぼみ(花穂)、若い茎根茎(地下茎)
主な風味爽やかな香りとほのかな苦味ピリッとした辛味と強い香り
主な使い方生食(薬味、和え物、酢の物)、天ぷら生食(薬味)、加熱(炒め物、煮物)、下味(臭み消し)、飲料
代表的な栄養素カリウム、香り成分(α-ピネン)辛味成分(ジンゲロール、ショウガオール)
植物分類ショウガ科ショウガ属(*Zingiber mioga*)ショウガ科ショウガ属(*Zingiber officinale*)

定義と植物学的な違い

【要点】

みょうがとしょうがは、どちらもショウガ科ショウガ属の植物ですが、学名が異なる別の種です。私たちは、みょうがの「花のつぼみ」や「茎」を、しょうがの「根茎」を、それぞれ利用しています。

どちらも「ショウガ科」と名前につく通り、植物学的には近い仲間です。

ですが、私たちが普段食べている部分は、全く異なる部位なんですね。

みょうがとは?

みょうが(茗荷)は、ショウガ科ショウガ属の多年草です。

私たちが一般的に「みょうが」として食べているのは、「花みょうが」または「みょうがの子」と呼ばれる花のつぼみ(花穂)の部分です。赤紫色でふっくらとした形が特徴ですね。

また、春先に収穫される若い茎の部分は「みょうがたけ」と呼ばれ、こちらも高級食材として利用されます。

しょうがとは?

しょうが(生姜、ショウガ)も、ショウガ科ショウガ属の多年草です。

私たちが食べているのは、肥大した「根茎(こんけい)」と呼ばれる地下茎の部分です。ゴツゴツとした淡い黄色の塊で、独特の強い香りと辛味を持っています。

植物としての分類の違い

みょうがとしょうがは、同じ「ショウガ科ショウガ属」に分類されますが、種(しゅ)が異なります。

  • みょうが:学名 *Zingiber mioga*
  • しょうが:学名 *Zingiber officinale*

つまり、植物学的には近縁でありながらも、明確に区別される異なる植物というわけです。

味・香り・食感・見た目の違い

【要点】

風味の決定的な違いは、みょうがが「爽やかな香り」主体であるのに対し、しょうがは「ピリッとした辛味」が主体である点です。食感も、みょうがはシャキシャキ、しょうがは繊維質で異なります。

薬味として使われる点は共通していますが、料理に与える印象は正反対と言えるほど違います。

風味と香りの違い

みょうがの魅力は、何と言ってもその独特の爽やかな香りでしょう。

この香りは「α(アルファ)-ピネン」という成分によるもので、ほのかな苦味と合わさり、料理に清涼感を加えてくれます。辛味はほとんどありません。

一方、しょうがの風味は、シャープでピリッとした強い辛味が特徴です。

この辛味は「ジンゲロール」や「ショウガオール」といった成分によるものです。香りも強いですが、みょうがの爽やかさとは異なり、スパイシーで刺激的な香りがします。

食感と見た目の違い

見た目は一目瞭然ですね。

みょうがは赤紫色で玉ねぎを小さくしたような丸みのある形をしており、切ると中は白く、シャキシャキとした軽快な食感が楽しめます。

しょうがは淡い黄色のゴツゴツとした塊状です。食感は繊維質で、特に貯蔵された「根しょうが(ひねしょうが)」は硬く、しっかりとした歯ごたえがあります。

栄養・成分・健康面の違い

【要点】

栄養面での大きな違いは、みょうががカリウムを比較的多く含むのに対し、しょうがは体を温める作用で知られる辛味成分(ジンゲロール・ショウガオール)を豊富に含む点です。

どちらも薬味として少量使われることが多いですが、含まれる成分には興味深い違いがあります。

みょうがに特徴的に含まれるのは、香り成分の「α-ピネン」です。

この香りには、食欲を増進させたり、気分をリフレッシュさせたりする効果が期待されています。また、体内の余分な塩分を排出するのを助ける「カリウム」も比較的多く含んでいます。

しょうがの健康効果の中心は、辛味成分である「ジンゲロール」と「ショウガオール」です。

ジンゲロール(生のしょうがに多い)には殺菌作用が、ショウガオール(加熱・乾燥で増加)には血行を促進して体を温める作用があるとされ、古くから漢方や薬膳料理にも利用されてきました。

使い方・料理での使い分け

【要点】

使い分けの基本は、みょうがは「爽やかな香りを活かす薬味」として生食が中心、しょうがは「辛味と香りを活かす万能食材」として生食・加熱・下味と幅広く使われる点です。

ここが最も重要なポイントかもしれませんね。両者の特性を理解すれば、料理の幅が格段に広がります。

みょうがが合う料理(薬味・和え物)

みょうがは、その繊細な香りを活かすため、生で使うのが基本です。

加熱しすぎると、せっかくの香りが飛んでしまいます。

  • 薬味として:そうめん、冷奴、そば、うどんなどに刻んで添える。
  • 和え物・酢の物:きゅうりやタコと和えたり、甘酢漬けにしたりする。
  • 汁物:味噌汁の仕上げに散らすと、香りが引き立ちます。
  • その他:天ぷらにすると、加熱されて香りが立ち、また違った味わいになります。

しょうがが合う料理(下味・炒め物・飲み物)

しょうがは、生でも加熱しても乾燥させても使える、非常に用途の広い万能食材です。

  • 薬味として:すりおろして冷奴や刺身に添える(辛味と殺菌効果)。
  • 下味(臭み消し):肉や魚の臭みを消すために、調理前に揉みこむ。豚の生姜焼きは代表例ですね。
  • 加熱調理:炒め物や煮物の風味付けとして欠かせません。
  • 飲料・加工品:ジンジャーエール、生姜湯、ガリ(寿司の付け合わせ)、紅しょうがなど。

旬・産地・保存・価格の違い

【要点】

みょうがは夏から秋が旬の野菜ですが、しょうがは収穫時期によって「新生姜」と「根しょうが」に分かれます。どちらも高知県が日本一の産地として有名です。

旬の時期と主な産地

みょうがの旬は、主に夏から秋(7月~10月頃)です。ハウス栽培も行われていますが、露地物の爽やかな香りは格別ですね。

しょうがは、収穫時期によって呼び名が変わります。

  • 新生姜(しんしょうが):夏から秋(6月~8月頃)に収穫される、早採りのもの。辛味がマイルドでみずみずしく、甘酢漬け(ガリ)などによく使われます。
  • 根しょうが(ひねしょうが):秋に収穫した後、貯蔵・乾燥させたもの。通年流通しており、繊維質で辛味が強いのが特徴です。

産地としては、みょうが・しょうが共に高知県が圧倒的な生産量日本一を誇っています。

正しい保存方法と価格帯

みょうがは乾燥に非常に弱いです。

湿らせたキッチンペーパーで包み、ポリ袋や保存容器に入れて冷蔵庫の野菜室で保存するのがおすすめです。数日で使い切るのが理想でしょう。

しょうがは乾燥と低温が苦手です。

新聞紙などに包んで、風通しの良い冷暗所(15℃前後が理想)で保存します。カットしたものはラップに包んで冷蔵庫の野菜室に入れますが、早めに使い切りましょう。

価格帯については、しょうがは比較的安価で通年安定していますが、みょうがは季節性が高く、しょうがに比べるとやや高価な傾向があります。

起源・歴史・文化的背景

【要点】

みょうがは日本原産とされる珍しい野菜の一つで、古くから日本で食されてきました。一方、しょうがはインド原産とされ、世界中で香辛料や生薬として古くから利用されています。

二つの食材は、そのルーツも大きく異なります。

みょうがは、日本が原産とされる数少ない野菜の一つで、中国や朝鮮半島にも分布していますが、食用としているのは主に日本だけとされています。

日本では「みょうがを食べると物忘れがひどくなる」という俗説が有名ですね。これは、お釈迦様の弟子である周梨槃特(しゅりはんどく)が物忘れがひどく、自分の名前の札を荷(茗)って(荷)いたことから、「茗荷(みょうが)」という漢字が当てられ、物忘れと関連付けられたという逸話に由来します。もちろん、医学的な根拠は一切ありません

しょうがは、インド周辺が原産とされています。

その歴史は非常に古く、紀元前からヨーロッパや中国で香辛料、保存料、生薬として珍重されてきました。日本へは中国を経由して3世紀ごろまでに伝わったとされ、『古事記』にも記載があるほど、古くから日本の食文化に根付いています。

体験談|薬味の使い分け失敗談と活用術

僕が料理を始めたばかりの頃、薬味の使い分けで大きな失敗をしたことがあります。

夏の暑い日、冷奴を作ろうとした時のことです。「薬味はしょうがだ」と思い込み、冷蔵庫にあった薬味を刻んでたっぷり乗せました。ところが、一口食べてみると、いつものピリッとした辛味ではなく、爽やかすぎる独特の香りが口いっぱいに広がったんです。

そう、僕が使ったのはしょうがではなく、みょうがでした。

家族からは「今日の冷奴、なんだかおしゃれな味がするね…」と不思議そうな顔をされました。それまで僕は、「辛味があるのがしょうが、赤っぽいのがみょうが」程度の認識しかなく、どちらも「薬味」というカテゴリで雑に括っていたんですね。

この失敗を機に、二つの違いを真剣に調べるようになりました。

しょうがは「辛味と香りで味の土台を作る・臭みを消す」役割、みょうがは「爽やかな香りで料理の仕上げに彩りを添える」役割なのだと理解しました。

今では、豚の生姜焼きや魚の煮付けにはしょうがをたっぷり使いますし、みょうがはそうめんの薬味はもちろん、キュウリと和えたり、味噌汁の仕上げに散らしたりと、その爽やかな香りを活かす使い方を楽しんでいます。特に夏場、細かく刻んだみょうがと大葉を使った冷製パスタは、失敗から学んだ僕の得意料理の一つです。

みょうがとしょうがに関するよくある質問

みょうがを食べると物忘れするって本当ですか?

いいえ、それは俗説で医学的な根拠は全くありません。昔の逸話(お釈迦様の弟子の話)が元になって広まった迷信だと考えられていますよ。

新生姜と普通のしょうが(根しょうが)の違いは何ですか?

新生姜は収穫してすぐ出荷されるもので、辛味がマイルドでみずみずしく、皮も薄いのが特徴です。一方、普通のしょうが(根しょうがやひねしょうが)は、収穫後に一定期間貯蔵・乾燥させたもので、辛味が強く、繊維質がしっかりしています。

みょうがは加熱して食べられますか?

はい、食べられます。天ぷらや卵とじ、炒め物などに使えます。ただし、みょうが特有の爽やかな香りは加熱しすぎると弱まってしまうため、サッと火を通す程度にするか、天ぷらのように衣で香りを閉じ込める調理法がおすすめです。

まとめ|みょうがとしょうが、どう使い分ける?

みょうがとしょうがの違い、スッキリ整理できたでしょうか。

どちらも同じショウガ科の植物ですが、みょうがは「花のつぼみ」しょうがは「根茎」と、食べる部位が根本的に違いましたね。

この違いが、風味と用途の大きな差につながっています。

  • みょうが:爽やかな香りとシャキシャキ食感。辛味はほぼない。薬味や和え物など、生で香りを活かす料理に。
  • しょうが:ピリッとした辛味と強い香り。繊維質な食感。薬味、臭み消し、炒め物、飲み物まで、生でも加熱でも使える万能選手。

これからは、「爽やかな清涼感が欲しい時はみょうが」「ピリッとした辛味とパンチが欲しい時はしょうが」と、自信を持って使い分けてみてください。

薬味の世界は奥深く、他にもさまざまな野菜・果物の違いがあります。ぜひ、ご自身の料理の世界を広げてみてくださいね。