朝食の定番であり、健康習慣の味方でもあるヨーグルト。
スーパーの乳製品コーナーに行くと、スプーンで「食べるヨーグルト」と、ゴクゴク「飲むヨーグルト」が並んでいますよね。
同じヨーグルトなのに、なぜ形状が違うのでしょうか。そして、栄養価に違いはあるのでしょうか。
実はこの二つ、乳酸菌で発酵させた「発酵乳」である点は同じですが、製造工程の「最後のひと手間」が決定的に異なります。「飲むヨーグルト」は、固まったヨーグルトを攪拌(かくはん)して液体状にしているのです。
この記事を読めば、飲むヨーグルトとヨーグルトの製法、栄養価(特に糖質!)、そしてシーン別の賢い使い分けまで、スッキリと理解できます。
それでは、詳しく見ていきましょう。
結論|飲むヨーグルトとヨーグルトの違いを一覧表で比較
最大の違いは「形状」と「製法」です。「ヨーグルト(食べるタイプ)」は乳を発酵させ固めた「固形・半固形状」なのに対し、「飲むヨーグルト」は固まったヨーグルトを攪拌(かくはん)して「液体状」にしたものです。栄養価の基本は同じですが、飲むヨーグルトは飲みやすさのために糖分が多く加えられている傾向があります。
「飲むヨーグルト」と「ヨーグルト(食べるタイプ)」の主な違いを、一目で分かるように一覧表にまとめました。
| 項目 | 飲むヨーグルト | ヨーグルト(食べるタイプ) |
|---|---|---|
| 形状・状態 | 液体(ドリンク状) | 固形・半固形(ペースト状) |
| 食感 | サラサラ、ドロドロ | もったり、とろとろ、ぷるん |
| 主な製法 | 発酵後、攪拌(かくはん)して均質化 | 発酵後、そのまま(または軽く攪拌) |
| 分類(乳等省令) | 発酵乳(ドリンクタイプ) | 発酵乳(プレーン、ハード、ソフト) |
| 味の傾向 | 甘みが強い製品が多い | プレーンは酸味が強い(加糖もある) |
| 主な用途 | 飲料(そのまま飲む)、間食 | 食事(スプーンで食べる)、料理、デザート |
| 糖質量(傾向) | 多い傾向(飲みやすさのため) | 無糖(プレーン)は少ない |
| パッケージ | 紙パック、小型ボトル | 大型カップ、小型カップ |
「飲む」と「食べる」:定義と製法の根本的な違い
どちらも牛乳などの乳を乳酸菌で発酵させた「発酵乳」です。食べるヨーグルトは発酵させて固めた状態のままですが、飲むヨーグルトはその固まったカード(凝固物)を機械で細かく砕き、攪拌(かくはん)して滑らかな液体状に加工したものです。
見た目が全く違う二つですが、法律上の定義は非常に近しいものです。厚生労働省の「乳及び乳製品の成分規格等に関する省令(乳等省令)」では、どちらも「発酵乳」に分類されます。(出典:厚生労働省)
「発酵乳」とは、簡単に言えば「乳などを乳酸菌や酵母で発酵させたもの」で、無脂乳固形分が8.0%以上、乳酸菌数(または酵母数)が1mlあたり1,000万個以上と定められています。
では、どこで「食べる」と「飲む」が分かれるのでしょうか。
ヨーグルト(食べるタイプ)とは?
いわゆる「食べるヨーグルト」は、牛乳などの乳に乳酸菌を加えて発酵させ、乳たんぱく質を凝固させた(固めた)状態のものです。
この固まった状態のものを「カード(Curd)」と呼びます。
- ハードヨーグルト:容器に充填する前に発酵・凝固させ、攪拌して滑らかにしたもの(例:ブルガリアヨーグルトなどの大型カップ)
- ソフトヨーグルト:ハードヨーグルトに果汁やゼラチンなどを加えたもの
- プレーンヨーグルト:乳を発酵させただけで、砂糖や香料などを加えていないもの
スプーンですくって食べる、あの「もったり」とした食感は、この凝固したカードそのものの食感なんですね。
飲むヨーグルト(ドリンクタイプ)とは?
「飲むヨーグルト」は、乳等省令では「発酵乳(ドリンクタイプ)」と呼ばれることが多いです。
その製法は、食べるヨーグルトと途中まで同じです。乳酸菌で乳を発酵させて、まず固形のヨーグルト(カード)を作ります。
決定的な違いはここからです。飲むヨーグルトは、その固まったカードを機械で細かく砕き、攪拌(かくはん)し、均質化処理を行うことで、あの「ドロドロ」「サラサラ」とした滑らかな液体状に仕上げているのです。
つまり、食べるヨーグルトを物理的に崩して液体にしたものが、飲むヨーグルトの正体というわけです。(※製品によっては、最初から発酵を液体状で制御する製法もあります)
食感・味・風味の違い(もったり vs サラサラ)
食べるヨーグルトは「もったり・とろとろ」した食感で、特にプレーン(無糖)は乳酸菌由来の強い酸味が特徴です。飲むヨーグルトは「サラサラ・ドロドロ」した流動性があり、そのまま飲めるように砂糖や果汁で「甘み」が強く調整されている製品が主流です。
製法が違うため、食感と味の方向性は大きく異なります。
ヨーグルト(食べるタイプ)は、スプーンですくう必要がある「もったり」「とろとろ」とした食感が特徴です。特にプレーン(無糖)タイプは、砂糖や香料が添加されていないため、乳酸菌が作り出す乳酸の「酸味」をダイレクトに感じられます。
飲むヨーグルトは、攪拌されて液体になっているため、「サラサラ」または「ドロドロ」とした飲み口です。
そして、最も大きな味の違いは「甘み」です。飲むヨーグルトは、そのままで美味しくゴクゴク飲めるように、砂糖、果糖ぶどう糖液糖、果汁、香料などで味が調整されている製品が圧倒的に多いです。食べるプレーンヨーグルトのような強い酸味は抑えられ、甘みが前面に出ています。
栄養成分と健康面の違い(糖質・乳酸菌)
たんぱく質やカルシウムなどの基本的な栄養は共通です。乳酸菌もどちらも規格上含まれます。ただし、「飲むヨーグルト」は甘みを付けるために糖質(砂糖・果糖)が多く添加されている傾向があり、カロリーも高くなりがちなので注意が必要です。
「乳」を「発酵」させているという点では同じなので、ベースとなる栄養価は共通しています。
どちらも、牛乳由来のたんぱく質やカルシウムを摂取できますし、乳等省令の基準を満たす乳酸菌(プロバイオティクス)も含まれています。
ただし、健康面で注意すべき決定的な違いが「糖質(糖類)」の量です。
ヨーグルト(食べるタイプ)には、自分で甘さを調整できる「プレーン(無糖)」という選択肢があります。この場合、糖質は乳由来の乳糖のみで非常に低く抑えられます。
一方、飲むヨーグルトは、ほとんどの製品が飲みやすさのために砂糖や果糖ぶどう糖液糖を多く加えています。そのため、食べるタイプの加糖ヨーグルト以上に糖質量が多く、カロリーも高くなる傾向があります。
もちろん、最近では「甘さひかえめ」や「無糖タイプ」の飲むヨーグルトも増えていますが、一般的な製品を選ぶ際は、ジュースと同じくらいの糖質を摂取している可能性があることを意識しておくと良いでしょう。
用途・シーン別の使い分け(食事 vs 手軽な補給)
食べるヨーグルトは、スプーンを使うため「食事」として適しており、料理にも幅広く使えます。飲むヨーグルトは、食器が不要で「手軽さ・時短」が最大のメリットであり、忙しい朝や食欲がない時の栄養補給に最適です。
それぞれの形状と特徴を活かした、最適な使い分けを見てみましょう。
ヨーグルト(食べるタイプ)が向いているシーン
スプーンですくって「食べる」必要があり、器も必要になるため、「食事」としてゆっくり味わうシーンに向いています。
- しっかりとした朝食:フルーツ、グラノーラ、シリアル、はちみつなどをトッピングして食べる。
- 料理への活用:無糖のプレーンヨーグルトは、ドレッシングやソース(タンドリーチキンなど)の材料として万能です。
- デザート:水切りヨーグルトにして、チーズケーキ風に。
料理のレパートリーが広く、糖質を自分でコントロールしたい場合は、食べるヨーグルトが圧倒的に有利です。
飲むヨーグルトが向いているシーン
飲むヨーグルトの最大のメリットは「手軽さ」と「時短」です。コップやスプーンが不要で、場所を選ばず摂取できます。
- 時間がない朝:出勤中や運転中など、移動しながらでも手軽に栄養補給ができます。
- 間食・おやつ:小腹が空いた時に、お菓子より健康的な選択として。
- 食欲がない時:固形物を食べるのが辛い時でも、水分と栄養を同時に補給できます。
- 運動の前後:手軽なたんぱく質補給として。
価格・保存方法・パッケージの違い
食べるヨーグルトは400g前後の大型カップが主流で、飲むヨーグルトは1L前後の紙パックや180ml程度の小型ボトルが主流です。どちらも「要冷蔵」であり、開封後は劣化が早いため、2〜3日以内に消費するのが理想です。
パッケージと価格:
ヨーグルト(食べるタイプ)は、家族でシェアしやすい400g〜500gの大型カップが主流で、コストパフォーマンスに優れます。もちろん、1回食べきりの小型カップもあります。
飲むヨーグルトは、1L(または900ml)程度の大型紙パックと、1回飲み切りサイズの小型ボトル(180ml前後)が主流です。小型ボトルは単価が上がりますが、「手軽さ」という価値が付加されています。
保存方法:
どちらも乳酸菌が生きている「発酵乳」ですので、「要冷蔵(10℃以下)」が絶対条件です。
未開封であれば賞味期限まで持ちますが、一度開封すると雑菌が混入し、風味が落ちたり発酵が進みすぎたりします。開封後は賞味期限にかかわらず、2〜3日中を目安に早めに消費しましょう。
体験談|忙しい朝が「飲むヨーグルト」一択になった理由
僕も以前は、朝食には食べるヨーグルト(プレーン)が欠かせませんでした。器に移し、はちみつをかけ、冷凍ベリーを乗せて…と、しっかり「食事」として準備していました。
ですが、生活スタイルが変わり、朝にゆっくり座って食べる時間が取れなくなる日が増えました。結果、朝食自体を抜いてしまうことが多くなり、「健康に悪いな」と感じていたんです。
そこで試しに「飲むヨーグルト」を冷蔵庫に常備するようにしました。
最初は「甘いし、ジュースみたいで物足りないかも」と思っていたのですが、この「手軽さ」が想像以上だったんです。
家を出る直前に冷蔵庫から取り出し、キャップを開けて飲む。所要時間わずか30秒。スプーンも器も不要で、洗い物が出ません。車や電車を待つ間にでも飲めてしまう。
この「時短」と「手軽さ」のおかげで、朝食を抜くことがなくなりました。糖質は気になりますが、「何も摂らないよりは、たんぱく質やカルシウムを摂れる方が良い」と割り切っています。
今では、時間がある休日は「食べるヨーグルト」でゆっくり朝食を、忙しい平日の朝は「飲むヨーグルト」で手軽にチャージ、という完璧な使い分けが定着しましたね。
飲むヨーグルトとヨーグルトに関するよくある質問(FAQ)
質問1:飲むヨーグルトと食べるヨーグルト、乳酸菌の量や効果に違いはありますか?
どちらも「発酵乳」としての基準(1mlあたり1000万個以上)を満たしているので、乳酸菌はしっかり含まれています。ただし、飲むヨーグルトは攪拌の過程や飲みやすさのために薄めている場合もあり、同量で比較すると食べるタイプの方が菌数が多い可能性はあります。効果は菌の種類(プロバイオティクス)にもよるので、パッケージの表示を見て「生きたまま腸に届く」などの機能性を確認するのが良いですね。
質問2:飲むヨーグルトを料理に使えますか?
使えますが、「甘み」に注意が必要です。ほとんどの製品に砂糖や果汁が入っているため、スムージーやラッシー、デザートのソースには向いています。しかし、カレーの隠し味やタンドリーチキンの漬け込みなどに使うと、意図しない甘さが料理に移ってしまうため、料理には「食べるタイプ(プレーン)」を使うのが無難です。
質問3:「飲むヨーグルト」と「乳酸菌飲料」の違いは何ですか?
乳等省令での定義が違います。「飲むヨーグルト」は乳酸菌数(1mlあたり1000万個以上)と無脂乳固形分(8.0%以上)が定められた「発酵乳」です。一方、「乳酸菌飲料」(例:ヤクルト、ピルクルなど)は、乳酸菌数(1mlあたり100万個以上)の基準はありますが、無脂乳固形分の基準が低く(3.0%未満)、乳成分が少ないことが多いです。
まとめ|飲むヨーグルトとヨーグルト、どちらを選ぶべきか
「飲むヨーグルト」と「ヨーグルト(食べるタイプ)」の違い、明確になりましたでしょうか。
どちらも同じ「発酵乳」の仲間ですが、製法と形状が異なり、それによって最適な用途が変わってきます。
最後に、あなたがどちらを選ぶべきか、目的別にまとめます。
- 飲むヨーグルトを選ぶべき人
とにかく手軽さ・時短を重視する人。忙しい朝や移動中に栄養補給をしたい人。スプーンや器を使わずに済ませたい人。(※糖質量には注意) - ヨーグルト(食べるタイプ)を選ぶべき人
朝食などで「食事」としてしっかり食べたい人。フルーツやグラノーラと合わせたい人。料理にも使いたい人。糖質を自分でコントロールしたい人(プレーン(無糖)を選べるため)。
それぞれのメリットを理解して、ご自身のライフスタイルに合わせて賢く使い分けてみてくださいね。
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