おかわかめとつるむらさきの違いとは?味・栄養・調理法を徹底比較

夏の健康野菜として人気の「おかわかめ」と「つるむらさき」。

どちらも茹でると独特の「ぬめり」が出るため、見た目や食感が似ていて混同されがちですよね。「どちらも同じようなものでは?」と思っている方も多いのではないでしょうか。

実は、この2つは植物学的に全くの別物であり、特に「味」と「香り」に決定的な違いがあります。

この記事を読めば、おかわかめとつるむらさきの明確な違いから、それぞれの栄養価、最適な調理法までがスッキリと分かり、自信を持って使い分けられるようになりますよ。

それでは、まず結論から見ていきましょう。

結論|おかわかめとつるむらさきの違いを一言でまとめる

【要点】

おかわかめとつるむらさきは、どちらも夏の緑黄色野菜で「ぬめり」を持つ点で共通していますが、植物学的な分類(科)が全く異なります。最大の違いは風味にあり、おかわかめは「クセがなく淡白」であるのに対し、つるむらさきは「独特の土臭さや香り」を持っています。

スーパーの野菜売り場では隣に並んでいることも多い両者ですが、その正体は全く異なります。おかわかめは「陸のわかめ」と呼ばれるほどクセがなく、つるむらさきはその独特の香りが持ち味です。

この2つの違いについて、比較表で詳しく見てみましょう。

項目おかわかめつるむらさき
植物分類ツルナ科 アカザカズラ属ツルムラサキ科 ツルムラサキ属
別名雲南百薬(うんなんひゃくやく)(特になし)
見た目肉厚で光沢が強い、ハート型に近い葉やや肉厚、茎が紫色または緑色
味・香りクセや青臭さがほぼ無い、淡白な味わい独特の土臭さや香りがある(人により好みが分かれる)
食感シャキシャキ感と、ワカメのようなぬめり柔らかく、モロヘイヤに似た強い粘り気
主な調理法生食(サラダ)、おひたし、和え物、スープ加熱(おひたし、炒め物、天ぷら)※香りが強いため
主な栄養素マグネシウム、亜鉛、ビタミンAβカロテン、ビタミンC、カルシウム、鉄分

このように、似ているのは「ぬめり」と「夏野菜」という点だけで、分類も風味も全くの別物であることがわかりますね。

定義・分類・学術的な違い

【要点】

おかわかめは「ツルナ科」、つるむらさきは「ツルムラサキ科」の植物です。科レベルで異なるため、植物学的には全くの別種であり、親戚関係にもありません。

スーパーでは同じ「葉物野菜」として扱われがちですが、植物としてのルーツは大きく異なります。

おかわかめ(雲南百薬)とは

おかわかめは、ツルナ科アカザカズラ属のつる性植物です。熱帯アメリカや熱帯アジアが原産とされています。

日本では「おかわかめ」という名前が一般的ですが、その栄養価の高さから「雲南百薬(うんなんひゃくやく)」という別名も持ち、健康野菜として知られています。

本来は多年草ですが、寒さに弱いため、日本の多くの地域では冬を越せずに枯れてしまいます(ただし、根が越冬して翌年再び芽吹くこともあります)。

つるむらさきとは

つるむらさきは、ツルムラサキ科ツルムラサキ属のつる性植物で、熱帯アジアが原産です。

日本で流通しているものには、茎が紫色の「赤茎種」と、茎が緑色の「緑茎種」の2種類があります。香りが強いのは赤茎種、比較的クセが少ないのが緑茎種とされています。

こちらは寒さに非常に弱く、日本では基本的に一年草として扱われます。

見た目・味・香り・食感の違い

【要点】

おかわかめは肉厚で光沢があり、味も香りもほとんどクセがありません。一方、つるむらさきは茎が紫色(または緑色)で、独特の土臭さや青臭さがあり、これが風味の最大の特徴となっています。

購入時や調理時に最も気になるのが、この風味と食感の違いでしょう。

見た目の見分け方

おかわかめの葉は、比較的肉厚でしっかりしており、表面には強い光沢があります。形はややハート型に近い、丸みを帯びた形状です。

つるむらさきの葉も肉厚ですが、おかわかめほどの光沢はありません。最大の特徴は茎の色で、赤紫色か緑色をしています。スーパーで「つるむらさき」として売られているものは、この茎ごと束ねられていることが多いです。

味と香りの決定的な違い

ここが両者を分ける最大のポイントです。

おかわかめは、驚くほどクセがなく、無味無臭に近いのが特徴です。青臭さや土臭さもほとんど感じられません。そのため、どんな料理にも合わせやすい万能食材と言えます。

一方、つるむらさきは、独特の土臭さや青臭さを持っています。人によっては「カメムシの匂い」と表現するほどの個性的な香りがあり、これが好き嫌いの分かれる要因となっています。しかし、この香りが加熱調理、特に油と合わさることで、食欲をそそる風味へと変わります。

食感と「ぬめり」の違い

どちらも加熱すると「ぬめり」が出ます。このぬめりの正体は、水溶性食物繊維などを含むムチン質によるものです。

おかわかめのぬめりは、ワカメに似ています。葉自体にシャキシャキとした歯ごたえが残るため、「シャキシャキ・ネバネバ」とした食感が楽しめます。

つるむらさきは、おかわかめよりも強く粘る傾向があります。食感はモロヘイヤに近く、葉も茎も柔らかく仕上がります。

栄養・成分・健康面の違い

【要点】

どちらも栄養価の高い緑黄色野菜です。つるむらさきは特にβカロテン(ビタミンA)やビタミンC、カルシウムが豊富です。おかわかめ(雲南百薬)は、マグネシウムや亜鉛といったミネラル類を豊富に含むとされています。

どちらも健康野菜として注目されていますが、含まれる栄養素には違いがあります。

おかわかめの主な栄養素

おかわかめは「雲南百薬」の別名の通り、栄養価が高いことで知られています。特に豊富なのがミネラル類です。

  • マグネシウム:骨や歯の形成に必要で、多くの体内酵素の働きを助けます。
  • 亜鉛:味覚を正常に保つのに役立ち、皮膚や粘膜の健康維持を助けます。
  • ビタミンA(βカロテン):皮膚や粘膜の健康を保ちます。

(※「おかわかめ」は日本食品標準成分表に未収載のため、一般的な栽培元や研究機関の情報に基づきます。)

つるむらさきの主な栄養素

つるむらさきは、日本食品標準成分表にも掲載されており、特にビタミン類が豊富な緑黄色野菜です。

  • βカロテン(ビタミンA):非常に豊富で、ほうれん草の約3倍以上とも言われます。
  • ビタミンC:皮膚や粘膜の健康維持を助けるとともに、抗酸化作用を持ちます。
  • カルシウム:骨や歯の形成に必要なミネラルです。
  • 鉄分:特に赤血球を作るのに必要な栄養素です。

クセが強い分、栄養価も非常に高いのがつるむらさきの特徴ですね。

使い方・料理での扱い方の違い

【要点】

クセのないおかわかめは、生でサラダにするか、さっと茹でて和え物にするのがおすすめです。一方、香りの強いつるむらさきは、下茹でしてからおひたしや和え物にするか、油を使った炒め物や天ぷらにすると香りが和らぎ美味しく食べられます。

風味の違いが、そのままおすすめの調理法に直結します。

おかわかめのおすすめ調理法

クセがないため、調理の幅が非常に広いです。

  • 生食(サラダ)おかわかめは生で食べられるのが大きな強みです。肉厚でシャキシャキした食感を活かし、サラダの具材にすると美味しいです。
  • 和え物・おひたし:さっと1分ほど茹でるだけで、鮮やかな緑色とぬめりが出ます。ポン酢や醤油、ごま和えなどでシンプルに味わうのがおすすめです。
  • スープ・味噌汁:ワカメの代わりとして、汁物に入れると食感のアクセントになります。

つるむらさきのおすすめ調理法

独特の香りをどう活かすか、あるいは和らげるかがポイントです。

  • おひたし・和え物必ず下茹でしてから使いましょう。沸騰したお湯で1〜2分茹でて冷水に取り、アクと香りを和らげます。その後、鰹節と醤油、または胡麻和えなど濃いめの味付けとよく合います。
  • 炒め物:独特の香りは油と相性が抜群です。ごま油で豚肉や卵と炒めると、香りが旨味に変わり、ご飯が進む一品になります。
  • 天ぷら:葉を天ぷらにすると、香りが和らぎ、サクサク・もっちりとした食感が楽しめます。

つるむらさきは生食には向きませんので、必ず加熱調理するようにしましょう。

旬・産地・保存・価格の違い

【要点】

どちらも6月~9月頃が旬の夏野菜です。寒さに弱いため、暖かい地域での栽培が中心です。保存する際は、乾燥を防ぐために湿らせたキッチンペーパーで包み、ポリ袋に入れて冷蔵庫の野菜室で立てて保存します。

旬の時期と主な産地

おかわかめもつるむらさきも、高温多湿を好むため、旬は夏(6月〜9月頃)です。

つるむらさきは山形県や沖縄県、群馬県などが主な産地として知られています。おかわかめも沖縄や九州など暖かい地域での栽培が盛んですが、近年は家庭菜園での人気も高まっています。

保存方法と価格の傾向

どちらも乾燥に弱いため、保存方法は共通しています。湿らせたキッチンペーパーで包み、ポリ袋や保存容器に入れて、冷蔵庫の野菜室で立てて保存するのが長持ちさせるコツです。

価格はどちらも比較的安価で、1束100円〜200円程度で流通していることが多いですが、おかわかめのほうが若干高値で取引される傾向があります。

起源・歴史・名称の由来

【要点】

「おかわかめ」は、茹でた時の食感がワカメに似ていることから「陸(おか)のわかめ」という意味で名付けられました。「つるむらさき」は、つる性の植物で、品種によって茎が紫色になることからその名が付きました。

「おかわかめ」と呼ばれる理由

おかわかめは、前述の通り「雲南百薬」という名前で知られる健康野菜です。

なぜ「わかめ」と呼ばれるかというと、さっと茹でた時のぬめりや食感が、海藻のワカメにそっくりだからです。「陸(おか)で採れるワカメ」という意味合いで「おかわかめ」という愛称が定着しました。

「つるむらさき」と呼ばれる理由

つるむらさきは、その名の通り、つる性(蔓性)の植物で、茎や葉の付け根が紫色をしていることに由来します(品種によります)。

中国語でも「木耳菜(ムーアルツァイ)」などと呼ばれ、キクラゲのような食感(ぬめり)を持つ野菜として知られています。

体験談|「おかわかめ」と「つるむらさき」を食べ比べてみて

僕も、夏のネバネバ野菜として両方をよく食べ比べます。

初めておかわかめを食べた時のことは印象的でした。見た目は肉厚な葉っぱなのに、生のままサラダで食べると、シャキッとした歯ごたえの直後にワカメのようなぬめりが出てきて、その食感の面白さとクセのなさに驚きました。「これは何にでも合う!」と直感したのを覚えています。

一方、つるむらさきを初めて食べた時は、正直少し戸惑いました。おひたしで食べたのですが、口に入れた瞬間に広がる独特の土臭さが、当時の僕には少し強烈だったのです。

しかし、食べ方を変えてみると評価は一変しました。ごま油で豚肉と炒めた「つるむらさきのオイスターソース炒め」を作ったところ、あの独特だった香りが熱と油で旨味に変わり、ご飯が止まらなくなりました。

今では、「さっぱり食べたい時はおかわかめ(和え物)」「スタミナをつけたい時はつるむらさき(炒め物)」と、気分や料理によって明確に使い分けています。

おかわかめとつるむらさきの違いに関するFAQ(よくある質問)

おかわかめとつるむらさき、栄養価が高いのはどっちですか?

どちらも非常に栄養価が高い緑黄色野菜です。単純な比較は難しいですが、ビタミンA(βカロテン)、ビタミンC、カルシウム、鉄分といった主要なビタミン・ミネラルの含有量で言えば、つるむらさきの方が全体的に豊富です。一方、おかわかめはマグネシウムや亜鉛などを多く含むとされています。

ぬめりが強いのはどちらですか?

どちらもぬめりが出ますが、粘り気の強さで言えば「つるむらさき」の方が強い傾向があります。おかわかめはシャキシャキ感が残り、つるむらさきはモロヘイヤのように全体が粘るイメージです。

家庭菜園で育てやすいのはどちらですか?

どちらも夏に強く、初心者でも育てやすい野菜です。つるむらさきは種から育てる一年草ですが、おかわかめは「むかご(肉芽)」から簡単に増やすことができ、宿根草(多年草)として毎年収穫できる場合もあるため、一度植えれば長く楽しめるおかわかめの方が育てやすいかもしれません。

まとめ|おかわかめとつるむらさき どちらを選ぶべきか?

おかわかめとつるむらさきの違い、明確になりましたでしょうか。

どちらも夏バテ防止に役立つ、ぬめりを持った健康野菜ですが、その風味と使い道は全く異なります。

クセのない淡白な味とシャキシャキ食感を求めるなら「おかわかめ」を選びましょう。生食も可能なので、サラダや和え物に最適です。

栄養価を重視し、独特の風味を活かした料理がしたいなら「つるむらさき」がおすすめです。香りが強いので、炒め物や天ぷらなど、油を使った料理で真価を発揮します。

それぞれの個性を理解して、夏の食卓に取り入れてみてくださいね。他の野菜や果物の違いについても、「野菜・果物の違い」の記事で詳しく解説しています。

また、食材全般の違いについては、「食材・素材の違い」のまとめページもぜひご覧ください。