「ラカント」と「パルスイート」、どちらもカロリーゼロの甘味料として有名ですが、どちらを選べばいいか迷ったことはありませんか?
実はこの2つ、「原材料が天然由来か人工甘味料か」と「加熱調理時の甘さの変化」に決定的な違いがあるのです。
この記事を読めば、あなたの健康志向や料理の用途に合った最適な一本を迷わず選べるようになり、無理なく糖質コントロールを続けられるようになります。
それでは、まず最も重要な違いの結論から見ていきましょう。
結論:一覧表でわかる「ラカント」と「パルスイート」の最も重要な違い
最大の違いは原材料と甘さの強さです。「ラカント」は100%天然素材で砂糖と同じ甘さ(等倍)ですが、「パルスイート」は人工甘味料を含み、砂糖の3倍の甘さがあるため使用量が少なくて済みます。
まずは、結論からお伝えしますね。
この二つの甘味料の決定的な違いを、以下の表にまとめました。これさえ押さえれば、どちらが自分に合っているか一目瞭然です。
| 項目 | ラカントS | パルスイート カロリーゼロ |
|---|---|---|
| 原材料 | 100%天然由来(羅漢果+エリスリトール) | 人工甘味料を含む(アスパルテーム等) |
| 甘さの強さ | 砂糖と同じ(1倍) | 砂糖の約3倍 |
| 使用量 | 砂糖と同量でOK(換算不要) | 砂糖の1/3量(要換算) |
| 味の特徴 | コクがある、黒糖に近い風味 | スッキリした甘さ、後味に残らない |
| 加熱特性 | 加熱しても甘さそのまま | 卵料理・圧力鍋などで甘さが減る場合あり |
| 価格 | 高め | 安め(コスパ良) |
一番大切なポイントは、「自然な素材と味」を重視するならラカント、「コスパと使い勝手」を重視するならパルスイートという選び方が基本になることです。
原材料と成分の違い|天然由来か人工甘味料か
「ラカントS」はウリ科の植物「羅漢果(ラカンカ)」とトウモロコシ発酵由来の「エリスリトール」のみで作られた100%植物由来です。一方、「パルスイート」はエリスリトールを主成分としつつ、アスパルテームやアセスルファムKなどの人工甘味料を配合して甘みを強めています。
毎日口にするものだからこそ、何から作られているかは気になりますよね。
両者の成分的なアプローチは全く異なります。
ラカントS:安心の100%植物由来
サラヤの「ラカントS」は、中国の桂林でしか育たない希少な果実「羅漢果(ラカンカ)」の高純度エキスと、トウモロコシなどの発酵から得られる天然甘味成分「エリスリトール」の2つの天然素材のみで作られています。
化学的な合成甘味料や保存料、着色料を使用していないため、自然派志向の方や小さなお子様がいる家庭でも安心して使えます。
パルスイート:科学の力で低カロリーを実現
味の素の「パルスイート カロリーゼロ」も主成分はエリスリトールですが、そこに「アスパルテーム」や「アセスルファムK(カリウム)」といった高甘味度の甘味料を加えています。
これらは少量で強い甘みを出すことができるため、使用量を減らし、結果としてコスパを高めることに成功しています。
安全性については後ほど詳しく解説しますが、人工甘味料に抵抗があるかどうかが一つの選定基準になります。
味・甘さの質の違い|砂糖に近いのはどっち?
「ラカントS」は羅漢果由来のコクがあり、黒糖や三温糖に似た自然な風味が特徴です。「パルスイート」はキレのあるスッキリとした甘さで、雑味がなく無色透明です。料理にコクを出したいならラカント、色や雑味をつけたくないならパルスイートが適しています。
ダイエット甘味料というと「後味が変」「薬っぽい」というイメージがあるかもしれません。
しかし、この2つはかなり砂糖に近いレベルまで進化していますが、その「甘さの方向性」が違います。
ラカントS:コクのある和食向き
顆粒タイプのラカントS(茶色)は、羅漢果エキスによる独特の風味があります。
舐めてみると、少しカラメルのような、あるいは黒砂糖のような香ばしいコクを感じます。
このコクが、煮物や照り焼きなどの和食と非常に相性が良く、砂糖の代わりに入れても違和感がほとんどありません。
パルスイート:スッキリした万能型
パルスイートは、口に入れた瞬間にスッと広がるような、クリアな甘さが特徴です。
後に引かない甘さなので、コーヒーや紅茶の風味を邪魔しませんし、酢の物やドレッシングなど、さっぱりした料理にもよく合います。
また、液体タイプは無色透明なので、料理の色を鮮やかに仕上げたい場合にも重宝します。
加熱料理での使い分け|卵料理や圧力鍋には注意
「ラカントS」は加熱しても甘さが変わらないため、煮込みや焼き菓子に適していますが、冷えると結晶化しやすい欠点があります。「パルスイート(顆粒)」は、卵料理や圧力鍋料理で使うと甘みが減少することがあるため、使用量を増やすなどの調整が必要です。
料理に使う際、最も注意したいのが「熱」への反応です。
せっかく作った料理が「あれ?甘くない」とならないように、それぞれの特性を知っておきましょう。
ラカントSの強みと弱み
ラカントは熱に非常に強く、グツグツ煮込んでもオーブンで焼いても甘さが飛びません。
ただし、「冷めると結晶化する」という性質があります。
冷たいジャムやゼリー、冷製おかずなどに大量に使うと、砂糖が固まったようにジャリジャリとした食感が戻ってしまうことがあります。
冷たい料理には、結晶化しにくい「ラカントSシロップ」を使うのが正解です。
パルスイートの注意点
パルスイート(特に顆粒タイプのアスパルテームを含むもの)は、長時間の加熱や特定の条件下で甘みが分解されやすい性質があります。
公式サイトでも、「卵料理」や「圧力鍋を使用する料理」では甘さが減少することがあるため、砂糖の2/3量や同量を目安に増やすよう案内されています。
煮込み料理の仕上げに入れるなど、加熱時間を短くする工夫をすると良いでしょう。
健康面・カロリー・血糖値への影響
どちらもカロリーゼロ・糖類ゼロで、摂取しても血糖値にほとんど影響を与えません。主成分のエリスリトールは体内で代謝されずに排出されるため、糖尿病の方や糖質制限中の方でも安心して使用できます。
健康診断の結果が気になって、これらの商品を手に取る方も多いはずです。
結論から言うと、どちらを選んでも血糖値対策やダイエット効果に大きな差はありません。
なぜ甘いのに太らない?
両者の主成分である「エリスリトール」は、糖アルコールの一種です。
これは小腸で吸収されますが、体内でエネルギーとして使われることなく、そのまま尿として排出されます。
脳は「甘い」と感じますが、体は「栄養(カロリー)」として認識しないため、血糖値を上げず、脂肪にもならないのです。
価格・コスパの違い|継続するならどっち?
コストパフォーマンスは圧倒的に「パルスイート」が優秀です。実売価格が安い上に、砂糖の1/3の量で済むため、実質的なコストはラカントの半分以下になることもあります。「ラカントS」は天然素材を使用している分、どうしても高価になります。
毎日使う調味料ですから、お財布への優しさも重要ですよね。
スーパーでの実売価格(目安)を比較してみましょう。
- ラカントS(顆粒 130g):約600円〜700円
- パルスイート カロリーゼロ(顆粒 140g):約400円〜500円
一見すると数百円の差ですが、パルスイートは「使用量が1/3」で済みます。
つまり、同じ甘さを出すために必要なコストで考えると、パルスイートの方が圧倒的に経済的です。
「まずは安くカロリーオフを始めたい」という方にはパルスイート、「多少高くても自然なものを」という方にはラカントが選ばれています。
僕が「ラカント」で煮物を作って失敗した体験談
実は僕も、最初は「どっちも一緒だろう」と思って、安い方のパルスイートを使っていました。
ある日、奮発して「ラカントS」を買ってみたんです。パッケージに「プロも愛用」なんて書いてあると、料理上手になれそうな気がしますよね。
さっそく、いつもの肉じゃがをラカントで作ってみました。
「砂糖と同じ分量でいい」と書いてあったので、レシピ通り大さじ3杯を投入。
出来上がった肉じゃがを食べて驚きました。
「あれ?なんか、お店みたいなコクがある……?」
パルスイートで作ったときは、甘さはあるものの、どこかあっさりしすぎていて「ダイエット食」という感じが拭えませんでした。でも、ラカントで作った煮物は、砂糖を使ったときのような、あるいはそれ以上の深みがあったんです。
ただ、失敗もありました。
その肉じゃがを冷蔵庫で冷やして翌日食べようとしたら、表面に白いジャリジャリしたものが浮いていたんです。「カビか!?」と焦りましたが、これがラカントの「冷えると結晶化する」という現象でした。
温め直したらスッと溶けて元通り美味しくなりましたが、このクセを知っておくことは大事だなと痛感しました。
それ以来、温かい煮込み料理には「ラカント」、冷たいアイスコーヒーや酢の物には「パルスイート(液体)」と、明確に使い分けるようになりました。
「ラカント」と「パルスイート」に関するよくある質問
Q. ラカントとパルスイート、安全性に問題はないのですか?
A. どちらも国の基準を満たした食品添加物や食品原料を使用しており、通常の摂取量であれば安全性に問題はありません。ラカントは植物由来100%ですが、パルスイートのアスパルテームなども世界100カ国以上で認可されています。ただし、どちらも一度に大量に摂ると、体質によってはお腹が緩くなることがあります。
Q. 妊婦や子供でも食べられますか?
A. はい、どちらも妊娠中の方やお子様でも摂取可能です。カロリーを抑えたい妊婦さんの体重管理などにも役立ちます。ただし、どんな食品も摂りすぎは禁物ですので、バランスの良い食事を心がけてください。
Q. 砂糖の代わりに使う時の分量は?
A. 「ラカントS」は砂糖と【同量(1:1)】で置き換えられます。「パルスイート(顆粒)」は砂糖の【1/3量】(重さで1/4)が目安です。パルスイートの方が少量で済むので、入れすぎには注意しましょう。
「ラカント」と「パルスイート」の違いまとめ
ここまで「ラカント」と「パルスイート」の違いについて解説してきました。
最後に、選び方のポイントをまとめておきます。
- 「ラカントS」を選ぶべき人:100%天然素材にこだわる人、煮物など加熱料理を美味しく作りたい人、砂糖と同じ分量で計量したい人。
- 「パルスイート」を選ぶべき人:コストを抑えたい人、冷たい飲み物や料理に使いたい人、スッキリした甘さが好きな人。
あなたのライフスタイルや価値観に合わせて、最適な甘味料を選んでみてくださいね。
もし、他の調味料の使い分けについても気になったら、調味料の違いまとめ記事もぜひチェックしてみてください。