サンつがるとサンふじの違いとは?甘さ・食感・旬の時期を徹底比較

「サンつがる」と「サンふじ」、どちらも名前に「サン」がつく日本の人気りんごですが、その味わいや旬は全く異なります。

結論|サンつがるとサンふじの違いが一目でわかる比較表

最大の違いは、サンつがるが「早生種(わせしゅ)で酸味が少なく、強い甘みとジューシーさ」が特徴なのに対し、サンふじは「晩生種(おくてしゅ)で甘みと酸味のバランスが良く、蜜が入りやすい」点です。

まずは、この二つの特徴の違いを一覧表で比較してみましょう。

項目サンつがる(早生種)サンふじ(晩生種)
「サン」の意味無袋(むたい)栽培(太陽を浴びて育った)無袋(むたい)栽培(太陽を浴びて育った)
親の品種「ゴールデンデリシャス」×「紅玉」「国光」×「デリシャス」
旬の時期早い(8月下旬~10月頃)遅い(11月上旬~)
味・香り甘みが強い(酸味は少ない)甘みと酸味のバランスが良い
果肉・食感果汁が非常に多い(ジューシー)、やや柔らかめシャキシャキとした歯ごたえ
蜜の入りやすさほとんど入らない入りやすい
保存性(日持ち)短い(冷蔵で1~2週間程度)非常に長い(冷蔵で数ヶ月)
おすすめの食べ方生食(早めに食べる)生食、加熱調理(お菓子作り)

同じ「サン」りんごでも、旬の時期が「初秋」と「晩秋~冬」で全く異なり、味わいも対照的であることがわかりますね。

それでは、さらに詳しくそれぞれの違いを掘り下げていきましょう。

「サンつがる」と「サンふじ」とは?「サン」の意味

【要点】

サンつがるとサンふじは、どちらも日本で生まれたりんごの品種です。「サンつがる」は「つがる」を、「サンふじ」は「ふじ」を、「無袋(むたい)栽培」という方法で育てたものを指します。「サン」は太陽(Sun)を意味し、太陽の光をたっぷり浴びて育った証です。

まず、「サン」が何を意味するのか、そしてそれぞれの品種のルーツについて解説します。

サンつがる:早生種の代表格

「サンつがる」は、「つがる」という品種を無袋栽培したものです。

「つがる」は青森県りんご試験場(当時)で生まれ、1975年(昭和50年)に品種登録されました。親は「ゴールデンデリシャス」と「紅玉」です。

8月下旬頃から収穫が始まる「早生種(わせしゅ)」の代表格で、りんごシーズンの幕開けを告げる品種として人気があります。

サンふじ:りんごの王様「ふじ」の無袋栽培

「サンふじ」は、「ふじ」という品種を無袋栽培したものです。

「ふじ」は農林省園芸試験場東北支場(当時)で生まれ、1962年(昭和37年)に品種登録されました。親は「国光(こっこう)」と「デリシャス」です。

日本で最も多く生産されているりんごの王様であり、11月頃から収穫される「晩生種(おくてしゅ)」の代表です。その人気の高さから、海外でも多く栽培されています。

「サン」とは?無袋栽培の証

では、名前の頭につく「サン」とは何でしょうか?

これは、栽培方法の違いを示しています。「サン」は太陽の「Sun」から来ており、りんごに袋をかけずに、太陽の光をたっぷり浴びせて育てた「無袋(むたい)栽培」のりんごであることを意味します。

一方、袋をかけて育てることを「有袋(ゆうたい)栽培」と呼びます。例えば袋をかけて育てた「ふじ」は、単に「ふじ」として、「サンふじ」とは区別されて販売されるのが一般的です。

有袋栽培は、病害虫から守り、皮をキレイに仕上げる目的(主に贈答用)で行われますが、無袋栽培の「サン」りんごは、太陽の光を浴びることで糖度が高くなり、蜜も入りやすくなる傾向があると言われています。

味・香り・食感・蜜入りの違い

【要点】

味わいは対照的です。サンつがるは酸味がほとんどなく、強い甘みと溢れる果汁が特徴です。一方、サンふじは甘みと酸味のバランスが絶妙で、シャキシャキした食感と「蜜」の入りやすさが最大の特徴です。

「サン」がつく点は共通でも、品種が「つがる」と「ふじ」で異なるため、味わいや食感は全く違います。

サンつがる:甘みが強くジューシー

サンつがるは、親である「ゴールデンデリシャス」の甘みと、「紅玉」の香りの良さを受け継いでいます。

酸味は非常に少なく、糖度が13~15度ほどと高いため、とにかく甘みが際立ちます。また、果肉はやや柔らかめで、果汁が非常に多い「ジューシー」な食感が特徴です。

旬の時期が早いりんごの中では、群を抜いて甘みが強い品種と言えるでしょう。ただし、蜜はほとんど入りません。

サンふじ:甘みと酸味のバランス、豊富な蜜

サンふじは、まさに「りんごの王様」と呼ぶにふさわしい味わいです。

糖度は14~16度と非常に高く、それに加えて程よい酸味(0.4%程度)が調和しています。甘みと酸味のバランスが絶妙で、非常に濃厚な味わいを楽しめます。

食感は硬めで、噛むと「シャキシャキ」とした小気味よい歯ごたえがあります。そして最大の特徴は、「蜜」が入りやすいことです。

この蜜は「ソルビトール」という糖アルコールの一種で、完熟の証とされています。太陽の光をたっぷり浴びた「サンふじ」だからこその特徴ですね。

栄養・成分・健康面の違い

【要点】

どちらのりんごも、ビタミンC、カリウム、食物繊維(ペクチン)、りんごポリフェノールなど、健康維持に役立つ栄養素を豊富に含みます。栄養価に大きな差はなく、どちらも健康的な果物です。

サンつがるとサンふじは、どちらも栄養価の高いりんごです。含まれる主な栄養素に大きな違いはありません。

  • 食物繊維(ペクチン):水溶性の食物繊維で、腸内環境を整えるのを助けます。
  • カリウム:体内の余分な塩分を排出するのをサポートします。
  • ビタミンC:抗酸化作用を持つビタミンの一つです。
  • りんごポリフェノール(アントシアニンなど):りんごの皮に特に多く含まれる抗酸化物質です。

「サン」りんごは、太陽の光を浴びて育つため、ポリフェノールがより豊富に含まれる傾向があるとも言われています。

これらの栄養素を効率的に摂取するには、皮ごと食べるのが最もおすすめです。日本のりんごは皮が薄く、美味しく食べられるように栽培されています。

使い方・料理での扱い方(食べ方)

【要点】

サンつがるは果汁が多く、やや柔らかめで日持ちしないため、旬の時期に「生食」で味わうのが最適です。サンふじは食感が良く、甘みと酸味のバランスが取れているため、「生食」はもちろん、煮崩れしにくいのでアップルパイやコンポートなどの「加熱調理」にも万能です。

味わいと食感、保存性の違いが、そのままおすすめの食べ方の違いにつながります。

サンつがる:早めに食べる生食が一番

サンつがるは、そのジューシーさと強い甘みをダイレクトに楽しむ「生食」が一番です。

収穫時期が早く、りんごシーズンの到来を感じさせてくれるフレッシュな味わいを楽しみましょう。

ただし、サンつがるは日持ちがあまり良くありません。食感も比較的柔らかいため、加熱調理にはあまり向いていません。購入したら、なるべく早めに(冷蔵保存で1~2週間以内目安)食べきるのがおすすめです。

サンふじ:生食も加熱調理もOK

サンふじは、非常に万能なりんごです。

蜜入りの甘酸っぱさとシャキシャキの食感は、「生食」で最高の美味しさを発揮します。

それに加え、果肉がしっかりしていて加熱しても煮崩れしにくいという優れた特性を持っています。そのため、アップルパイ、タルトタタン、焼きりんご、コンポート(砂糖煮)など、お菓子作りの材料としても最適です。生食でも加熱しても美味しいのが、サンふじが王様と呼ばれる理由の一つですね。

旬・産地・保存・価格の違い

【要点】

最大の違いは「旬」です。サンつがるは8月下旬からの「早生種」、サンふじは11月上旬からの「晩生種」と、収穫時期が全く異なります。サンふじは保存性が非常に高いため、春先まで市場に出回ります。

この二つのりんごは、味わうことができる季節が全く異なります。

旬の時期:サンつがる(早生) vs サンふじ(晩生)

サンつがるは、夏の終わりから秋の初めにかけて旬を迎える「早生種」です。

  • 旬の時期:8月下旬 ~ 10月頃

サンふじは、秋が深まり、冬の寒さを迎える頃に旬を迎える「晩生種」です。

  • 旬の時期:11月上旬 ~ (貯蔵品が翌春まで)

つまり、「サンつがるの旬が終わる頃に、サンふじの旬が始まる」という関係性ですね。

主な産地と価格帯

どちらも日本を代表する品種であり、主な産地は青森県、長野県の二大産地です。その他、岩手県、山形県など全国のりんご産地で広く栽培されています。

価格は、どちらもその年の作柄や品質(等級、大きさ)によって変動します。旬の走り(出始め)は高価ですが、最盛期には比較的手頃な価格で手に入ります。サンふじは贈答用の高級品から家庭用まで幅広く、価格帯も多様です。

保存性の違い

ここも大きな違いです。

サンつがるは、早生種のため日持ちしません。家庭ではポリ袋などに入れ、冷蔵庫の野菜室で保存し、1~2週間を目安に早めに食べきる必要があります。

サンふじは、晩生種で非常に保存性が高いのが特徴です。低温で保存すれば、家庭の冷蔵庫でも数ヶ月間シャキシャキ感を保つことができます。これにより、冬から春先まで長期間りんごを楽しめるのです。

体験談|初秋の「サンつがる」と冬の「サンふじ」

僕はりんごが大好きで、毎年秋になるとワクワクします。

夏の暑さがまだ残る9月上旬、スーパーの店頭に「サンつがる」が並び始めると、「ついによく冷えたりんごが食べられる!」と嬉しくなります。サンつがるを買ってきてすぐに丸かじりすると、シャクッとした食感の直後に、口の中に甘い果汁がジュワーッと広がるんです。酸味がほとんどないので、夏の疲れが癒やされるような、優しい甘さに満たされます。

そして、季節が移り変わり、木枯らしが吹く11月下旬。今度は待ってましたとばかりに「サンふじ」を買います。

サンふじを半分に切ると、期待通り、中心部に透き通った「蜜」が入っています。サンつがるとは明らかに違う、硬く引き締まった果肉。一口食べると、「シャキーン!」という音が響き、甘みと酸味が一体となった濃厚な果汁が口に広がります。

サンつがるが「早く会いたかった!甘いよ!」と全力でアピールしてくる初恋の味なら、サンふじは「待たせたね。この濃厚なバランスをじっくり味わいなさい」と語りかけてくる大人の味。

同じ「サン」りんごでも、季節の訪れを告げる役割と、冬の食卓を豊かにする役割が全く違う。この個性の違いこそが、日本のりんご文化の奥深さだと感じますね。

サンつがるとサンふじに関するよくある質問

ここでは、サンつがるとサンふじの違いに関してよく寄せられる質問にお答えしますね。

Q. 「サン」がつかない「つがる」や「ふじ」との違いは?

A. 「サン」がつかないものは、有袋(ゆうたい)栽培、つまり袋をかけて育てたりんごです。袋をかけることで、皮の色が均一で美しくなり、貯蔵性も増すと言われています。一方、「サン」りんご(無袋栽培)は、太陽を浴びることで糖度が高くなり、蜜も入りやすくなる傾向があります。味の面では「サン」りんごを好む人が多いですね。

Q. サンつがるとサンふじ、結局どっちが甘いですか?

A. 「甘さの種類」が違います。サンつがるは酸味がほぼ無いため、糖度以上に「甘さ」を強く感じます。お子様や酸っぱいのが苦手な方にはサンつがるがおすすめです。サンふじは糖度自体は非常に高いですが、酸味もしっかりあるため、「甘酸っぱい濃厚な味わい」と感じます。

Q. サンふじは必ず蜜が入っていますか?

A. いいえ、必ず入っているわけではありません。蜜は完熟の証ですが、その年の天候(特に収穫前の寒暖差)や栽培方法によって入り方は大きく異なります。また、蜜は収穫後、保存している間に果肉に吸収されて見えなくなることもあります。蜜がなくても、サンふじの美味しさや糖度は変わりません。

まとめ|どちらを選ぶべきか?

サンつがるとサンふじの違い、明確になりましたでしょうか。

どちらも「サン(無袋栽培)」のりんごですが、品種の特性が全く異なるため、味わうべき季節も個性も違います。

  • サンつがる「初秋(8月下旬~)」に、いち早くジューシーで強い甘みを楽しみたい時におすすめ。日持ちしないので、生食で早めに食べましょう。
  • サンふじ「晩秋~冬(11月~)」に、甘みと酸味のバランス、シャキシャキ食感、そして「蜜」の入った濃厚な味わいを楽しみたい時におすすめ。保存性が高く、生食にも加熱調理にも万能です。

まずはシーズンの始まりを「サンつがる」で楽しみ、冬が近づいたら「サンふじ」でりんごの王道の美味しさを満喫するのが、賢い楽しみ方ですね。

りんごの品種に関する詳しい情報は、農林水産省の果樹のページでもご覧いただけます。

こうした野菜・果物の違いを知ることで、りんご選びがもっと楽しくなるはずです。