トンプソンとシャインマスカットの違いとは?味・甘さ・価格を徹底比較

どちらも皮ごと食べられて、種もなく、とっても手軽なぶどうですよね。

「シャインマスカット」は日本生まれで皮ごと食べられる大粒・高糖度の高級品種、「トンプソン」はアメリカ原産でさっぱりした甘みの小~中粒品種です。

シャインマスカットは強いマスカット香とパリッとした食感が特徴ですが、トンプソンは「トンプソン・シードレス」とも呼ばれ、さっぱりした味わいが特徴です。

この記事を読めば、二つのぶどうの明確な違いから、産地、価格、美味しい食べ方まで、もう迷うことはありません。

それでは、まず両者の根本的な違いから詳しく見ていきましょう。

結論|トンプソンとシャインマスカットの違いとは?

【要点】

最大の違いは、シャインマスカットが日本で開発された「大粒・高糖度・強いマスカット香」を持つブランド品種であるのに対し、トンプソン(トンプソン・シードレス)はアメリカ原産で「小~中粒・さっぱりした甘み」が特徴の品種である点です。どちらも皮ごと食べられる種なしぶどうですが、価格や食感も異なります。

日本で絶大な人気を誇るシャインマスカットと、アメリカ・カリフォルニア産ぶどうの代表格であるトンプソン。どちらも同じ「皮ごと食べられる緑系の種なしぶどう」ですが、その個性は全く異なります。

この二つの主な違いを一覧表にまとめました。

項目シャインマスカットトンプソン(トンプソン・シードレス)
分類欧州ぶどうと米国ぶどうの交配種欧州ぶどう(ヴィニフェラ種)
主な産地日本(山梨、長野、岡山など)アメリカ(カリフォルニア)、チリなど
粒の大きさ大粒(10~15g程度)小~中粒(3~5g程度)
短楕円形~円形楕円形(細長い)
皮の食感薄く、パリッとしている皮ごと食べられるが、やや歯に残ることも
非常に甘い(糖度18~20度)、酸味控えめさっぱりした甘み、適度な酸味
香り強いマスカット香(芳香)香りは穏やか
価格帯高価(贈答用クラス)比較的安価(日常消費用)

「トンプソン」と「シャインマスカット」の定義と分類上の違い

【要点】

「トンプソン」は19世紀にアメリカで育成された欧州ぶどう(ヴィニフェラ種)の「トンプソン・シードレス」という品種を指します。一方、「シャインマスカット」は2006年に日本で品種登録された新品種で、欧州ぶどうと米国ぶどうを掛け合わせて誕生しました。

この二つ、ルーツを辿ると全く異なる背景を持っています。

トンプソン(トンプソン・シードレス)とは?

一般的に「トンプソン」と呼ばれるぶどうは、正式には「トンプソン・シードレス」という品種です。

19世紀後半にアメリカ・カリフォルニアで育成されたとされ、欧州ぶどう(ヴィニフェラ種)に属します。名前の通り「シードレス(種なし)」が特徴です。

アメリカやチリなどから輸入される「グリーンシードレス」と呼ばれるぶどうの多くがこの品種、またはその近縁種です。実は、カリフォルニアレーズン(干しぶどう)の原料として最も多く使われているのが、このトンプソン・シードレスなんですよ。

シャインマスカットとは?

「シャインマスカット」は、日本の農研機構 果樹研究所(広島県東広島市安芸津町)で育成され、2006年(平成18年)に品種登録された日本生まれのぶどうです。

「安芸津21号」(スチューベン×マスカット・オブ・アレキサンドリア)と「白南」(カッタ・クルガン×甲斐路)という品種を掛け合わせて誕生しました。

欧州ぶどう(マスカット・オブ・アレキサンドリアなど)が持つ「高い糖度と香り」と、米国ぶどう(スチューベンなど)が持つ「病気に強くて育てやすい」という利点を併せ持つ、まさに夢のような品種として開発されました。

最大の違いは「ルーツ」と「品種特性」

つまり、トンプソンはアメリカで古くから親しまれてきた欧州系の品種であり、シャインマスカットは日本の技術で、良いとこ取りを目指して作られた比較的新しい品種である、というのが最大の違いです。

見た目・味・香り・食感の違い

【要点】

シャインマスカットは「大粒・円形」で、皮が薄く「パリッ」とした食感、そして「強いマスカット香」と「濃厚な甘み」が特徴です。トンプソンは「小~中粒・楕円形」で、皮は食べられますがシャインマスカットほどの薄さはなく、香りは穏やかで「さっぱりした甘みと酸味」が特徴です。

消費者として一番気になるのが、この味や食感の違いですよね。

見た目:大粒の円形 vs 小~中粒の楕円形

スーパーで見比べると、大きさの違いは明らかです。

  • シャインマスカット:粒が大きく、10gを超える大粒になることも珍しくありません。形は丸みのある短楕円形で、色は鮮やかな黄緑色(熟すと黄色みが増します)。
  • トンプソン:粒は小さめで、3~5g程度が中心です。形は楕円形(細長い)で、色はエメラルドグリーンに近い緑色をしています。

房全体を見ても、シャインマスカットの方が一粒一粒にボリューム感があります。

味と香り:芳醇なマスカット香 vs さっぱりした甘み

ここが両者の個性が最も表れる部分です。

シャインマスカットの最大の特徴は、その「マスカット香」と呼ばれる芳醇な香りです。これは親品種である「マスカット・オブ・アレキサンドリア」から受け継いだもので、口に入れた瞬間に華やかな香りが鼻に抜けます。

味も糖度が18度以上になるものが多く、非常に甘みが強く、酸味は控えめです。

一方、トンプソンは香りが穏やかで、強いマスカット香はありません。味はさっぱりとした甘みと、適度な酸味がバランス良くまとまっています。シャインマスカットのような衝撃的な甘さはありませんが、その分、飽きが来ず、たくさん食べられる味わいと言えます。

食感(皮と種):皮ごとOKでも食感に差

どちらも「シードレス(種なし)」で「皮ごと食べられる」のが共通のメリットです。(※まれに種が残っている場合もあります)。

ただし、皮の食感には違いがあります。

シャインマスカットは皮が非常に薄く、噛んだ時に「パリッ」と弾けるような独特の食感があり、皮の渋みもほとんど感じません。皮ごと食べることを前提に開発されています。

トンプソンも皮ごと食べられますが、シャインマスカットと比べると皮がやや厚く、人によっては少し歯に残る(口当たりが気になる)と感じる場合があります。

栄養成分と期待できる効果の違い

【要点】

どちらもぶどうであり、栄養成分に大きな差はありません。主成分はブドウ糖や果糖で、疲労回復に役立ちます。皮ごと食べるため、皮に含まれるポリフェノール(レスベラトロールなど)を効率よく摂取できるのが大きなメリットです。

トンプソンもシャインマスカットも、基本的な栄養成分は「ぶどう」として共通しています。

日本食品標準成分表(八訂)によると、ぶどう(皮ごと・生・100gあたり)には以下の栄養素が含まれます。

  • ブドウ糖・果糖:主成分であり、摂取後すぐにエネルギーに変わるため、疲労回復に即効性があると言われています。
  • ポリフェノール:特に皮や種に多く含まれる抗酸化物質です。トンプソンやシャインマスカットのように皮ごと食べる品種は、ポリフェノールを無駄なく摂取できます。代表的なものに「レスベラトロール」があり、健康維持に役立つと注目されています。
  • カリウム:体内の余分なナトリウムを排出するのを助け、むくみや高血圧の予防に役立ちます。

皮ごと食べられる品種を選ぶ最大のメリットは、この皮に含まれる豊富なポリフェノールを摂取できる点にあると言えるでしょう。

食べ方・使い方の違い

【要点】

シャインマスカットはその香り、甘み、食感を最大限に活かすため、そのまま食べるのが一番です。贈答用やデザートの主役(タルト、パフェ)に向いています。トンプソンはさっぱりした甘みで日常的に食べやすく、サラダのトッピングや、レーズンの原料としても最適です。

それぞれの個性を活かした食べ方がおすすめです。

シャインマスカット:主役としての存在感

一粒一粒が高価で、香り高く、甘みが強いため、素材の味をそのまま楽しむ食べ方が最も向いています。

  • そのまま冷やして食べる(最高の贅沢です)
  • タルト、パフェ、大福などの主役として
  • チーズと合わせてオードブルに
  • 贈答用(見た目も豪華で非常に喜ばれます)

トンプソン:日常使いと加工品

価格が比較的安価で、さっぱりとした味わいなので、日常的にパクパクと食べるのに向いています。

  • そのままおやつやデザートとして
  • サラダのトッピング(彩りと酸味を加えます)
  • ヨーグルトに入れる
  • 冷凍してシャーベット感覚で
  • 干しぶどう(レーズン)の原料として

特にレーズンの原料として世界で最も多く使われていることからも、その汎用性の高さがわかりますね。

旬の時期・主な産地・価格の違い

【要点】

シャインマスカットは国産(山梨・長野など)で、旬は8月~10月頃。贈答用にもなるため非常に高価です。トンプソンは輸入品(アメリカ・チリなど)が中心で、ほぼ通年スーパーに並びますが、価格は比較的安価で日常消費に向いています。

旬と主な産地:国産のシャインと輸入品のトンプソン

シャインマスカットは国産がほぼ100%です。主な産地は山梨県、長野県、岡山県、山形県などで、旬は8月下旬から10月頃がピークです(ハウス栽培のものは5月頃から出回ります)。

トンプソン・シードレスは輸入品がほとんどです。アメリカ(カリフォルニア産)が8月~11月頃、チリ産が3月~5月頃と、産地を変えてほぼ一年中流通しています。

価格の違い:高級果実とテーブルフルーツ

価格には大きな差があります。

シャインマスカットは、栽培に手間がかかることや、その人気の高さから、高級果実として扱われます。一房数千円、贈答用では1万円を超えるものも珍しくありません。

トンプソン・シードレス(グリーンシードレス)は、大規模農園で効率的に生産され、大量に輸入されるため、比較的安価です。日常的に楽しむテーブルフルーツとして定着しています。

起源と歴史的背景

【要点】

トンプソン・シードレスは1870年代にアメリカ・カリフォルニアで育成された歴史ある品種です。一方、シャインマスカットは日本の農研機構が長年の研究の末、2006年に品種登録した、比較的新しい「日本生まれ」の品種です。

トンプソン・シードレスの歴史は古く、1870年代にカリフォルニアのウィリアム・トンプソン氏が栽培を始めたことからその名がついたとされています。ヨーロッパ系の品種ですが、アメリカの気候に適応し、一大産業を築き上げました。

一方、シャインマスカットの歴史は、日本のぶどう育種の集大成と言えます。

日本では高品質な欧州ぶどう(マスカット・オブ・アレキサンドリアなど)が栽培されていましたが、これらは病気に弱く、皮が硬いため皮をむいて食べる必要がありました。

そこで農研機構が「大粒で」「種なしで」「皮ごと食べられて」「病気に強く」「マスカットの香りがある」という、すべての長所を兼ね備えた品種を目指して開発を開始。1988年に交配が行われ、選抜を重ねた末、2006年にようやく「シャインマスカット」として登録されました。

その背景には、日本の研究者たちの長年にわたる情熱と技術が詰まっているんですね。

体験談|シャインマスカットの衝撃とトンプソンの親しみやすさ

僕がシャインマスカットを初めて意識して食べたのは、登場してから数年経ち、ようやくスーパーでも見かけるようになった頃でした。

それでも一房2,000円以上する価格に驚き、「ぶどうにこの値段は…」と躊躇していました。しかし、意を決して購入し、一粒口に入れて、その衝撃は今でも忘れられません。

「パリッ!」という、今までのぶどうにはなかった皮の食感。

その直後、口の中に広がる砂糖水のような直接的な甘みと、鼻に抜ける芳醇なマスカットの香り。渋みや酸味は皆無。「これは果物というより、完成されたスイーツだ」と感じました。

一方、トンプソン・シードレス(スーパーでの表示名は「グリーンシードレス」でした)は、子供の頃から慣れ親しんだ味です。シャインマスカットのような衝撃的な感動はありませんが、さっぱりした甘みと程よい酸味のバランスが良く、食べ飽きないんですよね。何より価格が手頃なので、気にせずパクパクと食べられる安心感があります。

僕の中では、シャインマスカットは「特別な日に食べるご馳走スイーツ」、トンプソンは「日常のおやつや朝食の相棒」として、明確にすみ分けられています。

トンプソンとシャインマスカットの違いに関するよくある質問(FAQ)

トンプソンとシャインマスカットの違いについて、よくある質問をまとめました。

Q1. どちらも皮ごと食べられますか?

A. はい、どちらも皮ごと食べられるのが特徴です。ただし、シャインマスカットの方が皮が薄く「パリッ」とした食感で、皮ごと食べることを前提に開発されています。トンプソンは品種や鮮度によって、やや皮が口に残ると感じる場合もあります。

Q2. トンプソン・シードレスはレーズンのことですか?

A. いいえ、トンプソン・シードレスは生のぶどうの品種名です。ただし、カリフォルニアレーズン(干しぶどう)の主な原料として使われているのが、このトンプソン・シードレス品種です。

Q3. 甘いのはどちらですか?

A. 一般的に、シャインマスカットの方が圧倒的に甘みが強いです。糖度が20度近くになることもあり、酸味は控えめです。トンプソンは、酸味と甘みのバランスが取れた、さっぱりとした味わいが特徴です。

まとめ|トンプソンとシャインマスカット、目的別のおすすめは?

「トンプソン(トンプソン・シードレス)」と「シャインマスカット」、同じ緑系の皮ごと食べられる種なしぶどうでも、個性は全く異なりましたね。

最後に、目的別の選び方をまとめます。

  • 贈答用や、特別なデザートとして、芳醇な香りと濃厚な甘みを楽しみたい時シャインマスカット
  • 日常のおやつやサラダとして、さっぱりした甘みと酸味を手頃な価格で楽しみたい時トンプソン

シャインマスカットは日本が誇る「スイーツのようなぶどう」、トンプソンは世界中で愛される「定番のテーブルフルーツ」と言えるでしょう。

ぜひ、シーンに合わせて選んでみてください。

当サイト「違いラボ」では、トンプソンやシャインマスカット以外にも、様々な「野菜・果物の違い」について詳しく解説しています。ぜひ他の記事も参考にしてみてください。

(参考:農林水産省農研機構日本食品標準成分表(文部科学省)